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BMW G29 Z4 sDrive 20i (2019/4) 前編 その1

  

BMW Z4 の前身は 1996年に発売された E36/7 Z3 (写真1) で、このクルマは1989年に発売された日本のマツダロードスターに端を発するロードスターブームにより触発されたウチの一台であり、実際に Z3 のサイズやエンジン性能はマツダ ロードスターに準じていた。
 ⇒ マツダ ロードスターの30年<4>  (2019年2月26日の日記)

この Z3 にはクーペモデル (写真2) の E36/8 が存在したが、このスタイルが何とも不細工であり、当時としては立派なカルトカーだったが、これが偶に走っているのを見た時には写真以上に異様な姿だった。

その E36/7 Z3 は 3003年の FMC で E85 (写真3) となったが、これを機に車名を Z4 と改めて以後このシリーズは Z4 を続けている。E85 はE36/7 に比べて明らかにワンランク上のクルマとなり、マツダ ロードスターとはクラスが違ってしまった。この E85 に付いては下記の試乗記を参照されたい。
 ⇒ BMW Z4 3.0 試乗記 (2005年7月)
 ⇒ BMW Z4 2.5 試乗記 (2006年7月)

この E85 は2008年の MC に際して、クーペボディの Z4クーペ (E86 写真4) が追加されたが、このクルマは Z3 クーペの様な個性的なものでは無く、Z4 をベースにオーソドックなクーペとしたものだった。


写真1
Z3ロードスター(E36/7型 1996年-2002年)


写真2
Z3クーペ(E36/8型 1998年-2002年)


写真3
初代Z4ロードスター(E85型 2003年-2008年)


写真4
初代Z4クーペ(E86型 2006年-2008年)

E85 は 6年後の 2009年には E89 へと FMC されたが、大きな特徴としてリトラクタブルハードトップを採用した事で、これによってロードスターとクーペが1つのモデルに統合される事になった。この E89 は今回の G29 へと FMC されるまで 10年間もの長い間君臨していた、と言うと立派だが、実は FMC から見放されたされたというのが本当のところであり、その証拠に E89 は既に 2016年に製造中止となり、その後今回の G29 発売迄の間は Z4 不在の状態だった。

なお E89 の試乗記に関しては下記のものがある。
 ⇒ BMW Z4 sDrive 2.0i 試乗記 (2012年3月)
 ⇒ BMW Z4 sDRIVE 35i 試乗記 (2009年8月)

従って、今回のモデルでは2世代先に飛び越した事から、当然先代からの流用は殆ど無いのは当然でもある。またルーフについてはソフトトップに逆戻りという事で、いやまあ、正直言ってこれは正解だと思う。そこで最初に何時ものように新旧の代表モデルのスペックを比較して見る。

そして例によって内外装写真は既に日記でよりサイズの大きい写真を掲載している。
 ⇒ BMW New Z4 (G29)  (2019年4月15日の日記)

という事だから、こちらではこれまた何時ものように新旧の Z4 を比較する。写真のクルマは新型 (G05) が sDrive20i M Sport (665万円) で先代 (E89) も同じくsDrive20i M Sport (一部sDrive35i M Sport) を使用している。

先ずは全体のフォルムを眺めてみると、それぞれ単独で見ればどちらもクルマ好きなら Z4 と認識できるのは流石にアイデンティティが確立しているという事だが、その割には Z4 というクルマはスポーツカーとしても決してメジャーでは無い。とはいえそのスタイルは長いボンネットという、一時代前のスポーツカーの概念にピッタリだ。そしてこの手のクルマといえば、60年代ならジャガー E タイプやその影響の大きかったトヨタ200GT、日産 フェアレディZ などを思い出す。とは言え「目立つ事は良い事だ」という気持ちを持つドライバーでないと、これに乗るのはチョイと気恥かしいし、オープンで乗る何ていうのは更に勇気がいりそうだ。

それで新旧比較だが、見た目の迫力という面では新型が圧倒している。まあ片や10年も前のデザインだから、そのギャップが大きいのは当然ではあるが、新型のボディーは意外に丸みが少なく、更にフロントにガバッと開いたエアインレットやフロントフェンダーサイドの大きなエアブリーザーなどが迫力を助長している。


写真5
長いボンネットを持つ一時代前のスポーツカーの概念にピッタリな点では新旧変わりは無い。


写真6
見た目の迫力という面では新型が圧倒している。

新型の全幅は 1,865o で、これは旧モデルより 75o も広い。一気にこれだけ広がった例も珍しいが考えて見たらば FMC のタイミングを一回パスしていたので、2世代進んだ事からこうなったのだろうか。それと共のフロントではキドニーグリルも幅広となり、リアも見るからに広くなった事から相対的に低く見え、より高性能スポーツカーらしくなった。好みもあるが、新型の方が圧倒的にスポーツカーらしいしカッコも良い。

おいおい、旧モデルオーナーの事も考えろよ、と言われそうだが、E89 オーナーの取る手段は簡単で買いかえれば良いだけの話だ‥‥って、オマエ BMW の回し者か? と言われそうだが、何も Z4 とは言っていないから、ボクスターに買い換えというのも有り出し‥‥あっ、これじゃあポルシェの回しモノと言われてしまう。


写真7
新型の全幅は 1,865o で、これは旧モデルよりも 75o も広くキドニーグリルも幅広くなっている。


写真8
リアも見るからに広くなった事から相対的に低く見え、より高性能スポーツカーらしくなった。

この続きはその2にて‥‥。

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