B_Otaku のクルマ日記

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2010年5月1日〜15日 ⇒ 5月16日〜31日
 
2010/5/15(Sat) 中国の自動車メーカー


中国には現在100以上の自動車メーカーが乱立しているといわれている。そこで中国政府としては自動車メーカーの再編 政策として”4大4小”と呼ばれる8つの集団(グループ)に統合して行く計画で、その8集団は ・・・

4大とは第一汽車、東風汽車、上海汽車、長安汽車であり、これらは全国的規模のメーカーとなるべく、他社を統合していくことになる。
そして4小とは北京汽車、広州汽車、奇瑞汽車、中国重汽であり、これらは各地方の核となって中小メーカーを統合していくことになる。この8社のうち中国重汽は大型車専門のため、乗用車メーカーは残る7社となる。また奇瑞汽車以外は全て国営企業である。
 
  中国主要汽車集団    
   

汽車集団

製産拠点

ブランド

代表車種

   

第一汽車

一汽大衆

Volkswagen/Audi

ボーラ、ジェッタ、アウディA4、A6L

   

 

一汽豊田

Toyota

カローラ、マークX、クラウン

   

 

一汽海馬

HAIMA

マツダベースの中国車

   

 

一汽轎車

紅旗/Mazda

紅旗、マツダ6(アテンザ)

   

東風汽車

東風日産

Nissan

シルフィ、ティアナ、ティーダ、エクストレイル

 

(第二汽車)

東風標致(プジョー)

Peugeot(標致)

プジョー307

   

 

東風シトロエン

Citoren

ZX、クサラ

   

 

東風本田

Honda

スピリオ(アコード)、CR-V

   

 

悦達起亜

Kia

オプティマ、フォルテ

   

上海汽車

威(ローバー)

ROEWE(栄威)

ローバーベースの中国車

 

 

上汽五菱

GM(商用車

小型1ボックス

   

 

上汽通用

GM(Buick(別克))

リーガル

   

 

上汽大衆

Volkswagen

サンタナ、パサート、ポロ

   

長安汽車

長安鈴木

Suzuki

アルト、SX4、スイフト)

   

 

長安フォード

Ford/Mazda

マツダ3(アクセラ)

   

 

長安跨越汽車

自主開発車

軽型(コンパクトカー)

   

 

長安汽車股份

自主開発車

微型(ミニカー)

   

北京汽車

北京奔馳(ベンツ)

Benz(奔馳)

E class

   

 

北京現代

Hyundai

エラントラ、ソナタ

 

広州汽車

広州本田

Honda

アコード、オデッセイ、シティ、フィット

   

 

広州豊田

Toyota

カムリ、ヤリス

 

 

湖南長豊

Mitsubishi

パジェロ

   

奇瑞汽車

 

自主開発車

 

   

中国重汽

 

商用車専門

 

なお、現在中国には奇瑞汽車以外にも有力な民営自動車企業が幾つかあるが、これについては今のところ政府は関知しない方針のようだ。また、代表的な民営自動車メーカーは既出の奇瑞汽車に加えて華晨汽車、吉利汽車、BYDオート、長城汽車、江淮(JAC)汽車などがある。

民営企業については、今後個別に解説して行こうと思っている。

 
 


2010/5/14(Fri) ポルシェ GT2RS


ポルシェが911系の最速モデルとしてGT2RSを発売した。
一目見て911 GT2と異なる外観上の特徴は艶消しの黒い表面仕上げのパーツで、これは強化カーボンファイバー(CFR)部品を多用している ためだ。フロントスポイラーとリアスポイラーもCFR製で、表面がカーボンフィニッシュされている。ホイールはGT2よりワイドでセンターロック方式を採用している。





室内は黒を基調としてステアリングの一部とシート座面、そしてルーフなどに赤いアルカンターラを使用している。



なお、参考としてポルシェよりYouTubeに動画がアップされている。



ドイツ国内仕様の価格は約23.8万ユーロ(約2,800万円)で、英国価格の16.4万ポンドは円に換算すると2,300万円となるが、これは為替レートと両国の付加価値税の違いなどが原因であろう か。 何れにしても、日本で買えば3,000万円は超えるだろう。r>  
以下に英国仕様の詳細を示すが、 車両重量1,370kgに対して620hpだからパワーウェイとレシオとしては何と2.2kg/hp!! 0〜100km/hが3.5秒という脅威の加速で、例のニュルブルックリングのタイムは7分18秒というから、これがGT−R(7分26秒)騒ぎに対するポルシェの回答だろう。

Technical specificationssss
•Cylinders: 6
•Displacement: 3.600cm3
•Max. power (DN): 620 hp @ 6,500 rpm
•Max.torque: 700 Nm @ 2,500-5,500 rpm
•Compression ratio: 9.0 : 1
•Boost pressure: 1.6 bar
•Transmission: Six speed manual
•Wheels
◦Front: 9 J x 19 ET 47
◦Rear: 12 J x 19 ET 48
•Tyres
◦Front: 245/35 ZR 19 (sports tyres)
◦Rear: 325/30 ZR 19 (sports tyres)
•Unladen weight (DIN): 1,370 kg
•Power to weight ratio: 2.21 kg per hp / 452 hp per tonne
•Top Speed: 205 mph (330 km/h)
•0-62 mph (0-100 km/h): 3.5 s
•0-99 mph (0-160 km/h): 6.8 s
•CO2 emissions: 284 g/km
•Turning circle: 10.9 m
•Drag coefficient: 0.34
•Combined fuel consumption: 23.7mpg
•Length: 4,469mm
•Height: 1,285mm
•Width (inc wing mirrors): 1,852mm (1,952mm)
•Wheelbase: 2,350mm
•Price: £164,107 inc VAT

このクルマは世界で500台の限定モデルとして欧州では9月より販売されるということだから、国内では例によって、”超”お得意さんが先行情報で既に予約を終了している事だろう。そういえば、我が家には予約の打診は無かったが・・・・・・・って、当たり前っすねっ!


 


 
2010/5/13(Thu) 釜山モーターショー


4月30日から5月9日まで、韓国の釜山で国際モーターショーが開催されていた。
「されていた」、と表現したのは最近知ったからで、気が付いた時には終わっていた。世界最大規模といわれる北京モーターショーの華々しさに比べて、何とも地味なショーだったようだ。
まあ、去年の東京モーターショー(TMS)もショボかったので大きな事は言えないが、今回の釜山ショーに参加した外国メーカーは英国のロータスと日本のスバルの2社のみだった。そういえば、ロータスはTMSにも出展していたっけ。 今回の釜山ショーでのワールドプレミアはヒュンダイのアバンテのみだった。

そのヒュンダイ アバンテは海外ではエラントラ(Erantra)と呼ばれているCセグメントセダンで、今回の新型は1.6L140ps、17.0kgmのガンマ直噴(GDI)エンジンと6ATを搭載している。 このエラントラというクルマは中国で現地生産されてべストセラーとなっているらしい。その理由は中国のユーザーは経験 不足からクルマを評価するところまでいっていなために、スペックと価格だけで選んでしまうことが原因らしい。 確かにカローラに比べてカタログ上では一見変わらないのに、価格は安い。
ただし、同じ中国とはいっても沿岸沿いの先端工業地域では、同じ現地生産でもベンツ・ビーエム (それもEクラスや5シリーズ!)が、じゃんじゃんと売れているし、とにかくDセグメント以上の中型車が最低限必要と思っているユーザーが多いというから、流石に中国は広いと感心するばかりだ。





新型アバンテの韓国内での発売は2010年の末ということだが、このウィンドウ全てをブラックアウトしたショーモデルの写真を見れば、内装などは未完成で、単なる張りボテ のようだ。

現行のエラントラは少し前までは日本でも販売されていた。ディーラーで見たこともあったが、同じヒュンダイでもある程度のレベルには達していたグレンジャーに比べれば途上国のクルマ丸出しで、日本で売っても誰が買うのかという疑問が湧いてくるクルマだった。
それに比べて次期エラントラ(アバンテ)は、実に洗練されたスタイルだ・・・・・・が・・・・・・どこかで見覚えがある。なんか 似たようなクルマがあるような気がするが、気のせいだろうか??
 


 
2010/5/12(Wed) ヒュンダイ ヴェルナ


ヴェルナは米国ではアクセントと呼ばれるCとBセグメントの中間的サイズの4ドアセダン&3ドアハッチバックで、ライバルはティーダ(米国名ベルサ) 。両車は米国では最も安い乗用車として熾烈な争いをしている。





サイドの強いエッジのようなプレスラインが特徴的で、韓国のプレス技術も進歩したことが判る。トランクリッドの後端も10年前のBMWのようなプレスを採用している。



新型ヴェルナは重量軽減のためにアルミを使用し、1.6ℓ DOHCガンマ・エンジンは121ps/6,300rpm、15.8kg・m/4,200rpmを発生し、4速ATと組み合わされる。1.6ℓという排気量は今後中国政府が中流家庭用として普及を促進するために、税制等で優遇しているクラスで、言わば最激戦区でもある。
なお、中国向けの新ヴェルナは7月から北京の工場で現地生産が始まる予定となっている。
 


 
2010/5/11(Twe) 中国国内プレミアムカー販売台数


中国ではドイツ御三家に代表されるプレミアムカーの多くが現地で組み立てられている。元々高価なクルマだから、少しでも税金が安くなるように中国国内で生産することも理由だろう。更に、これらのクルマの需要先としても大 きな市場であることも、現地生産化や専用モデル化の理由だろうう。
何しろ13億人もの人口があれば、極一部の富裕層といっても日本国民の半分近い人数となるのだから。

それでは先ずはDセグメントから調べてみる。



見た瞬間に感じるのは、日本や米国では一番マイナーなアウディA4がダントツ一位であることだ。



Eセグメントの販売台数を見て気が付くのは、何とDセグメントよりも圧倒的に台数が多いことだ。Dセグメントの概ね4倍もの数が売れている。そして、既に紹介したようにドイツ御三家は全て中国専用のロングホイールベースモデル(LWB)を用意したことだ。実はアウディA6が一位になったのは2005年にLWBを発売してからで、前年の約2倍の売れ行きとなり、それ以降はA6がこのクラスのトップを維持している。また、A4も2008年末にLWBが投入され、これがDセグメントの一位を獲得した大きな理由となっている。
中国人はメンツを重んじるので、それなりの社会的地位のあるプレミアムブランドユーザーは、大きくて立派なクルマを好む傾向がある。逆に一見して判らない排気量は重視されない、というよりも3ℓ越えは税制上で大きな負担が掛かる現在の中国の税制では、3ℓ超は売れないため、例えばE300とか530iが売れ筋となる。レクサスの不振は、現地生産していないことと、多くが3ℓ超の排気量であることが原因であり、他社のような中国専用車を用意しなかった戦略の間違いが致命的となっている。 勿論トヨタだってこの問題に気づいたからIS300を後から発売したし、ESに至ってはES240というカムリと共通のエンジンを積んだモデルまで発売したが、これはチョッとやりすぎでは、という声も出ているようだ。

ところで、中央日報(韓国)によればEクラスの中国生産開始で、ライバルはヒュンダイグレンジャーとの記事を書いていたが、寝言を言っちゃあいけない。でも、若しかしたら韓国人はこれを読んで本気にしているのかもしれない。
 
そんな中でクラウン(皇冠)がEセグメントでは堂々と2位をキープしているのが救いではある。日本人(の旧人類)的な演歌調の立派さが、中国人の富裕層には正にピッタリだったようだ。ただし、このクラスでは既述のようにLWB化が主流だから、クラウンの今後は判らない。
 


 
2010/5/10(Mon) アウディ A8 ロング


メルセデス EクラスとBMW 5シリーズという代表的なEセグメント車種は、今回の北京ショーでロングホイールベースモデル がワールドプレミアされたが、アウディはFセグメントのA8にロングを追加した。実はアウディの場合、EセグメントのA6は既に2005年にロングモデルが発売されている。





A8ロングは標準ボディに対して130mm延長され、全高は2mm高くなっている。 ライバルのメルセデスSクラスやBMW7シリーズに対してより広く、より長くなっている。



同じロングでも、前回紹介したEクラスや5シリーズとは、流石に格が違う豪華な室内。



A8 W12クワトロは500ps、63.7kgmを発生する12気筒 6ℓエンジンにより0〜100km/h加速が 4.9秒というスーパーカー並の性能を誇る。中国では排気量が3ℓを超えると税制的に不利となるが、そんなことを考えないような富裕層を狙ったということだろう。
なお、A8Lはドイツ生産で、A6LやA4Lのように中国でのノックダウンは行われていないから、輸入車扱いで益々高価になる。

   

   
 


 
2010/5/9(Sun) BMW 5シリーズ ロング


メルセデス Eクラスのライバルである5シリーズも全く同時期に中国向けロングホイールベースモデルを発表した。



5シリーズは日本でも新型が発売されたタイミングだが、中国専用モデルも同時期に発表されたことになる。



ホイールベースの延長はメルセデスと全く同じ140mm。



このクルマも中国組み立てで、生産するのはブリリアンス・チャイナ・オートモーティブ・ホールディングス(華晨中国汽車) とBMWの合弁会社である華晨宝馬汽車有限公司(華晨 BMW)で下の写真のように”華晨宝馬”のエンブレム(ただし簡体字使用)も付いている。なお、車種名は”Li”を付けて区別され、写真の場合は528iのロングで528Liとなる。



華晨BMWは順調な売り上げ増により、2つ目の工場を建設するという。東京モーターショーとは大違いの気の入れようは、それなりの結果があるからで、メルセデスと共に中国専用モデルまで用意する熱の入れようは、未だに一部車種ではLHDのみを設定する日本国内への対応とは随分差がある。まあ、人口が10倍ならば、富裕層だって10倍いても当然なわけで 、結果的に市場としても10倍だから、仕方が無いが・・・・・・。
 


 
2010/5/8(Sat) メルセデスベンツ Eクラス ロング


北京モーターショーでのワールドプレミアとしてメルセデス、BMWそしてAUDIのドイツプレミアム御三家からロングホイールベースのセダンが発表された。 そこで、先ずはメルセデスEクラスロングホイールベースから。





標準車に比べて140mm延長されたボディは全長5,012mm、ホイールベース3,014mmとなる(写真上)。
この恩恵で後席のレッグルームも140mm増大した(写真下)。



リアのエンブレムを見ると、車名には最後に”L”がつくようだ。下の写真の例ではE300のロングホイールベース版はE300Lとなる。そして、このメルセデスは北京汽車とダイムラーの合弁会社である北京ベンツ(北京奔馳) で組みてられるために、エンブレムも中国表示となっている。



中国ではEクラスの属するEセグメントのサルーンはショーファードリブンで使われることが多く、後席重視のロングホイールベースモデルの需要も多い。
 


 
2010/5/5(Wed) VW フェートン


VWのフラッグシップモデルであるフェートンがビッグマイナーチェンジで大きく変身し、今回の北京モーターショーで発表された。
フェートンは2002年に発売され、翌年にはロングホイールベース仕様も追加されたが、結果は不成功に終わり、米国では2006年に販売中止され てしまった。









エンジンは3.6ℓ V6(280ps)の”FSI”、4.2ℓ V8(335ps)、6ℓ W12(450ps)と3ℓ V6ディーゼルターボ(240ps)の”TDI”の4種類がラインナップされる。このクルマを中国でワールドプレミアを行ったということは、主な市場を中国に選んだ、ということだろう。
まあ、確かに、米国ではVWの高級車なんて、誰が買うんだ、ということか。 欧州での販売価格は9万〜12万ユーロもするところをみると、中国での価格は相当なものだろう。ところで、日本ではどうかと言えば、どうも販売した形跡が無い。最初から売っていなかったようだ。
 


 
2010/5/4(Tue) フェラーリ 599GTO


フェラーリより久々にGTO(Gran Turismo Omologata) の名を冠したモデルが発表された。599をベースにしたレーシングモデルである599XX(30台製造)をベースに、これをロードバージョンとしたのが今回の599GTOで、6ℓ V12エンジンは670ps/8,250rpm、63.2kgm/6,500rpmという凄まじい性能を発揮する。









599GTOのスペックは

  • DIMENSIONS AND WEIGHT
    • Length: 4710 mm (185.4 in)
    • Width: 1962 mm (77.2 in)
    • Height: 1326 mm (52.2 in)
    • Wheelbase: 2750 mm (108.3 in)
    • Front track: 1701 mm (67.0 in)
    • Rear track: 1618 mm (63.7 in)
    • Dry weight: 1495 kg (3296 lbs)
    • Kerb weight: 1605 kg (3538 lbs)
    • Weight distribution: 47% front - 53% rear
    • Fuel tank capacity: 105 litres (27.7 US gal/23.1 UK/gal)
    • Boot volume: 320 litres (11.3 cu ft)
  • ENGINE
    • Type: V12 - 65°
    • Bore & stroke : 92 x 75.2 mm (3.62 x 2.96 in)
    • Unitary displacement: 499.9 cc (30.51 cu in)
    • Total displacement: 5999 cc (366.08 cu in)
    • Compression ratio: 11.2:1
    • Maximum power: 500 kW (670 CV) at 8250 rpm
    • Maximum torque : 620 Nm (457 lbs/ft) at 6500 rpm
  • GEARBOX
    • F1 6-speed + reverse
  • SUSPENSION
    • SCM2 - Magnetorheological Supension Control
  • TYRES
    • Front: 285/30 ZR20"
    • Rear: 315/35 ZR20"
  • CARBON-CERAMIC BRAKES
    • Front: 398 x 38 mm (15.7 x 1.5 in)
    • Rear: 360 x 32 mm (14.2 x 1.3 in)
  • ELECTRONIC CONTROLS
    • CST with F1-Trac: Traction and stability control
    • TPTMS: Tyre pressure and temperature monitoring system
  • PERFORMANCE
    • Maximum speed: over 335 km/h (over 208 mph)
    • 0-100 km/h (0-62 mph) : 3.35 sec
  • FUEL CONSUMPTION
    • Combined cycle (ECE): 17.5 l/100 km
    • CO2 EMISSIONS
    • Combined cycle (ECE): 411 g/km


 
2010/5/3(Mon) 北京モーターショー


4月23日から既に開催されている北京モーターショーは、開催規模や参加企業の多いことや、世界の有名メーカーが挙ってワールドプレミアを行うなど、今や世界で最も注目されるモーターショーとなったようだ。それに比べて、昨年の東京モーターショーの情けないことと言ったら・・・・・。世界第二位の自動車生産国だった筈の日本のモーターショーの現実は、日本の自動車産業の凋落を予言するようで、何とも 言いようが無い。

そんな北京モーターショーでの中国の主な自動車メーカーの新型車を紹介しようと思ったのだが、どうも中国メーカーにはオフィシャルフォットの発表という概念がないのだろか?どこを探しても発見できなかった。まあ、どこかのマスコミが撮影したショーの展示車の写真ならあるのだが、そういうものを使う訳にもいかず、ということで中国車の紹介は取り合えず無し!

さて、そのワールドプレミアについては今回のショーでは89台もあったが、実はその内の75台が中国車だったから、海外のメーカーは14台ということになる。
先ず目玉となったのはフェラーリ599GTOで、限定生産台数の599台は既に完売してしまったとか。ドイツの御三家はEセグメントのEクラス、5シリーズそしてアウディA8(ここだけはFセグメントだが)にロングホイールベース版を発表した。実はA6は既に中国 向けロングホイールベース版が現地生産されている。因みに、中国のプレミアムブランドでナンバーワンはメルセデスでもBMWでもなくアウディだ。さらにはフォルクスワーゲンのトップモデルであるフェートンとポルシェパナメーラのV6版のRWDと4WD(4月29日の日記にて紹介済)が発表されている。しかし、こうしてみると高級サルーンばかりなのに気が付く。こんなにショーファードリブンの高級車の需要が多いのは中国が一党独裁の官僚国家だからだろうか?
外国勢で小型車を発表したのはヒュンダイで、小形セダンのヴェルナという車種だった。 これら外国勢の新型車については、以後順次解説していこうと思っている。
 


 
2010/5/2(Sun) 米国のフルサイズサルーン販売 その2


先日に引き続き、米国乗用車販売の上級車クラスであるフルサイズサルーンの6年間販売推移をまとめてみた。

 フルサイズサルーンの米国販売台数
  2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009  

Cadelac STS

0 9,484 33,497 17,795 14,773 14,790 6,037  

Lincoln Town Car

56,566 51,908 47,122 39,925 26,739 15,653 11,375  

Mercedes Benz S Class

22,940 20,460 16,036 30,886 26,021 17,787 11,199  

BMW 7 Selies

20,473 16,155 18,165 17,796 14,773 12,276 9,254  

Audi A8

4,090 5,493 5,430 5,038 3,826 2,825 1,463  

Jaguar XJ

10,102 10,552 8,304 5,027 4,474 2,452 1,161  

Lexus LS

23,895 32,272 26,043 19,546 35,226 20,255 11,334  

TOTAL

138,066 146,324 154,597 136,013 125,832 86,038 51,823  


グラフにしてみると


上のグラフを見て判ることは

①  リンカーンタウンカーは2003年にはダントツのベストセラーだったが、毎年急降下していった。
②  キャデラックSTSは2004年の発売により2005年は一気に台数を増やしたが、その後はタウンカーと同様に急降下となった。
③  メルセデスSクラスは2006年に、レクサスLSは2007年にそれぞれ一気に数量を伸ばしたが、理由はFMCしたことで、このクラスは新型が出るまで買い控えするユーザーが多いことが判る。
④ BMW7はFMCした2009年がリーマンショックと重なったためか、一気に伸びることはなかった。
⑤ ジャガーXJはジリ貧であり、アウディA8は最初からマイナーだった。

このクラス全体の特徴としては、2008年末のリーマンショックから始まる恐慌の影響を大いに受けていることで、金融エリートのユーザーが多いといわれているレクサスLSも大 きく落ち込んでいる。

今年夏はこのクラスにヒュンダイが新型車エクウスを引っさげて殴り込んでくる。価格はレクサスのベースグレードよりも1万ドル安の55,000ドルと言われている。しかし、米国でもブランドがある程度重視されるこのクラスで、果たしてどのくらいの商売ができるのか、見モノでもある。
 


 
2010/5/1(Sat) 米国のフルサイズサルーン販売 その1


いわゆるアメ車といって思い当たるのは・・・・・・
でっかい図体に大排気量のV8を載せて、フワフワのサスにトラック並の単純なサスで正に直線番長というところか。道は広いし道路は真っ直ぐだからハンドリングなんてどうでもいい。 ラダーフレームのシャーシーはモノコックに比べてボディの自由は利くし、何より開発費も安いし技術も要らない。
第二次大戦終了後の1950年代以降、米国の経済は最高潮で国民の生活は日本人からみたらば豊かどろこか、信じられない豪華さだった。当時テレビで放映されていた米国のファミリードラマを見れば、閑静な住宅地に広い庭。家に入ればリビングは吹き抜けで正面にデカい階段があり、二階 には立派な子供部屋。そして大きなガレージには広くて低くて長い、スタイル抜群の大きなサルーンが入っている。勿論、普通の庶民だからキャデラックやリンカーンという高級車を所有することはないにしても、中級ブランドとて基本的には高級車と同じシャーシーやボディを共有していたから、その見栄えは抜群だった。 下の写真のように中級車のオールズモビル(左)と最高級車のキャデラック(右)は、基本のボディは限りなく近いのが判る。



しかし、この技術的な進歩がなくても儲かる安易な方法は、ドイツ車や日本車のように、より小さく性能の良いクルマたちが米国で評価され始めたにも関わらす、その後も延々と同じ事をやっていた のだから、今のビッグ3の凋落は当然といえば当然でもある。



上の写真はGMのキャデラックの例を示したが、同様にフォードはリンカーン、クライスラーはインペリアルが最高級ブランドだったが、やはりブランド力ではキャデラックがNo1だったと思われる。
それにしても、1959年のエルドラドコンバーチブル(写真上左)なんて、極端に低くて幅広いボディにジェット機をイメージさせるテールフィンなど、そのカッコ良さは抜群だった。当時、ガキだった B_Otaku もエルドラドの写真を見た時には溜息が出たものだった。
そんな地位に胡坐をかいて、何時までも同じ商売をしていたのいけなかった。

それから50年。今現在での米国車のフルサイズサルーンはといえば、今や正統派は Cadillac STS ($46,845 - $70,335) くらいで、リンカーンは Town Car ($46,925 - $52,595)
という少し格下の車種しかない。そしてクライスラーには現在フルサイズサルーンは無しという状況だった。

キャデラック STS
伝統的な米国フルサイズサルーンで何とか生きながらえているキャデラックだが、下の一覧表を見てのとおり価格帯では最上級グレードでもメルセデス、BMWのベースグレードに対して1〜2万ドルも安く、レクサスのベースグレード並の価格をつけている。こうなると同じカテゴリーと言えるかは疑問が残る。
外形寸法は寧ろ独・日のライバルに比べて小さいくらいだし重量も多少軽い。






リンカーン タウンカー
名門ブランドであるリンカーンのフルサイズサルーンがタウンカーだが、確かに馬鹿でかい図体はキャデラック以上だが、V8エンジンは4.6ℓも排気量がありながらパワーは239hpしかない。それでもアメ車のV8では定番だったOHVではなく、SOHCというのは多少の進歩か。キャデラックの4.6ℓ
はDOHCで320hpだから、リンカーンを名乗るにはちょっと寂しい。






というわけで、辛うじて2車種を残すのみとなった米国製フルサイズセダンとの比較 相手は、今や世界的に高級車の代名詞となったメルセデスSクラスとBMW7シリーズ、そしてこれら2車種の後を追う日本のレクサスLSとのスペック比較をしてみよう。
 
    Cadillac Lincoln Mercedes Benz BMW Lexus
    STS V8 Performance Package RWD TownCar
Signature L
S600 760Li LS600hL
寸法重量乗車定員
全長(m) 4.996 5.624 5.234 5.415 5.179
全幅(m) 1.844 1.994 1.872 1.902 1.875
全高(m) 1.463 1.501 1.473 1.481 1.481
ホイールベース (m) 2.957 3.142 3.165 3.211 3.091
駆動方式 RWD AWD
車両重量(kg)   1,812 2,042 2,245 2,280 2,360
重量配分 前軸:後軸 54:46 N/A 52.4:47.6 52:48
乗車定員(   5
エンジン・トランスミッション
エンジン種類   V8 DOHC V8 SOHC V12 DOHC
Turbo
V8 DOHC
+Elect. Motor
総排気量(cm3) 4,570 4,606 5,513 5,956 4,965
最高出力(hp/rpm) 320/6,400 239/4,900 510/5,000 535/5,250 438/6,400
(Total)
最大トルク(kg・m/rpm) N/A 84.5/
1,800-3,500
75.9/
1,500-5,000
N/A
トランスミッション 6AT 4AT 5AT 8AT ECVT
パワーウェイトレシオ (kg/ps) 5.7 8.5 4.4 4.3 5.4
サスペンション・タイヤ
サスペンション方式 Independent
  Independent
ブレーキ形式 前/後 DISC/DISC
タイヤ寸法 前/後 235/50R18 225/60R17 Fr:255/45R18
Rr:275/45R18
FR:245/45R19
RR:275/40R19
245/45R19
価格
車両価格 $68,785 $52,595 $149,700 $137,000 $108,800
ベースグレード価格 V6 Luxury Sports RWD
$46,845
Signature
Limited
$46,925
S550
$91,600
750i
$82,000
LS460 RWD
$65,380
米   国    2010年1〜3月 965台 3,216台 2,769台 2,940台 2,785台
販売台数   2009年1〜12月 6,037台 11,375台 11,199台 9,254台 11,334台
備   考 AWDあり   0-60:4.5sec   0-60:5.5sec

前述のように寸法的にはタウンカーの馬鹿でかさと時代遅れなエンジンなどに対して、ライバルの日欧車と比べても小さめで軽量なボディのSTSという対比が興味深いし、価格的にはベースグレード同士なら同価格といってもSTSのV6に対してタウンカーは全てV8搭載と価格的には安い設定となっている。 それが原因かどうかは判らないが販売台数ではタウンカーが勝っている。
そしてSクラスと7シリーズを比べれば、どちらもアメ車に比べて何歩も先を行っているし、取り分け表で比較した上級モデルは、V12エンジンを搭載してパワーも500hp超で、加速性能から言えばスーパーカークラスというモンスターセダンとなっている。これに対してレクサスLSの最上級モデルは得意のハイブリッドで、エンジンはV8 5ℓながら電気モーターの助けも加わって6ℓ V12並の性能を持っている訳だが、流石にS600の5.5ℓターボの加速性能には敵わないようだ。

しかし、こうして比較したときに一番興味深いのは価格の違いだ。すなわち安いほうから並べると

  リンカーン < キャデラック << レクサス << BMW < メルセデス

となるが、これは我々が心のなかで感じている高級車の序列と全く同じではないか。クルマの原価なんていうものは、幾ら金を掛けたといっても販売価格から見れば大したことは無く、そういう意味では確かに部品も高 価なものを使っているではあろうS600だが、販売価格の差程には違わないから、これこそ付加価値による利益が大きいということになる。そして、日本人よりはブランド志向が少ないと思われる米国でさえ、世間のブランドランクと売値が比例しているのだ。
日本の高賃金ではアジア諸国と対抗できないということで、製造現場にまで派遣社員を解禁して、似本の大企業は社員の多くを派遣に頼るという方向に進んでしまった。確かに原価は下がり、利益も増大したが、ノウハウの蓄積はなくなり、長い目で見れば大いなる損失を被っているのだが、直ぐには表に出てこない。そして、国民が皆中流という世界でも稀に見る国は、今や貧困率でも米国に迫ってしまった。

製造原価の低減、取り分け人件費の削減で競争相手と勝負するというのは、クルマでいえばヒュンダイソナタと価格的に真っ向勝負しようとするからで、付加価値の高いレクサスブランドで勝負すれば、より高い価格でも喜んで買ってもらえるのだから、人権費が高くても全く問題が無い。例えば、韓国でレクサスES350は何と一千万円近くするらしい。ESといえばカムリの高級版で以前はウィンダムという名で日本でも350万円くらいで売っていたクルマだ。それが一千万円で売れるのは、ブランド価値を認められているからに他ならない。まあ、これ程極端ではないにしても米国のレクサス価格をみれば、米国の誇りであり超名門ブランドのキャデラックよりも高いのだから、やっぱりレクサスのブランド価値は大したものだ。そして、レクサスLS600hの価格が日本車としては破格なのはハイブリッドという技術が認められているからである。しかし、それでもメルセデスS600よりは安い価格を設定しなければならないのも、これまた現実だ。

という訳で、次回はこのクラスの販売台数の推移を詳しく見てみようと思う。

2010年5月16〜←   →2010年4月