Mercedes-AMG GLE 43 特別編
  [Merdedes-AMG GLE 43 vs BMW X5 xDrive 50i 後編 その2]




特別編へようこそ。
前編でも御注意申し上げたように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

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今まで走ってきた走行モードは両車共デフォルトのいわゆるノーマルモードだったので、ここでスポーツモードを試してみる。走行モードの切り替えは GLE の場合はコンソール上にある回転式スイッチを使用するが、この表示が何とまあ豆粒みたいなという表現がピッタリの、それこそ虫眼鏡でも無ければ読めないような小さいもので、只でさえコンソールという視線移動の大きな位置にあるのに、更にこの小さい表示ではどう考えても走行中に切り替えるのが困難だが、まあオーナーならば手探りでスイッチを掴んでメーター上の表示を見ながら切り替えれば良いのかもしれない。

対する X5 では5シリーズセダンと共通どころか1シリーズから共通というくらいにBMWでは標準的な場所と方法で切り替える。と、書くとまた知ったか君が違うのもあるぞ、とかいうメールを送ってきたりするので一応付け加えれば、2シリーズのアクティブなんちゃらの手合はセンタークラスター最下端にある。まあ、こんなことはこのサイトの試乗記を何時も読んでいれば書いてあるのだが‥‥。

そのように両車の切り替え方法は違えど、ノーマルに相当する COMFORT と SPORT および SPORT+ などを有するのは同じだ。それで SPORT モードにした時はどちらも明らかに 'スポーツ' するようになる。要するにスロットルレスポンスが向上したり、シフトアップポイントが高回転側になったり、ステアリングも多少どっしりしてしかも反応が良くなるのは両車共同じで、されどそれ程までには過激ではないからある程度高回転側で走るクルマ好きならば、この SPORT に入れっぱなしでも良いような気がするのもベンツ・ビーエムの各モデルに共通している。

なお両車共マニュアルシフト用の立派なパドルスイッチを備えていて、そのレスポンスもトルコン式の AT としては良好だが、それ以前にこの手の SUV のマニュアルシフトって一体どういうシチュエーションで使うのだろうか?

ここで正面のメータークラスターについて比較してみると、その雰囲気は其々両車の、いや両社のと言った方が良いだろうメーターのポリシーに従っている。それでもセンターに対して対称な2つの大径メーターが回転計と速度計という点では共通している。これがポルシェになると例え SUV と言えども中央に一際大径の回転計を配置するという走り命の911系から受け継いだ伝統を守るなど、メーターというのはそのメーカーの考えを一番表している部分だ。

操舵力両車とも適度に軽いし、レスポンスも悪くないが敏感過ぎる事もない。そして SPORT モードを選べば中心付近の不感帯も少なくシャキッとするのも同様だ。それで旋回特性については、どちらも背の高い SUV とは思えない程に安定したコーナーリングをするが、この点では前後の重量バランスに優れる X5 に利がある。本来はフロントに思い V8 を積む X5 50i よりも V6 の GLE 43 の方が軽快になる筈だが、その1で比較したように X5 50i はエンジンを目一杯後方に搭載してフロントの軸重を減らし、同時に重心からの距離を短くする事で車体の回転モーメント (慣性) を減らしていることで重いエンジンのハンディを帳消しにしている。

という訳で両車共に重心高が高くて旋回時のハンディが大きい SUV としては充分なコーナーリング性能だが、それじゃあ他のクルマ「例えば国産セダンと比べてどうなんだよ」と言われそうだが、フィーリングとしては最近は随分と良くなったと言われるクラウン、その中でも多少は走りに重点を置いたアスリートと比べれば、まあ同等くらいは行っているような気がする。ただし、SUV の高い着座位置は同じロール角度でもドライバーにはよりロールしているように感じられるから一概に何とも言えないが‥‥。

それでは本来スポーツカー専業メーカーだった筈のポルシェの SUV と比べてどうかと言えば、少なくともカイエン ハイブリッドに比べれば今回の2車の方がコーナーリング性能では勝っているように感じる。しかし同じカイエンでもターボともなれば結構なコーナーリング性能を見せつけられるが、これは価格的にも GLE 63S や X5 M と比較すべきだ。それでは価格的に近いマカンターボはといえば、これはサイズとして少し小さい事が幸いして、今回の2車と比べれば明らかに操舵性も俊敏だし、加速時の車両のレスポンスだって勝っている。因みにマカンターボの車両重量は1,980kg で X5 xDrive 50i は2,300kg だから、その差何と300kg 以上もあり、そりゃ俊敏さでは負けるわなぁ。

 ⇒ PORSCHE MACAN TURBO 試乗記

標準装着のタイヤは GLE 43 が前後とも295/35R21、X5 は M SPORT ということでフロント275/40R20、リア315/35R20という巨大なサイズが標準となる。乗り心地は両車共硬めではあるが決して悪くないのは足回りにお金も掛かっているだろうし、何より2.3トンという重量級のボディーは多少の凹凸ではビクともしない、要するに重量車独特の乗り心地の良さがあり、これは 670kg のアルトでは絶対に体験できないものだ (って、幾らなんでも比較相手が極端すぎるだろう) 。

ところで GLE の車両全幅は 1,950�o で X5 はそれより 10�o 狭いが事実上同サイズであり、これは言い換えればあと50�o 程で 2m となる。その割には運転は意外と容易なのは一つに高い視線により見切りが良いという事実がある。ただし、写真上のように今回走ったのは充分に広い主要道路であり、これが狭い裏道ではどうかというと、丁度 GLE の場合は駐車場の出入り口が裏道に面していて表通りまでの100m 程はこの道を走行する必要があったのだが、対向車が手前で左に寄って待って来れたりするので意外に楽だった。そりゃまあ、フロントグリルにデッカいベンツマークを付けた馬鹿でかいクルマが来れば、誰だった左に寄って待っているわなぁ。清く正しい庶民にとってこんなクルマは ”ヤ” の付く自由業しか乗らないと思うだろうから、君子危うきに近寄らず‥‥ということだろう。

ブレーキについてはどちらも一般的な片押しキャリパーで、これが本物のAMG (GLE 63S) や M モデル (X5 M) の場合には少なくともフロントには見るからに立派なアルミ対向ピストンキャリパーが付いているが、そこは数百万円も安い!両車に望んではいけない。おっと、こんな事を書くとWRX STi ならば400万円でブレンボキャリパーついてますが、とか言われてしまいそうだが‥‥。

さて今回の2車だが、結局走る事よりも目的地に安全確実に到達する事を第一とするメルセデスと、目的地までの道のりの運転を楽しむ事を良しとする BMW のポリシーの差が SUV でも明らかに感じられた訳で、言ってみれば Eクラスと5シリーズの違いそのものだった。

とは言え両車のパワーウェイト (P/W) レシオはエンジンが小さい GLE 43 ですら 6.2kg/ps であり、これは日産の誇るスポーツセダン、スカイライン 200GT-t の7.8kg/ps に大きく勝っているし、X5 50i に至っては 5.1kg/ps という凄まじさで、これはレヴォーグ 2.0GT と同等だった。んっ? レヴォーグって確か350万円くらいだったような? ありゃ? でもまああちらはスポーツワゴンだからそうい事もあるかもしれないが、これが同じスバルでも SUV のフォレスターだったらば、と思って調べてみたら フォレスターXT の P/W レシオは 5.8kg/psだった。
 ⇒ Subaru Forester XT 簡易試乗記

なにっ? それって GLE 43 に勝っているじゃないか!? こんな事をスバヲタさんが知ったらば、スバル フォレスターは AMG GLE に勝っていると大騒ぎをするのが目に見えるくらいで、やばい、やばい。スバヲタさんに知られる前にそろそろ終わりにしよう。