BMW M2 Coupe 特別編
  [M2 Coupe vs 718 Boxster 前編 その1
]

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

TOPページに戻る

BMW M2 のライバルは何かと言った時、マトモに考えれば同じくCセグメントで BMW の最大のライバルであるメルセデスベンツなら A45 AMG であり、ドイツ御三家のアウディだったら RS3 というところだが 、M2 は良き時代の M3 (E30) の再来であり、その E30 M3 はレースのためのホモロゲーションモデルでもあると考えれば、現行 M2 のライバルとして A45 AMG や RS3 はキャラクターが違うと考えた。そこで登場するのが同一価格帯でスポーツテイストでは文句無しのポルシェ ボクスターであり、価格的には一見すると M2 より80万円程安いが、これはポルシェの常である全くの裸価格で M2 並の装備にすると結局同価格になる事や、ボクスターの値引きは期待できないが、M2 の場合は状況によっては十分に値引きもあるだろうから価格面での違いも無いと考えられる。

そうは言っても話の種としての A45 と RS3 と M2 のスペック比較というものに軽く触れておくと、サイズ的には長手方向にはほぼ同じだが、全幅は M2 がワンクラス分くらい広いのは走り優先の本格的サスペンションの結果と思えば、キャラクターの違いが如実に現れている。それで A45 については写真左上のように4ドアハッチバックであり、M2 の2ドアクーペとは毛色が違う。それならメルセデスAクラスベースのクーペはといえば CLA が思い浮かぶが、これは4ドアクーペであり、これまたキャラクターが M2 とは異なっている。しかし M2 云々を考えなければ A45 AMG のスタイルは ”純正ヤン車” 的で結構バカっぽくて楽しそうではある。

次にアウディ RS3 はといえば、日本ではイマイチのアウディだが A3 はCセグメントとしては他社に先んじてワゴンとハッチバックの中間的な Sportback を発売し、これが中々良いところを突いていて、その高性能版の RS3 というのもそれなりの魅力は有るかもしれない。とはいえ、やっぱりマイナーだし、M2 のような2ドアクーペとは違う。それではアウディにCセグメントクーペがあるかといえば‥‥無い (と思う) 。

 

それでは A45 と RS3 のエンジンはといえば、A45では最近流行の2.0L ターボエンジンで381ps 475N-m という結構なハイチューンだが、考えてみればあのドッカンターボの ”AMG” ブランドと思えば驚くには値しない。一方の RS3 は5気筒 2.5L という変態気味のエンジンで、排気量の割には 2.0L の A45 と同等の性能となっているが、まあチューニングレベルを落として安定性を重視‥‥とか言う事も考えられる、と擁護しておこう。

という事でここからは本題に入って、先ずは M2 とボクスター両車のエクステリア比較から始めてみる。と言う前に今回と同様な企画としては既に BMW M4 Coupe 特別編 [M4 Coupe vs Porsche 911]を公開済であり「な〜んだ、今度の比較なんて単なる二番煎じじゃねぇか」とか言っている輩が目に浮かぶが、ポルシェ 911 は狭いとはいえリアに二人が乗れるシートを備えた2ドアクーペという点では M4 と同じカテゴリーと言えない事も無いが、今回のボクスターは2シータ−という M2 とは全くカテゴリーの異なるクルマであり、スポーツカーとして運動性能を考えたならば ボクスターが有利なのは当然だが、二人しか乗れない事でクルマとして最も大切が移動する道具とう面では M2 の半分しか能力が無い事になる。だから、この比較はどっちも我慢する部分があり、それを見極めるという重大な目的があるのだ!

ボクスターの異常に低いボディーは見るからに速そうだが、まあこれは別格としても M2 だってこの角度から見れば決してカッコ悪くは無く、高性能クーペという感じは十分に感じられる。

それではサイドビューはどうだろうか? 正直言って M2 の場合Cセグメントハッチバックベースだから、これで優雅なクーペというのは無理がある。サイズは M2 が全長 4,475 x 1,410o ホイールベース 2,695o 、ボクスターは全長 4,385 x 1,210o ホイールベース 2,475o でありM2 は全長が90o と少し長いだけだが、全高に至っては200o も高いのがエクステリアデザイン上で大いにネックになっている。とはいっても一般的なセダン、例えば BMW 320i なら全高は 1,440mm だから、それに比べれば M2 は30o 低い事になり、決して背の高いクルマという訳でも無い。

そしてホイールベースが 220o も短いボクスターは運動性能が良くて当たり前であり、まあやっぱりカテゴリーの違うクルマではある。そして今回、サイドビューの比較だけはメーカー発表のフォイシャルフォットを使用したのは、試乗のついでに撮った写真では M2 の場合カッコ悪さがモロに出てしまったために、それならメーカーが目一杯カッコ良く見えるように金を掛けてスタジオ撮影した、チョッと反則気味の写真を使ってみた。そんな訳で最高の条件の写真の M2 だが、それでも決してスタイルが良いとは言えないところが辛い。とは言え先代の1シリーズクーペのカッコ悪さに比べればそれでも大分マシにはなっている。

次に前後から比べてみる。両車のサイズは M2 が全幅 1,855 x 全高 1,410o、ボクスターは 全幅 1,825 x 全高 1,280o で前述のように全高が圧倒的に低いボクスターのスポーツカーらしさが際立っている。とはいえ M2 だって結構迫力はあるし、特にリアの4本出しマフラーが並の性能では無い事を物語っている。このようなカーメーカーが標準装備しているマフラーは太い4本の排気管が綺麗に収まっているのが特徴で、これが街のスピードショップなどで改造したクルマではバンパーが専用設計では無い事からその下に付けるために酷く低い位置にぶら下がっていて、何とも不細工だし見るからにバカっぽくなってしまう。

その排気管という面ではボクスターは特殊でセンターに横長楕円形のステンレス製マフラーカッターが見えている。これがボクスターSになると楕円ではなく2本出しとなり、その辺を見た目で差別している。

この先はその2に続く。


⇒前編 その2へ