NISSAN ELGRAND 350 HIGHWAY STAR PREMIUM前編  ⇒後編
※検索エンジン経由でノーフレームの場合はここをクリックしてください。

人気のフルサイズ高級ミニバンであるエルグランドがFMCされた。スタイルはキープコンセプトだが、 駆動方式がRWD(FR)からFWD(FF)となり、幅は広く(1,795→1,850mm)、高さは低く(1,920→1,815mm)なったために、見た目の安定性は向上した。

 

リアのスライドドアはドアハンドルにある小さなボタンを押すと、スーッと静かにドアがスライドしてオープンした。中を見れば流石に国産としてはフルサイズとも言えるミニバンだけあっ て、3列目のシートまでも充分なスペースがありそうだ。



室内に乗り込むとドイツ車のような匂いを感じる。これは何かと考えたらば、そう、本皮の匂いだった。試乗車は最上級グレードの350ハイウェースター プレミアムのために、立派なレザーシートが装着されている。早速このドイツ車的なシートに座ってみれば、座面もドイツ車のように 硬めだ。しかし、レカロのようにコチコチに硬いが、体の凸の部分はちゃあんとシートが凹んで、体全面を支えるのとちがって、エルグランドの場合は体の凸の部分のみで全体を支えるから、長時間の移動では尻の一部が痛くなったり、背中が常に浮いている部分があって首が疲れたりと、どうしても本物のようにはいかないようだ。それでも、国産車のシートとしては、まあ悪くないほうだろう。

  

試乗車にはオプションのナビとリアの11インチワイドディスプレイまで装着されていた。 ナビのコントロールは最近のニッサンの上級車で御馴染みのディスプレイの直下にあるダイヤルとボタンによるセレクターを使用するから、フーガなどの日産車オーナーならば何の違和感も無い。

  

  

センタークラスターのナビのコントローラー下にはオーディオの操作パネルがあり、その下にはエアコンのパネルがある。 今回の試乗は時間的に余裕もあったので、オーディオをチェックしてみることにする。試乗車のオーディオにはオプションのBose5.1chサラウンドの後席プライベートシアターシステムが装着されていた。オプション価格はナビと11”ディスプレイを含んで76.7万円!と、軽トラック1台分もする。
今回の試聴はS.E.N.S.の 「海のシルクロード」から聞く事にした。このシステムは後席が優先のようだが、試乗記ということもあり運転席で走行中に聞くことにする。 CDを取り出してセンタークラスタのオーディオ操作パネルの挿入口へ・・・・と思ったら、無いっ!一生懸命探して、やっと判明したのは最下部の何の表示も無い部分(しかも暗くて視認しづらい)に隠れていた(写真の白↑部分)。

試聴した曲は主にテレビのドキュメンタリー番組に使われていいて、アコースティックピアノとシンセサイザー、そしてストリングスという組み合わせが多いため、アコースティックな楽器と人口的なシンセサイザーの双方の再生時の音の癖が結構でるということで、使用した。 というのは、言い訳で、実は何時ものCDケースを忘れてしまい、ダッシュボードを開けたら、これが単独で入っていたからなのだが。

試聴の結果は値段を考えれば当然ながらカーオーディオとしは音域も広いし、耳障りな音もなく無難な音質だったが、この手の高級カーオーディオに有りがちな低音がボコボコと締りのない傾向があった。

写真撮影を終了したところで、折角の後席プライベートシアターシステムというのを試して見たくなった。そこで車内にあったニッサンのデモ用DVDを停車状態で後席にて鑑賞してみることにした。まず、11インチディスプレイは、車載ディスプレイとしては大きめなのかもしれないが、世間一般から言ったら決して大画面とはいえない。 それに天井から吊るした画面を見るのは首が疲れるし、何やら一昔前に広島日帰り出張を繰り返していた頃のエアバスA300のディスプレイ思い出してしまった。
そして音はといえば、確かに前席に比べてサラウンド効果が認識できたのは、音の条件も後席の方が良い事から当然ではあるが、しかし、帰省ラッシュの渋滞の中で家族はサラウンドシステムで映画を楽しんでいる最中に、オトウサンは 渋滞中の運転手役でという のは、あんまりじゃあないか。

そして、ナビを含むとは言え軽トラ一台分の価値があるかといわれれば、まあ個人の判断に任せるしか無さそうだ。
 

後席パッセンジャーに対しては、至れり尽くせりのエルグランドだが、さて肝心の走りの方はどんなのだろうか。と、ここで後編に続く。

⇒後編へ