新型アクセラのラインナップは1.5ℓが15Cのみのシングルグレードであるのに対して、2.0ℓは20C、20E、20Sという3グレードが用意されているのを見る限り、マツダとしては2.0ℓモデルが主流と考えているようだ。
今回は1.5ℓと2.0ℓを一気乗りしたが、比べてみれば2.0ℓの動力性能が決定的に1.5ℓを上回るのかといえば疑問もあるし、燃費や車輌価格を考えれば1.5ℓにメリットがあるように
も思う。
ただし、先代では1.5ℓに設定があったMTは今回からは無し。今時3ペダルのMTなんて販売台数は少ないだろうが、これを欲しがるマニアは確かに存在している。しかし残念ながら今回からは1.5MTを欲しがるユーザーは切り捨てられてしまった。これらのユーザーは1.5MTが欲しいと
いうよりは、1.5しかMTの設定が無かったから、これを選んだとも思える。そういう意味では、是非とも追加として2.0ℓモデルへのMT搭載
車の設定なんて如何だろうか?ライバルのインプレッサは1.5ℓと2.0ℓターボ(S-GT)にMTをラインナップしているのだから、アクセラもこういう層を大切にしてもらいたいものだ。
と、まあ多少の文句を言ったところでライバルとのスペック比較といってみよう。
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MAZDA
AXELA
Sport |
MAZDA
AXELA
Sport |
SUBARU
IMPREZA |
TOYOTA
AURIS |
VW
GOLF TSI |
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15C |
20S |
1.5i-L |
150X |
Comfort line |
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寸法・重量・乗車定員 |
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全長(m) |
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4.490 |
← |
4.415 |
4.220 |
4.210 |
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全幅(m) |
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1.755 |
← |
1.740 |
1.760 |
1.790 |
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全高(m) |
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1.465 |
← |
1.475 |
1.515 |
1.485 |
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ホイールベース(m) |
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2.640 |
← |
2.620 |
2.600 |
2.575 |
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最小回転半径(m) |
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5.1 |
← |
5.3 |
5.2 |
5.0 |
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車両重量(kg) |
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1,250 |
1,340 |
1,230 |
1,240 |
1,290 |
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乗車定員(名) |
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5 |
5 |
5
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5 |
5 |
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エンジン・トランスミッション |
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エンジン種類 |
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直4
DOHC |
直4 DOHC |
水4 DOHC |
直4 DOHC |
直4 DOHC Turbo |
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総排気量(cm3) |
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1,498 |
1,998 |
1,498 |
1,496 |
1,389 |
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最高出力(ps/rpm) |
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111/6,000 |
150/6,200 |
110/6,400 |
110/6,000 |
122/5,000 |
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最大トルク(kg・m/rpm) |
14.3/4,500 |
19.0/4,500 |
14.7/3,200 |
14.3/4,400 |
20.4/4,000 |
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トランスミッション |
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CVT |
5AT |
5MT/5AT |
CVT |
7AT |
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駆動方式 |
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FF |
← |
← |
← |
← |
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燃料消費率(km/L) (10/15モード走行) |
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18.4 |
16.4 |
17.6 |
17.6 |
16.8 |
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サスペンション・タイヤ |
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サスペンション方式 |
前 |
ストラット |
← |
← |
← |
← |
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後 |
マルチリンク |
← |
ダブル
ウィッシュボーン |
トーションビーム |
4リンク |
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タイヤ寸法 |
前後 |
195/65R15 |
205/55R16 |
195/65R15 |
195/65R15 |
205/55R16 |
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ブレーキ |
前/後 |
V-Disc/Disc |
← |
V-Disc/Drum |
V-Disc/Disc |
V-Disc/Disc |
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価格 |
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車両価格 |
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166.0万円 |
214.0万円 |
156.0万円 |
162.0万円 |
275.0万円 |
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備考 |
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20C:189万円 |
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一覧表を見ればアクセラとインプレッサはオーリスやゴルフよりも全長が長いことが判る。1.5ℓの3車種では最も新しいアクセラが燃費が最良で、1.5ℓでも4輪ディスクブレーキを装着している
など、スペック的にはライバルに勝っている。
先代アクセラに初めて乗って驚いたのは実に欧州車的なクルマで、最近は高級化してしまったゴルフとは言わないまでも、オペルやルノーなどの”普通の欧州車”に対しては充分に太刀打ち出来るのではないか、というレベルだった。今回は基幹となるプラットフォームやエンジンは先代からの使い回しだが、予想通りに正常進化したから、益々欧州の実用車的なクルマになっていた。アクセラはフォードグループのCセグメント車としてフォーカスやボルボS40/V50と主要コンポーネントを共有しているのは周知の事実だから、欧州車好きが買っても違和感は無いだろう。
このアクセラの最大の問題点はマツダ車であることで、世間でのステータスの無さや未だにリセールが悪く、乗り潰しを覚悟でないと手を出しかねる、等の事実は現実的には大きなネックとなる。
そういう意味ではスペック的には同クラスで良きライバルであるインプレッサは、コテコテのスバルフリークがいたりとマツダに比べてマニアックなイメージが強く、
水平対向エンジンと共に、どちらかといえばマニア向けのイメージが強い。何れにしてもCセグメントの実用ハッチバックとしては、アクセラとインプレッサはどちらを選んでも大きな不満は出ないだろう
し、トヨタ的なクルマを嫌う向きには良い選択肢でもある。
注記:この試乗記は2009年6月現在の内容です。
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