Toyota Prius (2016/4) 前編 その2

  

新型プリウスの主なグレード構成は上位から
 Aプレミアム ⇒ A ⇒ S ⇒ E であり、
E を除いてはそれぞれに装備の充実した "ツーリングセレクション" があり、 更にこれらは2WD と E-Four があるというワイドセレクションになっている。と書いてはみたが何やら判りづらいので、下の表にまとめてみた。最初っからそれをやれよ!という声が聞こえるが‥‥。

  

以上を踏まえてインテリアを見てみよう。先代 (ZVW30) のインテリアは悪い意味でジャパンオリジナル的な雰囲気があったが、今度の新型はグローバルスタンダードに近づいた感じだ。そりゃ勿論日本独自のもので欧米のクルマより圧倒的に勝るデザインでもあればいいが、今までのジャパンオリジナルといえば田舎のキャバレーシートというかベロアの暑っ苦しいヤツが主流だったから、それくらいなら多少パクリ気味でもまだ欧州調の方がマシだ。

シート表皮は Aプレミアムが本皮 (写真23)、AとSが上級ファブリック (写真22) でそれらのツーリングセレクションでは合成皮革となり、Eでは (上級ではない) ファブリックとなっている。そしてポジションの調整は本革シートには電動式 (写真25)、その他のグレードでは手動式となる (写真24)。

なお先代 (ZVW30) では如何にも国産車という雰囲気のスエード調シートだったから、シート表皮でもグローバルスタンダードになったことになる。まあこういうのを好む田舎の親父も年をとってクルマを運転しなくなっているし、プリウスはやっぱり新しいモノ好きだから農協オヤジが手を出すこともないだろう。それで農協オヤジといえばクラウンだが、そのクラウンも今では一番ボトムグレードである2.5 ロイヤルでさえ373万円もするが、プリウスだって A プレミアム ツーリングセレクション 4WD (E-Four) は 339.4万円もするから、あと34万円も出せば憧れのクラウンが買えるのだった。まあ農協オヤジも土地は値下がりするは農業をやって無ければ宅地並みに課税されるはで、以前のような良い時代では無くなったようだが‥‥。元を正せば戦後の農地改革でタダ同然で手に入れた土地を‥‥おっと、この手の話は特別編ですることにしよう。

写真21-1
新型の内装はよりグローバルスタンダードに近づいた感じがする。


写真21-2
先代 (ZVW30) のインテリアは写真のクルマのカラーが特殊という事もあるが、新型に比べてジャパンオリジナル的な雰囲気がある。



写真22
一般的なグレードのシート表皮は上級ファブリック。


写真23
最上位の A プレミアムでは本革シートが標準装備される。


写真24
シートポジションは殆どのグレードで手動調整となる。


写真25
本革シートでは電動調整が標準となる。


写真26
先代 ZVW30 のシートは新型に比べて暑苦しいスエード調表皮など従来からのトヨタ色が目につく。

ドアのインナートリムはチョイと安っぽくて全面をプラスチック丸出しのパネルで誤魔化したという感じだ (写真27) 。それでも拡大してみると、写真のグレードではとりあえずドアノブはメッキ処理されているし、パワーウィンドウスイッチのパネルはピアノブラック風など、多少は金を掛けているようだが、何と言っても一体成型の安っぽさで帳消しになっている (写真28) 。それで先代と比べると、何と寧ろ新型よりもマシという状況だった 。

写真27
インナートリムはハッキリ言ってチャチい。もうプラスチックまる出しの一体成型となっている。



写真28
拡大してみると、ドアノブのメッキ処理やパワーウィンドウのスイッチパネルはピアノブラック風など多少は金を掛けている。
とはいえ先代の方が少しはマシな気もする。

ダッシュボードは歴代プリウスから引き継いだセンターメーターを採用していて、ステアリングホイールの正面にはメーターは無いから慣れないとチョイと運転し辛いが、長年プリウスを使ってきたオーナーならば全く問題ないだろうし、むしろ正面にメーターがあると違和感を感じるかもしれない (写真29-1) 。これを先代と比べると、基本的なコンセプトは変わっていない事が判る (写真29-2) 。

プリウスの ATセレクターといえば急角度のコンソール最先端の高い位置に細くて小さい、如何にも電子式スイッチという感じのものが付いているのを想像するが、今回の新型はさらに取り付け位置が上に上がって、言ってみればインパネシフトという位置になった。まあどうせ操作力は殆ど必要としないのだから何処に置いても関係無い訳だが‥‥ (写真30) 。そしてその ATセレクターのあるセンタークラスターの下にはコンソールが見えるが、これが上級モデルでは白く塗装されていてやけに目立つ(写真32) 。まあハイテクっぽさはあるから新型プリウスらしいとも言えるが、これは好みが分かれそうだ。

試乗車にはそのコンソールの最先端部分に何やら妙な黒い長方形のエリアがあるが、実はコレは上級グレードにオプション設定されている "置くだけ充電” という、その名の通り充電用ケーブルを繋げること無くスマートフォンなどを置くだけで充電出来るというものだ (写真34) 。

写真29-1
ダッシュボードの基本的なコンセプトは変わっていない。

 

写真29-2
先代もセンターメーターや電子式のATセレクターなど、プリウス独特なダッシュボードを持っていた。なお先代はセンタークラスターとコンソールがつながっていた。

 


写真30
AT セレクターはよりセンタークラスター側に移動して、正にインパネシフトという感じだ。


写真31
他車ではお馴染のコンソール後端のエアコンアウトレットは無い。


写真32
走行関係の機器は見当たらないコンソールは上級モデルではホワイトとなっているが、これは妙に目立つから好みも分かれそおだ。


写真33
エアコンの操作パネルは意外にオーソドックスなデザインとなっている。


写真34
コンソール先端部にある奇妙な黒い部分は、スマートフォン用の置くだけ充電というものだ。

ということで、今回も一番知りたい走行編については焦らしながら後編に続く。

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