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試乗車は新発売の廉価版２.０ V６（２ℓの２ＷＤ）でオプションの本皮シート付きなので価格は３９０万くらいか。

内装は３ヶ月前に見た初期型に比べかなり改良されているようだ。初期型はドアの内張りがいかにもプラスチック丸出しのインチキくさい革目模様だったが、今回のは押してみると弾性があり質感も材質もＢＭＷあたりに似ていた。  

ダッシュボートやコンソールに張られたウッドトリムはバーズアイメープル（本物）で高級感がある。メーターはレーシンググリーンにジャガーマークをあしらい、目盛りは奇数（１０、３０，５０・・・）表示で如何にもジャガーに乗っていると思わせる演出はうまい。でも、本来のジャガーはグリーンのメーターじゃなかった筈？やはり、これはジャガーにあこがれている人が、ジャガーとはこういう物だとイメージしているジャガーらしさで、政治家の漫画がヤタラに特徴を強調しているようなものに見えた。でも、チョッと魅力はある。（ヤッパリ自分はジャガーに憧れている貧乏人なのだ）

走り初めて最初にアクセルをチョッと踏んだだけでグオッと出た瞬間、こりゃ結構いけるかと思ったけれどその先はいくら踏んでも変わらない。これじゃ、クラウンあたりと同じじゃないか。V６エンジンも特に印象のあるものではなく、ジャガーという英国の高級ブランドらしさは、まるで感じられない。

もっと驚いたのはステアリング特性で、ＢＭＷは指一本、ﾒﾙｾﾃﾞｽは指２本半と言われているが（本当にそうだと思う）ジャガーＸは指５本分動かしても、クルマの向きは変わらない。緊急時の回避なんて諦めたほうが良い。さらにステアリングは結構重い。本来ジャガーのＸＪなんかはヤタラ軽くて指三本でステアリングをつまんで運転すると言われているが、それからするとずいぶん違う。

乗り心地は結構良いが、それ程柔らかいと言うもんでもない。マンホールを超えたりした場合リアがドタバタすると言う話をよく聞くが、試乗車はそうでもなかった。４ＷＤと違いリヤに駆動軸とかないから条件が良いのか。

結論としては、メルセデスやＢＭＷのオーナーがＸに買い換えることは無いであろう。やっぱり、ジャガーはＸＪでなきゃ。せめて、最近良くなったと評判のＳ ｔｙｐｅか？と、すると、誰が買うのか？いくら憧れのジャガーと言っても、こんなパロディーみたいなクルマ買ったら、ある意味、恥ずかしくて乗れないのではないか？大体、３シリーズやCクラスにA4がヒシメキ合うプレミアムＤセグメントなんていう大激戦区に参入するのに、大衆車のモンデオをベースとして、見かけと内装のみジャガーのイメージにしても、世の中そんなに甘くは無いと思うが・・・・・。