BMW 523i 特別編 ⇒試乗記へ戻る
新5シリーズに関する追記

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

それでは早速本題に。先ずは、後編で触れたハンドリングについて、詳しいレポートをしてみよう。
 
カタログによれば、新5シリーズのインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングは60km/h未満ではフロント とリアの各ホイールを反対方向に操舵することで、最小回転半径を小さくする。 そして60km/h以上ではリアホイールをフロントと同一方向に操舵して走行安定性を向上させる、という。
そこで、まずは交差点を20km/h程度で左折する場合を注意深く観察してみると、確かに他車に比べて直角に左折する際の操舵角は少ないし、操舵力も極めて軽 く、クルマの挙動も回転半径が小さいのが判る。しかし、E60時代からアクティブ・ステアリングが標準装着の5シリーズと大きな相違は判らないが、言われて見れば後輪操舵による旋回の軌跡が多少違うかもしれない、という程度だ。 次に、巡航速度を40km/hから徐々に速度を上げていって、60km/hを超えたところから、特性が変わることを確認したが、ある点で明らかに変わるということは 感じられなかった。次に、 中速コーナーを70km/h程度で抜けてみると、確かに低速時よりも操舵角は大きくなっているようだ。
ところで、後輪ステアといえばスカイラインGTが思い浮かぶが、あちらはより動作が顕著というか、いかにも後輪もステアしていますという感じがして、まあこれは好みの問題かもしれない。ただし、車格として5シリーズとスカイラインでは比較にならないから、スカイラインがよりスポーティに振ったとしても、それは当然だろうと思う。
 

スカイラインに比べれば、新5シリーズのインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングは、確かに神経を集中してその挙動を感じ取れば多少の違和感はあるが、普通に運転する限 りでは、いや本気でワインディングを攻めるような走りをしても、決して文句が出るような事は無い筈だ。まあ、考えてみれば3シリーズに比べてデカイ図体と重い車重は、 どう考えたって走りを重視するにはハンディがあり過ぎる。しかし、3シリーズよりも明らかに金が掛かった内装やオーディオなどの快適装備も魅力だが、アルミを多用したボディなど、何よりも車輌自体の構造 が明らかに上だ。そこで、523iの610万円の予算ならば、他にどんな選択があるのかを検討してみる事にする。なお、メルセデスE250と、国産Eセグメント上級車の諸元比較は既に後編で済ませてあるので、こちらでは 同じBMWの違うセグメントのクルマ、および残るライバルと比較してみよう。
 
    @ A B C D
      BMW BMW BMW Audi Jaguar
      523i 325i
Msp. Package
135i Coupe A6 2.8 FSI
Quattro
XF 3.0 Luxury
 

車両型式

  DBA-FP25 LBA-PH25 ABA-UC30 ABA-FCCES CBA-J05FA

寸法重量乗車定員

全長(m)

4.910 4.540 4.370 4.925 4.970

全幅(m)

1.860 1.800 1.750 1.855 1.875

全高(m)

1.475 1.425 1.395 1.455 1.460

ホイールベース(m)

2.970 2.760 2.660 2.845 2.910

駆動方式

FR 4WD FR
 

最小回転半径(m)

  5.5 5.3 5.4 5.7 5.5

車両重量(kg)

  1,770 1,570 1,550 1,790 1,750

乗車定員(

  5 4 5

エンジン・トランスミッション

エンジン型式

  N52B25A N53B30A N55B30A N52B25A FB

エンジン種類

  I6 DOHC I4 DOHC I6 DOHC Turbo V6 DOHC

総排気量(cm3)

2,496 2,996 2,979 2,772 2,967
 

最高出力(ps/rpm)

204/6,300 218/6,100 306/5,800 220/6,800 243/6,800

最大トルク(kg・m/rpm)

25.5/2,750-
3,000
27.5/2,400-
4,200
40.8/1,200-
5,000
28.6/5,000 30.6/4,100

トランスミッション

  8AT 6AT 7AT 6AT 6AT
 

燃料消費率(km/L)
(10・15/JC08モード)

11.4/11.2 12.6/ 11.6 10.2/ 9.9 9.7/ - 7.3/ -
 

パワーウェイトレシオ (kg/ps)

8.7 7.2 5.1 8.1 7.2

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

ダブルウィシュボーン ストラット 4リンク ダブルウィシュボーン

インテグラル・アーム 5リンク ダブルウィシュボーン マルチリンク

タイヤ寸法

225/55R17 225/45R17 215/40R18 245/40R18 235/55R17
    225/55R17 255/40R17 245/35R18 2545/40R18 235/55R17

価 格

車両価格

610.0万円 586.0万円 573.0万円 645.0万円 650.0万円

備  考

Hi-Lineパッケージ
+39万円
ベースモデル:
547万円
6MT:559万円    

先ずはBMWで同価格帯の異なるセグメントということで探してみたが、BMWのラインナップで610万円というのは他に例が無い事に気が付いた。そこで、523iに近い価格で比較検討できそうなモデルとして、一つには3シリーズから最近3リッター化された325iを選んでみた。 ただし、ベースモデルの547万円では523iとの価格差が大きいために、586万円のMsp.パッケージ付きとした。これならば、マンションの立体式駐車場もOKだから、物理的に5シリーズが駐車できないユーザーにも適している。
もう一台のBMWは走りに振って135iクーペを選んでみた。これなら、5シリーズのステアリングが不自然だとか、スポーポーティな走りというい面ではボディの大きな5シリーズがイマイチと 、感じるユーザーにはお勧めとなる。 しかし、こうして見ると、325iや135iに比べて、523iの買い得感というのは光っているように感じるのだが、皆さんはどうお考えだろうか? 何故なら、後編でも比較したように、幾ら装備満載の3.5リッタークラスとは言え、同じEセグメントの国産車に比べて、それほど大きな価格差は無いのだから。

次に、輸入高級ブランドのEセグメント同士としてはアウディA6 2.8FSIクワトロ(645万円)とジャガーXF3.0ラグジャリー(650万円)と比較してみる。両車共に価格は523iに比べて約40万円程高いが、排気量は2.8〜3リッターという点では528i相当だから、決して高くはないだろう。これに後編で比較したメルセデスE250(634万円)も加えてみると、結構 選択肢があることが判る。まあ、こうなるとBMWかメルセデスかアウディか、それともジャガーかという好みの問題となるので、どれが良いとは言えないところだ。それにしても、こうしてみると650万円クラスというのは、流石に満足感の多そうな、オーナードライバー用のファミリーカーとしては実に理想的なクルマが目白押しとなっているのに気が付く。

あれっ、ボルボV70が表に無いじゃないか?という質問がボルボファンから来るかもしれない。古くからの読者なら既にお気付きと思うがB_Otaku はハッキリ言ってボルボが嫌いだ。いや、昔から嫌いだった訳ではなく、960などのFR車の時代のボルボというのは、ドアを開けた瞬間に北欧家具がクルマになったようなインテリアや、走るレンガといわれたそのスタイルなど、独特のモノは認めていた。しかし、V70となって2代目。要するに先代のV70の出来の悪さや輸入元のゴタゴタなど、フォード傘下となってからのボルボの凋落は酷いものだった。まあ、元々日本におけるボルボの販売方法は、ボッタクリといわれる輸入車の中でも飛びぬけて割高だったが、更に物が悪くなったのだから、とても勧められる代物ではない。それでも現行モデルになってからは、クルマとして見た場合には随分マトモになっては来たが。
 

528i試乗記の特別編でも触れたが、ベンツEやビーエム5をサラリーマンが買うという事は、一昔前なら有り得なかったが、米国式の新自由主義経済による格差社会のお陰で、一部のサラリーマンは寧ろ裕福になって、Eセグメントの輸入車を買えるようになったのは、そういう階層にとっては喜ばしい事となった。まあ、その代償ととしては、負け組みといわれる非正規従業員が増えて、10年以上前なら年収500万くらいは稼げた現業が、いまは300万円以下となってしまったし、アルバイトで年収100万円代という例も結構耳にする。

そんな現状からの脱出を掲げて行われた政権政党の代表戦は、エリートの既得権を捨てたくない官僚、検察、マスコミと政治家の強烈な世論誘導によって、(彼らには)目出度くも対米追従派(元を正せば内ゲバと内部粛清の極左過激派上がり)が党を乗っ取ってしまう結果となった。それも、これも、インチキ世論に騙されるアホなB層が原因だから、言ってみれば自業自得!
もう知らねぇ。勝手にしろよ。グレてやる。 B_Otaku は今後益々高級車オーナーとその予備軍相手のサイトに特化してやるぞ!
てな訳で、公務員や大企業正規従業員のみなさん。皆さんの将来はバラ色ですぞ。だから、クルマも贅沢に行きましょうや。総額700万円くらい、どうってことは無いでしょう。