TOYOTA PASSO
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トヨタ パッソはダイハツよりトヨタにOEM 供給されている欧州で言えばAセグメントに相当する小型車で、サイズ的には軽自動車を除けば登録車で最も小さい。このパッソについては 2011年に簡易試乗記でのインプレッションをアップしているが、これがまた驚く程に出来が悪い駄目グルマだった。

Toyota Passo 1.0 +Hana 簡易試乗記

そのパッソがフルモデルチェンジにより一新されたことで、内外装については既に 4月25日からの日記 で詳しく写真解説を行っているが、さて走りの方は少しは改善さたのだろうか? ということで日記の写真を東京お台場にあるトヨタのメガウェーブで撮影した時に、折角だから同施設内のクローズドコースを2周するライドワンでのチョイ乗り試乗を行ってみた。まあこんな程度でも先代のような酷さなら直ぐに判るから、とりあえずの確認は出来るだろう。

試乗車の準備が整って案内に従って車両の待機場所に行ってみると派手は黄色のそれらしいクルマがあった。塗装色の具合やアルミホイールなども見ても、パッソとしては高級モデルのようで、後で調べたらば MODA “G package” という上級グレードであり価格は 165.8万円というもだった。これはVW move up! の175.6万円と10万円程度しか違わないという、正に特別編での比較にピッタリのモデルだった。

車両に乗り込んでみると1,665o の全幅は軽自動車の 1,475o に比べて190o も広いから、特に幅方向に狭いという感じはしないし、この車幅こそが軽に対する大きなアドバンテージとなり、安定性だって大いに有利な筈なのだが、さて実際はどうなのだろう。

オーソドックスなプッシュボタンを押してエンジンをスタートさせると、3気筒 1.0L 69ps 92N-m の1KR-FE 型エンジンは3気筒らしく多少の振動を伴ってアイドリングしている。この時は未だエンジンが暖まっていなかったようで、最近のクルマではこれまた常識のアイドリングストップが働かなかった。ところでこのエンジンは型式も性能 (スペック) もあのどうしようもないアンダーパワーの先代モデルからの使い回しで、はて大丈夫なんだろうかという興味がジワジワと湧いてきて、スタートを心待ちにしている‥‥何て程の事はない。

さてそれでは発進するかといえば、今回その前にもう一つ確認する事があった。それは渋滞などで前のクルマにピッタリ付いて停車中に突然後ろからホーンの音が聞こえて、ふと前を見ると前車は既に発進してはるか先に行っていた、何ていう経験は結構あるだろう。そこで試乗車にはブレーキを踏んで停車中に前車が発進すると警報を鳴らす装置が付いていて、今回はその使い勝手のアンケートに応えて欲しいということで、ドアの外側にはスタッフさんが付いていて、その説明に従ってセットして、さて前車が走り出すと‥‥ムッ? 何も起こらない。スタッフさんはバツの悪そうな顔をして「あっ、いや、条件によって作動しない時があるんですよね」だって。

まあ、この装置が作動しなかったからといって事故に至る事は無いだろうが、安心していたら既に前のクルマは遠くに行ってしまって、後ろからはしつこくビーっビーっという安っぽいホーンの音が聞こえた事でカーっと頭に血が上り、車から降りて後ろのクルマのドアーを蹴破って懐のナイフを出して「おんどりゃ、儂をなめとんのかあ」グサッ、とかハタマタ拳銃でズドンッ、何て ”事故” も有り得る‥‥かな?

なお前車は発進して10mくらい進んでから更に前のクルマとの時間差を作るために停止していたためにその後ろに付いて停止。そして再び前車が発進するとあまり大きな音ではないが電子音が聞こえて今度は目出度くも機能が作動した。

最初に直線路に出て一番知りたい加速性能を試したかったので行き成りフルスロットルを踏んでみると、ガーッという3気筒らしい安っぽいメカノイズを振りまきながらの加速は、しかし先代よりも明らかに向上している。エンジンスペックも全く同じで車両重量もまた同一なのだが、新型の加速とアクセルレスポンスは軽のターボ車くらいにはなっていた。因みに先代はといえば軽の自然吸気と比べてもチョイとどうかな、という程に酷かったから、新型は多いなる進歩だ。

直線が終わって左カーブが近づいてきたので減速するが、この時にはコースの制限速度である40km/h に達していたから、同じコースで試乗した他のクルマと比べても遜色の無い加速であり、気のせいでは無く本当に加速が良くなっていたのだ。このカーブを過ぎて更に噴水の周りを大きくターンするようなコースでは低速度ながらも速度を維持するにはある程度のレスポンスが必要だが、パッソはコーナーでの適度なトルクコントロールもやり易く、この面でも先代とはマルで違う。

動力性能が何とかまともな状態になったが、さて安定性や旋回性はどうだろうか? 実はこの点では先代も決して悪くはなかった。そして今回の新型も先代と同様で、まあ最低価格帯のクルマということを考えれば決して悪くは無い。操舵力もかなり軽いがフラフラする事も無いし、中心付近の不感帯も適度で姐ちゃんやオバちゃんでも安全に運転できるだろう。まあ、この手のクルマは、それじゃあないと困るが‥‥。このコースには結構面白いシケインがあるが、ここでスラロームをやってみたらば‥‥あまり調子に乗るのはやっぱり危険そうで、同じ場所で結構成績の良かったハリアーハイブリッドと同じ位の速度で通過する勇気は無かった。

乗り心地は結構固めだが不快というわけでは無いし、どう考えても先代よりもシッカリしたボディは良く出来た欧州車のように乗り心地と安定性を両立している‥‥という程ではないが、まあ合格としよう。そしてブレーキについては特に印象に残っていない、ということは必要な仕事はキッチリしていた、と言う事だ。

パッソは最近先進国では車種がめっきり少なくなってしまったAセグメント車であり、国産としては殆ど唯一の存在だが、ポスト軽自動車としては有力なクラスだから、十分注目に値する。実際にこの狭いコースで乗ってみると後半の道幅が狭く急なコーナーで、ハリアーなどはコーナーリングどころか徐行状態だったがパッソはその狭い全幅を活かして普通にコーナーリングが出来たくらいで、軽自動車程で無いにせよ十分に小さい事がメリットになっていた。そのパッソがどうしようもない先代から大いに進化したのは目出度いことだ。とはいえ、今回の試乗車の価格は冒頭で述べたとおりで 165.8万円という天下の VW up! と殆ど変わらない訳で、これはチョイと考えてしまう。最も最近は軽自動車も上級モデルでは似たような価格のモノもあり、そういうのを買うユーザーがいるということだ。

そして既に 5月10日からの日記 では VW up! との写真比較を行っているが、これはやっぱり特別編として試乗も含めて言いたい事を言う、すなわち外車おたくが泣いて喜ぶ位の偏向した内容をサービスしようと画策している。

乞うご期待!

注記:この試乗記は2016年4月現在の内容です。