MAZDA AXELA XD 前編
※検索エンジン経由でノーフレームの場合はここをクリックしてください。

マツダのフルスカイアクティブ第3段ということもあり大いなる注目を集めた新型アクセラについては、既に昨年末に1.5Lとハイブリッドに試乗してMAZDA AXELA HYBRID & 15S簡易試乗記として発表済だが、一番の注目であるターボディーゼルのXDについては一足遅れの発売となったことから、未だ取り上げていなかった。本来はもう少し早く紹介したかったのだが、年度末が近づくとともに今年は消費税を視野に入れた駆け込み需要などでディーラーは大騒ぎとなっていたこともあり、結局そのゴタゴタが終わるまで待っていたために、ちょいと遅れて今回の試乗となった。

先ずは新型アクセラの主要なラインナップの諸元比較をすると

トヨタから主要ユニットを購入しているハイブリッドについては別扱いとすれば、アクセラのラインナップでのXDの位置は最もパワフルで高価なモデルということになる。

XDを実際に見ると結構大人しい外観で、一見してXDと判るのはフロントグリルの下端に赤いラインが入っていること(写真左下)くらいで、これも知らなければ知らないで終わってしまう程度の差別化だ。そしてリアはといえば、XDの排気管は左右から各1本出し(合計2本)で、1.5Lの右1本との違いがあり、更にXDの排気管はメッキ仕上げで肉厚も厚い(写真右下)。といってもマフラーカッターが付いているだけだが‥‥。

結局、XDはどう見ても外観上では15S (190.1万円) よりも約120万円も高いようには見えないのが辛い。

XDの最大の特徴は言うまでもなく国産としては唯一とも言える欧州タイプの小型ディーゼルエンジンだが、アクセラに搭載されているSH-VPTR型エンジンは、その型式も性能もアテンザとCX-5に搭載されているものと全く同じだ。それで、車両重量はCX-5 XDが1,510kg、アテンザ ワゴン XDが1,530kgであるのに比べてアクセラ XDは1,450kg と80kg軽いわけで、数値上ではアクセラが一番活発に走る筈だが、さて?

なお、このディーゼルエンジンはディーゼルとしては圧縮比が低い等、技術的に見どころが多いが、それについては既にMAZDA ATENZA WAGON XD 簡易試乗記で珍しくも真面目に解説しているので、そちらも合わせて参照願いたい。

XDのインテリアはブラックのみで一見すると15Sと大して違いも無いくらいだが、シート表皮はXD専用のラックスエード&レザーという名称で、サイドが人口皮革、センターが一見アルカンターラにも見えるが、スエード調のファブリックというコンビで、赤いステッチがアクセントとなっている。シート形状自体は特別にサイドサポートの張り出しが大きいとかいうこともなく、写真で比べる限りでは表皮以外は15Sと変わるとことろは無さそうだ。

 

シート調整は電動式が奢られているが、ポジションメモリーは無いようだ。電動シートのメリットは、複数のドライバーが頻繁に代わるような時に、ボタン1つで位置が決まることであり、特に複数の家族で共有している場合などは、ポジションメモリーが無いというのは電動シートのメリットが半減してしまう。

XDはシート同様にドアのインナートリムもL-Packageに準じて肘の当たる部分にはシート表皮と同じ材質が貼ってあるし、肘掛け自体もレザー貼りに赤いステッチという具合に、アクセラとしては上級装備となっている。

XDには標準でサンルーフが装着されているが決して有用な装備とは言えないこともあり、最近は欧州車でもこれを装着する例は減っている。こんなものでも10万円程度の値上げになっているわけで、その分車両価格を下げたほうが少しは販売上で有利になると思うのだが。

インパネはアクセラに共通のもので、15Sと比べても大きな違いは無い。そしてセンタークラスターにあるオートエアコンの操作パネルも同じだが、シートヒーターのスイッチがある点は異なる。

アクセラはベースグレードの15C を除いて全てのグレードにはディスプレイが装着されていて、フロアコンソールのシフトレバーの手前にはオーディオの操作用ダイヤルとスイッチ、要するに”マツダの iDrive”がついている。

そして、走りについては後編にて。

⇒後編へ