Lexus RX450h 試乗記 特別編
  [Lexus RX450h vs Porsche Cayenne S E-Hybrid 前編 その1]

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

TOPページに戻る

今回の2車の共通点はどちらも SUV でしかもハイブリッドだということだが、先ずはそれらの分野での実績を調べてみる。初代 RX は日本ではハリアーの名称で1997年に発売され、対するカイエンは初代 (955) が 2002年に発売されているか。またハイブリッドについてはトヨタ初の量産型ハイブリッド車の初代プリウスが発売されたのが1997年であり、RX 450h の初代にあたるハリアーハイブリッドは2003年に発売となった。これに対してポルシェのハイブリッドは2011年からパナメーラとカイエンのカタログモデルとなっているから、ポルシェの量産型ハイブリッドはこれらが最初ということになる。

という事は、トヨタはポルシェに対してハイブリッドの実績では14年!、ハイブリッド SUV では8年先行していることになる。また SUV の実績でもハリアーはカイエンよりも7年早く市場に投入されているから、ハイブリッド SUV としての実績では RX が圧倒的に有利となるだろう。911 やボクスターでは国産車で対抗できる車種は無いという何とも寂しい思いだが、SUV 、しかもハイブリッドと来れば天下のポルシェに対抗出来そうだし、上手くいけば勝てるかもしれない。というナショナリズム全開というか愛国心丸出しで頑張ってみよう。おっと愛国心なんて言うと日の丸立ててスピーカ−でがなり立てる団体を想像する人もいるだろうが、何度も言うようにあれは隠れキムチで真っ当な日本人では無いという事実を肝に命じて欲しいものだ。というか、普通の日本人が ”右翼” という言葉を聞いて顔をしかめることは、それこそ連中の思う壺であり奴らの目的を達成されてしまうということだ。は〜い、ここんとこ重要ですよっ!

それで先ずは両車の諸元を比較するが、それぞれ主役の RX450h と Cayenne S-E は当然としてそれ以外に比較のための車種については RX は廉価モデルである RX200t でスンナリと決まるが、さて Cayenne はといえば RX と同様に廉価 (Standerd) モデルの Cayenne を考えたが、それでも859万円と RX450h の目一杯高いクレードよりも100万円も高いというのもどんな物か? まあ「輸入車ってこんなにバカ高いんすよぉ」っていうのも特別編らしいと言えるが、読者の中には本気で RX450h の予算でポルシェの SUV は買えないのかという疑問を持っている場合もあるだろうから、ここは同じポルシェブランドでもワンサイズ下の Macan の Standerd モデルならば RX450h のスタンダードグレードと同等という事から、これを比較相手にする事にした。

 

ところで上の表には米国での価格も比較してあるが、RX450h では流石に日本製ということもあり国内価格は米国価格よりも割安にも思えるくらいだが、実はこのところ為替相場が急変していて非常に比較しづらい情況で、とりあえずこれを書いている時点での1ドル 110円と仮定してある。まあそれでも米国価格同士という横並びの相対比較ならば為替レートに関係無いために Cayenne S-E と Macan の価格を比較すると Macan S は RX450h のベースグレードと同等価格となっている。ここで何故に Macan は ”S” なのかといえば、米国では 直4 2.0L ターボのベースモデルは販売されて無いようで、”S-E” と ”S” のみだった事による。それで日本での価格はといえば Macan S は米国で同等価格の RX450h よりも100万円高いのが判る。まあ輸入品と国産車の比較だから仕方ないかな、と思ってみたが、米国から見れば Macan だって輸入車であり日本だけが輸入しているわけではないのだが‥‥。

しかし此処で思い出すのはポルシェの日本価格というのは米国価格とそれ程変わらない良心的なものだったはずだ。ということで今度は 911 の米国価格を調べてみたらば 84,300ドルであり、これは Cayenne S-E の77,200ドルよりも7,000ドルも高かった。しかしながら日本での 911の価格はベースグレードのMT が1,178 万円だから、日本でのCayenne S-E は米国で7千ドルも高価格な911 と同等価格だった。因みに Boxster も同様で米国では52,100ドルと Mancan S と同等価格にも関わらず日本では100万円も安い634万円也で販売されている。

この理由を意地悪く勘ぐってみると、911 や Boxster を買うのは真に車好が多いだろうからボッタクらずに良心的価格として、逆に見栄でポルシェが欲しいなんていう成金なんかもいるであろう (全てが成金とは言っていないところがミソですなぁ) Cayenn や Macan は100万円くらい上乗せして、要するにBMW やメルセデスベンツ並の美味しい商売をしておこう、な〜んて事かなあ?? あっ、これって決して Cayenn や Macan がボッタクリと言っているのではなくて、911 や Boxster が買い得だと言いたいわけで、そこんところ誤解無きように。

前置きはこのくらいにしてそれでは両車のアウターサイズを比較すると、正面から見た数値は RX450h が全幅 1,895 x 全高 1,710 oで Cayenne S-E は全幅 1,940 x 全高 1,710 o という具合に、幅はカイエンが 45o 広く高さは同一となっていて、これは下の写真でもカイエンが相対的に広く低いように見えることでも納得できる。

しかしリアビュー同士を比較すると下の写真では撮影条件の違いを考慮しても何となくカイエンの方が背が高いというかボディ幅が狭く感じるが、よくよく見るとカイエンは 911 などと同様にウエストラインから上のキャビンが大きく絞りこまれているようで、これが幅狭に見える原因だろう。そんな事もありカイエンのリアビューは独特の雰囲気を持っている。

これに対して RX のリアビューは大きな特徴もなく、真ん中にある ”L” マークが無かったらば何処のクルマか判らない情況だ。尤も SUV のリアビューなんて言うのはBMW X5 だって特に大きな個性は感じられないから、これはカイエンが特殊であり、流石に伊達にポルシェのエンブレムを付けてはいない、ということだ。

サイドから見たサイズは RX450h が全長 4,890o、ホイールベース 2,790oで Cayenne S-E は全長 4,855、ホイールベース 2,895oであり、全長こそ RX が35o 程長いがホイールベースではカイエンが105o も長い。ということは RX はオーバーハングが長いということで、確かに下の写真で比較すると RX はフロントのオーバーハングが長い。それに対してリアオーバーハングはどちらもそれ程変わらないようにも見えるが多少はカイエンの方が長そうだ。

実はカイエンの場合は Cayenne Turbo ではデフロックや副変速機によるスーパーロー、そしてスイッチひとつで車高を大幅に上げる事が出来るなど本格的なオフロード走行を考慮した装備も成されているから、走破性以向上のためにフロントオーバーハングを切り詰める、すなわちアプローチアングルを大きくとるというボディの設計が成されているのだろう。まあ千数百万円を軽く超えるクルマで道なき道を進むなんてユーザーがいるのかどうかは知らないが、確かに中東の石油成金なら Cayenne Turbo で砂漠を走破するかもしれない。とはいえ今年になってからの原油の値下がりは留まるところを知らない情況だから、これでは中東の大金持ちも夜逃げモノだろう。

テールゲートを開けて目に入るリアラッゲージスペースは、フルサイズ SUV だけあって兩車共充分な広さを持っているが、リアオーバーハングが多少長い分だけカイエンの方が奥行きが長いような気もする。更には RX のクーペのようなルーフラインは高さ方向のスペースが少なく、嵩モノを積むのには適していないが、まあどちらのクルマも仏壇とか箪笥を運ぶことは先ず無いだろうから、大きな問題ではないかも知れない。

今時はテールライトにLED を使うのは常識だが、さてフロントヘッドライトとなると各車各様で、 RX の場合は全てが LED ライトを使用していて、更に "version L" と "F SPORT" ではターンライトまでをLEDとした ”3眼フル LED ライト” を装着している。まあ省エネを唄うハイブリッドだからヘッドライトも LED とするのは当然だろう。と思ったらば、Cayenne S-E ではバイキセノンライトが標準で、結局ハイブリッドとはいえポルシェらしく LED の省エネよりもキセノンの明るさを採ったという事だろう。Cayenne S-E 試乗記では夜間走行の写真も添付してあるが、兎に角明るくて運転し易いのは良いことだ。何しろ原油価格が1バレルあたり20ドルを切るの切らないのという今日此の頃、省エネなんてどこ吹く風かな。なあんて言うと、埋蔵量に限りのある貴重な化石燃料が云々‥‥なんて未だ信じているお目出度い連中にケチを付けられそうだが、勿論このコーナーの読者にはそんな輩は混じってはいないだろう。

続きは前編 その2にて。

⇒前編 その2へ