B_Otaku のクルマ日記

放射能関連データ一覧 (http://atmc.jpへリンク)
 



2012年12月16〜31日

2012/12/31(Mon) 2012年総集編<2>

前回に引き続き2012年下期の総集編をお送りする。

7月:6月中は大盛況で試乗車が開かないという状況だった320iも、多少は落ち着いてきたことから、遅ればせながら試乗が出来た。4気筒2Lとはいえターボにより過給されているから、先代E90時代よりも当然ながらパワフルであり、その意味では正常進化というとろこだった。まあ、BMWが3シリーズで失敗したら会社の存続に関わるから、充分な内容で当然ではあるが。

8月:2009年10月にFMCされたVWポロにはクルマ好きなら誰でも興味を持ちそうなGTIがラインナップに加わっていたが、試乗車どころか展示車すら無く、こんな殿様商売でも予約が一杯で納期は半年とか一年とか言われていた。そのポロGTIも2年半程経ってようやく在庫車も出てきたのか、偶然試乗車を発見したために2年待ちの試乗記となった。しかし試乗してみた結果は、巷で囁かれていたあまり良くない噂は強ち間違いではない、という結論だった。あと、数十万円の追加は必要だが、やはりGTIはゴルフを選ぶのが正解だが、ポロのサイズには魅力がある。

9月:既に発売後1年が経過したBMW M5の試乗車があったために、これも遅ればせながら試乗してみた。今回の新型は先代E60のようなF1の血を引く超高性能エンジンを載せたセダンという類まれなキャラクラーから、実用モデルの550iのエンジンをチューンナップしたのもに変更されてしまった。そして結果は想像通りに先代とは全くキャラクターの異る車であり、エンジンのコンセプトが殆ど同じアルピナB5との住み分けに興味が持たれたが、そこは上手く両車の特徴をそれぞれ生かしていた。

   

10月:VWのブランニューモデルであるup!がいよいよ日本でも発売され、これは早速試乗してみた。ルポの失敗から暫く遠ざかっていたVWのAセグメント車は、流石にVWという内容だった。まあ、国産車の場合はAセグメントといえばパッソくらいしかないので、これでは相手にならない訳だが。このクルマは価格的に国産コンパクト車の上級モデルとバッティングするということで、来年は国産同価格車と比較をしてみようと思っている。
そして10月はもうひとつ、BMWのディーゼルモデルが初の日本国内発売されて、更には新型F30にワゴンモデルのツーリング(F31)も追加されたことで、これも試乗車が配備されて直ぐに試乗してみた。

   

11月:レクサスの、いや国産車のフラッグシップモデルであるレクサスLSがビッグマイナーチェンジにより大幅に改良された。このクルマの重要性を考え、早速試乗してみたところ、やはり他の国産車とは次元が違う出来だった。まあ、価格も国産車としては次元が違うが……。

12月:BMWの320dツーリングがディーゼルエンジン搭載のDセグメントワゴンという、ある面では理想のファミリーカーになりそうなスペックだったが、一足遅れでマツダアテンザがFMCされ、これが出来の良いディーゼルエンジンとワゴンの設定があることから、320dツーリングとの比較に大いなる興味があり早速試乗してみた。結果は驚くことにディーゼルエンジンだけを比べればマツダがBMWに勝るという驚くべき状況 だった。この2車については、来年初めに特別編で比較しようと思っている。

   

こうして2012年を振り返ってみれば、実にネタに不自由しない1年だった。それとともに、レクサスLSやマツダアテンザなど、欧州の一流どころと比べても結構良いところまで行っているというのも、日本人としては嬉しい限りだった。これで、来年は希望が……と、言いたいところだが、未だに収束の目処どころか、単なる幸運でなんとか維持している福一原発の事故現場を考えれば、日本の将来、いや地球の将来の危機と言っても過言ではないのだが、それでも懲りずに続けようとしている一派が居るのは信じられないことだ。いつから日本はこんな国になってしまったのだろうか。

と、愚痴ってみても始まらないので、精一杯頑張って情報をお届けするつもりなので、来年も宜しくお願いいたします。

それではみなさん、良いお年を!





2012/12/30(Sun) 2012年総集編<1>

2012年も残り2日となったこともあり、今年の試乗記で扱ったクルマを中心に振り返ってみる。

1月:ビッグマイナーで大きく評価の上がったメルセデス・ベンツCクラスが、半年でまたマイナーチェンジしたこともあり、メルセデス版3シリーズMスポーツともいえるC200AMGパッケージに試乗した。この時点ではモデル末期の3シリーズに対して明らかなアドバンテージがあった。

2月:上記のようにCクラスの出来の良さに危機感を抱いたBMWは、急遽新型3シリーズのスケジュールを前倒ししてきたが、2月にはハイパワー版の328iが先行で発売された。320iと同じ4気筒2Lながら圧縮比を微妙に変えることと、加給圧を上げることで3L並の性能を発揮するモデルだが、価格も3L並で、まあ良くて当たり前ともいえた。中にはこれをC200と比較して3シリーズが圧倒的に勝っている、なんて書いてあるサイトもあったが、これは比べる相手が間違っている。C200ならば320iがライバルとなるのは言うまでもない。

   

3月:320iは未だ発売されていなかったが、同じエンジンを積んでいるBMW Z4 sDrive 2.0iエンジンが発売されたことから早速試乗してみると、十分なトルク感でこれなら新320iにも充分な期待が持てると確信できた。実は前年に4気筒のベースモデルとしては最初に発売された523iが明らかにパワー不足を感じたために一抹の不安はあったが、結果は充分でホッとしたのだった。

4月:予てから内容が順次発表されて待ちに待ったトヨタ86(スバルBRZ)が遂に発売され、当サイトでも各種組み合わせでの試乗記を発表した。

5月:4月から続く86のバリエーション試乗記とともに、発売から少し間を開けたが遂にポルシェ911の新型、991カレラSの試乗を実施できた。まあ86系も面白いが、量産スポーツカーとしては最高峰である911の新型だけあって結果は当然ながら悪い訳が無く、86とは次元が違うのも思い知らされた。

   

6月:連休明けには320iの試乗車がディーラーに配備されると言われていたが少し遅れて、実際には6月に順次配備された状況となったが、流石にその人気は物凄くて十分な試乗時間を取れそうに無いために、少し様子をみることにした。

というような上半期だった。次回は下半期について、同様に振り返ってみる。





2012/12/29(Sat) ピンとキリの国産セダン<3>

今回は最終回として、残るインパネと操作系について比べてみる。

先ずはインパネを比べるてみると、いやぁ、何というか‥‥‥‥。ハッキリ言って、これは勝負にならないというか、殆ど比較するレベルに至っていない。これは別にラティオが低価格車で金がかかっていないから、と言う訳ではなく、チープでも主張があって納得できる、というクルマだってあるのだが、ラティオはちょっといだだけない。まあ、それを言ってしまえば、ベースとなるノートも同様ということにはなるが、何故かノートでは主張の無さをそれ程感じなかった。

エンジンの始動はLSが最近の定番であるインテリジェントキーとプッシュボタンで、ラティオ(ただし、Xの場合)は金属式のキーを使用する。それはそれで良いとしても、下の写真を見た時の樹脂部品の質感の違いには、やはり価格差を感じてしまうが、ラティオの場合はステアリングコラムという目立たない位置のために余計手を抜いているのだろう。

LSのエアコンとオーディオの操作部は流石に質感も高くて国産車としては最高だし、欧州車と比べても遜色がない。LEXUSも先代(と、いうかMC前)まではトヨタ車丸出しの雰囲気が残っていて、LSも正にクラウンマジェスタの路線だったが、今回のビッグマイナーチェンジからは世界基準のものとなった。
それに対して、ラティオは‥‥‥比べた自分がバカだった。

ATのセレクトレバーは、まあ、機能的には同じなのだろうけれど、エアコンパネル同様にあまリにも質感の差がありすぎる。

メーターについては、エアコンやオーディオ、そしてATレバー程には差がないのは救いかもしれない。これがトヨタの安物だと、本当にコントラストは低くて視認性の悪にものが付いているが、この点ではニッサンの方がマシなようだ。

ということでLS vs Latioという企画は、チョッと差が付きすぎてしまったが、逆にこれを特別編にして毒舌を吐いたらば、一部の読者にはバカうけするかもしれない。来年になったら、マジに考えてみようかとも思っている。




2012/12/26(Wed) ピンとキリの国産セダン<2>

今回はトランクリッドを開けてラゲージスペースの比較から。
下の写真は直接スペースを比較できるようにスケールをほぼ合わせてあるので、両車のスペースの違いは見てのとおりだ。まあ、クルマの寸法自体がマルで違うのだから当然ではあるが。

エンジンは排気量や性能がマルで違うが、エンジンルーム内の眺めもまたマルで違う。
メカ部品や配管類が全てカバーの下になって全く見えないLSに対して、ゴチャゴチャと中がまる見えのラティオ。

ドアを開けた眺めは写真では良くわからないが、実物は質感がマルで違う。とはいえ、LSだってベースグレードのファブリック内装ならば、一見しただけではそれ程大きな違いは無い……と言えない事も無い。

LSはIパッケージ装着車なのでセミアニリン本革シートが装備されているので高級感は大いにあるが、シート表皮についてはラディオの欧州(の安物)風ファブリックも悪くない。なお、シートの調整はLSがフルパワーでラティオは手動だが、価格から言ってこれは仕方がないであろう。

ドアのインナートリムになると両車の違いは更に歴然としている。この小さな写真でも、違いはハッキリ判るだろう。まあ、だからといって実用上は大きな違いは無いのだが。

次回も引き続きインテリア、特に操作系を中心に比較してみる。




2012/12/25(Tue) 【速報】クラウンがFMC

日本を代表する伝統的高級車のクラウンがフルモデルチェンジされて、25日より発売となった。

  

  

詳細は下記のトヨタサイトにて
ロイヤル http://toyota.jp/crownroyal/index.html?ptopid=main
アスリート http://toyota.jp/crownathlete/index.html?ptopid=main

本日は時間がなく、これにて終了。えっ? 手抜きだって?




2012/12/24(Mon) ピンとキリの国産セダン

このサイトはドイツ車礼賛だ……なんて誤解している、そこの君! ドイツ製だろうが国産だろうが良い物は良いし、悪いものは悪い。そこで、今回は表題のように国産車にも色々あるということで、セダンのピン/キリを比較してみる。ところで、ピンとキリの意味は価格もあるが内容も当然関係してくる。安いからロクなものを作れないかといえば、そうでもないのだが、今回のは高いが国産セダンとしては言うことなしのレクサスLSと、安かろう悪かろうだけではなく、ポリシーも全くなしの代表格であるニッサン ラティオを比較してみる。

サイズからしてもLSはラティオに比べて全長が+665mm、全幅が+180mm、ホイールベースが+370mmという状況だから、本来比較の対象にすることすら間違っているわけだが、5人の大人が100km/hで移動出来る機能は両車とも変わらないというのも、何となく腑に落ちないことではある。

サイドから見れば、意外にも基本的な形状は似ていて、ラティオはスケールダウンしたようにも見える。



真正面から見るとLSの風格に比べて、ラティオのカッコ悪さに唖然。

  

ここで例によってスペック比較をしてみる。ニッサンの場合、ラディオだけでは可哀想なので最高級車のシーマも加えてみた。

ニッサンの最高級車とはいえ、シーマはLSと比べれば明らかに格下のEセグメントベースだが、全長やホイールベースではむしろLSを上回っている。ところで燃費(JC08)を比べると、同じ燃料ならばラティオはLSの2.7倍も走れるという燃費の良さ。省資源という面では圧倒的に勝っている。

次回につづく。




2012/12/22(Sat) VW up! vs SUZUKI WAGON R STINGLAY<3>

今回はインパネから。

up!は水平に走るトリムが高級感を出している、というか、安物を上手く誤魔化していてなかなか上手い。それに対して、ワゴンRは軽のハイトワゴン独特の幅狭さを強調してしまうようなエアコンアウトレットの配置でグローブボックスの蓋の幅が狭いなど、所詮は軽と思ってしまう。

up!はセンタークラスターの高い位置にエアコンおよびオーディオ用の操作パネルが配置されていて、安物には珍しく専用のオーディオが付いている。そして、オプションのナビは市販のポータブル型にVWマークを付けたようなものを後付けする。
ワゴンRはシフトレバーの隣にオートエアコンの操作パネルがあるが、オーディオは本来オプションでナビを付ける場合には市販のオーディオ一体型を後付する。

up!のドアトリムはやけにプラスチッキーで安っぽいが、対するワゴンRは上級モデルということもあるが、肘の当たる部分にはクロスを貼ったり、パワーウィンドウのスイッチボックスは光沢のあるピアノブラック風だったり、何故かショボいインパネに対してドアトリムは高級になっている。

up!のミッションはシングルクラッチのセミオートであり、DレンジはオマケだからMレンジでマニュアル動作をするのが本来の使い方となる。そのため、セレクターもATやDCT、そしてCVTなどと比べて全く異なるパターンとなっている。ところがマニュアルのパターンは押してアップ、引いてダウンというBMWなどとは逆で、しかもステアリングにパドルは付いていない。
ワゴンRのミッションはCVTを使用していて、セレクトレバーは直線式でDの手前にMがあるが、このレバーにはマニュアルシフト時のパターンがない。実はステアリングのパドルスイッチを使うという、up!の上をいく装備に驚く。なお、ワゴンRは国産ミニバンでは定番の、いわゆるインパネシフトというヤツで、センタークラスターから水平に生えている。

up!のメーターは回転計がものすごく小さいが、こんなものでも付いていれば大体の回転数は判るので、使ってみれば意外にも価値があるのに気付く。メーター自体はコントラストも高く見易い。そしてワゴンRは日本車得意の自光式で、まあ、チョッとケバい気もするが、視認性は良いからメーターとしての機能は充分だ。

最初は一見無駄な比較に思えたが、こうしてみると結構良いライバルになるかもしれない、なんて思ってきた。これぁ、やっぱり、VW up!試乗記特別編として「VW up! vs SUZUKI WAGON R STINGLAY T」っていうのを、計画してみようかな。




2012/12/20(Thu) VW up! vs SUZUKI WAGON R STINGLAY<2>

今回はリアのハッチを開けたところから。

ホイールベースがほぼ同じということもあり、奥行き方向はそれほどの差はないが、車幅が175mmも狭いワゴンRは車幅一杯のスペースで頑張ってはいるが、やはり狭い。

エンジンはどちらも直列3気筒で、up!は1L 自然吸気75ps 9.7kg-m、Wagon Rは660cc ターボ 64ps 9.7kg-mと排気量、過給などが異なるが奇しくも最大トルクは全く同じで、燃料消費率も全く同じ(26.8km/L JC08)となっている。

ブレーキはどちらもフロントがベンチレーテッドディスク、リアがドラムという組み合わせだが、ワゴンRのドラムブレーキの径の小さいのには驚く。しかし車重が820sしかなくて、しかもフロントヘビーのFF車だから、これで充分という訳だろう。

ドアを開けて見えるインテリアは結構似たような印象となる。ただし、ワゴンRはハイト系であるために、着座位置の高さがよく判る。また、リアのレッグスペースは高さで稼いだワゴンRの圧勝だ。

シート表皮も両車は似通っているし、up!はVWの他モデルに比べると随分チャチだ。まあ、価格なりというところだ。

次回はインテリアの残りを紹介する。




2012/12/19(Wed) Mercedes-Benz E-Class (2014)

最近はBMW5シリーズの勢いが増しているとはいえEセグメントセダンのトップといえば、やはりメルセデスEクラスであることに依存はないであろう。その現行Eクラス(W212)も2009年の発売から4年が経過したことで、ビッグマイナーチェンジ(フェイスリフト)が発表された。

スタイルはW210から17年以上も続いた4つ目ではなく、よく見れば4灯だがライトのユニットは一体になっているタイプとなった。また同時にワゴンボディのエステートもフェイスリフトされる。そこで先ずはフェイリフト前後のエクステリアを比較してみる。

また同時にワゴンボディのエステートもフェイスリフトされる。そこで先ずはフェイリフト前後のエクステリアを比較してみる。

 

フロントはライトが変わったことで明らかに区別が付くが、リアには大きな変更は無さそうだ。それ以外では最近のMCの定番であるバンバーのエアインテイクが変わっていのは、樹脂の金型のみ変更で実現できるので、手軽に新しさを表現できるからだろう。

 

そしてワゴンはというと

 

こちらもセダンと同様でフロントは特にライトが変更とエアインテイクが変更されているが、リアには大きな変更な無さそうだ。

 

インパネも写真で見た限りでは基本的に同じで、金型を変えたような様子はない。。

 

より多くの写真や、解説を見たい場合は、下のリンクより元ネタのNetCarShow.comにて。

セダン:http://www.netcarshow.com/mercedes-benz/2014-e-class/
ワゴン:http://www.netcarshow.com/mercedes-benz/2014-e-class_estate/

また、トレイラービデオも発表されている。

  




2012/12/18(Tue) VW up! vs SUZUKI WAGON R STINGLAY

10月に発売されたVWのAセグメントハッチバックであるup!の価格は、一番安い3ドアのmove up!が149万円で、これは同時期に発売された軽自動車、スズキ ワゴンRの上級モデルであるスティングレイTとほぼ同価格であり、当日記でも一時期ライバル同士として比較しようとも思ったが、いくら何でも軽自動車と比較するのはやりすぎ、と考えて保留にしていた。しかし、これといったライバルもないため、結局up! vs Wagon Rの写真比較をやってみることにした。この結果によっては、特別編で取り上げようかとも思っている。

この角度から見ると、はやり欧州Aセグメントと国産軽自動車という全く違うカテゴリーであることが判る。



これを見て、軽自動車なんて不安定なものにはとても乗れない、と思うかそれとも、こんな幅狭の高重心でも結構マトモな安定性を確保しているのは大したものだ、と思うかは人それぞれだが、どちらも間違ってはいない。ただし、多くの軽自動車ユーザーは何も考えてはいないだろう。

ところが、サイドビューを比べて見ると、基本的には意外にも結構似たようなプロポーションであることに気が付く。

ここで、何時ものようにスペックを比較しておく。

 

もしかして、これはライバルとしての比較対象になるのかもしれない。
なんて思いながら、次回につづく。




2012/12/17(Mon) ドアスタビライザー

TRD(Toyota Racing Development)から86用のチューニングパーツとして、ドアスタビライザーというものが発売されている。

この部品はドアをロックするためにボディのピラー側に付いているドアストライカーという金具にスペーサーを入れて隙間を減らし、ドアをボディと一体にすることで剛性アップをさせるというモノのようだ。

TRDのサイトでは以下の図と写真で使い方と効果が説明されている。

  

まあ、この部品が得体の知れないカーショップのオリジナルなどなら眉唾ものだが、今回紹介したパーツはTRD、すなわちトヨタグループのチューニングメーカーで、純正のディーラーオプションも手がけているくらいだし、何よりも本職はトヨタのレーシングカーを開発する会社だから、少なくともドアスタビライザーの効能については、ハッタリは無いであろう。

当サイトではBMWなどの欧州車のドアヒンジが国産車の薄板で作ったペナペナプレス部品をボルト止めしているのに対して、スチールブロックを全周溶接しているという違いを例にして、ボディー剛性に対する国産車との考え方の違いを説明してきた。ところが極一部には、ドアはボディ剛性に関係ない、と言っている輩がいるようだが、まあ、レース関係者などの間ではドアの剛性が如何にボディに影響を与えるかについては実践済みだろう。実際に、μの高いアスファルト路面などの限界コーナーリングになれば、ボディーの歪みによるドアとの隙間の変化がはっきりと認識できるという。それよりも、その辺の国産車のドアを開けたままで1箇所のみをジャッキアップしてから、ドアを閉めようとするとボディーフレームに当たって閉まらないとか、逆にドアを閉めたままジャッキアップするとドアが開かないとかいうのは有名な話だ。

最後に結論を言えば、ドアヒンジがショボいペナペナのプレス部品と、立派なスチール部品とでは車体の剛性に差が出るとのは間違いない。それでは、国産車は何故薄いプレスモノ(写真右下)なのだろうかといえば、単にコストダウンではないだろうか。その証拠に国産でもガッチリとしたもの(写真左下)もある。




2012/12/16(Sun) NISSAN SYLPHY<3>

前回に引き続き、エクステリアの残りから。

インパネには水平トリムがなく、天板からオーディオの位置までが一体となっいる。

中間グレードのX(写真下)でもオートエアコンが標準装着されているが、ベースグレードのSはマニュアルエアコンとなる。

エンジンの始動もX(写真下)とGはインテリジェントキーとプッシュボタンを使用するが、ベースモデルのSは金属キーとなる。

  

ドアのインナートリムもシート表皮に準じている。ドアノブ上部を横切るシルバーの水平トリムは、Gグレードだと木目調となる。

AT(CVT)セレクターは直線式でDレンジの手前に降坂用のLレンジがあるパターンで、いわゆるティプトロタイプではなく、マニュアルモードは無い。
センターコンソール後端にはリア用のエアアウトレットが付いている(写真右下)。

  

以上、新型シルフィの内外装を見てきたが、まあ何というか、特に特徴もなく、所有する喜びなんて欠片も無い。価格は今回紹介したXグレードでも209.5万円で、上級グレードのGは239万円もするが、VWのup!、それも上級モデルのhigh up!でさえ183万円で買える今日この頃、それだけ出せばもっとマシなクルマが沢山あるだろう。まさに先日紹介したラティオの兄貴分という感じで、やっぱりラティオが銀行の課長用ならば、シルフィは支店長用というところか。となると、これを買う個人ユーザーは、ブルーバード全盛時代に青春だった団塊世代のリタイヤ組? でも、思い出のブルーバードの名前を取っ払って只のシルフィにしてしまったから、それもちょっと難しそうだが。