SUZUKI SOLIO X 前編  ⇒後編
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ワゴンRの幅を広げてエンジンも1.0Lとした普通車版として1997年にワゴンRワイドが登場した。1999年には2代目ワゴンRワイドが登場し、 軽のストレッチ版だった初代とは異なり、新しい普通車用プラットフォームを使用していた。このモデルはシボレーMWとしてGMへのOEM供給も行われていた から、今でも偶に見かけるだろう。更に2000年からは名称をワゴンRソリオと 変更した。今回の3代目はワゴンRの名は消えてスズキ ソリオとなった。 この新型ソリオが発売されたのは2010年のクリスマス。しかし、FMCの新型車としては、どうも世間での話題性はイマイチだったようで、そういう新型モデルが出たことすら知らないユーザーが多いのではないか。

エクステリアは一見するとワゴンRやパレットなどの軽トールワゴンのように見えるが、実際の寸法は軽に比べればひと回り以上大きい。全長2,130×全幅1,415×全高1,345mmという寸法はスイフトに対して全長で−140mm、全幅で−75mmと幾分小さいが全高は+255mmでホイールベースも+120mmと長い。 実際にプラットフォームはスイフト用を僅かにストレッチして流用しているようだ。

 

この手のハイトワゴンは軽でも室内の広さは驚異的なのに、ソリオの場合は普通車寸法で新たに設計したのだから、とに角広い室内空間に驚くばかりだ。 リアシートを後端まで下げた時の前席バックレストと膝の空間はクラウン/フーガクラスよりも明らかに広いし、その位置でのリアラッゲージルームの奥行きも思ったほど狭くは無い。 勿論、リアシートを適度に前に移動させればリアラッゲージルームは充分な奥行きを確保できるし、その状態でもリアパッセンジャーの膝と 前席の間にはDセグメントセダン以上の空間を確保できる。



インテリアの第一印象は”欧州風”という感じで、シートの表皮は欧州車的なファブリックだし、内装も質素でVWポロなどと共通な雰囲気ではあるが、高級化した最近のVWに比べればハッキリ言ってチャチで安っぽい。その欧州車的シートに座ってみれば、見かけだけでなく座り心地も硬めでシッカリしている。ただし、寸法的には小 さいから大柄のドライバーだと体が座面からはみ出しそうになってしまうし、サポートだって何となくイマイチだから長時間乗っても疲れないという 訳にはいかないだろう。

シート表皮は欧州調のファブリックで、何時も言っているように個人的には ケバいベロア等に比べてはるかに実用的で好感が持てるが、ユーザーによっては安っぽいと感じるらしい。運転席は全グレードにシートリフターが装備される。一般的な日本人の身長は、 小柄の女性から大柄男性の多くをカバーするには150〜180cm程度の身長に対応するひとようがあり、少なくともこの範囲のドライバーが最適なポジションを得るには、シート高さを変えられる事が必要だ。ところが、少し前の国産コンパクトカーは、この当たり前の事が出来ないクルマが大半だったが、最近は多くのクルマにシートリフターが装備されたのは、当然とはいえ良い傾向だ。



ダッシュボード中央は短いセンタークラスの左半分がオートエアコンのコントロールパネルとなっている。オーディオに関しては全グレード共オーディオレスで、上部に2D IN分のスペースがあり、標準では上半分がメクラ蓋で下が小物入れになっている。なお、ラインオプションでバックモニター付きCDプレヤーが4.7万円で用意されている。

 

ダッシュボードの質感は、まあ最近の良く出来た軽自動車と同程度で、言いかえれば決して高級感がある訳ではないが、実用という面では問題は無い。ドアインナートリムのシボなども決して高級感は無いし、パワーウィンドウスイッチなどもコンパクトクラスの標準的なものだ。 また、下の写真のように、ダッシュボードの一部には一般的な革目のシボとは全く異なる幾何学模様を入れている。このクラスは、内装の良い事で定評のあるトヨタ車でも、ソリオと大きく違う訳ではないから、 この程度なら特に文句もでないだろう。

エンジンの始動はインテリジェントキーを所持して、ダッシュボード右端のスタートボタンを押すという、最近の国産車では標準的な方法による。

そして、いよいよ走り出すのだが、この続きは後編にて。

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