B_Otaku のクルマ日記 特別編

ご注意:この記事は特別編です。毒舌やら嫌韓やらで満ち溢れています。
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2016/4/23(Sun)
三菱自動車の不正

もう既に各種の報道で御存知と思うが、リコール隠しで危機に陥り三菱グループの支援で辛うじて倒産を免れている三菱自動車でまたしても不祥事が発覚した。報道されている内容を整理すると「eKワゴン」「eKスペース」と日産自動車向けに生産している「デイズ」「デイズ ルークス」で燃費を意図的に良く見せかける不正があったということだ。

 

その方法とは、国交省の認証試験で燃費を測定する場合、実際に路上を走行するのではなくダイナモ試験機と呼ばれている屋内設備にクルマを載せて、クルマが走るのではなくタイヤを介して大きなドラムを駆動することで走行時と同じ負荷をかけて、市街地走行に相当する決められたパターンを駆動することで排気ガスや燃費の試験を行うものだ。

この時の負荷としてのドラムには慣性を与えるために試験車の重量 (実際には慣性) に相当するウェイトを付けて測定するのだが、その慣性ウェイトはクルマの重量に加えて実際の走行ではタイヤと路面の抵抗が大きいことや空気抵抗も考慮に入れる必要がある。これらの値はメーカーが走行試験を行って得た数値を報告し、それを元に慣性ウェイトの負荷を決定するのだが、この時に実際よりも走行抵抗などを少なく申告するとダイナモ試験の負荷も小さくなり、結果的に燃費データーが向上するということになる。

今回の不正が発覚したのは提携先のニッサンが次期モデルの開発に備えて現行発売車のデーターを測定し直したらどうも結果が異なることで不審に思ったのが発端だったという。そしてニッサンの試験結果では約7%程燃費が低下したということで、三菱の説明でも実際の燃費より5〜10%程良いデーターとなっているという。

そこで今回の問題の車種の中からウルトラハイトワゴンといわれる背の高いクルマについてライバル他社との燃費データーを比較してみる。

表を見るとスズキの Specia がダントツで、ダイハツ Tant もまあ頑張っているのに対して eK Spece は少し落ちる 26.2km/L で、それでもホンダ N-BOX の 25.6km/L には優っている。しかしホンダの場合は他社に比べて圧倒的なパワーとトルクの優位差があるから多少の燃費低下は仕方ないかもしれない。それに対して三菱のエンジンは他社に比べてパワーもトルクも劣っている。

と、ここまでは今までの公式データーが正しいという前提の比較だが、今回の不正により eK Spece の実際の燃費は 7%程低下していることになり、この分を換算すると 24.4km/L で最下位となる。結局三菱の軽自動車エンジンの性能は他社に比べてパワー、トルク、燃費ともに劣っているというのが真実だった。まあ、これをマトモに表示したらば誰も買わないし、提携先のニッサンがOKしないだろうが、だからと言って不正はまずいでしょう (気持ちは判るけど) 。

そのニッサンとしては、次回は三菱と縁を切って完全に単独開発・生産を希望していたようだが、今や三菱の生産台数の多くを占めるニッサン向けの軽自動車が無くなったらば、会社の存亡にも関わるということで必死の抵抗をしたひようで、結局次期モデルはニッサン主体の開発を行うが生産などは引き続き合弁会社という形で事実上三菱が行うことで妥協したということだが、今度の件でニッサンがどう出るかだ。

この事件の発覚で三菱ブランドの2車は販売も宣伝も中止となり、実際に三菱のサイトにアクセスしたらばこれらの車種に関するページは表示されなかった。そしてニッサンでも当然ながらこれらの車種の販売は中止だろうが、今やニッサンの軽自動車販売の比率は無視できない程に膨れ上がっている訳で、これが突然無くなってしまったら、ニッサンは勿論のこと販売会社の痛手も相当に大きいだろう。

ところでこの件の後処理、すなわち保証問題などはどうするのだろうか? 対象のクルマを三菱が買い戻すという話もあるが65万台といわれているクルマを一台100万円で買い取ったとしても6,500億円で、更に本来なら適用されなかったエコ減税の分も三菱が政府に返却する事になるだろうし、ニッサンだって損害賠償を請求するだろうし、一体いくらの損失になるのだろうか。そして金銭以上に厳しいのはブランドイメージの低下であり、元々2回に渡るリコール隠しでブランドイメージなんて地に落ちていたが、今回の件で事実上カーメーカーとしての存続は難しいのでないだろうか。

と、そんな情況でネットのニュースを再確認したらば、問題の2車種以外にも同様の不正を行っていた可能性があるとの報道もあり、まさか単なる噂で報道はしないだろうから、恐らく後追いで他車種の不正も明らかになるだろう。