Mercedes-Benz (W213) E220d 試乗記特別編
  [E220d vs BMW 523d 前編 その1
]

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メルセデス Eクラスが W213 へと FMC したのは昨年の7月で、この時は 2.0L ガソリンターボの E200 に試乗したが、今回は同じ 2.0L でもディーゼルターボの 220d に試乗した訳で、その理由はといえば最近のトレンドであるディーゼルエンジン車にも試乗しなくては‥‥という事もあるが、もう一つは最近 FMC されたライバルというか宿敵というか、BMW5シリーズが当初は事実上ディーゼルのみの販売のために、当然ながら試乗車もディーゼルの 523d となってしまい、そうなるとEクラスも同じ 2.0L ディーゼル車で比べる必要もあり急遽試乗した、というのが本当のところだ。

Eクラスや5シリーズのようないわゆる欧州で言うEセグメントというのはパーソナルユースとしては最高クラスであり、これ以上となるとSクラスや7シリーズというショーファードリブンの社有車となってしまう。えっ、うちのEクラスも社有車だけど?って、それぁ事実上個人ユースのクルマを会社の経費で落としてるだけじゃないっスか。なになに、女房のアウディ A4と娘のA1も社有車だけど、何か? って、いやまあ、優秀な税理士さんが付いているようで何よりです。

ところでEセグメントのディーゼルセダンって他に何かあるかな、という事で調べてみたら意外にもジャガーにあった。しかしそれ以外では、アウディ (A6) もレクサス (GS) もインフィニティもアキュラもディーゼルは無かった。他にEセグメントを作っているプレミアムブランドといえば、米車のキャデラックとかがアリそうだが流石にディーゼル車は無いだろう。えっ、ヒュンダイのプレミアムブランドはどうなんだ?って、もしかしてライバルはメルセデスやレクサスとかほざいている、確かジェネシスとかいうブランドの事かな?‥‥ ブっ。

それでは一般ブランドでもいいから兎に角 2.0L級ディーゼルターボを搭載したセダンで出来れば国産車は無いのかといえば、あった、あった、マツダにあった。ただし、アテンザなのでカテゴリーとしては Dセグメントだから他の3車よりも少し小さいが、まあ他に無いのでこれを比較対象に選ぶ事にした。そう言えばバブル時代にはマツダの高級車としてセンティアなんていうのがあったっけ。

 

スペック的にはジャガーも含めて3車ともほとんど変わりが無い。アテンザについてはエンジンのみで比較すると排気量が 2.2Lと多少大きいが性能的には殆ど変わらないのは頼もしい事だ。ところでマツダがなぜに国産他社に先駆けて最新鋭のディーゼルエンジンを開発できたかといえば、実はその昔にはタイタンという2~3.5トン積みの小型トラックがあり、これに搭載するためのディーゼルエンジンを自社で生産していた経験があるのだった。まあ正直言って当時のマツダのディーゼルなんてショウモ無い代物だったが、日産だって三菱だって似たようなもので、それからすれば最近のディーゼルエンジンの性能は全く大したものだ。

それでは早速本題に入って、エクステリアから比べる事にする。なお今回の写真ではEクラスについてはガソリン車の E200 アバンギャルド スポーツを使用している。と言っても E220d の同じグレードとの違いはエンジンルーム内とメーターくらいなものだから、事実上同じと思ってよい。対するBMW は523d M スポーツを使用しているから、どちらもスポーティー装備のモデルであり比較には丁度良い。

それでは最初はフロントから‥‥

フロントフェイスはどちらもひと目で其々のブランドが判るというアイデンティティのお手本みたいなもので、どちらも戦前からのものだから他のメーカーが真似しようにもどうにもならないものだ。ただし、最近のメルセデスのようにグリルセンターに大きなスリーポインテッドスターをドカンっと付けているのは以前ならば SL 等の高級高性能で高価なモデルのみで、これは通称クーペグリルと呼ばれている。それに対して本来メルセスのセダンは細かい格子のグリルにはマークは無く、その代わりにボンネット先端に小さなスリーポインテッドスターのオーナメントが付いていて、運転中のドライバーには常にこれが目に入っていた。実は今から40年程前に初めてメルセデスを運転した時に視界に入るこのオーナメントが ”ベンツを運転している” という感動を与えてくれたのを思い出した。なおこのタイプはクラシックグリルと呼ばれ、ドイツ本国ではこれを選ぶ事も出来るしタクシーではこのグリルを使用している。

対する BMW はこれまたお馴染みのキドニーグリルであり、1933年の M303 から使用されているという歴史を持っているから、これまた他のメーカーには真似が出来ないものだ。この点では日本のメーカーはどうにもならない訳で、せめて戦後自動車産業が拡大し始めた1960年代くらいに独自のグリルを作って続けていれば話は違っただろうが、日本人にはこのアイデンティティーというモノが解っていなかったのだろう。実際に今でも何とかそれらしきグリルを持っているのはレクサスのスピンドルグリルくらいだが、これも最近やっと多少認識されてきた程度だ。

今度はサイドから比べてみるとEクラスは5シリーズよりも全長が 15o 短く、ホイールベースも 35o 短く、全高は 20o 低いから、まあ微妙に小さい事になるが、実際に見た目は殆ど変わらないし、それ以上に両車のフォルムは結構似ている。とは言え前後のルーフラインはEクラスの方が僅かに立っていて、言い換えれば5シリーズの方がなだらかでスポーティ−なラインとなっているが、写真でも判ると思うがその差は極々少ない。まあ判りやすい部分といえばリアドアのサイドウインドウ後端が其々の特徴となるデザインであることくらいだ。おっともう一つあった。5シリーズは最近の BMW が好んで用いるフロントフェンダー後端のサイドエアアウトレットが付いていることだ。

リアについても其々のアイデンティ、取り分けリアコンビネーションランプの形状はひと目でそれと判る形状をしている、と書いては見たが、ひと目で判るのは結構な欧州車マニアの場合だった。まあそれはそれとして、メルセデスの場合はトランクリッド後端を斜めにして、これを避けるように三角形のランプユニットを配置しているのは W124 以来のメルセデス E クラスの伝統であり、この形状は国産車も結構パクっていたものだった。

対する BMW は意地でもメルセデスとは違う形状で進むぞ、と言ったかどうかは判らないが、トランクリッドまで繋がるスタイルはこれまた歴史がある、と言いたいが最初は3シリーズ (E46) から始まり、5シリーズで使用したのは先代 F10 からだった。

Eセグメントセダンともなれば流石にリアラゲージルームは広いが、5シリーズは左右に張り出しがあるために幅方向が意外に狭い。対するEクラスは実際に幅が広いが、さてこれが何に影響するかと言えば日本のこの手のクルマを買うオーナー、取り分け法人名義で購入するいわゆる中小企業経営者の多くが接待ゴルフ用に使用するだろう。そうなると4人分のゴルフバッグが入るかどうかは結構重要になってくる。レクサスの販売店などはショールーム内にゴルフバッグが4つ置いてあり、いつでも試して見られるようになっているくらいだ。

これはあくまで想像だが、ゴルフ特急便として使用される可能性はEクラスの方が高いのではないだろうか。まああくまでイメージだが、5シリーズオーナーの休日はゴルフというよりもテニス、というのが似合っている。

この先はその2に続く。


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