Lexus NX 200t & 300h 特別編 [Lexus NX vs Toyota Harrier 後編 その1] 特別編へようこそ。 前編でも御注意申し上げたように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。 後編では実際の走りを比べてみる。 今回の試乗車はNX の場合、試乗記を参照願えば分かると思うがガソリンターボの NX200t とハイブリッドの NX300h の両方に試乗している。これに対して簡易試乗記で取り上げたハリアーはハイブリッドのみでしかもお台場のメガウェブの専用コースでのちょい乗りということで、本格的な比較は出来ないなどちょいと問題はあるが、まあやってみよう。 先ずはドライバーズシートに座ってみてのフィーリングは両車共 SUV だから乗用車に比べれば視線は高いが、これが視認性の良さに繋がっているから慣れれば結構運転しやすいと感じるし、これがミニバンを含めてこの手の背の高いクルマが流行っている一つの原因だと思っている。 ![]() その着座位置の高さについては前編での比較でシート自体は表皮の違いなどはあっても取り付けベースを含めて殆ど同じということが判っているが、車両全高はハリアーの方が45o も高い訳で、その違いは何処に現れるかといえばどう考えても頭上空間だろう。そこで下の写真のように2車を比べてみたらば、成る程ハリアーの方がドライバーの頭上に余裕があるのが判るが、それでは NX は低すぎるかといえば試乗中にルーフが頭に迫っていて圧迫感があった、なんてことは全く感じなかった。ということはハリアーの場合、デザイン的に NX のスポーティさに対して非スポーツ性 (?)を強調して安物感を表現する、といったら言い過だろうか。 ![]() スタートボタンは両車とも押しボタン式でその位置は NX ではステアリングホイールの左側でメータークラスタとセンタークラスターの中間辺り、そしてハリアーは逆にステアリングホイール右側のダッシュボード上に配置されている。そのスイッチ自体は恐らく同じ部品だろう。なお、写真下はどちらもガソリンモデルのためにボタンには "START" "STOP" と共に "ENGINE" の文字が見えるが、何故か "ENGINE"の文字が NX では下に、ハリアーでは上に書かれている。イニシャルコストの高いスイッチ本体は共通化して、比較的安い金型で住むボタン部分を2種類作って差別化したのだろう。何しろセレブの通う高級幼稚園の敷地内まで乗り入れが許される輸入車同等のレクサスと、片や門内には入ることが許されない大衆ブランドのトヨタ車を同じ部品でコストダウンするにしても、如何にも違う部品に見せかけるために思案をしたのだろう。「そんなこと言ってもこんな部品、差別化しようがねぇじゃんかぁ」とか言っていたら「そうだ、文字の表示の順番を変えれば良いんだ。これで別物だよなあ」と、言ったかどうかは知らないが、まあそんなところだろう。 そういうことから、子女を高級幼稚園に通わせたい場合は選択はNX ということになるし、ハリアーしか買えない場合は見栄をはらずに普通の幼稚園、場合によっては保育園となるが、その保育園が空きが無くて何年も待つらしい。その保育園に関しては北海道の衆議院議員補欠選挙の自民党推薦候補が公開討論会で「おまえら、貧乏だから保育園が必要なんだろ?」という発言をして問題になっているいるようだが、それを言っちまったのかぁ? 馬鹿ですねぇ。そんなこと政治家を目指すモノが口に出したら終わりだから、こころでは思っててもジッと我慢するのが当然だろうに。 この候補者の学歴は早稲田大学商学部卒ということだが、まあ早稲田といえば世間一般ではエリートには違いないが政治家となると多くが東大、しかも法学部だし、早稲田だとしたら政治経済学部であり、商学部は無いだろう。そして卒業後は三菱商事に勤務していたというが、成る程これも立派なエリートだ、と言いたいが海外勤務経験が東南アジアばっかりだ。ということはエリートコースからは外れている訳で、商社に限らす日本の企業では海外勤務先が米国もしくは欧州というのがエリートコースであり、東南アジア勤務だと40代に日本に戻れたと思ったら次のポジションはなくて、結局希望退職、というコースが脳裏に浮かぶ。 話を本題に戻して、両車の AT セレクターの形状は一見すると大きく異なるが、よくよく見れば NX にはレバー根元にレザブーツが掛かっているだけで、その中身は恐らく同じゲートタイプだろう。以前から感じていたのだがレクサス各車のこの手のブーツが掛かったジグザグゲートは慣れないとレバーを動かす方向は解り辛い。対するハリアーのジグザグゲートは見掛けは決して良くないが、目で見えた通りのゲートに沿って動かせば良いから使い勝手は悪く無い。 まあ両車はハイブリッド同士を比べた場合は同じエンジン、トランスミッションを使用している訳で、それを何とか150万円差を納得できるような違いを出すのだから、色々苦労もあるだろう。 次にパーキングブレーキの解除については NX ではコンソール上にある最新流行の電気式スイッチで、ハリアーは足元のフートレスト付近にあるペダルによるプッシュ/プッシュ方式という時代遅れのモノであり、これも150万円差の一部ということだ。 |
実際に走っての比較にはハイブリッド同士ということで NX は NX300h で比較するとして、その車両重量は2WD モデルのためにハリアーハイブリッドと殆ど同じだからパワーウェイトレシオも同じということで、これは比較し甲斐がありそうだ。 NX を最初にハーフスロットルで加速をしてみると、これまた低速のトルク特性が強力な電気モーターの特性によるHV独特のトルク感は感じるが、決して強力という程ではない。今度は30q/hくらいまで速度が落ちた状況からフルスロットルを踏んでみる。この時の加速感もやっぱりイマイチだし、回転が上がってガソリンエンジンのパワーが出てきた頃にはモーターのトルクは下降特性に入っていたりして、低速域以上に加速感は良くない。 対するハリアーはメガウェーブのちょい乗りということもあり、狭いコースなので発進して短い直線でいきなりフル加速となったが、まあトヨタのハイブリッドらしくマイルドではある。実はこの時点ではまさかブランド幼稚園に乗り入れできるレクサス NX と庶民向け大衆ブランドのハリアーが同じパワートレインを使用しているとは判らなかったのだが、それでもトヨタのハイブリッド SUV なんてどれも似たようなフィーリングだなあ、と思ったいたらゃ同じユニットだから当たり前だった。BMW などでは前期型1シリーズのように116i と118i を全く同じエンジンでもチューニング違いで価格差なりの性能差を持たせていたが、NX とハリアーのエンジンやモーターはスペックを比べても全く同じであり、ある面では良心的!だ。 ところでエンジンや電気モーター、そしてトランスミッションまで共通の両車のエンジンルーム内が全く同じかといえば下の写真のようにエンジンカバーを変えることで全く違う雰囲気に見せている、という具合にここでも150万円分の差を出すことに余念が無い。まあそう言ってもよく見ればトップカバー以外は殆ど同じだが‥‥。 なおガソリエンジン車については同じ2.0Lとは言うものの NX は最新のターボであり、対するハリアーは時代遅れの自然吸気と大きな違いがあるから、エンジンルーム内の眺めも当然異なる。ハリアー2.0 の価格はベースグレードの ”グランド” が 280万円であり、これは中型 SUV としてはバーゲンだと考えるべきか「スペックの割に高すぎねぇ」という事なのか? そこで ”同じく” 中型 SUV であるスバルフォレスターのベースモデルの 2.0i の値段を調べれば何と 215万円で買えるではないか。これぁスバヲタさんが騒ぐ訳だ。 ![]() 何故かここでもスバヲタさん登場で、この先はその2に続く。 ⇒後編 その2へ |