BMW 320i Highline 試乗記
 <特別付録>450万円のクルマ選び
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クルマは走ってナンボだから、後編では実際に走った状況を比べてみる事にする。

先ずは正面のメーターを見てみれば、320iは言うまでもないBMW流で回転計の下部に仕込まれた瞬間燃費計もE36 (先々代3シリーズ)辺りからの伝統となっているし、メーターの外周のシルバーリングの縁取りも最近のBMWの定番となっている。クラウンは如何にも国産車、如何にもトヨタ 車、いやこれぞクラウンというオプティトロンメーターと呼ぶ自光式で、中央には大径の速度計があるのもクラウンの性格にあっていて、国産車ファンは好むようだが欧州車ファンからみるとチンケな国産車丸出しとの意見も多い。この中央に速度計を配する方法はメルセデスと同じだから、やはりクラウン=メルセデスを目指しているのは本当だろう。ちなみにフーガ=BMWというのも間違い無さそうだ。
フェアレディZのメーターはセンターに回転計を配置するのがソレらしい雰囲気を盛り上げるが、欲をいえば右の速度計と同一径なのがイマイチで、ここはひとつセンターに大径の回転計を配すれば、いかにも高性能スポーツという雰囲気になるだろうに。それでもレッドゾーンは7500rpmと、これはハンパなエンジンでは無さそうだ。いや、待てよ。これって基本的にはミニバンなんかのと同じエンジンだったんじゃないか?まあ、ハッタリも重要だから、良しとするか。と納得して、右の速度計を見るとヤケに速度目盛りの間隔が広いのに気が付いた。あれっ、何とフルスケールが180km/h !3.7ℓの高性能GTなのだから、ハッタリでも良いから300km/hくらいは付けてもらいたいものだ。ニッサンは国交省の小役人に気を使ったのか、それとも環境保護を訴える偽善団体のオバちゃんの追求が怖かったのか?ランエボのメーターはギャランフォルティスとは配置やフルスケールが異なる。メーター自体の外径は少し小さめで奥まっているので、決して見 易くはない。速度計はフェアレディと異なり300km/hまで付いている。180km/hでリミッターが掛かるとはいっても、やはりこのクルマの性格からして300km/hフルスケールは正解だろう。
 


写真30:BMW320i


写真31:トヨタ クラウン ロイヤル
 


写真32:ニッサン フェアレディZ


写真33:三菱 ランサー Evo.]

走り出す前には、ATセレクターもしくはシフトレバーを操作するのだが、これらの比較は今回それぞれの変速機の方式が異なるので一概に比較は出来ない のだが、そういっても始まらないので順番にみてみよう。BMWのトルコンATは最近流行のMT風シフトノブと根元のレザーブーツで、直線式パターン のDの横にSがあり、Sから前後でMTモードというタイプだ。BMWの場合、5シリーズとX5はMCでM5のような電子式となったが、3シリーズは従来から の方式に変更はない。ただし、5シリーズの場合はMC前の前期型オーナーの多くが3シリーズと同じ旧タイプを好む場合が多かったりする。クラウンのATセレクターは一昔前のメルセデスに始まったジグザクゲートを今でも採用しているが、別にこれが悪いという訳ではない。
フェアレディZの場合は、今回の例がMT車のために他車と同列には比較できないし、ランエボもデュアルクラッチ式の2ペダルだから比較が難しいが、写真でも判るようにダッシュボードなどの内装の質感が情けないほどの安っぽいランエボでも、このミッションの操作レバー(シフトレバー)の質感は結構良かったりする。

写真34
BMW320i

写真35
トヨタ クラウン
ロイヤル

写真36
ニッサン
フェアレディZ

写真37
三菱 ランサー
Evo.]

それでは、いよいよ走り出してみよう。320iのエンジンは4車の中では一番非力な2ℓ、直4だから、今更言うまでもないが決して速くはない。動力性能のみで考えれば価格は半分以下の国産4気筒2ℓセダンと良い勝負だから、欧州プレミアム車というものを知らなければ単なるボッタクリと思うのも無理は無い。320iを選ぶユーザーは動力性能を求めないタイプのドライバーに限るというもの今更言うまでもない。ただし、エンジンのスムースさでは流石にBMWで4気筒としては異例にスムースにレッドゾーンまで回るから、速度域の極端に遅い日本の一般道でもフルスロットルを充分に楽しめるというメリットもある。
320iに対して、クラウン3.0ロイヤルはパワー、トルクともに実用セダンとしては十分過ぎるほどで、普通の用途には2.5ℓ版でも充分すぎるし、370万円の2.5ロイヤルでもBMW320iと比べて加速性能では明らかに上回っている。3.0ロイヤルは一般道での速度範囲ならば体感的にBMW530iと良い勝負の加速を見せ付けるから、普通のドライバーからみたら 速すぎるくらいだが、この余裕はむしろ運転していてイザというとこの積極安全性にも繋がる。
フェアレディZは1520kgのボディに3.7ℓ、336psだからパワーウェイトレシオでは4.5kg/psという、ポルシェカレラに迫る数値であり、しかも今回取り上げたのは6MTモデルだから、その動力性能は一般のユーザーからみれば無用の長物だし、高性能車に慣れたドライバーでも決して物足りなさは感じないだろう。それではエンジンのフィーリングはといえば、先代Z33の3.5ℓに比べれば随分と洗練されているし、スポーティな音も付加されているから、この価格帯としては全く文句はない。
ランエボの場合はターボの過給により2ℓとはいえ300psのパワーとともに、43kg・mという4ℓ級のトルクを発生するから、その動力性能はフェアレディZをも上回る感覚で、体感的にはポルシェカレラS並だから、これこそ一般道では余り使い道は無さそうだ 。しかし、このクルマを買うユーザーは400万円代で軽く1000万円を超えるスーパースポーツ並の性能を堪能できるところに魅力を感じるのだから、これこそ普通のユーザーは買わないクルマと思ったほうが良い。

次にそれぞれのミッションのフィーリングに触れて見る。320iはZF社製の6ATを搭載しているから、トルコンATとしては充分なダイレクト感があるのは定評のとおりだ。今でこそ国産のATもダイレクト感という面ではZF製に 対してそれ程引けを取らないくらいまで進歩したが、 少し前までは雲泥の差だった。320iが重量の割には決定的にアンダーパワーでも実用になっているのは、この出来の良い6ATによると ころが大きい。これが国産車によくあるCVTだったらば、結構悲惨なことになるだろう。そして、MTモードについては最新モデルならば充分に早い反応を示し、数年前のモデルのように1秒近いタイムラグがあるということは無い。
そういう意味では現行クラウンは日本製のATが世界レベルに近づいていることを証明している。普通に使う分にはBMWなどのZF製ATと大きく変わることはない。違いがあるとすれば、コントローラー(ECU)の制御プログラムの違いだろう。こればかりは走行条件や乗り手のドライブスタイルで評価も変わるし、何よりこの手の電子制御は欧州(ボッシュ)が本家だから、流石に一日の長があるのは致し方無い。クラウンにもマニュアルモードは付いているが、残念ながら本気でテストした事は無い。アスリートでもキャラに合わないのに、ましてやロイヤルでマニュアル操作するドライバーは皆無ではないか。
フェアレディZはMTを取り上げたので、他の3車との比較はできないのでMTとしてのフィーリングでいうと、はっきり言って決して良くない。 操作力が結構必要で、さらには新車とは作動は渋く、オマケに2←→3速の場合はニュートラルでの左右の移動時に引っかかることも度々で、これではシフト操作が楽しくなるどころではない。といっても、これは最大のライバル(とニッサンが言っている)であるケイマンSの6MT (ゲトラグ製)と比べた場合で、BMWのZ4 Mロードスター&クーペ(旧M3とも同じ)などと比べれば似たようなモノだし、現行M3にしたところで、フェアレディZより少しマシな程度だから、価格と性能を考えれば許される範囲としよう。
ランエボ]はMTは5速だが、2ペダルの場合はZF製の6速ツインクラッチ式のミッション(TC−SST)が搭載されている。これはVWのDSGや、ポルシェの09モデルから採用されたPDKなどと同じタイプで、当然ながらトルコンATに比べてよりタイムラグは少なく、スリップもないからダイレクトな駆動をするという、良いことずくめのようだが、この手のミッションは確かにタイム的にはメリットがあるだろが、面白さとしてはハテ?まあ、これについては個人の好みの問題だが、ランエボを好むような硬派なドライバーが 果たして2ペダルで我慢できるのかも 疑問ではあるが。


写真30:BMW320i
直4 1,995cc 最高出力156ps/6,200rpm 最大トルク20.4kg-m/3,600rpmを発生するバルブトロニックエンジン。  


写真31:トヨタ クラウン ロイヤル
V6 2,994cc 最高出力336ps/7,000rpm 最大トルク32.0kg-m/5,200rpmを発生する。


写真32:ニッサン フェアレディZ
V6 3,696cc 最高出力256ps/6,200rpm 最大トルク37.2kg-m/3,600rpmを発生する。


写真33:三菱 ランサー Evo.]
直4 ターボ1,998cc 最高出力300ps/6,500rpm 最大トルク43.0kg-m/3,500rpmと4ℓ級のトルクを発生する。  

次に操舵性について比較してみる。 動力性能では他の3車に比べられて散々だった320iだが、操舵性となると俄然光ってくる。BMWといえば中心付近にワザと微妙な不感帯を設けることで一般的なドライバーにも安全に、しかも十分にクリックな特性とすることで、実に使い 易いのは今さら言うまでもない。そして、自分の腕が上がったのかと錯覚するほどにニュートラルな特性は、3シリーズの中でもフロントが軽い4気筒エンジンを積んでる320iは非力さとトレードオフで 、一際軽快な操舵感を提供するのも今までに何回も語られてきたことだ。しかし、ただ絶賛していても面白くないので、少しは批判的な事もいうと、このニュートラルな操舵性によりコーナーリング速度がバカっ速いかといえば、決してそうでもない。意外に思われるかもしれないが、国産のスポーティーカーと比べても3シリーズが コーナーでダントツに速い訳ではない。といっても、国産車の場合は「結構上手いドライバーが乗った場合」が条件であり、3シリーズの場合は平均よりちょっと上手い 程度のドライバーが乗った時の絶妙なコーナーリングと気持ち良さこそがBMWの狙いのようだ。
次にクラウンロイヤルだが、これまた操舵性能という点では言うまでもなく4車中で最下位というのは想像がつくだろう。元々ハンドリング云々なんて語るべき車ではなく、そういう用途ならせめてアスリートを選ぶべきなのも 、今更でもないが。と、言っても先代のゼロクラウンからは、先々代以前のように危険とも言いたくなるような最悪のコーナーリング特性ではなく随分とマトモになったが、それが主要なユーザーからはやり過ぎと判断されたらしく、現行モデルでは 残念ながら多少以前のフワフワに戻ってしまった。
そしてフェアレディZだが、先代のZ33は操舵力が重いというか鈍重という部類で、コーナーリング特性はアンダーが強くて、良く言えばアメリカンな大味さでハイウェーを真っ直ぐにひた走るクルマというイメージだった。しかし、考えてみれば同系統のプラットホームを使っているフーガの旋回性能は国産セダンとしては最高の部類でBMW5シリーズを手本として開発されて いるというのも納得の出来栄えなのだから、 フェアレディZだってもっとニュートラルな操舵性になってもおかしくはないと思っていたのだが、ようやく新型で達成された。 ホイールベースを縮めたことプラスして先代に比べてれば明らかに軽快でクイックだから、大柄なボディなどのハンディはあるものの結構楽しめる。 ただし、320iのような軽快感は無いが、これはカテゴリーが違うから個人の好みとしておこう。
最後のランエボ]については、コーナーリング速度の速さという面では他の3車とは一線を画している。とにかく、常識外の速度でコーナーに突入したとしても、何も無かったかのようにクリアしてしまう。 この時のステアリングホイールは、このコーナーリングロボットに指令を与えるための道具であって、あとは勝手にクルマがやってくれる。しかし、楽しいかといえばチョット違う。BMWが絶対速度の速さよりもコーナーを攻めているというフィーリングを味あわせてくれるのに対して、ランエボ]は物理的に速いことが第一で、タイムが全てのユーザーには良いかもしれない。

では乗り心地はといえば、320iは耳を澄ませば例によってランフラットタイヤによる細かいコツコツとした振動はあるが、慣れれば全く気にならないレベルだし、BMW独特のフラット感と剛性の高いボディによる、硬いけど乗り心地は悪くないという典型的なドイツのプレミアムブランドの乗り味だから、これを求めるユーザーには全く問題なく薦められる。今回の試乗車はハイラインパッケージにオプションで17”タイヤを履いていたが、Mスポーツパッケージほどには太すぎず、標準の16”よりはハンドリングが向上するという面では、一押しのサイズでもある。乗り心地の良さではクラウンがダントツだが、この柔らかさは欧州車好きからすればグニャグニャと気持ちが悪いと思うかもしれないが、後ろに乗せてもらうなら クラウンが一番とも思う。実際にそういう用途でも使われているので、当然でもあるが。
フェアレディZは2シータースポーツだから多少の乗り心地を犠牲にしても安定性を取るのは当然だが、はっきり言って硬い。最近は安定性と乗り心地を両立しているポルシェのPASM等の例もあるのだから、もう少ししなやかでも良いような気もする。そして、ランエボ]は当然ながら一般的なユーザーからすれば不快と思うほどに硬いが、このクルマを選ぶような特殊なユーザーには別に気にならない だろう。

ブレーキについては過去にも散々述べているように、この数年で国産車のブレーキは劇的に改善されてきた。その発端となったのが3シリーズに代表されるBMWの軽い踏力で喰いつつようなタイプの効き味で、今回の320iも当然ながら、この手の効き味だった。対してクラウンのブレーキといえば数年前までは、グニャグニャでしかも効きが悪く、緊急時には必死で踏んでも止まらないという、どうしようもない性能だったが、ゼロクラウンからは劇的に改良されてきた。これらの大きな理由として、ゼロクラウンやフーガはそれ以前に比べて標準ホイールのサイズが大きくなり、ブレーキローターのサイズも大きくなったことと、キャリパーのスペースにも余裕が出来たことでピストン容量も拡大されるという、ブレーキにとってはいい事ずくめの改良が成されことも原因の一つだ。 以前の車国産車といえばクラウンやセド/グロクラスでさえホイールサイズは14”か、精々15”だったが、これが一気に16”や17”となり、スポーティな上級モデルでは19”なんていうサイズもあり、今や欧州車の基準を追い越した感さえある。ということで、クラウンのブレーキも普通の乗用車の性能としては何の不満も無いレベルに達している。
BMW320iとクラウンがオーソドックスな片押しのピンスライドタイプのキャリパーを使用しているのに対して、フェアレディZとランエボ]はアルミの対向ピストンキャリパーを使用している。ランエボが従来からの定番であるブレンボー製を使用しているのに対して、フェアレディZは最近F1優勝マシーンのマクラーレンメルセデスにキャリパーを供給している事 で有名になった国産のアケボノ製を使用しているが、構造的にはどちらも似たようなもので、恐らく性能的にも大きく変わることはないであろう。これらの2車で停車中にブレーキペダルと踏んでみると、殆ど遊びがなく、それ以上踏んでみても殆どストロークしないのに気が付く筈だ。対向ピストンは構造上パッドとローターの隙間を狭く出来ることから、遊びが少ない独特なフィーリング となるようだ。では、走行中にブレーキを踏んだ時はといえば、まずフェアレディZの場合はパッドのμ(摩擦係数)が高いストリート系のパッドを装着しているのだろうか、まるでBMWサルーンのように軽い踏力で喰いつくように止まる。 マニアの好みとしてはもう少しμの低いスポーツ系のパッドを標準装着してもらいたかったが、一般的なドライバーには喰いつくような効き過ぎくらいの特性の方が安全なのかもしれない。ランエボ]はフェアレディ程には喰いつき感はないが、それでもあくまでストリート用という感じだから、どちらもサーキットの走行会などに出るのなら パッドを代えた方が良いかもしれないが、そういうユーザーは既に実行済だろう。


写真26
例によって普通の片持ちキャリパーを装着するBMW。Mモデルも含めてBMWで対向ピストンキャリパーを搭載しているのは135iのみ。


写真27
クラウンも極普通の片持ちキャリパーを装着している。唯一3.5アスリートはフロントにレクサスと同一の対向ピストンを使用しているが、ロイヤルは全てこれ。


写真27
スポーツグレードのSとSPには前後ともアルミ対向ピストンを使用している。スカイラインクーペの上級グレードと色違い(シルバーで中身は同じ)で国産のakebono製。


写真28
ランエボといえば brembo 製のアルミ対向ピストンはトレードマークみたいなもの。構造や性能ではいまや国産のakebonoとは大きな差はないようだ。

さて、ここまで付き合ってくれた読者の皆さんは、振り返って見れば「な〜んだ、当たり前のことを言っているだけじゃあないか」と思われるだろう。そう、誰もが想像するとおりで、何れも今更言うまでもないという結果になってしまった。だから、この4車でどれを選ぶか何ていうのは、各自の好みとクルマに対する考え方で自然と決まってしまうのだ。BMW320iとクラウン(ロイヤルとは言わないまでもアスリートとしても)で悩むユーザーなんて普通は居ないだろし、フェアレディZは4ドアセダンである他の3車とは全く違う選択を必要とする。そして、一応は4ドアセダンのランエボ]こそは、中身としてはフェアレディZ以上にコテコテのスポーツマシンだから、320iとランエボ]で悩むのも、これまた少数派だろう。とは言っても、こういう選択がないわけでは無い。例えば、亭主はランエボでガンガンと走りたいのに、女房は320iのブランドに憧れている場合などは、夫婦の間で熾烈な戦いがあるのは目に見えている。まあ、ブランド好きの中産階級マダムたちが、真昼間の暇つぶしにお洒落なテニスコートに行くのには、本当はBMWでも335iクーペとかカブリオレで行きたいところだが、まあ100歩譲って3 20セダンというのが憧れだろうが、ここにデカイ羽根をおっ立ててフロントにはデカいインタークーラー丸出しのガンダムルックのエボで乗り付けるのは 、確かにカッコ良くないし 気恥ずかしいものがある。そのうちに「○○さんのご主人って元暴走族だったんですって」なんていう噂がマダム連の間を飛び回るかもしれない。

どう見ても割高だし、性能的にも一番劣る320iの価格には色々言いたいユーザーも居るだろうが、単なるボッタクリと言う前に、少しは何故高いかを考えてみよう。欧州プレミアムブランドを新車で買うと、納車されるクルマはピカピカどころかチリ一粒さえも付いていないような 、これでもかの工場出たまんま、いやそれ以上に綺麗なことに感動するだろう。米国の場合はズラッと並んだ現車の中から自分の気に入った仕様を見つけて現物で決めるそうで、勿論細かい傷や汚れ、それどころかクルマによっては何人かが試乗したのでオドメーターが200km程度まで上がっているのもあるとか。 「このクルマなら売れ残ったし少し距離が出てるから安くしとくよ」 なんていうノリで買い得のインフィニティを買ったなんていう話も聞く。要するに日本国内では大切な財産を手に入れるような重大な儀式なのに対して、米国ではスーパーで大根 を買うようなノリだから、販売経費は大幅に少ないのは明らかだ。どうせ1週間も乗ればタイヤハウスの中は泥だらけだし、1ヶ月もすれば細かい傷だって付くわけだから、 気にしないのが合理的でもあるのだが。

「人それぞれは判ったから、おまえならば、この条件で何を選ぶんだ?」と言っている声が聞こえてくるから、最後に一言。今回の4台から一台だけ選ぶならば ・・・・・・・う〜ん、困った。でも、定年過ぎたら正直言ってクラウンなんて良いかもしれない。年金暮らしでクラウンロイヤル。良いんじゃあない。あっ、まてよ、定年過ぎても年金は殆ど出ないんだった。畜生、社会○険庁のバカ役人め。お前らだって老後は痛い目に合うんだぞ。あれっ、もしかして、あいつらは昔で言う恩給、いまでいう企業年金の上乗せがあるから、ぜ〜んぜん、気にしないのか??まさか。