PORSCHE MACAN TURBO 特別編
  [PORSCHE MACAN vs SUBARU FORESTER XT 前編 その1]

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

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所詮は大衆ブランドのスバルの、そのまた中級 SUV のフォレスターと高級スポーツカーブランドのポルシェの中ではボトムラインとは言うものの、世間の常識では十分に高級 SUV であるマカンを比較するなんて言う暴挙を考えた理由といえば、もう既にこのサイトで何回も説明しているので敢えて言わないが、まあそんなわけで取り敢えず 3月16日からの日記で5回に渡って内外装の比較を行ったが、日記という一般人も見る場所であるために本来の比較の醍醐味を達成できなかった。そこで今回は特別編ということで、一部の読者が泣いて喜ぶくらいにフォレスターを滅多コケにしようと密かに画策していた。というのも、日記ではこれもウケを狙ってどちらかといえばフォレスターを褒め殺しにした傾向があったが、こちらは全くの逆で、これぞ本来の B_Otaku らしい内容だ、と言われるように頑張ったつもりだ。

ところで表題には 「PORSCHE MACAN vs SUBARU FORESTER XT」とあるが、フォレスターはXTというグレードまで入っているのにマカンはグレードが書いてない。いや単にMACAN と表記したらばベースグレードのことかと思うだろうが、何を隠そう今回の主役は MACAN Turoto だ。ということは、既に日記を読んでいる常連さんなら常識だが、それではもう一度その理由を纏めてみる。

第一の理由は下の表のようにMACAN のベースグレードはパワーで言えばフォレスターXT に完全に負けている。しかしクルマというモノは単にスペック上のパワーだけでは比較にならないのは今更言うまでもないが、だからといって、それを事細かに説明してスバヲタさんを正しい道に導くなんていうのはキリスト教の宣教師にでも任せて、どうせなら徹底して違いを魅せつけるために最もハイパワーで高価なMACAN ターボを取り上げたという訳だ。

あれっ? でも、試乗車がターボしか無かったって言ってなかったか? って、う〜ん、嫌な事を覚えているじゃねぇか!

 

それでは先ずはエクステリアの比較から始めるが、それに先立ってスペック上のサイズを比較してみると何とマカンの方が全長 (+105o) 、全幅 (+130o) 、ホイールベース (+160o) と全て大きく、これはハッキリ言ってクラスが違う。となると今回の比較も本来無理がありすぎるのだが、まあスバヲタさんからみれば同クラスのようだ。

それでは早速フロントから比べると、当然ながらマカンはポルシェの顔をしている。そしてポルシェといえばカエル顔であり、これを他のメーカーがやったらば嘲笑で終わるだろうが、この顔は半世紀以上もポルシェの顔であり、ポルシェ=高性能車という数式が多くのドライバーの脳裏に焼き付いているという、もうこれは一朝一夕には出来ない事で、だからこそポルシェは価値が有るのだ。

それに対するフォレスターはといえば、まあスバル自体がブランドとしてポルシェを比較して云々というのはスバヲタさんくらいであり、世間一般ではこの2つのブランドを比較するなんて事は発想すらない。と、思ったが、そういえば地域によってはスバルの販売会社がポルシェの正規ディーラーを経営していて、まあそれは良いとしても、何と同じショールームにポルシェとスバルと並べて販売していたという信じられない状況があった。ただし流石に数年前にこれはマズいということでポルシェを別の場所に移したようだが‥‥。

しかしこのポルシェとスバルを同じ屋根の下で販売するという暴挙は、言い換えれば来訪者の対比が実に良くできたこともあったようで、先ずは試乗についてはスバルでは誓約書を書かせて免許証を確認して、当然営業マンが隣に乗ってクルマをぶっ壊されないように心配しながら、広くて直線ばかりの国道バイパスをチョイと走るだけ、という方法をとっている。対するポルシェは顔見知りの場合なら1,500 万円のカレラSだってハイどうぞとキーを渡されて、後は好きに走ってくるという具合で、これは両車のユーザー層がまるで違うからだ。

スバルの場合、誓約書を書かせるようになったのは WRX STi の試乗中に全損事故を起こした事があって、それ以来厳しくなったという事だった。そういえば他のスバルディーラーで見た光景は、ちょうど WRX STi の試乗車が出発するところだったが、このディーラーの駐車場は公道に面した部分が上り坂となっていて一時停止の後に発信する時には、大した勾配ではないが坂道発進状態となっていた。それで、この時にマニュアルミッションのためか目一杯吹かしてクラッチがカワイソ〜!という情況で発進していく途中で何故かエンスト‥‥という情況を見たことがあるが、そのお客さんはレガシィGT ツーリングワゴンで乗り付けていたから本気の買い替えだったのかも知れないが‥‥。

ただし、それではポルシェのオーナーは皆裕福で知的かといえば、少なくとも後者はかなり怪しい。いくら最近では輸入車が増えてきてBMWなどを買う普通の中流サラリーマンファミリーも多いとはいえ、ポルシェとなると話は別で、ますサラリーマンでポルシェを買うというのはもうコテコテのクルママニアだし、それ以外、取り分け1,500万円超の車種だと会社経営、それも、まあ風俗とか土木系とか、言ってみれば ”ヤの世界” が多くなる。だからあのカエル顔のクルマを見たらば、あまり近付かないのが賢明だということになる。

考えてみるまでも無いが SUV というのはサルーンに比べれば短く背が高いからサイドから見れば寸詰まりになりやすく、結果的にカッコいいデザインが難しくなる。まあ何がカッコいいのかは個人の感性により変わるが、それでも一般には背が低くて長い方がスマートに見え易いのは人間とは逆であり、背が低くて幅が広い (要するにデブ) のはカッコ悪い代名詞であり、特に年をとっていたら加齢臭が臭ってきそうな雰囲気で満ち溢れているという有り難くない情況だ。

それでは今回の2車種のサイドビューはといえばフォレスターに対して全長が +105o で全高は逆に−90o というマカンは当然ながらスタイル的にはスマートだ。しかもCピラー以降のラインはマカンがクーペ的になだらかに下がっているの対してフォレスターは結構後端まで水平に近くてストンと落ちていて、言ってみれば商用車的というかライトバンみたいというか、この点でもカッコ良くない。

スバルについては最近米国でのシェアーが毎年伸びていて、その理由はワイルド感がマイノリティーな性嗜好の人 (要するにホ○) たちに受けているようだが、と言う事はムトウ衆議院議員からすればフォレスターのワイルドさにドキドキするのだろうか? そうかぁ、もしかしてスバヲタさん、というよりもフォレスター好きはホのケがあるのかも? だっからぁ、ネチネチと粘着質のメールが来たりするんだぁ‥‥。

リアビュ−についてもマカンはクーペ的なデザインが随所に見えるし、前述のようにテールゲートがかなり寝ているクーペ的なデザインだから、SUV といってもBMWでいえば X6 みたいなクロスオーバー的だ。対するフォレスターのライトバン的なことは既に述べたが、リアから見るとテールゲートにまで至っていないDピラーのみの幅の狭いリアコンビネーションライトが増々セコさを助長している。

次にリアゲートを開けてリアラゲージスペースを比べてみると、奥行き・幅共にマカンに分があるのはアウターサイズの違いから当然ではある。何しろ全幅1.9m 超のマカンだから荷室の幅が広いのは当然であるが、ただしサイドビューを見れば解るようにマカンはバックドアがウエストラインから上では大きく傾斜していて高さ方向の荷室寸法は圧倒的にフォレスターに勝ち目がある。従って実際に嵩ものを積んだ時の実用性ではフォレスターの方が上である。な〜んて書くと、またまたスバヲタさんが勝ち誇るかもしれないが、ポルシェオーナーの多くは他にもクルマを持っているし、土建屋の社長ならば会社に行けば重機運搬用の10トントラックもあるから、これならフォレスターよりも沢山積める。って、オマエ、なに言っとるんじゃ。

リアのゲートの開閉についてはどちらもゲート下端に付いたスイッチを押すと電動で下がっていき、やがて閉じられる。その時のフィーリングは双方に大きな差はなく、この点についてはフォレスターは立派なものだ。考えてみればポルシェは電動リアゲートが付いたクルマを作った歴史は浅く、そのためにフォレスターに比べて圧倒的優位に立つという訳にはいかなかったのだろう。

マカンのヘッドライトはバイキセノンライトとなっていて、更にPDLS (ポルシェ・ダイナミック・ライト・システム) という言ってみればレベライザーなどを組み込んだものが標準装備となっている。対するフォレスターはハイ・ロービーム共 LED タイプを採用しているのは最近の省エネ志向に合わせているのだろうが、今までの経験では明るさではバイキセノンライトに分がありそうだ。

次にインテリアに進むが、この先はその2に続く。


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