MAZDA AXELA HYBRID & 15S 前編
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昨年11月にフルモデルチェンジされたアクセラは、その昔はファミリアという名前で、まあ安物の代名詞であり、価格は安いがリセールは全く期待できず、結局マツダ以外では下取りしてくれないから次もマツダ以外に選択肢がないという、世間では”マツダ地獄”と陰口をたたかれていたくらいだ。ところが、2003年にファミリア改めアクセラとして発売された新型車は、あっと驚く欧州車顔負けの内容のクルマで、当時はフォードグループだったこともあり、フォードはこのアクセラをベースに何とフォードのプレミアムグループであるボルボの小型モデルS40/S50のベースにも採用していた。ということは、プレミアムカーと思ってボルボを買ったら、実はマツダ ファミリアだった!何てことは多くのボルボユーザーは知る由もなかった訳で、まあ結構マンガみたいな状況だった。

その後のマツダの躍進は今更言うまでもないが、特にスカイアクティブコンセプトが本格化したCX-5以降のモデルは、ある面(安物の)欧州車を超えたといっても過言ではないくらいで、その後のアテンザも同様に期待通りのクルマだった。そして今回はCセグメントのアクセラで、アテンザが今やDセグメントというよりも米国で人気の中型FFセダン、言ってみればカムリやアコードと同じカテゴリーのクルマとなってしまった為に日本で使うには大き過ぎ、その点ではジャストサイズのアクセラには大いに期待できる。

ということで、先ずは新型アクセラのラインナップはといえば、大きく分けてボディ形状はセダンとハッチバックがあり、単に”アクセラ”というのはセダンで、”アクセラ スポーツ”と呼ばれるのは5ドアハッチバックモデルとなる。ハッチバックが何でスポーツかといえば、ハテ、それはマツダに聞いてもらおう。

エンジンは1.5Lと2.0Lのガソリンエンジンに加えて、CX-5以来評判の良い2.2Lディーゼル(XD)とハイブリッドの4種類にボディ形状により、セダンは1.5Lとハイブリッド、スポーツは1.5Lと2.0L、そしディーゼルターボのXDというように、ボディ形状によりエンジンラインナップが異なっている。また、ボディ形状やエンジンに対して設定されるグレードも異なり、これを文章で説明しようと思ったが、結局解りづらいために下記の表にまとめておいた。このラインナップで15Cは徹底して快適装備を省いた業務用で、不動産業者の営業マンなどが乗っているヤツだ。あっ、銀行の場合は軽自動車だから、アクセラに乗るためには課長クラスにならないと乗れないことになるが、都市銀行の高額給与を考えればプライベートに5シリーズくらい持っていても不思議はない。公的資金で救済しておいて社員にはべら棒な給与を出すのを問題視する気持ちも判るが、この給料で高級車を買って、中にはホンダおたくでも無いのにレジェンドとか買う車オンチが居たりして、これで経済活動が活発になれば、一概に否定もできない。と、書いてはみたが、ここは特別編ではなかった。危ない、危ない。

ところで、このラインナップをみれば、アクセラの本命はスポーツであることが判るし、MTや4WDなどの幅広い設定は1.5Lが一番充実しているなどを考えれば、結局は1.5Lのスポーツが本命なのかもしれない。

 

新型アクセラのアウターサイズはハッチバックのスポーツがセダンよりも全長で120o短いが、両車は前半分がほぼ同一となっているから、結局セダンのオーバーハングが長い、というかスポーツのリアが120o切り詰められているという事になる。そしてスポーツのスリーサイズは同じCセグメントハッチバックのBMW1(116i : 4,335 x 1,765 x 1,440o W/B 2,690o)シリーズと比べるとアクセラ スポーツは全長が+125o、全幅が+30o、ホイールベースが+10oと何れもアクセラの方が大きい。また、セダンは先々代のBMW3シリーズ(E46 318i)の4,470 x 1,740 x 1,415o W/B 2,725oとほぼ同じ寸法となっている。

 

それでは実際にクルマを見てゆくことにする。

今回は敢えて斜め前から見た写真での比較を行っていないが、実は作ってみたが殆ど違いが判らず、返って混乱しそうなのでボツとした。そして斜め後方を比べると、これまたリアゲートを持ったハッチバックと独立したトランクルームを持ったノッチバックの違いはあるが、それ以外にはサイドウィンドウまで殆ど同じデザインとなっている。

フロントエンドは一見してハイブリッドもガソリンも、セダンもスポーツも、その違いが判らない程に共通となっている。世間ではハイブリッドの場合、グリル内のエンブレムがブルーだとか、グリルの内桟がクローム仕上げだとかで差別化するが、アクセラはそのような手法を一切取り入れていない。まあ、トヨタから買っているハイブリッドシステムでは、あまり大々的にやるのはちょっと、というところだろうか。

リアについても、セダンとスポーツはウエストラインから下は共通デザインとなっているが、スポーツはハッチバックだから当然リアはゲートで、デザインや取り付け部品は共通だが、ゲートとトランクリッドという別部品なのは当然だ。

フロントのヘッドライトはディスチャージランプが1.5L にオプション、その他は標準装備となり、この場合はLEDシグネーチャーランプという写真左下の、BMWのイカリングとアウディのナンテラを合したようなスモールランプも装備される。またリアのLEDコンビネーションランプ(要するにテールランプ)もディスチャージランプ装着車に標準となる。

次にリアのラッゲージスペースを比べてみると、特にハイブリッドの場合はバッテリーにスペースを占領されてリアラッゲージルームが狭くなる例が多いが、アクセラ ハイブリッドの場合は‥‥ハイっ、やっぱり狭いです。そして、ハイブリッドの設定がセダンのみで、ハッチバックのスポーツには無い理由の一つがバッテリースペー スの問題だろうと推定できる

そしていよいよ室内を見るためにドアを開けると、まず15Sの場合は黒を基調とした地味なインテリアが目に入るが、要するに欧州車の下位グレード的なものであり、言ってみればBMW1シリーズのベースグレードなどと共通の雰囲気を持っている。

そして、この内装は殆どのグレードに共通となっているが、HYBRID S と20S Touringに設定されているL Packageには写真下のアイボリーを主体にした2トーンが選択できるが、実際にこれを買うユーザーは少ないのではないか。こういう配色はディーラー展示車を見ると欲しくなるが、長い間の付き合いを考えれば果たしで買っていいのだろうか、何て悩むことになる。 そしてシート表皮は標準がオーソドックスなファブリックで、勿論欧州車と同じような材質であり、カローラに代表されるような演歌調のベロアなどは使っていない。この点でマツダは以前から欧州調の表皮を使っていたが、結局欧州への輸出依存が大きかったことが大きな原因だったのではないか。

これがL Packageの場合は本皮が使用され、色は写真右下のホワイトの他にもブラックが選べる。なお、ファブリックは写真左下のクロスブラックのみとなる。

またシート調整はL Packageのみパワーシートで、その他は手動調整となっている。

ドアのインナートリムはこのクラスの定番というか、ハッキリ言って安っぽいが、それでもL Packageではシートと同色のレザー(フェイク)を使ったりと、一見したところでは多少高級感を持たせているが、基本的にプラスチッキーなのはどうにもならなくて、これはフィットなどと同じ状況となっている。

ルーフ中央のオーバーヘッドコンソールは室内灯とそのスイッチという最小限のもので、これもプラスチック丸出しだが、普段は目につかないからまあ、これで問題はない。

ドアのアームレストに付いているパワーウィンドウのスイッチも、よく見れば安っぽいプラスチックだが、これまた実用性重視ということでOKとしよう。

 

インパネは一番高い位置にディスプレイを配置して、運転中の視線移動を最小限にするという、最近の欧州車のトレンドを採用している。

ナビはオプションとなるがディスプレイは15Cを除いて標準装着され、コンソール上のコントローラでオーディオその他のコントロールを行う、言ってみれば マツダのiDriveというところか。そして、ディスプレイが付いているから一見ナビが標準のように見えるが、実はオプションというのもBMW 1シリーズと同じ発想だ。

そのナビについてはディーラーオプションのナビゲーション用SDカードの挿入で機能するという方式で、BMWのように後から純正品を追加できない方式に較べると、よりユーザーフレンドリーだ。

エアコンは業務用の15Cを除いてオートエアコンが標準となる。なお、CD/DVDプレーヤーは全てオプションだが後付が出来ないために、普通はラインオプションを選択するのが当たり前ということだ。アクセラの場合、低価格車では常識と成りつつある2DINのブランクスペースにオーディ一体ナビなどを後付する方式ではない事に驚いたが、この方式が定着するとアフターマーケット向けのナビメーカーやそれを販売、取り付けするカーショップは商売が無くなってしまう事になるが、カーメーカーからすれば苦労して開発した自車のクルマで他所様が商売するという面白くない現状を打破できる点では旨味がある。

なお、前出のディスプレイシステムのコントロール用のダイヤルは(写真右下)は、正にマツダのiDriveそのものだ。

以上内外装もひと通り見たところでいよいよ試乗を行うが、実は今回の試乗は最初にマツダ初のハイブリッドに試乗してみたが、実はこのシステムがトヨタから供給されるもので、いってみればプリウス用そのものだったこともあり、後に急遽ガソリン1.5Lの試乗車を探したという事情がある。その辺の詳細は中編にて。

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