Subaru Impreza 1.6i-L (FF) 前編 ⇒後編 ※検索エンジン経由でノーフレームの場合はここをクリックしてください。
というわけで、早速新型インプレッサに試乗してみた。試乗車はインプレッサ スポーツ 1.6i-L(2WD)というグレードで、価格は171.2万円。スポーツというのは5ドアハッチバックの名称であり、セダンはG4と呼ばれる。先ずは先代に対しての違いを比較してみよう。 新型の外形寸法は先代と全く同じで、唯一全高が10mm低くなった。これに対してホイールベース(W/B)は25mm延長されたから、相対的に前後のオーバーハングは更に短くなった事になる。 エンジンは1.6と2.0の2種類で当然水平対向4気筒であるが、先代インプレッサとは異なり新型エンジンを搭載している。また先代では1.5L(EL15)だったベースグレードは今回1.6L(FB16)と多少の排気量アップが行われた。 エクステリアについては、まあ好みの問題だから特にコメントはしないが、現車は先代を近代的にしたという感じで一目でスバルと判ったから、狙いは成功しているのではないか。 リアのゲートを開けてみると、一般的なハッチバックより広いがステーションワゴンよりは狭いラッゲージスペースがある。最近は昔ながらのハッチバックに対して少し全長を長くした、この手のクルマが結構主流になっているようで、国産ではマツダアクセラが思い浮かぶが、輸入車ではアウディA1やBMW1シリーズなどのプレミアムCセグハッチが多い。そういえば国産のレクサスCT200hも、この手のCセグ5ドアだった。
室内は大きな特徴がなく、このクラスとしては一般的だし、以前に比べればスバルの内装も随分と良くなった。 シート表皮はジャージ/トリコットにステッチが入っていて、チョッと見には結構高級感がある。なおシート表皮は、ベースグレードの1.6iはトリコット、上級の2.0Sはファブリックとなる。 シート調整は手動式で、その方式もレバーの形状もアクセラと似ている。最近の国産小型車も、ようやくシートの上下調整が可能になってきたのは良いことだ。というよ りも上下調整が出来なくては身長150cmクラスの小柄な女性や、180cm超えの大男がマトモなポジションを取るのが難しかった訳で、そいういう体系のユーザーには有り難い時代になったものだ。 ドアのインナートリムは価格帯を考えれば充分な出来だが、やはりプラスチック っぼさはある。それでも、上部の樹脂を指で押してみたらば、ちゃあんと柔らかいパッドになっていたのは、単なる硬質樹脂が多い小型車としては上出来かもしれない。
インパネのデザインはやっぱりスバルというか、何となく垢抜けないのは我慢する として、それでもアクセラと比べればダッシュボードの質感などは決して悪くない。 エアコンはフルオートだが温度設定は一つだけ、左右別々に設定できる2ゾーンタイプは2.0に標準となっている。またベースモデルの1.6iはマニュアルエアコンとなる。 センタークラスターのエアコン操作パネルは何となく安っぽい質感とともに3つのダイヤル式ということも加えてアクセラと似ているが、アクセラ はもっと安っぽいから、それよりはマシとは思う。センタークラスターのパネルを良く見ればヘアライン仕上げをしてあったりと、それなりに金はかけているのだが、もうすこしセンス良くまとめられないのだろうか。標準はオーディオレスだが、試乗車にはナビが装着されていた。 ダッシュボード中央上部にはインフォメーションディスプレイが配置されている。マツダアクセラにも同じような機能があったが、視認性はインプレッサの方がはるかに勝っている。 それにしても、新型インプレッサは随所でアクセラを意識して、しかも後だしジャンケン的に勝っているのは、スバルというよりもトヨタ的だ。あっ、そうか。スバルは今やトヨタグループだった。
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