BMW F40 118i (2019/11) 前編 その2 |
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室内を比べる前にドアを開けたついでに両車のドアヒンジを比べてみると、ヒンジもドアストッパーも同じ部品を使っているようだ。まあこんな部品は実用上問題なければ特に変更することも無く、多くのモデルで共通化すればコストは大いに下がる事になる。 |
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写真13 |
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次にドアを開けてインテリアを比較すると、一見したところ何時もの BMW で特に変わったという事はない (写真14) 。写真のクルマは新旧とも M Sport という事もありシートはスポーツシートで表皮はお馴染みのアルカンターラとファブリックのコンビだが、新型は従来モデルに比べるとアルカンターラの面積が多く、ファブリックは極一部しか使用されていない (写真15) 。 シート調整とポジションメモリーは BMW でお馴染みのもので、恐らくスイッチユニット自体もキャリーオーバーだろう (写真16) 。これが3シリーズの場合は新型 G20 ではメモリースイッチがドア側に移動している。コスト的にはシート側面に纏めた方が当然安くなるから、1シリーズではそのまま踏襲したのだろう。なおスカッフプレート には新旧とも ”M135i” のロゴがあるが、これは手持ち写真の事情によるためで、 118i M sport では "M” ロゴのみとなる。 |
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写真14 |
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新型のドアインナートリムはCセグメント車としては結構素材も良く、高級感もそれなりにある。特に写真の車は M Sport だからステッチも入っていて、BMW の上級セグメントと大きく変わらない雰囲気だ 。対する先代モデルは新型に比較すればイマイチ安っぽい (写真17) 。 またドアノブは、これも新型では最新の BMW に使われている角型のリング状のものが付いている。またアームレスト先端にオーディオスピーカーを配しているのは BMW としては初めて見るものだ。 |
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新型のダッシュボードのレイアウトも3シリーズ (G20) などと共通点の多い、最新の BMW としては標準的なものだ。対する先代モデルはやはり時代の違いを感じさせ、今となってはちょいと時代遅れの感もある (写真18) 。 センタークラスター上のエアコン&オーディオ関連パネルも F40 では3シリーズ (G20) や Z4 (G29) という同じく最新モデルと共通となっている (写真19) 。 またセンターコンソール上の操作機器は、これまた新型は3シリーズ (G20) や Z4 (G29) と共通と思えるアッセンブリーとして一式がパネルに装着されたもので、このようにベースプレートまで含めて同一ユニットにしてしまう事は共通化によるコスト削減という意味では大いなるメリットがある (写真20) 。RWD の G20 や G29 と FWD の F40 の ATセレクターを共通化できるのは、勿論電子式セレクターと電気式パーキングブレーキのメリットであり、メカ式では横型エンジンの FWD との共通化は不可能だ。 対する先代モデルでは同じく電子式とはいえ長年お馴染みだった一時代前のユニットを使用している。このタイプではセレクターとコマンドダイヤルは別部品で、コンソール形状も3シリーズなどとは異なっていて、新型ほどの徹底した共通化には達していなかった。 |
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写真18 |
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写真19 |
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ルーフ先端のオーバーヘッドコンソールは最近のクルマとしては結構良く出来ていて、Cセグハッチとしては充分で、この部分は新型になって大いに向上したものだが、悲しいかなこの部分はドライバーが見る事は殆ど無い 。 後席用のエアアウトレットはお馴染みのフロントコンソール後端にあるが、新旧とも上位セグメントに比べればシンプル、言い換えれば安っぽい (写真22) 。コンソール後部のアームレストの幅を比べると車幅の広い新型の方がむしろ狭いのはシートがより中央に寄せられたのだろうか? 新型では電動式パーキングブレーキとなり、レバーが必要なくなった事も原因であろう。 |
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写真21 |
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ここまで見た限りでは内外装とも新型の方がより高級感が増して、1シリーズの惨めさは殆ど無くなっている。これで走行性能も向上していれば言う事無いのだが、駆動方式が FWD となった懸念もある。 という事で、これについては後編にて。 |