
ところで、パジェロのディーゼルエンジンは他車の新時代ディーゼルと比べて如何なのだろうか。現在、日本で発売されている乗用車登録のディーゼル車は国産車ではニッサンエクストレイル2.0GT、輸入車ではメルセデスベンツ E350BlueTECくらいだろうか。そこで、パジェロを含めた3車種のディーゼルエンジンのスペックを比べてみる。
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Mitsubishi |
Nissan |
Mercedes Benz |
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Pajero
3.2DI-D |
X-Trail 2.0GT |
E350 Blue TEC |
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車両型式 |
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LDA-V98W |
DBA-ZGE21G |
DBA-212024C |
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エンジン・トランスミッション |
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エンジン型式 |
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4M41 |
M9R |
642 |
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エンジン種類 |
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I4 DOHC
DIESEL TURBO |
← |
V6 DOHC
DIESEL TURBO |
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総排気量(cm3) |
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3,200 |
1,995 |
2,986 |
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最高出力(ps/rpm) |
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190/3,500 |
173/3,750 |
211/3,400 |
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最大トルク(kg・m/rpm) |
45.0/2,000 |
36.7/2,000 |
55.1/1,600-2,400 |
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トランスミッション |
5AT |
6AT |
7AT |
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燃料消費率(km/L)
(10・15/JC08モード走行) |
10.6/10.4 |
14.2/13.8 |
13.4/12.4 |
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パワー/排気量(ps/L) |
59.3 |
86.7 |
70.7 |
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価格 |
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車両価格 |
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411.6万円 |
314.0万円 |
798.0万円 |
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備考 |
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EXCEED |
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AVANTGARDE |
こうして見ると、排気量とパワーの関係や燃費を比べて、その優秀性を判断すれば
メルセデス > ニッサン > 三菱
となってしまう。
何言ってんだ。クルマは乗って何ぼだと言われそうなので、振動と騒音について比べてみると、メルセデスのディーゼルはアイドリングで神経を集中すれば僅かな振動が感じられる程度で、言われなければディーゼルとは判らない。
フル加速をした時はディーゼルらしいエンジン音が多少聞こえるが、これとて極僅かで、これなら回転数が伸びないだけで、ディーゼルのデメリットは殆ど無い。
エクストレイルはメルセデスと比べれば流石に差が付いてしまい、アイドリングでも多少の振動を感じるし、フル加速ではディーゼルエンジンの騒音がモロに聞こえてしまう。
そして、パジェロのアイドリング時の振動はメルセデスと比べてマダマダだと思ったエクストレイルよりも酷く、更にブルブルという一昔前のディーゼル丸出しだし、フル加速だって煩いと思ったエクストレイルよりも更に盛大なディーゼル独特のノイズが轟きわたる。すなわち、走った結果も
メルセデス > ニッサン > 三菱
となる。
今回はあくまでもターボディーゼルのモデルを試乗した結果であり、もしかしてガソリン版だったら結構良いのかもしれない。パジェロのバリエーションにはGRというベースグレードがあり、ガソリン3.0Lなら300万円くらいだから、今の時代、ミニバンを買う事を思えば決して高くないし、ちゃあんと7人乗れるから、息子のサッカークラブの試合
の時のクルマ出し当番でも活躍できる。それに、安定性が良くないといっても、ミニバンに比べれば似たような物だし。
ということで、パジェロの立場も多少は立てたところで、今回は終了とする。
注記:この試乗記は2011年3月現在の内容です。
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