BMW New(F10) 528i 特別編  ⇒試乗記へ戻る
勝ち組のためのEセグ輸入車選び

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

今回のテーマは「勝ち組のためのEセグ輸入車選び」という、何とも誹謗中傷の的になりそうな題名を付けてみた。そして候補の5車種はドイツプレミアムカー御三家の3ℓクラスに加えて、御三家程にはメジャーではないが、それなりにファンがいるジャガー(流石に恥ずかしくてジャギュアーとは言えない)の新しいEセグメントであるXFを加えてみた。そして、最後の一枠は・・・・ 色々考えた結果、価格的にも同クラスのボルボV70を選んでみた。

    @Mercedes
Benz
ABMW BAudi CJaguar DVolvo
      E300 528i A6 2.8 FSI
Quattro S Line
XF 3.0 Luxury V70 T-6 TE
AWD
 

車両型式

  212054C FR30 4FCCES J05FA BB6304TW

寸法重量乗車定員

全長(m)

4.870 4.910 4.925 4.970 4.825

全幅(m)

1.855 1.860 1.855 1.875 1,825

全高(m)

1.470 1.475 1.435 1.460 1,545

ホイールベース(m)

2.875 2.970 2.845 2.910 2.815

駆動方式

FR 4WD FR 4WD
 

最小回転半径(m)

  5.3 5.5 N/A 5.5 6.0

車両重量(kg)

  1,710 N/A 1,850 1,750 1,910

乗車定員(

  5

エンジン・トランスミッション

エンジン型式

  272M30 N55B30A CCE FB B6304T

エンジン種類

  V6 DOHC I6 DOHC V6 DOHC I6 DOHC

総排気量(cm3)

2,996 2,996 2,772 2,967 2,953
 

最高出力(ps/rpm)

231/6,000 258/6,000 220/6,800 243/6,800 285/5,600

最大トルク(kg・m/rpm)

30.6/5,000 31.6/3,000 28.6/5,000 30.6/4,100 40.8/4,800

トランスミッション

  7AT 8AT 6AT 6AT 6AT
 

燃料消費率(km/L)
(10/15モード走行)

9.6 10.4 N/A 7.3 7.8
 

パワーウェイトレシオ(kg/ps)

7.4 N/A 8.4 7.2 6.7

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

3リンク ダブルウィシュボーン 4リンク ダブルウィシュボーン ストラット

マルチリンク インテグラル・アーム ダブルウィシュボーン マルチリンク マルチリンク

タイヤ寸法

  225/55R16 225/55R17 255/35R19 235/55R17 245/40R18

価 格

車両価格

730.0万円 715.0万円 697.0万円 650.0万円 699.0万円

備 考

E250 CGI
634万円
ECOカー
50%減税
対象車
2.8 FSI Qua.
ベースグレード
645万円
Premium Luxury
760万円
 

上表に主要諸元を表にまとめたので、各自それを見ながら勝手に比較してもらおう。

というのでは、余りにも不親切なので、前回のBMW X1でやってみた三流自動車雑誌風の比較表もサービスしよう。
 

@ Mercedes Benz E300

最近は5シリーズに押され気味とはいえ、このクラスでは老舗中の老舗。特に現行型は大幅に改良されて実に良いクルマになった。スポーティさでは5シリーズに敵わないが、高級車らしさではこちらが上手。
リセールも期待できる。
 
項目 評価
 

ブランド力(見栄)

★★★★★

 

スタイル

★★★☆

 

動力性能

★★★☆ 

 

操舵性

★★★☆ 

 

実用性

★★★★ 

 

コストパフォーマンス

★★★☆ 

ABMW 523i

先代E60からはEクラスを追い越した感もあり、その後Eクラスも頑張ったことで、良い勝負をしている。ハンドリングでは上回っているが、狭い道の取り回しではEクラスが勝っている。スポーツサルーンの定番として、スポーティイメージを求めるならこちらか。
 
項目 評価
 

ブランド力(見栄)

★★★★☆

 

スタイル

★★★☆ 

 

動力性能

★★★ 

 

操舵性

★★★★☆ 

 

実用性

★★★☆ 

 

コストパフォーマンス

★★★☆ 

B Audi A6 2.8 FSI Quattro S Line

4WDという全く別のアプローチをどう評価するかが分かれ目となる。定番が嫌いとか、目立ちたく無くないというユーザーには向いているが、あくまでマイナー感は否めない。
 
項目 評価
 

ブランド力(見栄)

★★★

 

スタイル

★★★☆ 

 

動力性能

★★★ 

 

操舵性

★★★ 

 

実用性

★★★★ 

 

コストパフォーマンス

★★★☆ 

C Jaguar XF 3.0 Luxury

ドイツ御三家とは別の物を求めるには良い選択かもしれないが、フォード傘下から何と市場最低価格車のナノを発売しているインドのタタ社に買収されてしまった。そして以前から指摘されている信頼性の低さなどのマイナス面もある。
 
項目 評価
 

ブランド力(見栄)

★★★

 

スタイル

★★★★ 

 

動力性能

★★★

 

操舵性

★★★☆ 

 

実用性

★★★☆ 

 

コストパフォーマンス

★★★★ 

 

D Volvo T-6 TE AWD

フォード傘下に入ってから品質の低下と滅茶苦茶な販売政策で日本でも大きくシェアを落としたが、現行型は大きく改善された。それでも本来Eクラスや5シリーズ並の価格で売るようなクルマではない。

項目 評価
 

ブランド力(見栄)

★★☆

 

スタイル

★★★★ 

 

動力性能

★★★★

 

操舵性

★★☆ 

 

実用性

★★★★

 

コストパフォーマンス

★★☆

 

結局、このクラスは定番でオーソドックスなEクラスとスポーティー志向で近年は躍進が著しい5シリーズの2大メジャーから選ぶのが無難となるし、これは実際の販売台数でも裏 付けられている。そして、なぜかアウディのユーザーには動物病院の先生とか、開業医の場合は眼科や耳鼻科が多い気がするのは何故だろうか?付け加えると、アウディと共にボルボも 同様だから、これらは何か共通するものがあるのかもしれない。近所に白内障手術で大いに儲けて、今では車庫(ヨドの物置のデカイやつ)の中に、アウディS8を隠してある先生がいるが・・・・。あっ!やっぱりアウディだっ!
やはりベンツ・ビーエムでは目立ちすぎると言う事なのか。 そう、ベンツ・ビーエムは目立って、ちょっと・・・という場合にはアウディやボルボは良いのかもしれない。ジャガーについては、特にXFは英国的な伝統美を捨ててしまい、全く新しいクルマへと 変身してしまったが、これはこれで、ファンもいることだろう。勿論、販売台数は少ないだろうが。

このクラスのクルマを買うとなると、販売店、というよりも担当セールスの質の問題が大きく左右してくる。勿論以前からメルセデスとかBMW一筋のユーザーで、長年の付き合いのある営業マンがいる場合は全く問題はない。なかには20年来の付き合いで、最初は新人だったのが今では店長になっている、なんていう場合もあるだろう。更には自分自身とともに友人・知人を何人も紹介して、多くの新しいオーナーが出来、そのまた知人も紹介されて、またまた見事に御制約という場合だってある。この場合のディーラーとの絆は最強で、新型車の試乗でも資料の入手でも最優先となる し、自身の買い替えでは特別の買い得物件も紹介される可能性がある。
それでは、所謂一見さんの場合は、というと、これは場合によってはトラブル可能性もある。もしも、あたなが、今まで普通の国産車を乗り継いでいたが、長年のサラリーマン生活で頑張ったご褒美 として、人生の思い出に理想的なクルマを買おう、という場合は注意が必要だ。まず無難なのは知人・友人がこれらのクルマのオーナーで、その紹介でディーラーを訪れるというのは、上手くいく場合が多い。だだし、友人を担当する営業マンが、自分とフィーリングが合うかどうかは判らないという問題は残るが。
そういう友人等がいない場合は、一見で飛び込むことになるが、その時に注意する事は最初に偶々対応した営業マンが、その後のあなたの担当になるということだ。これは全く運次第であり、場合によってはトンデモ営業に当る場合もある。従って、最初にディーラーに訪れる時は決して深入りはせずに、相手の人柄や知識を探ってみて、ダメだこりゃ、となったらば少し時間を空けてから再度挑戦するのが良いだろう。勿論、住所氏名は登録しなこと。これをやったら、最初の営業マンが担当として登録されてしまうから、他のディーラーに行くしか無くなってしまう。これを何回か続けて、これならという営業マンに出会うまで繰り返したり、少し遠くでも他のディーラーを あたるなど、作戦を巡らすことになる。
そういう状況だから2ブランド以上の競合の場合は、クルマの良さよりも営業マンの良さで選ぶことは充分に有り得る。例えば、Eクラスが本命で○○○に行ったらば、まるでバカにしたような対応に腹を立てて、BWMディーラーに飛び込んだら、偶々対応してくれた営業マンが実に有能で、話がトントン拍子に進んで5シリーズを買ってしまったとか、その反対の例(何故か知る限りでは少ないが)もある。勿論、どうしてもEクラスが欲しければ別の系列に行くことも考えられる。ただし、地方になるとディーラー自体の数が少なかったりして、そう簡単には事が運ばないとは思うが、ここは一世一代の買い物と思って頑張るしかない。

5シリーズやEクラスのようなEセグメントのプレミアムセダンというのは、10年前だったらば業績好調の中小企業経営者か開業医 、ハタマタ芸能人か銀座のママさんが買うもので、サラリーマンが買うなどは考えられなかったものだ。しかし、米国式の新自由主義経済のお陰で、勤め人でも大企業のホワイトカラー、取り分け金融・証券業 とマスコミを中心とする高額報酬体質の企業なら、年収2,000万円級は当たり前だし、製造業でも業績の良い大手企業のエリート社員ならば、30代で1千万円の大台超えは珍しいことではない。 そして、こういう階層が3シリーズやCクラスの主な購買層だし、その中でもDINKSや子供がいても奥さんも同じく大手企業の総合職で男性顔負けの収入があるなどの好条件ならば、5シリーズやEクラスが 十分にターゲットとなる。実際にサラリーマンファミリーで5シリーズオーナーとなっている複数の例を知っている。

しかしながら、新自由主義は格差社会を生んだわけで、クルマもBMW3シリーズとスズキアルトが売れ筋という2極分化が街中でも目に付く事になってしまった。でも、まあ、この特別編を読んで喜んでいるタイプの読者の多くは、 「負け組みなんて自業自得さ。知るか、そんな奴ら。」なんて思っていたりしているんじゃあないかな?勿論、一部にはこんな世の中を憂いているB_Otaku のような誠実な考えの読者もいるだろうが・・・・・。と、書いては見たが、体全体にジンマシンが出てきそうなので、止めておこう。それに B_Otaku はどちらかと言えば負け組みに近いし・・・・涙。