B_Otaku のクルマ日記

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2012年5月1〜15日
  
2012/5/15(Tue)  AUDI A3


2012年ジュネーブショーで発表された新型A3について、遅ればせながら概要をまとめてみた。

新型のアウターサイズは全長4,237mm、全高1,421mm、全幅は1,777(+12)mmでホイールベースは2,601(+22)mmと現行に対して幾分拡大されている。



エンジンはガソリンが
 1.4TFSI(122ps、200Nm)、MaxSpeed:203km/h、0〜100km/h:9.3秒
 1.8TFSI(180ps、250Nm)、MaxSpeed:232km/h、0〜100km/h:7.2秒
そしてディーゼルが
 2.0TDI(150ps、320Nm) 、MaxSpeed:216km/h、0〜100km/h:8.6秒
の3種類となっている。



ミッションは1.4TFSIと2.0TDIが6MTで1.8TFSIは7速Sトロニック 、燃費は従来比で平均12%向上している。フロントフェンダーとエンジンフートはアルミ製(9kg軽量化) で、車両全体では1.4TFSIで80kg軽量化して1,175kgとなっている。
 
新開発のシャーシーは快適(コンフォート)でスポーティなドライブと安定性を両立したという。またオプションのスポーツサスペンションではSラインが25mmダウン、その他が15mmダウンとなる。タイヤサイズは標準が16〜18インチだが、オプションで205/55R18 225/45R18 225/50R18が用意されている。 このシャーシは恐らく次期ゴルフ(ゴルフⅦ)にも使われるだろう。

パーキングブレーキ は電動機械式でセンターコンソールのボタンで操作され自動リリースと非常制動機能を持つ。既に試乗記でも説明したが、パーキングブレーキは何処の国でも機械式で作動時はメカ的にロックすること を要求されている為、電子式ではなく、あくまでも人間の代わりに電気装置がブレーキメカを機械的に作動させるようになっている。なお、非常制動機能というのは、パーキングブレーキは緊急時に第3のブレーキとして最小限の制動力を要求されており、これは単なる電気スイッチでは適切な操作が出来ないために何やら仕掛けがあるのだろう。なお、緊急用の第2のブレーキは、乗用車では フートブレーキが2系統となっていて、故障時は生きている片側を使うことで代用している。



日本国内での
アウディはドイツ御三家の中では他の2社に大きく水を開けられているが、A3はその中では最も奮闘している車種だ。今回の発表を見れば、新型A3 は3ドア、しかも1.4はMTのみという、日本では全く売れない種種から発売されるというから、日本向けは大分先になるだろう。こういう基本的なところが、フォルクスワーゲングループの日本市場に対する思い入れの無さを示している。これに比べてBMWでは欧州向けと殆ど変わらないタイミングで日本向け仕様が用意されている事を考えても、アウディがBMWに対して販売台数で敵わないのは当然でもある。

新型A3に5ドアのスポーツバックに2ペダルのミッションが用意されて、日本に導入されるのは何時のことだろうか。その時には、既に新1シリーズに市場を食い荒らされた後で、 そればかりかメルセデスも本気で参入したAクラスもあり、結局アウディに思い入れのある一部のファンしか買わないクルマになってしまうのではないだろうか。





 


   
2012/5/14(Mon)  トヨタの新興国向け戦略車 <2>


トヨタの新興国向けIMV、前回のハイラックスに続いて、そのハイラックスをベースとしたミニバンとSUVについて、内外装を見てみよう。

先ずはミニバンのイノーバから。



エクステリアを見ただけでは、このクルマがハイラックスベースであることは判らない。全長は4,585m、全幅1775mmであり、これは日本のフルサイズミニバンよりも明らかに小さい。
ミニバンとはいっても少し低いタイプで、よく見ると昔のオデッセイみたいなスタイルだ。



インパネもベースのハイラックスとは異なるようだ。シフトレバーはコンソール上に生えていて、国内のミニバンでは主流のインパネシフトではない。この辺は生まれがピックアップトラックであることから、如何にもならないのだろう。

写真で見る限りでは3列シートによる2/3列目の足元スペースはマアマアありそうだ。なお、ミニバンとはいえドアはスライド式ではなく乗用車と同じヒンジタイプだ。



次にSUVのフォーチューナーを見てみよう。エクステリアは如何にも最近のSUV的だが、中身はハイラックスベースだから昔のサーフのようなものだが、ボディ自体は背が高くて太短い、最近のSUV的だ。



インパネは何やら高さが 高い。ボディ自体、とくにウエストラインの位置が高いところにあるために、インパネも異様に高くそびえ立っている。



写真のクルマは本皮シートのようだが、座面の革にはギャザーを付けたりと、結構高級感がある。
3列目のシートの足元は如何にも狭そうだし、座面の位置も高い。 ただし、1列目→2列目→3列目と座面位置が少しづつ高くなっているので、前は良く見えるだろう。いってみれば映画館の座席のように、後ろが徐々に高くなっている訳だ。



新興国向けの車両はトヨタのみならず、各国がしのぎを削っているし、韓国のヒュンダイなどもこの分野では強そうだ。なんてったって、同じ新興国同士だから。あれっ?違ったっけ。


 


   
2012/5/13(Sun)  トヨタの新興国向け戦略車


トヨタの新興国向け世界戦略車であるIMV (Innovative International Multi-purpose Vehicle)というプロジェクト は世界11カ国で生産され、2004年の開始以来今年3月までの累積販売台数が500万台に達したという。IMVはピックアップトラックのハイラックス(Hilux)が3種類、ミニバンのイノーバ(INNOVA)、SUVのフォーチューナー(FORTUNER)の計5車種で構成されている。ハイラックスは小型ボンネットトラックで、ルーツは日野自工のブリスカだったが、1968年のFMCを機にトヨタブランドとなり、車名もハイラックスとなった。 その後も数度のFMCを経て2004年まで日本でも販売されていたが、現行の7代目からは海外専用となってしまった。

ハイラックスはバブル華やかな頃の4WDブームでは、ハイラックストラック(4WD)とともに、これをベースとしたハイラックスサーフが大いなる人気を博していた のを覚えているだろう。しかし、
主流がトラックベースのオフロードカーから乗用車ベースのSUVへと変わったことから、販売台数 は減少を辿り、遂には国内販売が終了してしまった。なお、サーフについては、その後ランドルクザープラドと兄弟車として販売されていたが、これもプラドに統合されたため、現在日本国内ではサーフも販売されていない。

現在のハイラックスは2004年より日野自工にて生産されていたが、その後タイに移管された。ミニバンのイノーバとSUVのフォーチューナーもこのハイラックスをベースとしている。

 

そこで先ずは、IMVの主要な仕様を比較してみる。
 
    TOYOTA TOYOTA TOYOTA TOYOTA
      HILUX G HILUX FX INNOVA FORTUNER

寸法重量乗車定員

全長(m)

5.255 5.370 4.585 4.705

全幅(m)

1.835 1.760 1.775 1.840

全高(m)

1.820 2.040 1.760 1.850

ホイールベース(m)

3.085 2.750

駆動方式

FR/4WD FR FR FR/4WD

車両重量(kg)

  1,740-1,883 NA 1,585-1,670 1,740-1,955

乗車定員(

  5 15 8 7

エンジン型式

  ①1KD-FTV(3.0DT)
②2KD-FTV
(2.5DT)
2KD-FTV(2.5DT) 1TR-FE(2.0)
2KD-FTV
(2.5DT)

 ①2TR-FE(2.6)
 ②1KD-FTV(3.0DT)
 ③2KD-FTV
(2.5DT)

 

ミッション

 

  ①4AT/5MT
  ②5MT

5MT 4AT/5MT 4AT
  ③4AT/5MT

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

ダブルウィシュボーン ダブルウィシュボーン

リーフリジット 4リンクリジット

タイヤ寸法

  265/65R17 205/70R15 205/60R15 265/65R17
 

ブレーキ

前/後

Vディスク/ドラム

価格

フィリッピン国内価格
(1Php=1.88Yen)

83-143万Php
(159-269万円
)
83-86万Php
(159-165万円)
81-124万Php
(152-233万円)
133-172万Php
(250-323万円)

日本で販売されていた当時のハイラックスは、基本が小型車(4ナンバー)だったことから、全長4.7m、全幅1.7mの枠に入るように設計されていたが、海外専用となった現行車は幅広で、全長も5m超と随分長くなっている。

なお、エンジンは下記の4種類(ガソリン、ディーゼル各2種類)が使用されている。
 

エンジン・トランスミッション

エンジン型式

1TR-FE 2TR-FE 1KD-FTV 2KD-FTV

エンジン種類

VVT-i Gas
DOHC
VVT-i Gas
DOHC
D-4D Diesel
Turbo
D-4D Diesel
Turbo

総排気量(cm3)

1,998 2,694 2,982 2,494
 

最高出力(ps/rpm)

182/4,000 160/5,200 160/3,400 102/3,600

最大トルク(kg・m/rpm)

18.6/4,000 26.5/1,600-2,400 35.0/1,400-3,200

22.4/1,400-3,200
②26.5/1,600-2,400

トランスミッション

5MT/4AT 4AT 4AT/5MT

5MT
4AT

イノーバとフォーチューナーについては、次回に詳しく説明するので、今回はハイラックスについて見てみよう。なお、今回の写真や仕様はトヨタ フィリッピンのHPによるため、向け先国によっては仕様が異なることもある ことと、価格はフィリッピンペソ(Php)から1Php=1.88Yenとして換算した。
さて、先ずは主力のダブルキャブのエクステリアから見てみよう。4枚ドアに2列シートで5人乗りの乗用部と、後方の荷台を持つタイプで、日本でも4WDブームの時はマニアに人気があった。 このダブルキャブタイプは新興国で貨客両用の万能車として実用上からも人気が高いようだ。 上の諸元表で判るようにリアはリーフリジット、要するに旧態依然の板バネだが、これがシンプルで丈夫で、この手の用途には結構いける。まあ、トラック丸出しというヤツだが。



スパルタンな外観に比べて内装は鉄板剥き出しということもなく、意外にも文化的な室内だが、良く見ればやはり質素で余分な飾りは殆ど無い。当然ながらインパネもドアトリムもプラ スチック丸出しだろう。



この写真だけ見れば乗用車かワゴンに見えるが、後席の真後ろは屋根の無い荷台となっている。



トラックとしては、各種用途に架装されるために、キャブシャーシーと しても販売されている。






FXというモデルは後部荷台に仮設シートが装着されていて、合計で15人が乗車できる。なにやら昔の護送車や兵員輸送車のイメージだが、新興国での作業員の移動用には主流なのだろう。最近の日本では、このような用途ではマイクロバス が使用されているが、半世紀程前までは、日本でもこのタイプのクルマが主流だった。



次回は既述のように、このハイラックスをベースとしたSUVとミニバンを紹介する。
つづく。
 


    
2012/5/12(Sat)  LEXUS GS 450h HYBRID <3>


前回に引き続きインテリアを紹介する。

基本的にインパネ類はガソリン車と全く変わらない。



新型GSのディスプレイは横長で高い位置にあるという構成がBMW5シリーズと似ているが、実車ではGSのディスプレイが意外に大きく、特に高さ方向に大きく感じたので、 5シリーズと比較してみると、なる程微妙に大きようで、それが実感としては随分大きく感じるのだった。



メーターは自光式で、右側のスピードメーターはFS260km/hまで目盛られている。左側のメーターは走行モードがECO またはNORMALを選択した時は如何にもハイブリッド車らしいチャージとパワーを示す電力メーターであるが、SPORTモードを選ぶと回転計に変身する。このメーターを良く見ると、外側の目盛は共通でHVメーター時は途中まで使用し、数字の表示を変えることで全く違うメーターに見えるようになっている。回転計の数字が少し内周側に入っているのは、HVメーター時の表示 位置を避けているためだ。



ATセレクターは何故かGS250が最近流行の根元にブーツがついているタイプに対して、GS450hは一時代前を感じるジグザグゲートとなっている。またDから右に倒した場合、GS250ではM(マニュアル)となるが、GS450hは高回転モードであるSモードとなり、前後またはパドルシフトを使用することでマニュアルになるというBMW方式 になっている。



GS450hではモード切替がSPORT Sに加えて、シャーシー制御も加わるSPORT S+が追加されている。他には、GS450hにはEV MODEスイッチが追加されている。






インパネ右端のスイッチ類はGS460hのみに標準装備されている、車両接近警報装置およびLEDヘッドランプに関するスイッチが追加されている。なお、写真のウッドトリムはGS450hがバンブー、GS250が縞杢だが、この2種にウォルナットを加え た3種類から自由に(といっても多少の制約はあるが)選択できる。
GS450hはLEDヘッドランプで、ウィンカーの位置などGS250と異なる。



さて、このGS450hだが、GS250より200万円も高く、GS350でも100万円高いメリットな何だろうか?実は既に試乗してあるので結果はまとまり次第アップしようと思っている。
 


   
2012/5/10(Thu)  LEXUS GS 450h HYBRID <2>


今回はガソリンエンジンのGS250とハイブリッドのGS450hの相違点を調べてみる。

エンジンルーム内を見ると、意外にも極めて似ているのに気が付く。エンジンのトップカバーもソックリだしその他の補記類も同じものが多い。この写真から判る唯一の違いは車両の左サイドに見えるオレンジ色の高圧ケーブルくらいだ。





しかし
旧450hでは、スペック、エンジンやモーター型式が同じであるが、何故か外観上は全く異な っている。



室内については、
グレードが同じならばガソリンもハイブリッドも 殆ど同じ内装となる。すなわち写真のGS450h はGS250とGS350も”I package”と同じ内装となっている。なお、GS250試乗記で紹介した”I package”は、 今回のクルマと一見異なるように見えるが、実は内装色が異なるだけで、試乗記ではサドルタン、今回のクルマはアイボリーとなっている。



シートは”I package”のために表皮は本皮であるが、その上の”version L”ではセミアニリン本皮となる。



インテリアの詳細は次回につづく。


  
2012/5/9(Wed)  LEXUS GS 450h HYBRID


新型GS250については既に試乗記で取り上げているが、一足遅れでハイブリッドモデルであるGS450hが3月中旬に発売され た。そこで、この新型ハイブリッドサルーンを紹介する。



新GS450hのエクステリアは一目でガソリンモデルと識別するのは難しいかもしれない。



その数少ない識別点の一つがフロントグリル中央にあるレクサスのLマークであり、他のハイブリッド車同様にLマークの余白がブルーとなっている



リアは夫々のエンブレムの違いは当然だが、それ以外ではGS450hは排気管が見えないという特徴がある



ハイブリッド車の場合、電池のスペースに占領されたトランクルームの狭さを感じる場合が多いが、新GSはガソリン車と比べて僅かに奥行きが狭い程度で、先代のような狭さからは大いに改良されている。

 

ここでGSのガソリンモデルおよび先代GSハイブリッドと緒元を比較してみる。なお、ライバルということで、フーガ ハイブリッドも比較してみる。
 
      LEXUS LEXUS LEXUS LEXUS NISSAN
      GS450h GS350 GS250 (旧)GS450h FUGA
Hybrid
 

車両型式

  DAA-GWL10 DBA-GRL10 DBA-GRL11 DAA-GWS191 DAA-HGY51

寸法重量乗車定員

全長(m)

4.850 4.945

全幅(m)

1.840 1.820 1.845

全高(m)

1.455 1.425 1.500

ホイールベース(m)

2.850 2.900

駆動方式

FR
 

最小回転半径(m)

  5.3 5.2 5.6

車両重量(kg)

  1,820-1,860 1,650-1,690 1,640-1,670   1,860

乗車定員(

  5

エンジン・トランスミッション

エンジン型式

  2GR-FSE 4GR-FSE 2GR-FSE VQ35HR

エンジン種類

   V6 DOHC V8 DOHC  V6 DOHC

総排気量(cm3)

3,456 2,499 3,456 3,498
 

最高出力(ps/rpm)

296/6,400 318/6,400 215/6,400 296/6,400 306/6,800

最大トルク(kg・m/rpm)

36.3/4,500 38.7/4,800 26.5/3,800 37.5/4,800 35.7/5,000

トランスミッション

  CVT 6AT CVT 7AT
 

モーター型式

  1KM 1KM HM34
 

モーター最高出力(ps)

200 200 68
 

モーター最大トルク(kg・m)

28.0 28.0 27.5
 

燃料消費率(km/L)
(10・15/JC08モード走行)

20.5/18.2 10.0/9.9 11.6/10.8 14.2/− 19.0/−

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

゙ブルウィシュボーン ゙ブルウィシュボーン

マルチリンク マルチリンク

タイヤ寸法

  225/50R17
235/45R18*
225/50R17
235/45R18*
225/50R17 245/40R18 245/50R18

ブレーキ方式

前/後 Vディスク/Vディスク Vディスク/Vディスク

価格

車両価格

700-800万円 580-680万円 510-600万円 697-797万円 640-643万円
      *VersionL *VersionL      

GS450h同士の 新旧比較では、アウターサイズはほぼ同じ、そしてホイールベースも同じということで、実はプラットフォームも使い回しということになる。そして、エンジンやモーター類も型式やスペックが同じ。強いていえばエンジンのトルク特性が少し違う程度で、事実上は同じパワープラントと思えばよい。

要するに新型GSとは、BMWやメルセデスでいえば大規模マイナーチェンジといっても良いくらいだが、それでも内容が良くなっていれば良い訳で、実際に既に試乗したGS250は、旧GSに比べて大きく進歩していたから、使いまわしのプラットフォームとは言え大幅な改良を施していることは間違いない。

なお、フーガ ハイブリッドはエンジン性能はGS450hと同等だが、モーターのパワーはGSの1/3程度で、この点のみを比べればトヨタのHV技術に軍配が挙がってしまう。

と、いうことで、次回はエンジンルーム内と内装について紹介する。
 


 
2012/5/7(Mon)  Nissan Juke-R Concept


ニッサン ジュークにGT‐Rの3.8L V6 ツインターボエンジンと6速DCTやトランスアクスル方式のAWDなど全てのパワートレインを載せたのがニッサン ジューク-Rコンセプトで、本来はワンオフたのだが、何とこのクルマを限定生産で販売するという。

そこで、まずはオリジナルのJuke-R Concept の紹介から。


 
ジュークをベースとして、極端なオーバーフェンダーなど、何やら怪しげな雰囲気満点だ。
エンジンルームの中は、確かにGT‐Rと同じエンジンが見える。



スペックは以下のとおり。
 
・Kerb weight: 1806 kg
 ・Overall length: 4135 mm
 ・Overall width: 1910 mm
 ・Overall height: 1575 mm
 ・Wheelbase: 2530 mm
 ・Track width
  front: 1586 mm
  rear: 1598 mm
 ・Minimum ground clearance: 115 mm
 ・Max. speed: 257 km/h
 ・Acceleration 0-100 km/h: 3.7 s
 ・Max. engine power: 485 bhp
 ・Max. torque: 588 Nm


”生産型”はパワーが545psとコンセプトカーよりもパワーアップしているとか。
しっかし、このクルマ、一体いくらするのだろう。まあ、スペックVの千数百万円以上は間違いないが。
そして、こういうのを買って喜ぶオーナーとは?



 


  
2012/5/6(Sun)  New シーマ


ニッサンより新型シーマが発表された。そのキャッチは「10年の時を経て進化したシーマがここに」ということらしい。シーマといえば初代(1988〜1991年、FPY31)はセドリック/グロリア(Y31)をベースに3ナンバー専用車としたもので、発売時期がバブルの真っ最中と重なったこともあり、商業的には大いに成功し、シーマ現象などという言葉があったのを覚えていると思う。
当時はセド/グロやクラウンなど国産フルサイズ車といっても5ナンバー枠だったし、当時のメルセデスのミドルクラスといえば最高傑作といわれたW124の時代であり、「最善か無か」という強烈なポリシーと、一般庶民には維持すら出来ないくらいに高価だったことから、セド/グロとW124の中間の価格帯のクルマというのは、実に良い点を突いていた事になる。因みにW124はベースモデルの230Eでも600万円くらいだった記憶があり、これに対してシーマはターボモデルのタイプⅡが470〜510万円だった。
2代目シーマ(1991〜1996年、FY32)は、バードトップボディの初代とは打って変わって、センターピラーをもつサッシドアの真っ当なセダンで、雰囲気としてはベントレーなどの英国高級セダン風となった。初代が中小企業の社長向けという感じだったのに対して、2代目はショーファードリブンの大企業役員車がメインという感じだった。そして、3代目(1996〜2001年、FY33)はベントレー風からメルセデス風となった。更に4代目(2001〜2010年、F50)はメルセデス風路線に益々磨きがかかって、街中で走っていると一見Sクラスと見紛うばかりだったが、売れ行きはジリ貧で結局2010年をもって販売が終了した。その後、途絶えていたシーマだが、この度遂に新型が発表となった。

今回の新型はハイブリッドのみで、緒元については下表を参照願おう。
 
   
      NISSAN NISSAN LEXUS LEXUS LEXUS
      CIMA
Hybrid
FUGA
Hybrid
GS450h LS600h LS600hL
 

車両型式

  DAA-HGY51 DAA-HY51 DAA-GWL10 DAA-LVF45 DAA-LVF46

寸法重量乗車定員

全長(m)

5.120 4.945 4.850 5.060 5.180

全幅(m)

1.845 1.840 1.875

全高(m)

1.510 1.500 1.455 1.475

ホイールベース(m)

3.050 2.900 2.850 2.970 3.090

駆動方式

FR AWD
 

最小回転半径(m)

  5.8 5.6 5.3 5.7 5.9

車両重量(kg)

  1,930-1,950 1,860 1,820-1,860 2,230 2,340

乗車定員(

  5

エンジン・トランスミッション

エンジン型式

  VQ35HR 2GR-FSE 2UR-FSE

エンジン種類

   V6 DOHC V8 DOHC

総排気量(cm3)

3,498 3,456 4,968
 

最高出力(ps/rpm)

306/6,800 296/6,400 394/6,400

最大トルク(kg・m/rpm)

35.7/5,000 36.3/4,500 53.0/4,000

トランスミッション

  7AT CVT
 

モーター型式

  HM34 1KM
 

モーター最高出力(ps)

68 200 165
 

モーター最大トルク(kg・m)

27.5 28.0 30.6
 

燃料消費率(km/L)
(10・15/JC08モード走行)

18.8/16.6 19.0/- 20.5/18.2 12.2/11.0

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

゙ブルウィシュボーン マルチリンク

マルチリンク マルチリンク

タイヤ寸法

  245/50R18 235/45R18 235/50R18

ブレーキ方式

前/後 Vディスク/Vディスク

価格

車両価格

735-840万円 640-643万円 540.0万円 1,000        
-1,280万円
1,370        
-1,550万円

表で判るとおりに、新型シーマはぶっちゃけフーガ ハイブリッドのストレッチ版で、全長で175mm、ホイールベースで150mm延長されているが、幅方向に変わりはないし、エンジンやモーターなども全く同じだ。


 
フーガとの違いを写真で比べると、フロントエンドのデザインは多少異なるが、一目で兄弟と判る。



サイドから見比べれば、ホイールベースが伸びた分、リアドアが長くなっているが、それ以外はフロントエンドがチョッと長くなったくらいで、その他は全く変わらないのが判るだろう。



まあ、安易といえば安易だが、ニッサンとしてはトヨタのように全く別の車種に独立させるだけの余裕はないし、投資を回収する目処も立たなかったのだろう。要するに立場上からトヨタを買えない企業の役員車としてはフーガでは格下であり、トヨタで言えばクラウンよりも1ランク上の車種というものが欲しかったのだろう。この新型シーマは米国ではインフィニティブランドから発売されるようだ。ところで、他にこの手を喜ぶ国はといえば、そうそう、お隣の中国があった。何しろアウディA4やBMW3シリーズでさえ売れ筋はロングホイールベースモデルなのだから、このシーマも好評で受け入れられるだろう。
 


  
2012/5/5(Sat)  ハードトップ <2>


コロナハードトップに始まるピラーレス、サッシレスドアのスポーティークーペは、コロナよりも上のクラスであるクラウンにも派生していった。下の写真は 1967年に発売された3代目クラウン(S50系)の2ドアハードトップで、当時のプライベートカーとしては憧れの車種だった。それまでのクラウンは公用車や社用車が殆どで、ボディカラーも黒や濃紺などが主流だったが、S50ではオーナー用を意識した白いボディカラーをアピールしていた。なお、日本では1965年までは、クルマのボディに赤と白を禁止していた。理由は消防車や救急車と間違うから!だそうだ。いや〜、流石に日本の役人だけあって、その発想がすばらしい。


 
当時としては国産フルサイズともいえるクラウンを、2ドアという使い辛さと、低いルーフのクーペスタイルでリアの頭上空間も奪ってしまうという贅沢 (無駄)さが何とも言えない。まあ、個人ユースのクルマならばリアシートは殆ど人を乗せない、なんていう場合が多いか ら、特に問題は無かったのかもしれない。



1955年に発売された初代クラウン(RS)と比べると、そのスタイルの違いが良く判る。この間わずか12年で、これだけの変化があったことになる。



5代目クラウン(ハードトップS80系、その他S90系、後期型S100系、1974〜1979年)では、4ドアピラードハードトップモデルが設定された。本来のハードトップはセンターピラーが無いのだが、クラウンは表には見えないがピラーを持つことで剛性を確保していた。これは単なるサッシレスドアという事になるが、少なくとも外観上はピラーの無い(見えない)スッキリとしたデザインだった。この4ドアハードトップは、その後オーナーカーの主流となり、4ドアセダンはタクシーと公用車くらいしか見なくなってしまった。

そしてバブルの真っ最中である、S120系(1983から1987年、写真下)のハードトップは当時は街中にウジャウジャと走っていたものだ。それでも当時の自動車税は2L超の3ナンバーとなると極端に高くなったために、高級車でも多くが2Lであり、クラウンも2Lターボ(後期型ではスーパーチャージャー)による過給エンジンで出力を稼いでいた。もちろん、燃費は酷いものだったが、当時はそんなことは気にならない時代だった。



これら4ドアハードトップも、写真下のS150系を最後に次のS170系では真っ当な4ドアセダンのみとなった。ところで、クラウンの型式でS160が抜けているように思うが、S160というのはアリストが使っている。要するにアリスト=レクサスGSは米国向けクラウンであり、型式を見ればベンツ・ビーエムの対抗車種ではないのは一目瞭然だ。



4ドアハードトップなんて変態は日本の恥だ、なんて当時は思っていたが、それが何時のまにやら淘汰されて日本車もマトモになったと喜んでいたら、いつのまにやら、あのベンツ様がクラウン ピラードハードップどころか、カリーナEDの親分みたいなCLSを出すに至っては、もう何が何だか判らない状態だが、そのCLSも売れてはいないようだし、中古車価格も割安なので、これを狙うという手もあるかもしれない。


 


 
2012/5/3(Thu)  ハードトップ


先日の日記で取り上げたカローラ セレス & スプリンター マリオのような4ドアハードトップというのは、ある時期、日本車の主流となるほどに人気があった。それでは、国産ハードトップのルーツはといえば、量産車としては1965年に発売された3代目コロナ(T40系)のバリエーションとして存在したコロナ ハードトップ(T50系)だろう。

T50系は4ドアセダンのT40系にスタイリッシュな2ドアクーペボディを乗せたもので、センターピラーが無くサイドウィンドもサッシを持たない、いわゆるサッシレスドアだった。下の写真はセダン(T40)とハードトップのツーショットで、Aピラー以前は同じであることが判る。


 
元来米国で人気のあったセダンベースの4ドアオープンであるコンバーチブルのソフトトップをベースに、これに固定式のハードトップを被せたために、サッシレスドアとセンターピラーレスのボディのことをハードトップと呼んでいた。 コロナ ハードトップの発売前に、日本人でハードトップという言葉を理解できる人はまずいなかったと思うが、コロナ ハードトップ のお陰で、多くの人がセンターピラーの無いサッシレスのクルマをハードトップと呼ぶらしい、ということが判っ たことになる。



フロントグリルは共通だが、リアはテールランプが異なっている。しかし、良く見ればルーフを除いてCピラー以降は殆ど同じのようだ。



実は中学生のガキだった当時、チャリンコで学校からの帰宅途中の路上に駐車したあったクルマが、前半分は確かにコロナなのだが、2ドアで何やらヤタラとカッコ良い現物 を、惚れ惚れと眺めたのを今でも覚えている。それで動力性能はといえば、ベースのコロナセダンのライバルであるブルーバードがツインキャブレターなどで多少チューンナップした1.6LモデルのSSSなどで人気を博していたため、この対抗策としてコロナSというグレーを設定していた。これは1 .6L OHVエンジンにSU型ツインキャブレーターを装着して90psを発生する4R型エンジンと、フロントにディスクブレーキを採用したり、ミッションも4速のフロアシフト、フロントシートはバケット(セパレード)シートを採用するなど、当時としては実力も雰囲気もスポーティーだった。

若い読者には理解できないであろうが、当時の乗用車の常識としてシートはベンチシートでシフトはコラム式、しかも主流は3速だったから、セパレードシートに4速フロアシフトなんていうのはマニアからすれば憧れもいいところだった。

当時のカタログを見ると、セパレートシートがリクライニングすることを大いにアピールしている。なお、カタログ写真のクルマはコラムシフトのようだ。フロアシフトも設定していた覚えがあるが、世間ではコラムシフトが普通で、フロアシフトというのは特殊だったのかもしれない。



国産サルーンとしては最高級の一台であるプリンス グロリア スーパー6(S40系、1962年〜)の室内だが、写真中での細いレバーでマニュアルシフト操作をする。フロアにシフトレバーが無いことと、シートがベンチシートであることから、フロントにも3人が乗れる。

 

この当時は高値の華で特殊なクルマだったハードトップ(クーペ)は、その後セダンよりも数が増えるくらいとなり、そのセダンも4ドアハードトップが主流になるという、世界の常識からどんどんと離れて、それこそガラパゴス状態となっていくのだった。
 


   
2012/5/2(Wed)  COROLLA CERES & SPRINTER MARINO


新型86(BRZ)の発売を契機にカローラ レビン/スピリンター トレノについての注目が集まっている昨今(という程でもないが)、実はこれらのバリエーションにカローラ セレスとスプリンター マリノという4ドアハードトップも存在していたのを覚えているだろうか?

セレス、マリノと聞いて、あっ、そうそう、あったあった。と、思い出してくれると思うが、大衆小型セダンであるカローラベース をベースとして、本来は贅沢クルマである筈の4ドアハードトップを作ってしまうというのも、今考えれば凄いものがある。このセレス/マリノが発売されたのが1992年5月で、これはバブルが弾けて日本経済がどん底に向かい始める 頃だったが、何しろクルマの開発というのは長い期間が必要で、当時はトヨタの実力を持ってしても、開発開始から3〜4年はかかったであろうから、1980年代後半のイケイケどんどんの時代に計画してしまったのだろう。

セレスとマリノはフロントノーズとテールランプが異なる程度で、それ以外は共通であり、バリエーションには1.5L(5A-F、105ps)、1.6L(4A-FE、115ps)そしてレビン/トレノと同じ1.6Lスポーツエンジン(4A-GE、160ps)の3種類が用意されていた。

元来、決して室内スペースがあるとは言えないカローラをベースにして、1,315mmというスポーツカー並の全高だったから、車内の狭さ、取り分け頭上空間の無さは決定的であり、この実用性の無さと、世の中の変革から結局は失敗作に終わってしまった。しっかし、カローラにまでスタイリッシュな4ドアハードトップをラインナップしてしまうという当時の時代というのは、何だったのだろう?

 

写真では判らないが、現物をみると当然ながら小さいから、何ともチグハグに見えた。

 

この時代のクルマはどれも国産車の歴史上最も豪華だったのではないか、といわれているようにカローラベースとは思えない程のインテリアを持っていた。勿論、その豪華というのも、トヨタ丸出しの豪華さだが。
   

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