BMW G05 X5 xDrive 35d  試乗記特別編
  [X5 xDrive 35d vs Porsche Cayenne S 前編 その1
]

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

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既に日記でも予告したようにEセグメント高級 SUV の本家的な BMW X5 と、後発とはいえクラス的にガチンコライバルであるポルシェ カイエンの比較を行う。このところ安モノ路線気味だった当サイトだが、今回は車両価格が一千万円を超えるという、久々に夢のある組み合わせとなった 。

先ずは両モデルのバリエーションだが、今年2月に発売となった新型 X5 (G05) は未だ直6 3.0L ターボディゼルの xDrive35d のみで、グレードはスタンダートとMスポーツの2つしか無いという状況だ。対するポルシェ カイエンは V6 3.0Lターボのカイエン、同ツインターボのカイエンS、そして 4.0Lツインターボのカイエン ターボ、更には下表には無いがカイエン E-Hybrid (1,239万円) とカイエン Turbo S E-Hybrid (2,370万円) というやる気ムンムンのラインナップの多さを誇っている。

それで比較するグレードはというと、X5 はコレっきゃないと言う事で xDrive35d で上位のMスポーツ(1,030万円) 。対するカイエンはS(1,355万円) で、これは X5 より一つ上となってしまうが、本来同価格帯のカイエン スタンダードが試乗車として無かった為にこうなってしまった。一般に高級輸入車の試乗車は上位グレードが多く、それでその高級感に惚れて買ったら納車されてクルマはイマイチだった、何て事があるので注意が必要だ。

そんな状況の為に、パワーはガソリンのカイエンSが大きいがトルクはディーゼルのX5が勝っているという状況になる。

それでは両車のエクステリア比較から始める。

何しろ全幅2mクラスという巨体だからその迫力は満点だ。しかも一千万円超の価格だから仕上げだって当然良く、所有する満足感はどちらも十分に充たされるだろうが、品が良いかと言うとチョイと問題はある。この手のクルマは完全にシャッターの降りるガレージは別として、一般的なカーポートだとヤタラに目立つから、犯罪者のターゲットになる可能性は大きいし、御近所から顰蹙を買うかもしれない。ええっ、何でぇ、自分のクルマに何を買おうが勝手じゃねぇか、何て言いたいが、それが世の中と言うものだ。

フロントビューは両車共アイデンティティ満点で、X5 は勿論キドニーグリルだが、そのグリルは他のBMW サルーンなどと比べて一際デカイから、その威圧感たるや凄まじい。カイエンはこれまたアイデンティティーと言う面では一目でポルシェと判るカエル顔であり、他社がやったら笑いモノだが長い伝統でこのカエル顔の性能は多くのドライバーが知っているから、これまた威圧感は充分だ。

リアビューはフロントよりもクルマの幅や高さが把握し易いが、両車を比べると X5 は比較的スクエアだが、カイエンはポルシェらしくウエストラインから上が大きく絞られている。たたしリアからの迫力と言う面では X5 が勝るようにも感じるが、まあこれは個人の好みの問題だろう。

サイドを比べるとサイズは X5 が全長 4,935 x 全高 1,770o 、ホイールベース 2,975o でカイエンは全長 4,918 x 全高 1,696o 、ホイールベース 2,895o と全長・全高共に X5 が少し大きが、まあ全長が 5m に迫る巨体同士には変わらず、どちらも結構な迫力だ。

またフロントウィンドウからルーフ、そしてリアゲートに至るボディーラインは、カイエンの方がより曲線的でスポーティーなのは高級スポーツサルーンの BMW と高性能スポーツカーのポルシェという両社のイメージにも合っている。とは言ってみたが、BMW ではよりスポーティーな SUV クーペである X6 があったのを思い出した。

と書いては見たが、待てよっ、カイエンにもクーペが有ったような気が‥‥。

ヘッドライトについては、X5ではアダプティブ LED ヘッドライトが標準となる。カイエンのヘッドライトはPorsche Dynamic Light System (PDLS) というハイテクライトのオプション4種類もあり最上級のものは40万円もする。 ではカイエンの標準ライトはというと、今現在はネットでもカタログでも何故か標準装備のヘッドライトについては明記されていない。

リアゲートを開けてラゲージスペースを比較すると、元々全幅が22o広く、全高は74o 高く、そしてボディー形状もスクエアな X5 のほうが当然ながら広い。加えてカイエンの開口部はピラーが太い為により狭くなっている。

なお X5 のリアゲートは上下開きで、写真では上を開けたのみのために、更に開口部を広げるには下のゲートを開ける事で床面と平らになり、重量物を積む時などには便利だ。

では奥行きはというと、これは全長が17oしか違わない事もあり、殆ど差が無い。

そしてリアゲートの開閉は勿論このクラスなら常識のパワーゲートとなっていて、その操作ボタンもテールゲード底面の似たような位置にある。

次にインテリア比較に進むが、この先はその2に続く。


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