BMW 328i 特別編
BMW 328i vs Subaru Legacy B4 2.5GT その1

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

久々のFMCが実施されたBMW3シリーズは世界的なエンジンのダウンサイジングの波に乗って、BMWのアイデンティティの一つであった直列6気等エンジンを捨てて、4気等ターボエンジンへと 方向転換を行なった。 今回第1陣として発売された328iは、2Lで3Lクラスのパワーと3.7L並みのトルクを発生するが、その価格は総額600万円にも迫り、Dセグメントのファミリー セダンとしては如何せん高すぎると思うのは、BMWファンとて同じだろう。

そこで、いつものように特別編で、この328iよりも価格は半値くらいで性能的には同等というレガシィB4 2.5GTと内外装を中心に比較することで、レガシィでどの程度の満足感を得られそうかを検証してみることにした。 そうは言っても、こういう比較は個人の感性の問題もあるし、ましてや乗り味なんていうのは写真で比較も出来なければ、数字で表すことも出来ないから、これこそ個人の感覚 次第となる。 という前提の下に、言ってみれば単なる与太話として娯楽の対象にしてもらえば良いという考えだから、読者諸氏もマジに考えずに気楽に楽しんでもらえれば幸いに思う。何言ってるんだ、そんなのは許せない、なんていっている キ ミ !
だからぁ〜、最初に断っているだろう。そう、ここはキミの来るところでは無いのだよ。

と、最初からウケを狙ってショウモ無いことを言ってしまったが、それでは早速本題に入ることにしよう。今回比較するのはBMW328iとスバル レガシィB4 2.5GTで、まずはエクステリアから比較をすれば、BMWが一目で最新のBMWセダンと判断できるのに対して、レガシィはこれといった特徴がない。スバルはある時期、フロントグリルに、スバルの 前身であった中島飛行機をイメージして、飛行機を正面から見たデザインの“スプレッドウイングスグリル”を付けたのだが、何故か短期間で止めてしまった。まあ、あのデザインが良いか悪いかは別としても、折角やったのだがら、続けるべきだったと思うのだが・・・・。
 




3シリーズのリアは先代からの特徴であるL字型のテールライトが目に付くが、レガシィB4のテールライトも何とL字型を逆にしたものだった。しかし、こうして両車のリアを比べてみれば、結構イメージが似ているのに驚く。

次に主要緒元を比較してみよう。 BMWは今回の比較対照である328iと、近日発売される同一エンジンながらデチューンして3シリーズのベースモデルとなる320iを、レガシィも今回の比較対照の2.5LターボのセダンB4 2.5GTとベースグレードである2.5L自然吸気の2.5iを並べてみた。なお、レガシィといえばワゴンといこともあり、2.5iはツーリングワゴンとしてみた。

  

結果として、レガシィは3シリーズに対して全長が105mm長い割には、 ホイールベース(W/B)は60mm短い。すなわちレガシィはボディのオーバーハングが長い事になる。全幅はレガシィが20mm狭いが、3シリーズは日本向けにドアハンドルの飛び出しを押さえて1,800mmを死守しているので、車両感覚としては3シリーズがもう少し広く感じる。全高はレガシィが65mmも高い。

そこで、側面を比べてみれば、確かにレガシィはフロントオーバーハングが3シリーズに比べて明らかに長い。そして、W/Bは全長の割りに短いという、3シリーズとは全く異なるプロポーション を持っている。これはレガシィがAWDのためにフロントを駆動する事もあり、フロントアクスルより前にエンジンを搭載することに起因している。まあ、そうは言っても、3シリーズの短いオーバーハングはE36が出たときに驚いたし、E46では更に徹底して短くなっていて、当時の常識では正に「あっと驚く」快挙だった。その後、この手の手法は国産FR車も結構参考にしているようで、ゼロクラウンもスカイラインも基本的に短いオーバーハングのBMWスタイルを採用している。
 

次にいよいよインテリアの比較を行なうが、写真は3シリーズは最も一般的と思える328i ”Luxury”で、試乗記本編でも触れたようにオプションにダコタ・レザーシート(28.4万円)、メタリックペイント(8万円)が装着されていたので合計は622.4万円という恐ろしい価格となる。これに対してレガシィ B4は2.5GT Sパッケージ(320.3万)円に純正ナビゲーションシステム(26万円)を付けて約346万円と、こちらも国産車としては決して安いクルマではない。なお、レガシィは発売当時、2009年のモデルであり、現在GT Sパッケージ(AT)はアイサイトのみで343.4万円と、23万円もアップしている。



ドアを開けてみると、撮影した車両のインテリアカラーが双方共ブラックということもあり、この角度からだと一見大きな違いはないようにも思える。



シート表皮は328iが前述のとおりにダコタ・レザーというBMWではお馴染みのシボのハッキリした厚い本革を使用している。BMWの本皮シートといえば、特にセンターの座面には大きな皺(ギャザー)の寄った素材を思い出すが、328iのレザーシートにはハッキリしたギャザーはなく、結構平面になっている。これに対してレガシィGTのシート表皮は、センターがファブリック(スバルではスポーティクロスと呼んでいる)で、サイドが合成皮革となっている。

なお、シートの調整はどちらも電動式だが、勿論これらは上級グレード同士だからで、下位のグレードでは当然ながら手動式となる。ところでレガシィのシートといえば、10年前、いや5年前だってどうしようもない駄作で、折角の国産No1の乗り味の良さをシートが台無しにしていたが、その後改良が続いたことで、今ではまあ国産他車と比べ ても決して悪くないところまで進化した。
 



今度はインパネを比較してみ ると、328iは最新の横’(水平)方向を基調としたデザインで、如何にも”新しい”いう感じがするのに対して、レガシィはセンタークラスターのデザインセンスの無さが全てを台無しにしている。



センタークラスターを比較すると、もう既に述べたように、最新デザインの328iは全ての操作に視線移動の少ないタイプで、特に横長で最上部にあるディスプレイは、恐らく今後の主流になるだろう。対して、レガシィはまあ、何と言うか・・・・・・。いや、もうこれ以上は申しませぬ。

インパネの材質やシボなどは、こうして比べてみるとレガシィも決して悪くは無い。しかし、レガシィは全体のデザインセンスの悪さが、ひとつひとつの良さを台無しにしているように感じる。

レガシィのインテリアトリムは良く見ると樹脂製とはいえカーボン風のもので、結構凝っているのだが、これまた折角の努力は報われていない。




ドアインナートリムは328iの場合、オプションのレザーインテリアということもあるが、最新設計だけあって実に良い雰囲気を出している。これに対して、レガシィは相変わらず真面目に作っているのに報われていない。


 

その2につづく