Volkswagen Golf Trendline 前編
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新型ゴルフ(Z)に関しては、最初に輸入された上級モデルであるHighLineについては既に本編の試乗記でも取り上げ、予想通りにクルマとしての出来は良かった。とは言え、価格はナビが無いのに299万円で、幾ら良くても実用的な小型ファミリーカーとして300万円はチョッと、と感じたことから HighLineより50万円安いベースグレードのTrendline(249万円)には大いに興味があったし、HighLine試乗記の結論でもTrendlineが輸入され次第に試乗する旨を約束していた。その後、思いの外早い時期に中間グレードの Comfortlineとともに販売も開始されたことで早速Trendlineを取り上げてみた。今回は特にHighLineとの比較を考えながら試乗してみた。

先ずは新型ゴルフの3つのグレードに旧ゴルフのHighLineを加えてのスペックを比較する。

スペック上でのHighLineとTrendlineの大きな相違点はエンジンであり、HighLineの1.4Lターボ 140ps、25.5kgf-mから1.2Lターボ 105ps、17.8kgf-mとダウンする。これはパワーでは25%ものダウンとなっているが、逆に車両重量はTrendlineが6%(80kg)ほど軽いことで結構挽回できるかとも思ったが、パワーウェイトレシオでは9.4と11.9kg/psという具合に大して差は縮まっていない。

TrendlineのエクステリアはHighLineと大きく変ることはなく、見た目の最大の相違点である標準装着のタイヤ&ホイールも、径は小さいとはいえアルミホイールが使用されているから、一見しただけでは50万円の価格差があるとはとても思えない。

しかしリアに回ってバンパー下から覗く排気管を見れば、HighLineの2本と比べて1本しか排気管が出ていないことで、両車の動力性能差を暗示しているが、まあ、そんなところに目が行くのは一部のクルマおたくくらいだろう。

スペック上では大いに異なる2車のエンジンだが、エンジンルーム内を比べてみると何故か殆ど変わらないから、招かれざる読者の場合は「あっ、b-otakuのヤツ、同じ写真を使い回ししやがる」とか言ったりするかもしれない。まあ、大きく違うはずのエンジンはといえば、実は補機類の下に潜っているから比較できないこともあるが、それにしても補機類は殆ど共通化されていることになる。

ドアを開けて目に入るインテリアは、これだけ見ていれば決して悪くはないし、実際にHighLineと比較をしてみると最大の違いはシート表皮であり、HighLineは中央部にアルカンターラを使用していることで、室内全体に高級感を感じさせるが、Trendline単独で見れば、これも決して悪くは無い。


ドアトリムは上級であるHighLineには一部光物の華飾がある程度というお約束の差別化はあるが、これも慣れればどうでもよいことで、結局これもTrendlineで充分な気がする。

インパネについても基本的にはHighLineと同じだが、センタークラスターや水平トリムがHighlineはピアノブラックだったが、Trendline ではシルバー、という違いがある。

オーディオはパネルを除けばユニット自体は同じに見える。しかし、エアコンは一見すると3つのダイヤルは同じだが、良く見ればマニュアル操作であり、これについてはHighLineのオートエアコンとの差がある部分となる。試乗当日は35℃級の猛暑にも関わらずエアコンの効き自体は悪くはなかったが、マニュアルエアコンは小まめに操作しないと熱すぎたり寒すぎたりで、丁度良いセッティングを見付けるのが結構難しかった。

ということで、エンジンのパワーが少なく、エアコンがマニュアルとなる以外には大きな違いは見当たらず、それで50万円安いのだから、これで動力性能が満足できればTrendline は大いなる買い得グレードなのだが、さてその走りは‥‥?

ということで、続きは後編にて。

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