Mitsubishi i-MiEV 前編  ⇒後編
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国産の量産電気自動車(EV)としては、初となるミツビシ i-MiEVに試乗する機会があったので早速乗ってみた。
i-MiEVはその名のとおりベースは軽自動車のi(アイ)で、ボディや内装をそのまま流用している。元々 アイはリアエンジンという独特の構造であったことが功を奏したのか、EV化するのには実に適したベース車輌だった。
i-MiEVはワングレードで価格は398万円。ただし、試乗車はメーカーオプションのナビが装着されていた。なお、現在は国からの補助金が114万円あるので、実質価格は300万円程となる。

本題に入る前にベースとなったガソリン車のアイとの主要諸元の比較をしておこう。

 
    @ A B
      Mitsubishi Mitsubishi Mitsubishi
      i-MiVE i Vivace i T
 

車両型式

  ZAA-HA3W DBA-HA1W

寸法重量乗車定員

全長(m)

3.395

全幅(m)

1.475

全高(m)

1.610 1.600

ホイールベース(m)

2.550

駆動方式

MR
 

最小回転半径(m)

  4.5

車両重量(kg)

  1,100 900 910

乗車定員(

  4

エンジン(モーター)・トランスミッション

エンジン(モーター)型式

Y4F1 3B20
 

エンジン方式

- I3 DOHC I3 DOHC Turbo

総排気量(cm3)

- 659
 

最高出力(ps/rpm)

64/3,000
-6,000
52/7,000 64/6,000
 

最大トルク(kg・m/rpm)

18.4/0-2,000 5.6/4,000 9.6/3,000

トランスミッション

- 4AT
 

燃料消費率(km/L)
(10/15モード走行)

125Wh/km 21.0 19.8
 

パワーウェイトレシオ(kg/ps)

17.2 17.3 14.2

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

ストラット

3リンク トーションビーム

タイヤ寸法

前/後 Fr:145/65R15
Rr:175/55R15

ブレーキ方式

前/後 Vディスク/ドラム ディスク/ドラム Vディスク/ドラム

価格

車両価格

398.0万円 122.4万円 147.6万円

備考

定格出力:25kW 4WD:135.0万円 4WD:160.2万円

なお、軽自動車の660cc以下という規格に対して、i-MiEVのモーターはどう解釈するのか知りたいが、試乗車のナンバープレートは黄色いから明らかに軽自動車扱いのようだ。そして、上表を見るとモーターの最高出力は64psとなっているのは軽自動車の自主規制に合わせたようだ。しかし、トルクに至っては18.4kgmと、殆ど1.8リッタークラスで、軽ターボの倍もある。
 

  

エクステリアも基本的にはガソリンのアイと変わらないが、動力以外のバッテリー消費を抑えるためにテールランプは勿論のこと、ヘッドライトも全てLEDランプを使用している (写真右上)。
リアのラッゲージスペースはガソリンのアイと変わらないのは立派で、これはバッテリーを床下に装着した効果が効いている。写真の中の黒い荷物は普通充電用のケーブルで、結構嵩張る。

ダッシュボード右下のレバーを引くと車輌右後方の給油カバーが開くが、よく見るとチョッと違う(写真左下)。 樹脂製のキャップを開けると、そこには電気コネクターらしきものが見える。そう、これは家庭用電源から充電するためにコネクターだった。そして、ドライバーシートの下に隠れたレバーを引くと、今度は車輌左側のカバーが開く (写真右下)。この部分はガソリン車の場合にはエンジンの吸気口がある場所だ。そしてこれは、専用の急速充電器用のコネクターとなっている。
 

  
  
↑家庭用電源からの充電コネクタ              ↑急速充電用コネクタ

 

フロントのボンネットを開けると、そこにはエンジンは勿論、モーターも存在しない。それにしては結構ぎっしりと機器類が詰まっている。ブレーキマスター&ブースター、ウィンドウウォッシャータンク、制御用バッテリー、ABSアクチェーターなどが見える(写真左上)。そしてフロントバンパー下部にはエアコン用と思われる小さなラジエターも見ることができる(写真右上)。

室内は基本的にアイと同じで、インテリアカラーは写真のブラックのみ。軽自動車の場合はポップなインテリアが多い中で、ベース車のアイも含めて全てブラックのインテリアとなっている。

 

シート表皮は欧州調のファブリックで座ってみると座面は硬めで、これも欧州車的だ。座面寸法も軽としてはタップリとしていて、大き目のサイドサポートの張り出しのお陰もあって、体のサポートも十分だ。一昔前には最悪の代名詞だった国産車のシートではあるが、最近は随分進歩が著しいし、何故かミツビシやマツダなどの下位メーカーが頑張っている。
シートの出来の良さに感心しながらポジションを調整するが、チョッと頭上空間が少なめなので、シートを下げようとしたが下がらない。要するに一杯に下がっているのだった。後ほどシートを良く見たら、車輌のバランスに対してシート位置が異様に高い設定となってい た。そこで、カタログをよく調べてみたら、どうもこのシートの下にはバッテリーが搭載されているようで、このスペース確保のためにシート位置を上げているような気 のではなだろか。

  

  

EVの場合にはエアコンの消費する電力はモロに航続距離を縮めてしまうから、ガソリン車とは異なる配慮が必要となる。
i-MiEVのエアコンは操作パネル自体はアイと殆ど区別が付かないが、中味は専用品だろう。カタログで調べてみたら、エアコンについては一切の記述が見られなかった。
エアコンに限らず、i-MiEVのカタログでは肝心な部分の詳細な記述は殆ど無い。最近のクルマは何でもオープンにする傾向なのだが、i-MiEVは初のEVだけあって秘密主義のようだ。

試乗車にはメーカーオプションのナビが装着されていた。カタログで標準オーディオパネルを見たら、 センタークラスター上部の化粧パネルが全く異なっていた。言い代えれば、標準仕様に社外品のナビを綺麗に後付する事は出来ないようになっている。

という訳で、室内に乗り込んでみても、これが国産では初のEVという極めて特殊なクルマであるという雰囲気は感じられない。 そして、最も興味ある走りを堪能するためにいよいよ走り出すのだが、この先は後編にて。

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