B_Otaku のクルマ日記

放射能関連データ (http://atmc.jpへリンク)



2013年2月16〜28日

2013/2/27(Wed) VOLVO New V40<3>

今回からはV40のインテリアを見てみる。
先ずはドアを開けてみると、ベースグレードのT4と上級グレードのT4 SEではそれ程大きくは違わない。

 

T4とT4 SEのインテリアでの最大の違いはT4のシート表皮がTextile(ファブリック)であるのに対して、T4 SEはT-Tecという人工皮革とファブリックのコンビであることだが、下の写真のように部分的に人口皮革を使っている程度で、それ程大きな違いとう訳でもない。

 

T4 SEはオプション(レザーパッケージ、20万円)で本革シートが選べる。黒に近いチャコールというカラーはファブリックとシート形状は同じで表皮のみが違うという感じだが、エスプレッソブラウンという少しオレンジに近い本皮ではシート形状(表皮のつなぎ方)自体が異なっている。

 

シート調整はT4 SEが8ウェイパワーシート(写真左下)でSEは手動式となる。サイドスカットルには"VOLVO"のロゴマークが燦然と輝いているから、オーナーはドアを開ける度にボルボオーナーである満足感に浸り、隣のマツダアクセラを見て、フンッとバカにする、かどうかは判らないが‥‥。

 

ドアのインナートリムもT4 SEは肘掛けにステッチの入ったレザー(写真左下)だが、T4は樹脂成型品となる。

 

レザーパッケージでインテリアカラーがエスプレットブラウンの場合は、ドアトリム自体の形状が異る。こんな無駄は普通はやらないのだが、最近のボルボはフォード時代に比べて随分とコストを掛ける体質に変化したようだ。

ルーフのヘッドアップコンソール(写真左下)やドアアームレストのパワーウィンドウ操作パネル(写真右下)などの樹脂部品の質感や、ドアノブなどのメッキも中々良い。

   

今まで見てきたインテリアの質感は中々良い出来で、フォード傘下時代のインチキプレアム路線からは完全に決別したようで、実に目出度いことだ。

次回に引き続きインテリアを紹介する。

つづく。





2013/2/26(Tue) 【速報】SUZUKI Spacia

本日、スズキより発表された新型軽自動車"Spacia"はパレットの後継車種で、JC08モード燃費は何と29.0q/L という低燃費であり、パレットに比べて90kgもの軽量化が実施されているという。

発売は3月15日ということで、ディーラーでのお披露目までは、あと半月ほどある。

  

パレットが廃止ということは、OEM供給を受けていたニッサン(ルークス)はどうするのかというと、近日中に三菱自動車と共同開発したという新ルークスが発表されるという噂だから、こちらも楽しみに待っていることにしよう。





2013/2/25(Mon) VOLVO New V40<2>

引き続きエクステリアの紹介から。

ヘッドライトはベースモデルのT4がハロゲンで上級のT4 SE(T4はオプション)がバイキセノンとなる。

フロント ウィンドシールド中央上部には赤外線レーダの受信部とカメラがあり、ラジエターグリル右側にはミリ波レーダーが設置されている。
先進的な安全装備はボルボの売りであり、V40にも各種のインテリジェント・セーフティーデバイスが用意されているが、これらはセーフティ・パッケージという20万円のオプションとなる。
ボルボが安全を第一に掲げるのならば、これらも標準装備にするべきだ、という意見もあるが、実は‥‥今ならオマケで付いてくる! 一応2月契約限定といっているが、その後だって事実上のサービス品となる気がする。あっ、いや、単なる想像でして、決してディーラー情報とかではありません。(ということにしておく)

 

リアラッゲージルームは奥行きは意外に広いが、幅が狭い。
テールランプはボルボのアイデンティティであるDピラーに沿ってルーフまで立ち上がってはいるが、上方の幅は狭く昔と比べるとかなりイメージは違う。

 

ホイール+タイヤはT4が "Matres" 7.0Jx16 + 205/55R16、T4 SEが "Segomo" 7.5Jx17 + 225/45R17が標準となる。

エンジンはボルボが開発し、S60から搭載された1.6L ターボで180psと結構な高出力となっていて、BMWでいえば120iの170psをも上回っている。

次回はいよいよインテリア編にすすむ。




2013/2/24(Sun) VOLVO New V40

ボルボのボトムクラスであるV40がFMCされた。先代はV50と呼ばれていて、そのまた前はV40、そして今回はV40に戻った訳で、何やらFMCの度に方針が変わっているようだ。ただし、今回はステーションワゴンと言うよりも5ドアハッチバックというのが本来であろうと思われ、要するに今人気のCセグメントハッチバックであり、このクラスはBMW1シリーズを頂点に最近FMCされたメルセデスAクラス、近々FMCのアウディA3とVWゴルフという大混戦の分野でもある。

スタイルは最近のボルボらしくアグレッシブなフロントと、ルーフに向かって伸びるテールライトを持つリヤなど、如何にもボルボらしい。それにしても、以前の走るレンガと呼ばれたころのボルボとは全く方針が異なってしまった。

後方に向かって大きくキックバックするウエストラインと、その結果として後方に向かって極端に狭くなるサイドウィンドウなど、最近のボルボのトレンドに従っている。それにしても、最近のマツダにも似ているのだが‥‥。そういえば、先代のV50はマツダアクセラがベースだったが‥‥。

スペックの比較はCセグハッチの定番であるBMW116iとメルセデスA180。これに加えた国産Cセグハッチのマツダアクセラスポーツを取り上げてみた。なお、本来は最も重要なライバルであるVWゴルフは既に欧州ではFMC済で、日本国内での導入も秒読み状態であることから、比較を見送ることにした。そして、これまた近日FMC予定のアウディA3も同様である。

アウターサイズは概ね同じくらいだが、強いて言えばアクセラは長く狭いのに対してAクラスは短くて広い。V40は最も幅が広いが、それでも1,800mm以下であり、どれも街中での取り回しは有利なサイズで、最近のこのクラスの人気があるのも頷ける。

エンジンは3車種が1.6Lターボだが、パワーとしてはボルボが飛び抜けているし、トルクも一番大きい。アクセラが2L自然吸気というダウンサイジングの波に乗り遅れているのは現状の日本車の辛いところだ。

  

次回から各部を写真にて紹介するが、今度のV40は随所に斬新なアイディアが盛り込まれている。

乞うご期待。




2013/2/22(Fri) BTOパソコン

今回は前回予告したBTOについて。BTO(Build to Order)とは、商品を部品の状態でストックしておき、顧客の注文に応じて組立てを行い出荷する、という方法(ビジネスモデル)で、パソコンでは既に当たり前に運営されている。BTOパソコンを始めたのはデル(DELL)であり、最初の頃はユーザーが注文の際に可也きめ細かく仕様の詳細を選択出来たが、最近では選択範囲が限定されてきた傾向がある。

BTOは余分な在庫を持たないことと、デルのようにメーカーがユーザーへ直接販売するなどの方法により、家電メーカーの既成品パソコンに比べて可成りの割安となっている。デルと同様に直接販売による日本のBTOパソコンメーカーとしてはマウス、ドスパラ、パソコン工房などの専門メーカーが有名で、更により細かい仕様を決定できるどちらかと言えば自作代行という言うべきサイコムがある。デルとともに世界的なメーカーではHP(ヒューレット・パッカード)が有名で、更には国内の大手メーカーではエプソン(エプソンダイレクト)やオンキョーなどがある。

ここで自作パソコンについてひとこと付け加えておくと、パソコンを自作する、なんて聞くとすごい技術と思うかもしれないが、自作と言うよりも部品を集めて組み立てる、というのが正しいだろう。今やパソコンの部品は全てが規格化されていて、オマケに要となるマザーボードは台湾のメーカーなどが独占していて、有名電機メーカーのパソコンもマザーボードを買ってきて自社のケースに組み込んでいたり、それどころかノートパソコンに至っては本当に外のケースだけ作って組み込むとか、しまいには自社ブラントで丸ごと作らせる、いわゆるOEMだったりする。自作パソコンについては回を改めて取り上げようと思っている。

BTOパソコンの特徴としては、仕様を自由に選べることが第一に考えられるが、これについては最近は以前よりも選択肢が少なくなる傾向で、量産品との差が少なくなってきている。また現在家電メーカーはデスクトップパソコンから殆ど撤退しており、オールインワンと呼ばれるディスプレイにPC本体を組み込んだタイプが主流となっていて、本格的なデスクトップタイプは自ずとBTOになってしまう。 デスクトップは全長の低めのミニタワーとか、幅の狭いスリムタワーとか言っても、机の上の結構なスペースを占領してしまうが、オールインワンのメリットはディスプレイ以外には場所を取らないことで、家電メーカーのデスクトップがこのタイプになってしまったのは、それだけユーザーの要求があったのだろう。デメリットとしては基本的にノート用のハードを使うために冷却が充分でなくCPUのクロックが遅い傾向があり、多くは性能的にデスクトップより劣る事と、ディスプレイまたは本体のどちらか一方が壊れたらば双方とも使えなくなるということがある。更には拡張性にも劣るが、この手のユーザーが後からグラフィックボードやオーディオボードやセカンドディスクドライブ等を追加することもないだろうから、大きなデメリットとは言えなさそうだ。それにディスクドライブは外付けタイプにUSB3.0が普及した現在では、内蔵と比べてもそれ程速度の差がなくなっている。

BTOパソコンの価格は家電メーカーのパソコンに比べると極端な場合は半値程度になるが、メーカー製パソコンの価格が高い原因には、最初から各種のアプリケーションソフトがプレインストールされていることが大きく、マイクロソフトのオフィスは当然で、その他にも画像処理や家計簿とかゲームとか、これでもかと余計なものを満載している。もっとも完全な初心者、すなわち初めてパソコンを購入し、しかもパソコン自体を操作するのも初めてという場合には、BTOパソコンを買って自分で必要なアプリケーションを購入してインストールやセッティングをするというのは不可能だろうから、ある意味価格は高いけれども間違いなということだ。

また家電店で購入すれば、少しの追金でセッティングサービスなども用意されているので、その分の経費も入っていると思えば決して高くはないともいえる。これがBTOだと宅配便でドカ~んと送られてきたものを本体、ディスプレイ、キーボードを自分で接続して、LANを繋いでネットに接続するなど全て自己責任で行うことになる。なお、BTOメーカー製といえどもノートパソコンならば、ネットに接続するだけで使えるので、初心者でもそれ程のリスクはないから、ある程度の経験があれば問題ないだろうが、ノートの場合は家電メーカーでもタイミングによっては結構な投げ売りもありので、なんとも言えない。それにBTOメーカー製と言えどもノートの場合は台湾メーカーからのOEMだったりするから、やはりBTOのメリットはデスクトップでこそ発揮される。

なお、国内のBTO専門メーカーの場合、大手の製品に比べると筐体がダサい!という問題がある。まあ、これは趣味の問題だから、人それぞれ好みで選べば良いことだが、お洒落なリビングに似合わないことは間違いない。なお、個人的には自宅のパソコンはディスプレイが大きくて見やすいことと、冷却が有利なことからクロックが速い、結果的にノートよりも性能が良いデスクトップをBTOで選ぶのが正解と思っている。実際に15インチクラスのノートを買っても、これをカバンに入れて持ち歩くのは不可能とは言わないが現実的ではなく、それではノートのメリットが無いことになる。ただし居間やダイニング、寝室と家の中を持ち歩いて使うのには適しているから、要するに使い方次第ということだ。




2013/2/21(Thu)
BMW 3-Series Gran Turismo

2009年に新5シリーズの第一弾とし日本でも予約が開始されたのは5ドアハッチバックのグランツーリスモ(F07)という、いわゆるクロスオーバーと呼ばれる分野のクルマだった。ただし、新5シリーズの開発コードがF10であるのに対してF07ということからも判るように、ベースは新7シリーズ(F01)だった。

そして今回は3シリーズにもグランツーリスモというモデルが発表された。

スタイルは5シリーズと同様に背が高いクロスオーバーといわれる5ドアモデルで、3シリーズのツーリングよりも全長(+200mm)、ホイールベース(+110mm)とも長く、全高(+81mm)も高いから、言ってみれば一回り大柄となっている。

インテリアは基本的に3シリーズと共通のようだ。

なお、下記のBMW開発担当副社長による説明ビデオが公開されている。

ところで、日本では5シリーズグラントリスモも街中では滅多に見ないが、売れ行きはどうなのだろうか。そして3シリーズにまで展開して、果たして日本で売れるのだろうか?

なお、例によってオリジナルページのリンクを下記に貼っておく。
  http://www.netcarshow.com/bmw/2014-3-series_gran_turismo/




2013/2/20(Wed)
VWのバリエーション

昨年新たに発売されたフォルクスワーゲンの新型車、The Beetleとup!に新たなバリエーションが追加された。

先ずはビートルのオープンモデルであるコンバーチブルで、ビートルの性格からしてもオープンモデルの需要は他車に比べて多いだろうから、バリエーションとしては必須ともいえそうだ。

ソフトトップを畳んだ時にトノカバーがウエストラインより上方に出ているのはオリジナルのビートルからの伝統であり、その雰囲気はシッカリと再現されている。

ソフトトップを被せた時のルーフラインは、リアトランクに向かって自然なラインを描いている。

そしてもう一台はup!の車高を少し上げてクロスカントリー風に仕立てたCross up!であり、これも最近はVWが多くの車種にバリエーションとしてラインナップしているタイプの車だ。

オリジナルのup!に比べると随分車高が高く見えるから、多少のオフロードや積もった雪道などでもノーマルモデルよりは走破性が高そうだ。

これらは日本国内で発売される可能性は充分にある。特にビートル コンバーチブルは先代を結構見かけるから、それなりに(と、言っても少量だろうが)売れていたのだろう。これも先日紹介したアルファ4Cと同様で、特殊なファンがいるであろう分野だ。

なおオリジナルページのリンクを下記に貼っておく。

ビートル コンバーチブル
  http://www.netcarshow.com/volkswagen/2013-beetle_convertible/

クロス up! http://www.netcarshow.com/volkswagen/2014-cross_up/




2013/1/19(Tue) Alfa Romeo 4C

アルファロメオ4Cの量産モデルが2013年のジュネーブ国際モーターショーでデビューした。4Cは2シーターのリア駆動ミッドシップエンジンのスポーツカーで、イタリアンスタイルと優秀な技術でトータルセーフティーと操縦する満足感を提供するという。なお、4Cはモデナのマセラティー工場で製造される。

 

エンジンは新しいオールアルミの1750 ガソリンターボでミッションはDCTタイプのアルファTCT自動変速機を搭載する。寸法は全長4,000mm、全幅2,000mm、そして高さは1,180mm、ホイールベースは2,400mm以下と発表されているが、この数字だと随分幅が広くて低いクルマになる。

オリジナルページのリンクを下記に示すが、発表された内容は未だ少い。

http://www.netcarshow.com/alfa_romeo/2014-4c/

内容からして前作の8Cよりは現実的な価格であろうから、アルファ命のファンは今から貯金に励んでおく必要があるだろう。




2013/2/18(Mon) クルマとパソコン<2>

前回はクルマとパソコンがマニアックな面で似ているということを書いたが、今回は両者の異る点について考えてみる。

クルマの場合は、軽自動車と言えども重量は700~800kgもあり、そんなに重い物が時速100kmで突っ走る訳だから、機器や部品の故障は命取りとなる。そいうは言っても、自動車の部品には色々あり、故障時の危険度も違う。例えばブレーキが完全に効かなくなったら、それこそ命に関わるから絶対にあってはならないが、カーオーディオのような便利機能が故障したとしても危険は無く、せいぜい五月蝿いオーナーだったらディーラーに怒鳴りこむ程度だろう。そういう事を踏まえたのが、クルマの開発時に行うFMEA(Fatal Mode Effect Analysis)、日本語にすれば故障モード影響解析という手法で、部品が壊れた時に車両としての影響を調べるもので、この解析をあらゆる部品で行い、最終的にクルマ自体が重大な危険に至るようなことがないように、必要ならばバックアップも考慮に入れることになる。その結果ブレーキは必ず2系統になっていて、1系統が故障してももう一系統で最小限の減速ができるように設計されているが、カーオディオで故障時を考えて2セットを装備しているなんていうことは普通ないだろう。

これに対してパソコンの場合は壊れても命に別状は無いし、特に個人使用が原則の低価格モデルでは価格が勝負で、もうこれでもかというくらいのコストダウンを行なっているが、それでも滅多に故障しないのは大したものだ。しかし、そんな訳だから低価格のパソコンは運が悪いと行き成りぶっ壊れることになる。要するに家庭用のパソコンなんていつ壊れてもおかしくない、というか、壊れ無いのは只々運が良いだけということになる。

それでは業務用のパソコンはどうかといえば、普通の業務に使っているものは基本的に家庭用と同じようなものだが、中堅以上の企業ならばデーターはサーバー上で管理されているから最悪ぶっ壊れても個人のローカルデーターのみであり、システムによっては原則としてローカルにはデーターを持たないものもあるから、大きな損傷は無いことにある。しかも、このクラスの企業ならば個人配布のパソコンは予備機があって、壊れれば直ぐに交換できるし、リカバリーなども専門の情報部門を持っていて即対応するから業務に大きな試乗は出ない。ということは、サーバーは絶対に壊れてはいけない訳で、そのため個人のパソコンとは部品の信頼性が高いことに加えて設計自体に余裕がある。すなわち電源などは信頼性が高いとともに容量も充分に余裕がある電源ユニットを使うなどである。そして、ディスクはRAIDといわれる複数ユニットを使ってミラーリング(同じ物を2台平行に動かす)などを行う。しかも、それでも同時に複数のディスクが破壊されることも考慮して、定期的に外部のストレージにバックアップされるなど、これでもかという対策をとっている。逆に考えれば家庭用では今や1TBのハードディスクなんてオマケみたいなものだし、外付けのHDDでも1万円程度で買えるが、本格的なサーバーで1TB当たりのコストは何十万円、すなわち一桁大きくなる。さらに、情報部門の社員の経費と考えると、大変な額になるだろう。

サーバー以外に業務用としてはワークステーションと呼ばれるものがあり、小型のサーバーに準じたハードウェアに3D CADを使用するためにグラフイックボードを載せたもので、設計用に使われたりまたウェブデザインなどに使われたりする。ワークステーションは性能的には上位のパソコンとあまり変わらないように見えるが、CPUも民生品のCore i7などではなく、より信頼性の高いXeonというサーバー用のものを使っていたり、メモリーもチェックビットが付いたECCといわれるタイプで、他にもデーター処理の高速化のためにレジストレーションが付いていたりということで、民生品のメモリーよりも一桁高かったりする。

では実際にどのような状況かといえば、比較的価格が安いといわれるDELLのワークステーション(T7600)の場合、メモリーを標準の4GBから8GBに変更すると約3.5万円の追加であり、16GBなら8.2万円で、これが32GBとなると何と16.3万円にもなる。これが民生用だと、同じくDELL(XPS8500)の場合で比較すると、4GBから8GBへの変更は5,250円であり、ワークステーションの1/7ということなる。それどころか8GBのエントリーグラフィック搭載モデルの本体(ディスプレイを除く)は9万円で買えるのだから、T7600の4→16GBが+8.2万円ということは、メモリーだけでパソコンが買えてしまうことになる。念の為に付け加えると、XPS8500というのは家庭用デスクトップとしては高性能モデルで、先程の9万円というのはCPUがCore i7でグラフィックボードまで付いていて、家庭用としては特殊な3Dゲームでもやらない限りは十分どころかオーバースペックともいえる高性能機なのだが‥‥‥。

    

10万円程出せば最新鋭の高性能パソコンが買えるというのはDELLに限らず、BTOといわれる注文生産のメーカーならば概ね似たような価格となっている。しかし繰り返しになるが、家庭用(民生用)パソコンというのは壊れて当然というか、壊れないのは運が良いだけ。勿論ワークステーションだって確率は低いが故障はする。しかし、サポート条件が全く異なり、当日対応オンサイト保守サービス、要するに壊れたらその日に出張修理をしてくれるサービスが3年間標準で付いている。要するに業務で使用するのだから故障したらば直ぐにサービスマンが飛んで来て修理してくれると言うわけだ。

次回はBTOについて説明しようかと思っている。

つづく。




2013/2/17(Sun) 笹子トンネル事故<2>

先日の日記で笹子トンネルの天井崩落事故について説明したが、今回は問題のアンカーボルトの状況について、もう少し詳しく検討してみる。

先ずはアンカーボルトに掛かる引き抜き力を求めてみる。
前回使用した図の中から必要な部分を拡大すると

上図によると約1,200oを1スパンとすると、この距離での重さは

 1.16(A板) + 1.385(B板) + 1.448(隔壁) + 0.021(吊り金具)= 4.014 ≒ 4ton

1スパンのボルトの数は下図から3本と4本があるが、ここでは3本にて検討する。また、天井版は実際にはトンネルの左右端でも支持されているので通常は天井版の重量の一部はアンカーボルトに掛からないが、これを無視して全てアンカーボルトの引き抜き荷重と仮定して考えると、アンカーボルト1本に掛かる荷重は 4(ton) / 3(本) = 1.3ton 、すなわち1,300kgとなる。

ここでケミカルアンカーの代表的な許容引き抜き力を調べたらM16、埋め込み長さ130oの場合は17.93kNとなっていた。なお、このボルト径と長さは毎日新聞の記事から参照したものだ。

1kNというのは国際単位系(SI単位)で力を表す単位であり、1kN = 101.9kgfとなる。ということは、アンカーボルトの許容引き抜き力は 17.93 kN x 101.9 = 1,827kgfであり、アンカーボルト1本に掛かる引き抜き力が1,300kgだから、許容引き抜き荷重の1,827kgf以下にはなってはいる。

しか~し!この許容引き抜き荷重は短期荷重となっていたから、常に引き抜き側に、それも何十年もの間引っ張られているような条件では、果たしてこれで良いのだろうか? まあ、常識的にはこんな設計はしないから、そうしてみると今の計算が本当に合っているのかが心配になってきた。これは当方の計算間違いというか、前提条件のミスということは充分に有り得る。そうだよねぇ、一流のゼネコンのエンジニアが、こんな使い方するわけはないし、実際にコンピューターでシミュレーションすれば問題ないのだろう、きっと、ということにしておこう。

今度は国交省の発表した報告にあるアンカーボルトの損傷状況(写真下)を見てみると、手で触ったくらいで抜けてしまったようだ。なお、これは事故があった場所ではなく、笹子トンネルを再検査した際に不良部分として発覚して場所のものだから、何れにしても天井崩落は起きて当然だったのだ。

ところで、ケミカルアンカー自体は問題なかったと仮定しても、コンクリート自体が劣化でボロボロになってくるとしたらば、アンカーの接着剤に変化が無かったとしても周囲のコンクリートの強度が下がって、やはりボルトは抜けてしまう。このトンネルが完成したのは1975年、ということは高度成長で砂が不足したことから、腐食しやすい海砂を使用した頃であり、このために劣化が早いという話をよく聞くから、その可能性も充分にあるだろう。

とはいえ、後施工のアンカーを引き抜き荷重のかかる吊り下げ用途に使ったり、何よりもたかが吸排気のエアダクトの目的なのに、1mで何トンものゴッツい構造物を吊り下げるという事も腑に落ちないし、どうも設計思想に問題があるように思うのだが。 

これって、現場を知らない頭でっかちのエリートが机の上で計算して、計算上は問題なし(キリッ とか言っていたのだろうか?




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