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TOYOTA AQUA 簡易試乗記 特別編 [TOYOTA AQUA vs FORD FIESTA 前編] 特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは、この先の記事を冷静に読める知識と教養を身につけている読者のみ閲覧ください。従って、この先に何が書かれていようが、笑って受け流す事が出来ない方はTOPページに戻るかブラウザを閉じてください。 アクアのライバルといって最初に思い立つのはホンダ フィット ハイブリッドであり、価格的にも HV であることも、そして車両のカテゴリーもBセグメントと同じだからこれはもうドンピシャの対戦相手であり、実際にこの対決はHONDA FIT 13G & HYBRID 簡易試乗記 特別編 HONDA FIT HYBRID vs TOYOTA AQUA しかし今回、後期型のアクアに試乗したことで、前期型よりも大幅に改善されていることが確認できたから、アクアのリベンジのためにも再度フィット ハイブリッドとのリターンマッチというのも考えたが、改良されたとはいえアクアの走行性はやっと普通のクルアになった程度で、同クラスではダントツとも思えるフィット ハイブリッドと再戦したところで勝ち目は無さそうだ。ということで今度は対戦相手を変えて、先日の簡易試乗記でこれまた抜群の評価となったフォード フィエスタとの対決を考えてみた。まあフィエスタの走行性ならば本来はフィットが相手だろうし、フィットに敵わないアクアがフィエスタに勝てるのかという意見もあるだろうか、フィエスタは輸入車ということから割高な価格だし、ハイブリッドではなく小排気量ターボエンジンだから、経済性では流石にアクアに勝ち目があるわけで、総合的に比較する価値はありそうだ。 そして、実はもう一つの目論見は、フィエスタの試乗結果が良かったが、考えれみればフォードという鬼畜米英のメーカーであり、いまや憲法を勝手に解釈して戦争ができると突き進んでいる日本にとっては、自国の とまあ、くだらない事を書きなぐったが、ここで何時ものとおり各車の内容を確認するためにスペック一覧表をまとめてみた。
アクアとフィエスタのアウターサイズはほぼ同じであり、その割には車両重量はフィエスタが100kgほど重く、1.5L + ハイブリッドと1.0L ターボという差だってフィエスタが重い理由にはならないから、これはボティそのものが重いわけで、それだけフィエスタのボティがガッチリと高剛性構造なのか、トヨタの軽量化技術が優っているのかだが、まあどちらも有りそうだ。おっと、そうでなくて我が日本の技術の賜だと言う事にしよう。 トランスミッションについてはアクアは無段変速なので表では CVT と記しているが、これは国産の安物でお馴染みのスチールベルトのタイプではなく、モーターとガソリンエンジンのトルクを上手く結合する目的も兼ね備えた高度なものだ。対するフィエスタは欧州の主流となりつつあるデュアルクラッチ (DCT) タイプであり、これは本来もっと上級クラスで主流になっているものだ。 えっ、フィットだってDCT じゃねえか、って? 確かにそうだが、実は欧州の3流メーカー製を使ったためにリコールでひどい目にあった訳で、この話は1014年11月30日の日記で特別編としてまとめてあるので興味のある読者は 日記特別編 ホンダ車のリコール を参照願いたい。 それでは両車のエクステリアから比較する。 |
全幅はアクアとフィエスタではそれぞれ1,695と1,720o だからフィエスタが少し広く、全高はそれぞれ 1,455と1,475o でフィエスタが20o 高いから、結果的には似たようなものだが実車を見るとアクアの方が広く低くてスポーティーに見える。
フロントのラジエターグリルを比較するとアクアは最近のトヨタのアイデンティティであるスピンドルグリル‥‥ではないが、よく見るとそれを逆にしたような変形の6角形であり、フィエスタはなんとアストンマーチン風のデザインだ。確かに少し前まではアストンマーチンはフォードの傘下だったがその後の財政難で手放しているから、別れた女房の嫁入り道具で生活してるみたいだで微妙なところだ。 リアの比較ではフロント以上にフィエスタのボディが丸いのが判る。ところでリアにハッチを持つ両車は、この形状からくる特徴であるテールランプの面積の小ささを感じるが、まあ実用なれば言い訳だから文句は言わないが‥‥。
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Bピラーから後方のルーフラインは両車ともリアエンドに向かって下降させているが、アクアの方がより強い角度であり、元々20o 低い事に加え写真左上のようにリアから見るとかなり低く見えるから、スポーティーで格好良いと見えるわけで、これで素人さんを騙しているわけだ。まあ、それでも後期モデルは走りの方も並みのクルマ程度には改善されたから未だ良いものの、前期型を買ったユーザーはチョイと悲劇だが、それを知らずに乗っていれは喜劇となる。 実は上記の部分はアクア vs フィットからの流用だが、やはりこれに尽きる。 次にリアゲートを開けて比べてみれば、そのスペースは似たようなものであり、全長が同じくらいの FWD ハッチバック同士だからまあ当然だし、サスもトーションビームだから室内への張り出しも無く、そういう意味では走りよりも実用を狙っているわけだが、このクラスならそれも当然だ。
ドアを開けて見える光景の第一印象はインテリアカラーによる部分が大きく、特にブラック内装とカラー内装を比較すれば、ブラックは当然ながら地味にみえるし、カラーならそれよりもお洒落に見える場合が多い (まあ例外もあるが) 。それを踏まえれば今回のアクアのシートはブリリアンレッドというものでアクアの中では最も派手な色だが、実はこれはSグレードにオプション設定されているものだ。 フィエスタの内装色はブラックのみのようで、まあグレード自体が一つしか無いわけで、販売台数を考えれば仕方ないだろう。まあ、実際に派手なカラーを取り揃えたとしても多くのユーザーは無難なブラック系を選ぶのが現実であり、BMW なども派手は内装のクルマは多くが展示車として発注したものだったりする。
国産車、取り分けトヨタのシートといえばその昔は田舎の安キャバレー丸出しの安物ベロアだったりしたが、そういうのを好む農協のジジババも代替わりして、息子や娘は親が土地を売って大金持ちになった事から、3~4流大学の付属高校に金を使って入れることでそのまま大学進学したから、勉強の方は何もやってなくても、同級生には都会のバカ息子もいるから、そういう連中に感化されてベンツだビーエムだというのを覚えた訳で、そういう連中にベロアのキャバレーシートは通用しないから、メーカーとしても徐々に方針を変更してきた訳だが、さりとて農家が全て成金というわけでもなく、代替わりしても感覚は大して進歩していない場合も多いから、本気で欧州的なファブリックを使ったりすると「なんだこの安物は」という事になるわけで、メーカーとしては各車種のユーザー層と考える必要がある。 フィエスタのシート表皮は欧州車の標準的なファブリックだが、写真右下のようにサイドの生地が一部中央の座面に入り込んでいるのはボルボやVWでも採用している方法で、しかも普通は少し上級グレードに使用するもので、ベースグレードではこんな凝った造りではなくもっと単純なものを使うのが普通だ。ということは、モノグレードの日本仕様は少し上級装備になっているようで、もっと質素なモデルなら価格は随分と下がるだろうが、その為にはこのクルマの良さが日本でもっと理解されなければならない、尤も TPP が実施されるとフィエスタが売れないのは日本のカーメーカーとディーラーが原因だとフォードが損害賠償を要求して、日本のメーカーは膨大な倍賞を請求されるのだろうか?
これも常々述べている事だが、ドアのインナートリムというのはインパネに比べて走行中にドライバーやパッセンジャーの目にとまる機会が少ないために、この部分の質を落としてコストダウンするのが一般的であり、その意味ではBセグメントであるアクアもフィエスタもよく見れば安っぽい樹脂成形を使用している。それでも両車ともそれぞれに工夫を凝らして何とか安っぽさを目立たないようにしようという努力の跡は認められる。すなわちアクアはスイッチパネルの周りに赤いラインを配してアクセントを付けたり、フィエスタは部分的にロームメッキパーツを使ったり等だ。
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エアコンはどちらもフルオートタイプだが、当然ながらデザインやオペレーションは全く異なる。しかし、エアコンの操作はシンボルが統一されているからどんな配列でも特に説明書がなくても操作できるものだし、走行中に頻繁に使用することもないので慣れない操作で危険ということもない。
オーディオについてはアクアの場合はオーディオレスであり、インパネ中段にある2DIN サイズのブランクパネル部分にディーラーオプションまたは市販のオーディオを付けることになるし、ナビが欲しければオーディオ一体型を付ければいい。量販店などでは汎用の一体ナビは結構安く売っているから、結果的に買い得なのだが、操作性を考えるとオーディオやナビやエアコン等が集中制御できる専用品がライン装着されているタイプが理想だが、どうしても価格が高くなる傾向にある。そんな中で、最近のマツダは最初から統合システムが装着されているがナビはオプションで、しかも数万円のメモリーを追加するだけという実に合理的な方式となっている。 フィエスタについては日本向けにはSONY 製の専用オーディオが標準となっているがナビには対応していない。その為に試乗車では上部にコンパクトタイプのナビを付けていたが決して格好の良いものではないし、最上部にあるインフォメーションディスプレイが隠れてしまうなど不満も多く、これはあくまでも応急処置的だ。なお欧州ではどうなのかといえば写真右下のようにディスプレイを含めた統合制御ユニットが装備されているようだ。
ということで、走行に関する操作部分と本命の試乗比較は後編にて。 |