ニッサン ティーダ 15M
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「ニッサンで一番売れているクルマ」というキャッチコピーとともに、このほどMCされたニッサンティーダに試乗してみた。既に3年前に試乗記で取り上げて、コンパクトカーとしては今までに無い上質感のあるクルマで あることに驚いたものだった。そして、発売当初には王者カローラに35台の差まで追い上げたという、ニッサン久々の大当たりブランニューだった。
コンパクトカーというと、団塊世代のオジサンから見れば女房・子供の乗るクルマという固定観念があるのも、また事実。その裏をかいて、団塊世代向けの高品質なコンパクトカーという分野を切り開いたのは、商売の下手なニッサンとしては言いアイディアだった。

ティーダの室内は当然ながらコンパクトカーとしては広く、 リアのユッタリ感はハイオーナーカーを乗り継いだユーザーがファーストカーとしてティーダに買い換えるという話も、あながち有り得ない事ではない。 今回の試乗車はブラックの内装だったが、明るい内装を好むのならベージュを選ぶ事もできる。ただし、汚れは目立つが・・・・。



ダッシュボードのデザインなどはMC前と変わらないので、チョット見ただけでは新・旧の区別がつかない。 内装の質感は相変わらずコンパクトカーとしてはダントツの高級感をもっている。 しかもトヨタブレイドのように、既にあるクルマの金型をそのまま使って、ダッシュボードの一部に人工の裏皮を貼って豪華に見せるなどというセコイ手段を使っていないのも、 人気の理由に違いない。

試乗した15Mは中間グレードのために 、シートはサイドがカブロン(人工皮革)、座面がファブリックのコンビで、このファブリックの座面の柄がMCにより変更された。質感自体は悪くないし、ノートと比べると比較してはいけない程に高級感で の差がある。そして、上級のGを選べば、サイドが本皮で座面が人工スエード(アルカンターラと同等)のコンビとなる。 ティーダのシートはコンパクトカーとしては最大限の幅を持っているために、通常ならばドア側の側面にあるシートの位置調整レバーなどが、中央側にあるのが大いなる特徴だが、運転席に座って左側面のレバーで調整するという操作が慣れていないことから、なにやら使い辛い。

ティーダの1.5ℓエンジンは109ps/6000rpmの最高出力と15.1kg ・m/4400rpmの最大トルクを発生させるHR15DE型で、これはノートと全く同じだ。 車重は試乗した15Mが1150kgであるのに対して、前回試乗したノート15Xは1100kgと大人一人分軽量だ。左足付近にあるプッシュ/プッシュタイプのパーキングブレーキを解除して、ノートと全く同じCVTのセレクトレバーをDレンジに入れて走り出した第一印象は、 50kg軽いノート15Xと殆ど同じだった。ところが、クルマ全体としての乗り味という面では、ティーダは走り出した瞬間に並みのコンパクトカーとは全く違う上質感が感じられる。まあ、この件に関しては3年前と変わらず、今更でもないのだが、ノートに比べて価格で23万円高く、 重量で50kg重いことの違いは、乗り味の上質感として感じられる。では、どこが、どう違うのかといえば、ノートの場合は路面の細かい凹凸をサスが吸収しきれないし、ボディの剛性も低いのか、如何にもコンパクトカーらしい、何やらガタピシしたような乗り味となるのに対して、 ティーダはサスがシットリと吸収し、ボディ自体もガッチリと受け止めているような感覚となる。 考え方によっては、ノートに23万円足せば、ティーダが買えるのだから、誰が考えてもディーダが買い得・・・・というのは単なる個人の趣味ではあるけれど。

実 をいえば、ノートとの最大の違いは、乗り心地ではなくコーナーリング性能だった。発売当時の雑誌等では、マーチ系のBプラットフォームを流用したティーダのコーナーリングは、能力的にかなり低いと評価されていたが、実際に乗ってみたらば、決して悪くないと感じたのだったが、 今回のノートと比較すると、ティーダは同じプラットフォームを使っているとは思えない程にレベルが高かった。ノートの操舵特性はセンタリングがやけに強く、如何にも旧世代のFF的で、しかもサスも無理なコーナーリングなんて考えたくない程 にやわに感じたが、ティーダの場合は、操舵力もアンダーステアも適度で、ノートとは全く異なる特性を見せてくれた。 ところで、世間で言われているBプラットフォームによるコーナーリング限界の低さについては、普通のドライバーが少し頑張った程度の旋回速度では 全く問題ない、と思っているが、世間の先生方の評価は違うようだ。
 

乗り心地の良さという点では、いま世間で好評の新型インプレッサと比べてみると、しなやかさではインプレッサに軍配が上がる。下の表でもわかるようにティーダとインプレッサの1.5ℓを比べてみると、 外形寸法はティーダが一回り小さい。これは結構重要で、ティーダの5ナンバーサイズは何だかんだいっても、この日本では使い易い。更に動力性能としては決して速くはないが、十分我慢が出来るティーダに対して、いくら乗り味が言いといっても、この動力性能は無いだろう!と言いたくなる程にインプレッサはトロイ。 原因を考えてみれば、車重が100kg重いこともあるだろうが、ティーダが効率の良いCVTを搭載しているのに対して、インプレッサの時代遅れの4ATにも責任がある筈だ。幸いインプレッサは1.5ℓに5MTがラインナップされているから、 MT好きな、もしくはMTを苦にしないユーザーには最適かもしれない。
まあ、ティーダとインプレッサというは、1.5ℓ同士を比較すれば、確かに価格的には同等、いや、むしろインプレッサのほうが安い設定になっているから、十分なライバルになりそうだが、 性格は相当に異なるから、実際には双方を比較するユーザーはいないのではないか?インプの1.5MTのユーザーはズバリ ・・・・・いや、止めておこう。

 
    NISSAN NISSAN SUBARU SUBARU
      TIIDA 15M TIIDA 18G Impreza 15S Impreza 20S

寸法重量乗車定員

全長(m)

4.250 4.415

全幅(m)

  1.695 1.740

全高(m)

  1.535 1.475

ホイールベース(m)

  2.600 2.620

最小回転半径(m)

  5.2 5.3

車両重量(kg)

  1,150 1,160/1,180 1,260/1,230 1,340

乗車定員(

  5 5

エンジン・トランスミッション

エンジン種類

4 DOHC 4 DOHC 水4 DOHC 水4 DOHC

総排気量(cm3)

1,498 1,797 1,498 1,994

最高出力(ps/rpm)

  109/6,000 128/5,2600 110/6,400 140/5,600

最大トルク(kg・m/rpm)

15.1/4,400 17.9/4,800 14.7/3,200 19.0/4,400

トランスミッション

  CVT CVT/6MT 4AT/5MT 4AT

駆動方式

  FF FF 4WD

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

ストラット ストラット

トーションビーム ダブルウィッシュボーン

ブレーキ

ベンチレーテッドディスク ベンチレーテッドディスク

リーディングトレーリング リーディングトレーリング ディスク

タイヤ寸法

185/65R15 195/65R15 205/55R16
  185/65R15 195/65R15 205/55R16

価格

     
 

車両価格

1,629,600 1,944,600 1,512,000(4AT)
1,460,000(5MT)
1,943,000


ティーダのMCで最大の話題は1.8ℓに6MTがラインナップされたことだろう。 ただし、このモデルはティーダの主要な顧客である団塊世代が、長年MTに乗ってきた事から、むしろATの特性を嫌う傾向があるための対策のような気もするので、決してスポーツモデルという位置づけでは無さそうだ。上の表で見ると価格的にはインプレッサ20Sとほぼ同じだが、なんとインプは2ℓのNAモデルにはMTを用意していない。MTが欲しければターボエンジンのS−GTを買えということらしい。となると、価格は一気に上昇してベースグレードでも246.8万円となる。

結局、ティーダといえばオヤジクルマのイメージが強いから、MTでマニアックな走りをする何ていう姿は想像できなかったが、中国のツーリングカーレースでは ティーダはダントツの強さを発揮しているらしい。



このレーシングモデルの仕様は1.6ℓ、160psで車重は1015kg 。そこで、このモデルのストリートバージョンを日本でも発売したら、ティーダに対するオヤジクルマ的なイメージも一掃されるかもしれないのに。そいうえば、ティーダの前身でもあるサニーには、1.6ℓ、175ps/7,800rpmのスポーツエンジンを搭載したVZ−Rがラインナップされていた。それなら、ティーダの1.6ℓ、160psのストリートモデルはやる気になれば可能だろう。もちろん、リアにはディスクブレーキと独立懸架を奢ってもらうのは当然だが。ニッサンさん、どうでしょうか?
んっ?やっぱり、売れそうも無い??

注記:この試乗記は2008年2月現在の内容です。