メルセデスベンツ E320 (2002/08/25)
 

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発売間もない新型Eクラス(W211)に試乗できた。車種は右ハンドルのE320アバンギャルドでスポースサスのため、多少硬いとの事。

シートは本皮で、表面には細かいシボがあり滑ることはない。また細かい通気穴が5mm四方に空いており、かなり暑い天候にも関わらず、蒸れたりする事は一切無いどころか、通常の布シートよりもさわやかだった。

内装は良く見ると多少段差があったり、セルシオは勿論、BMWに比べても仕上げは劣る。これは、誰もが指摘するところで、昔のメルセデスとは別物になりつつある。

走り出すと、適度な硬さと、適度なステアリングレスポンス。決して敏感では無いが、十分なトルクによる走り易さと、車としての安心感というか完成度は抜群。以前に比べて、鬼のような直進性は無くなったけれど、その分BMW程でないにせよクイックになったので、個人的には歓迎。だけど、昔の特性も捨てがたかったな〜。

エンジンは如何にもメルセデスで、セルシオのように静かでも、BMWのように官能的でもないが、エンジンの役割に徹しているという感じだ。

今回のハイライト、ブレーキバイワイヤによる制動フィーリングは、通常何も考えないで使う分には特に違和感は無い。だだしシビアに見ると、踏み初めから結構重く、少し踏んだ位置(普通なら遊びの部分)で既に僅かにパッドが触れているのがわかる。当たり前だけど、普通なら踏力の軽い遊びの部分があって、ある点でバッドがローターに当たったのが判り、そこからは主に踏力の変化なのに対して、多少の踏力変化は付けているが、基本はストローク制御なのが判る。

去年Cクラスに試乗した際に、ブレーキベダルの遊びが異様に重くチョット違和感があったが、あのフィーリングはブレーキバイワイヤ化に先立って、従来のマスタシリンダ方式でも似たフィーリングにしておいたとしか考えられない。

当然のように極めて良いクルマです。特にクルマが好きではない人が、一般の車の流れに沿って走るのなら、これほど運転し易く、安全な車はないでしょう。金に余裕があり、車に700万(経費含めた総額は800万)つぎ込める人には、無条件で勧めたい。では、BMW530iはどうかと言うと、末期モデルとはいえ、新Eクラスと比べても引けをとらない。特に運転する楽しさでは新Eクラスと言えども敵わない。2日前に乗ったセルシオと3ヶ月ヶ程前に乗ったA6クワトロを含めてどれが良いかは、その人の感覚しだいと言えるだろう。やはり、この御三家+セルシオというのは、オーナードライバーにとって理想の車だというのが結論だった。でもこう比べると、アウディは、特に、ここ日本では良い車だけどチョットツライか?