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今回はマイナーチェンジを機にエンジンを改装されたBMW Z4 2.5iに試乗した。Z4の歴史と詳細に関してはMC前の前期型Z4 3.0試乗記で解説しているので、そちらを参照願いたい。 |
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側面から見れば、ロングノーズ・ショートデッキの特徴がよくわかる。 |
外観上で3.0と判別する方法がサイドのエンブレムが判りやすい。 |
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ドアを開けると見える風景はサルーンとは異なるものの明らかにBMW流で、これは好み次第だが、この雰囲気に耐えられないという人はあまりいないだろう。
試乗車にはオプションのオレゴンレザーシートが装着されていた。シートに座った瞬間に感じるのは座面がヤケに柔らかく、一瞬フニャっと感じで驚く。BMWのシートは元々MBやVWのカチッとし
たレカロ系の座り心地と異なり、少し柔らかめで座ると尻が多少沈むのだけど、その沈み方が可也弾力のあるウレタンが少し沈む感じがするのが従来までの特徴だったが、このZ4は腰が無くて安物の応接セットのような感覚に違和感を抱く。ただし、少し沈むとその状態ではシッカリするから、一昔前の国産車のフニャフニャシートとは違うし、座った瞬間を除けば走行中は違和感もないし、サポートが悪いという訳でもない。 |
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着座位置はボクスターと比べると
かなり高めだ。
と、言っても3シリーズよりは低いが、悪く言えばスポーツカーらしい緊張感が無いと言う事になり、良く解釈すればボンネットが見えるくらいに視界が広く、サルーンの経験しかないドライバーでも違和感無く運転出来る。
更にダッシュボード自体が低めの位置にあるから、更に見通しが良く運転しやすい。 |
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ボンネットの中は323iと同じ2.5ℓのデチューン版177psを搭載する。 |
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2.5に標準装着されるタイヤは225/50R15
で最近のBMWサルーンと同じくランフラットタイヤ(RFT)が設定されている。現在のBMWラインナップでRFTを使わないモデルはM5やZ4でもMロードスターなど、本物のMのみとなってしまった。実際に走ってみれば、乗り心地は他社のサルーンに比べても決して見劣りしないし、試乗車の場合は、例えば抜群のコストパフォーマンスに対して硬めの設定が唯一気になったVWパサートV6よりも
乗り心地は良いくらいだし、(自称)高級サルーンのレクサスIS250と比べても勝るとも劣らない。ただし、よーく耳を澄ましていると、フルオープンの宿命である剛性不足から、段差などの強い衝撃を受けるとボディ全体がブルンという感じで振動する。それに、特にフルオープン時は鏡のような道で無い限り、ルームミラーは細かく振動している。これは典型的なスカットルシェイクで、Z4の発売と同時に試乗した時から変わらない。本来オープンボディには不可避なので、特に問題にはならないだろうが、何しろオープンとしては驚異的な剛性のボクスターと比べてしまうと、どうしても
見劣りしていまう。 |
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Z4は前後とも同サイズのタイヤ&ホイールを装着する。 |
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Z4 2.5が価格的に競合するのはフェアレディZロードスターと言う事になる。Z4の439万円に対してZロードスターはベース価格が
385.4万円(6MT)で5ATの場合はバージョンTとなって422万円と可也近い価格帯になる。
さて、どちらを選ぶかというのは難しい問題だ。そう言えば、この比較は複数の自動車雑誌でも特集していたような気がする。フェアレディZというクルマは、2シータースポーツの雰囲気を味わうクルマだから、実際走りはフーガ辺りと良い勝負どころか、設計の新しいフーガの方がハンドリングが良かったりする。だだし、オープンに拘らないでコストパフォーマンスの良い2シーターで、セダンに無い雰囲気を味わいたいというのなら、フェアレディZのクーペは勧められる。なにしろベース価格が5ATでも338万円で、3.5ℓ、280psの2シータースポーツクーペが買えるのだから、多少重くて鈍かろうが、アンダーが強くて曲がらなかろうが許せてしまう。 |