Mazda Axela Sport 20S SKYACTIV 前編  ⇒後編
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マツダの新しいコンセプトであるSKYACTIVテクノロジーによる第一弾のデミオに続き、アクセラもマイナーチェンジ(MC)を機にエンジンとATミッションがSKYACTIV化された。そこで試乗したのがアクセ ラスポーツ 20S SKYACTIVで 、ベース価格215万円に対してオプションのツーリングコンフォートT&U(大径ホイール、ディスチャージヘッドライト等)が装着されていたから、合計価格は22 9万円となる。なお、2Lモデルには他にベースモデルである20C SKYACTIV(190万円)も ラインナップされている。オーディオは全車オプションだから若者必須のナビを付けると車両価格で250万円と超えてしまう。
アクセラにはセダンも設定されていて、こちらは20Cが同価格で、上位モデルは20E(205万円)となる。また、1.5Lモデルは基本的にエンジンやミッションなどは前期型からの変更はないし、SKYACTIVに対応もしていない。

先ずは新旧のアクセラ スポーツ20S、そして新しい1.5Lの15Sと2.3Lターボのホットハッチであるマツダスピード アクセラを加えたアクセラスポーツの主要バリエーションのスペック比較をしてみよう。



同じ20Sで前期/後期を比較すれば、最大の相違点であるエンジンは同じ2LながらSKYACTIV化によりパワーは150⇒170ps、トルクは19.0⇒21.4kg・mと向上しているし、ミッションも 5ATから新型6ATとなってSKYACTIV化され、アクティブマチックと命名されている。マツダスピード アクセラはFFハッチバックとしては最大級の264psエンジンを搭載しているという、アクセラのバリエーションとしては異端児だから、別格としてよ いだろう。マツダスピード アクセラについては、本当は結構興味があるのだが、何せ試乗車が全く無い。価格的にはナビを着ければ300万円を超える訳で、ホットハッチの名作であるミニクーパーSに手が届きそうなところが、これまた気になる。

アクセラスポーツは、”スポーツ”とは言っても5ドアハッチバックのことだが、メーカーではステーションワゴンといっている。まあ、ワゴンと言えないこともないし、ハッチバックとワゴンの境界線というのも良く判らないが、ワゴンに近いハッチバックとしてはアウディ A3が思い浮かぶ。今回のMCによって外観はどの程度の変化があったかというと、実は極一部でフロントバンパーのエアインテイクやリアバンパーのリフレクター付近の微妙な造形の変更程度だった。



今回のハイライトであるSKYACTIVコンセプトによる新型エンジンSKYACTV−G2.0 (PE-VPS) は高圧縮を採用し、マルチホールインジェクターによる直噴やキャビティ(くぼみ)付きピストン、バルブタイミングは吸排気共に可変とすることなどで、 自然吸気1,997ccから170ps/6,700rpm、21.4kg・m/4,250rpm を発生する。なお、前期型のLF-VDSは排気量1,998ccから150ps/6,200rpm、 19.0kg・m/4,500rpm だから、新型は10%以上の性能アップとなる。



なお、新型のエンジンはSKYACTIVコンセプトのシンボルカラーであるブルーのトップカバーが眩しく、外観上でも一目で新旧が判別できる。
 

室内は基本的に前期型と変わりは無い。 シートも全く同じ形状だし、欧州的なファブリックのシート表皮も前期型から引き継いでいる。なお、シート調整は全て手動で電動式はオプションにも設定は無い。








ドアのインナートリムも前期型と同じ。写真のハンドブリップがシルバーなのは20Sだからで、1.5Lモデルは当然ながら、2Lでも廉価グレード(20C)では如何にもプラスチック丸出し の黒となる。
 

インパネも前期型の流用で、今回のために新たに金型を変えたということは無さそうだ。

アクセラにはオートエアコンが標準装備されていてコントロールパネルはセンタークラスター上にあるが、温度情報などはダッシュボード中央トップにあるディスプレイに表示される。なお、この方式も前期型も同様となっている。
と、ここで、随所が前期型と同じなんていうとアクセラファンからすれば、○○が違ったとかいう話になるのだろうが、ここで言っている変更というのはせめて金型を新しくしたという状況と思って欲しい。



今回、改めてアクセラのインテリアをじっくり見てみれば、やっぱり安っぽいというかプラスチッキーというヤツで、まあ、価格を考えればそんなものだろう。 それでも今回紹介する20Sは、まだマシであって、これが1.5Lモデルになると、安っぽさには更に磨きがかかっていた。

室内も一通り見回したところで、運転席に座ってみると、マツダの長所である国産車らしくない欧州基準のシートの出来が良いことを思い出した。全体的に固めでサポートも
良く、国産車にありがちな体の一部のみで支えるようなことはなく、 これなら長距離でも疲れが少ないだろう。 ハッキリ言って、アクセラの最大の利点は、この出来の良いシートかもしれない。

そして、エンジンを始動するのだが、この先は後編にて。

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