TOYOTA SIENTA Hybrid 前編
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前回の簡易試乗記は2016年上半期の売上で事実上2位となったノア3兄弟の代表としてヴォクシーを取り上げたが、その売上ランキングではヴォクシー単独では42,800台で5位であるのに対して、何と62,794台で第3位となったのはトヨタ シエンタだった。ということはヴォクシーをノア3兄弟として計算して第2位とすればシエンタは第4位になるが、それでも売れていることに変わりは無い。

そのシエンタについては正直言って全くノーマークであり、この時点ではシエンタって?という状況だったが、遅ればせながら11月1日からの日記でまとめてあるので何時ものように写真で内容を確かめたい場合はそちらを参照願う事とする。そこでここではその続編として例によってトヨタのテーマパーク MEGAWEB の専用コースでのチョイ乗りの結果をまとめておく。因みにシエンタの販売店を調べてみたらば4つの販売チャンネル全てで取り扱っていたから、今回の試乗結果が極めて良くて更に試したいことがあったらば、トヨタ店とかトヨペット店での試乗が可能ということで、下手をするとこのMEGAWEB での試乗以下の距離で誤魔化されるようなネ○ツ店専売ではなかった。尤もそんな販売体制ではこれ程売れる訳も無いが‥‥。

本題に入って早速試乗車に乗り込んでみる。運転席に座ってみると室内は見た目程には小さい感じはしないのは数値としてはひとクラス上のヴォクシーと全幅が同じだから当然で、それでもヴォクシーの方が室内幅が広く感じるのは車両全幅が数値的には同じでも、比較的四角いボディーで目一杯空間効率を上げているヴォクシーに対して、ブリスターフェンダー的に多少張り出しているフェンダーに対してボディーはシェイプアップされているから、シエンタの室内は実際には狭い事が原因だろう。言い換えれば欧州車的に下半身がシッカリと地面に踏ん張っているスタイルということで、よりグローバルスタンダートに近いデザインとなっている。なおシエンタは現在、香港,マカオ,インドネシア,マレーシアでも販売されている。

言い忘れたが試乗車のグレードは上位モデルのハイブリッドGのために日記の写真で使用したXグレードよりも少し内装が高級になっている。そのためにシステム電源のON はハイブリッドとしては当然の押し釦スイッチを使用するが、これがXの場合はレトロな金属キーとなる。

電源ONで正面のメータークラスタ内の自光式メーターに灯が灯るが、このメーターは高さ方向が一般的な概念からすると半分くらいしか無い。何故そうなるのかと思ったらば、何とメーターは円形の上半分、すなわち9時位置から12時を経由して3時までしか使用していないのだった。このためにメーター全体の位置が上がり、視線移動も少ないなどこれは悪くない。このメーターはシエンタの為に新たに作ったようで、これは国内だけでも月平均1万台も売れているクルマだから出来ることだ。

AT セレクターはインパネシフトだが、そのパネルはプラスチック丸出しのXと違いG である試乗車ではブラックパネルとなっているが、セレクター自体はプリウスなどで使用している如何にもハイテクなハイブリッド車らしい電子式ではなく、ジグザクゲートに沿ってガチャガチャと移動させるメカ式となっているのは、プリウスのようにハイブリッド専用車でない事から、ガソリンモデルとの共通化が必要なことが第一だろう。

とはいえハイブリッド専用車のアクアだってATセレクターについてはジグザクゲートだから、恐らくこの方式の方がコストは低いのだろう。そしてこのゲートを辿ってDレンジに入れて、さてパーキングはといえば、これもトヨタの低価格車では未だに使用している足踏み式を踏んで解除する。

出発の合図を受けて走り出すと、当然ながら如何にもハイブリッドらしく音もなく発進する‥‥という程でも無さそうだ。そして直線路を一気に加速した時のトルク感は低速側で強力な電気モーターらしいフィーリングはあまり感じられなく、同じく低価格のハイブリッド車であるアクアよりも更に少し遅い感じだが、まあそれでも街中の実用車として使うには不満はない程度だ。

因みに旧型パッソの1.0では危険を感じるほどに動力性能が低くで、車線が多くて頻繁な車線変更を必要とする都心の主要道路では冷や汗モノのシーンが何度もあったくらいだった。
 ⇒ Toyota Passo 1.0 +Hana 簡易試乗記

続きは後編にて。

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