BMW650i Cabriolet (2008/3/30)


誰がみてもBMWというスタイル。 しかし、よく見れば随分大柄のカブリオレで、しかも滅多にお目にかからないから、
一目で6シリーズと見極めるのも難しい。これが、クローズドクーペだと簡単なのだが。

BMWのラインナップの中でも、パーソナル性と高級感では飛びぬけているのが6シリーズで、ベースグレードの630iクーペでも価格は917万円と、極めて高価な設定となっている。その中でもトップグレードである650iカブリオレが今回の試乗車で、実はこの試乗車、昨年の末にマイナーチェンジ(MC)される前のモデルで、大きな違いとしてはATのセレクターが従来のタイプとなっている 程度で、エンジンは全く同じだから、試乗結果はMC後の現行モデルと大きく変わらない筈だ。
さて、その価格はMC前のモデルが1177万円、MC後の現行モデルが1234万円と57万円の値上げとなっている。この差は何かといえば、やはり物価の上昇とユーロ高が原因ということろか。それにしても、約1200万円という価格から、これは誰にでもオーナーになれる車ではないのは当然で、ある面、この手のラグジュアリーカーの好きな特に大金持ちではない一般人にとっては、究極のクルマ、いつかは6カブというところだろうか。

エクステリアは、これまた誰が見てもBMWというスタイルは言うまでもないが、よく見れば結構大きい事に気が付く。エクステリアは最近のBMWそのもの のデザインで、フルオープン時は当然ながら大型のカブリオレ独特の優雅さを持ち合わせているが、それでもBMWのアイデンティティはシッカリと持っているから、BMW好きには堪らないだろう。ソフトトップを上げると、真横からみたスタイルは間違いなくクーペその物で、最近流行の折りたたみ式のハードトップ、通称クーペカブリオレでなく、ソフトトップでクーペスタイルとなるところが、伊達に1200万円の正札を付けてはいないな、と納得するところでもある。このソフトトップの開閉は当然ながらスイッチ一つの電動式で上げ下げが出来るが、詳細については後程述べることにする。
これだけ大きなソフトトップを収納するとなると、そのスペースの為にトランクルームが犠牲にならないかと心配になる。そこでトランクを開けてみたらば(写真6)、想像どおりに狭い! まあ、これが不満ならば、このクルマを選ばなければ良いだけなので、問題は無いだろうが。


写真1
 

 


写真2
 

 


写真3
オープン時には左右のリアシートヘッドレストの中間あたりにアクリル製のディフューザーが出ている。

 
写真4
写真では判り難いが、リアウィンドウは垂直に近く、キャンバストップのみがクーペのラインを描いている。
 


写真5
大柄な4シータークーペのために、長大なソフトトップとなるが、ボタンを押しているだけで、電動で30秒程で開閉できる。
クローズド状態でもクーペのルーフラインを確保しているのは、流石に高級パーソナルカーだけのことはある。


写真6
トランクは当然ながら浅くて短く、このクルマが実用車ではないことを物語っている。

 


写真7
テールランプはBMWの他のモデルとは全く異なるデザインセンスでまとめられいる。

 

室内を見れば、これもお馴染みのBMW的内装だが、並みのBMWと異なるのは、その高級感というか、質感というか、とにかく極めた高級 な雰囲気に満ち溢れている。 シートはBMW定番の厚いレザーで、ドアの内張りなどにもレザーが多用され、深いシボと太い糸のステッチが、またまた高級感を醸し だしている。最近は3シリーズや1シリーズでも、オプションのレザーインテリアやグレイウッドを選べば、この6シリーズに近い雰囲気もでるが、そこはやはり本物というか、6シリーズは、それ以下のシリーズには無い良さを持っているのも事実だ。
リアシートは前後のスペースの狭さをガマンすれば、シート自体は出来が良いから、小柄な乗客なら4人が乗っての長距離旅行も出来ないことはない。表現としては2+2というより、4シーターと表現しても良さそうだ。こんなところが、ポルシェカレラとは大いに異なる。


 

 


写真8(上)
高級カブリオレとして文句なしのインテリア。ただし、典型的なドイツ的センスだから、英国的な豪華さや、ラテン系の派手さが好きなユーザーには受け入れられないかもしれない。

写真9(左)
前後方向は多少狭いが、+2ではなく、フル4シーターといえそうなリアシート。

 


写真10
例によって厚いレザーを使った、典型的なBMWのレザーシート。写真でもシボがハッキリ見える。

 


写真11
シート以外にレザーを豊富に使った内装。写真の運転席側ドアのアームレストは上半分がレザーで下半分はグレーポプラを使用しいる。

 

欧州車のシートは国産車に比べて椅子としての機能からみると大きく引き離しているのは今更言うまでもないだろう。それでも、最近の国産車は以前よりも大分改良されてきたことも事実だ。更には、BMWの場合、特に1シリーズや3シリーズのベースグレードのシートは、平均的な国産車に比べれば良いとはいうものの、決して 絶賛できる程には良くない。何よりシート自体の幅が狭く全体に小ぶりだし、欧州車=コチコチ座面のレカロ的な座り心地を想像すると、意外にも座った瞬間の座面は柔らかかったりする。1&3シリーズでもハイラインを選べば大分改善され、Mスポーツならばドイツ車的な硬目で左右のサポートもシッカリしたものになるから、実際に3シリーズなどはハイラインやMスポーツの割合が多いようだ。そういう意味では650iのシートは座った瞬間に1&3シリーズとは全く違う、これぞ一流の欧州車と感心する実に良い出来だった。6シリーズのベースはセダンの5シリーズというのは周知の事だし、実際に5シリーズのシートになれば幅も充分にあり、座り心地も1&3シリーズとは大いに違うが、流石に6シリーズの中でも上級の650iともなれば、シートとしては文句なしだ。実は以前530i(現行E60の初期モデル)で連続5時間の運転をした事があるが、全く疲れを感じなかった。同じ道のりを旧3シリーズ(Mスポーツではない素の320i)で走ると、多少の疲れは感じたものだったし、5シリーズと同サイズの国産上級車では、連続運転は2時間が限度だった。
ダッシュボートも当然ながら全面が弾性樹脂を使用したパッドになっているし、シボの模様も丁寧だ。また、ドアの内張りには部分的にレザーを使っているし、アームレストの下半分にはウッドも使用されている。ウッドパネルといえば、650iに標準で使用されているグレーポプラの質感は中々良く、高級感に満ち溢れている。特にセンタークラスターのオーディオ&エアコン操作パネル(写真16)にまで使用されているウッドパネルは、1&3シリーズとは格の違いを見せ付けている気がする。
もっとも、最近発売された120iカブリオレは、オプションでレザーシートとともにグレーポプラのウッドトリムを装着すると、その雰囲気は相当に650iに似てくるのは、例によって商売の上手いBMWらしい。一般には手の届かないフラッグシップに対して、無理すれば何とか手が届く価格帯に、雰囲気の似たモデルを用意するというのが、最近のBMWの手法であることは、言うまでもない。

  
写真12
ダッシュボードは他のモデル同様にBMW独特の雰囲気を持つが、質感という意味では5シリーズ以下を大きく引き離している。
伊達に1200万円の正札はつけていない。この高級感を味わうと、1シリーズはもちろん、335i辺りを持ってしても、満足できなくなる。
 


写真13
メーターは基本的には他のBMWと同じだが、右下の湯温計がチョット違う。

 


写真14
中央下のディスプレイには、ドライブモードが表示されるが、マニュアル時以外にはギアポジションは表示されない。

 


写真15
試乗車はMC以前の為に、最新のモデルとはATセレクターが異なる。左下のダイヤルはお馴染みのiDRIVE用。

 


写真16
オーディオ&エアコンの操作パネルにもウッド(グレーポプラ)が使われていて、高級感を更に助長している。

 


写真17
インテリジェントキーはステアリングコラム側面に差し込む。

 


写真18
ソフトトップは写真のスイッチを押し続けると約30秒で開け閉めできる。

 

走り出した第一印象は、V8エンジン搭載車らしく太いトルクでグイグイと加速するし、遅い流れに乗った走行では、回転計の針はアイドリングに毛の生えた程度の低回転で静々回っている。この感覚 は、同じ V8搭載のレクサスLSや旧セルシオでも共通したものがあったから、4ℓ超えのV8の乗り味というのは独特の高級感がある事になる。BMWの6気筒はシルキーシックスとも呼ばれ、その滑らかなフィーリングは国産車は元より、世界中の6気筒エンジンの中でもダントツのスムース感を持つが、それではV8の場合は、国産 車とBMWを比較して、どのくらいの違いがあるかといえば、6気筒程の大きな差は無い、といったらBMWファンに怒られそうだが、少なくとも常用回転域での圧倒的な差は感じられない。しかし、踏み込んで見るとBMWサウンドが適度の音量で耳を刺激する演出 では、明らかに国産車を越えているのは、このクラスのクルマに対する経験の差だろうか。

試乗車はMC前のタイプなのでATセレクターが従来のP→R→N→D、そしてDから横に引いてSD(スポーツモード)、Sから前後する事でマニュアル操作という、1および3シリーズではお馴染みの方法だが、5シリーズがM5的な電子式レバーとなったのと同じく、最新の6シリーズも電子式に変更されて いる。650iの場合は4.8ℓエンジンから400N・mという強大なトルクを発生する事もあり、ATは素直にDモードに入れておけば全てが事足りるが、偶にはスポーティーに走りたいという場合には、SDモードで高回転を使ったり、マニュアルモードでギアをセレクトするのも悪くは無いが、 特にメリットはなさそうだ。

実は走り出して最初に感じたのは、アクティブステアリングによる異様にクイックな操舵感だった。クイックさという点では、直前に乗ったカレラSを凌ぎ、ミッドシップエンジンのボクスターと同等以上だった。ただし、650iの場合は感覚的にワザとらしいというか、人工的なクイックさを感じるのも事実で、少なくとも世の中の標準とはずれているのは間違いない。ところが、人間の適応力というのは、これまた大したもので、10分もドライブをしていれば慣れてしまって特に違和感は感じなくなったから、オーナーになって毎日乗っていれば、他のクルマが一様にトロく感じる事はあっても、650が変だとは全く感じなくなるだろう ・・・たぶん。

このクルマは優雅に流すのが本来だから、汗まみれになってワインディング路を攻めるなんていう走りは全く似合わないが、折角のBMWだからということで、コーナリングを試して見ることにした。ATセレクターをマニュアルモードにして、 手動操作して・・・・といっても絶大なるトルクを発生する4.8ℓV8エンジンだから、3速に入れっぱなしで事は足りるのだが、それでは気分が出ないので少しタイトそうなコーナーに侵入する前には2速に落としてみたりして、各コーナーを充分なマージンを持ちながら、適度な速度で回っていった。この時の特性はラグジュアリーカーとはいっても、そこはBMWだけあって、シッカリと駆け抜ける喜びは持ち合わせているから、あたかも小型FR車を操るが如くニュートラルな特性でコーナーをクリアしていく。このコーナーリング性能ならば、最近はマイルドになったとはいっても走る事が目的のポルシェカレラと比べ たって、大きく引けを取らない程度のスポーティーさ、といっても過言ではないが、既に述べたように、650iのアクティブステアリングは不自然な点もあるのは人によっては多少馴染めないかもしれない。あっ、チョット前に10分乗れば慣れると言ったのは嘘だったのか!なんて突っ込みは無しということで。
考えてみれば、大型サルーンである7シリーズでさえ、その図体からは考えられない程に機敏なコーナーリングを可能にしていたから、大きいとはいっても7シリーズ程ではない5シリーズベース の6シリーズが、ちょっとした低価格のスポーツカーでは歯が立たない程のスポーティーなコーナーリングを可能だとしても驚く事はない。

  
写真19
V8、4.8ℓのN62Bエンジンは367ps/6300rpmの最高出力と50.0kg・m/3400rpmの
最大トルクを発生する。MC前後で特性は変わらない。

今回はオープンモデルであるという事を踏まえて、試乗時間の半分以上は屋根を開けて走ってみた。650iカブリオレのルーフはセンタークラスター下部のスイッチ(写真18)を押すだけで電動で開け閉めが出来る。勿論、サイドウィンドウは開閉に先立ち自動的に下がるし、開閉の前後に手動のロック操作なども一切無いから、ドライバーは只スイッチを押し続けるのみで良い。開閉に要する時間はおよそ30秒程度で、これは2シーターのロードスターと呼ばれるタイプと比べると倍程度掛かる ことになるが、原因はルーフの長さからくる長いキャンパスを折りたたむ為だから、仕方が無いのは理解できるが、例えばボクスターと比べると、チョッとイライラする。 一般道で信号待ちの間に、幌を上げ下げしたいときなどは、なるべく注目を浴びないように、さっさと済ませて欲しいのに、デカイ幌がゆっくりと折りたたまれる。「頼むから早く終わってくれ」と祈りながら耐えている時間が、30秒と15秒では、精神的ストレスで大いに異なる。個人的にはボクスター程度の時間で済ましたいところだ。

フルオープンでサイドウィンドウを上げている限りは、風の巻き込みも殆ど無く、実用性は充分にある。オープンと聞いただけで渦を巻く風に耐えながらのドライブを想像するユーザーが居るが、最新の、それもある程度以上の価格帯ならば、屋根が無い以外はクローズドボディと殆ど変わらない状況になる。その価格帯はといえば、経験上では 最低でも600万円クラス以上、車種で言えばポルシェボクスターやメルセデスSLK辺りからが、空気の屋根があるが如くという、本格的なオープンボディの始まりとなるようだ。そういう意味では最近追加されたBMW120iカブリオレの風の巻き込み が、度の程度かと非常に興味が湧く。

そして、オープンカーといえば、ボディの剛性という面でも気になるだろう。何しろクルマの重要な強度部材である屋根が無いのだから、クローズドボディ と比べれば、どうしても剛性不足となり易い。実際に同じBMWのZ4は、オープン走行中にバックミラーを見ると振動で像が振れているのがハッキリ判り、これがいわゆるスカットルシェイクというやつだ。そういう面では650iカブリオレはオープンボディとしては例外的な剛性感があり、感覚的にはボクスターに勝るとも劣らないと感じられた。 ボクスターのようなミッドシップエンジン車は、隔壁が前後にあるために、構造的にオープンに有利だが、4座カブリオレでの高剛性というのは非常に難しい。この点でも1200万円は決してボッタクリでは無いと断言できるし、 それなら400万円代の120iカブリオレの剛性感はどんな物だろうと 、これまた非常に興味が湧く。
ルーフを上げたクローズド状態では遮音も十分だし、室内から天上を見上げれば、当然ながら内張りもシッカリと付いているから、このクルマがソフトトップのカブリオレだという認識はなく、クーペと全く変わらない。今まで、これ程良くできたソフトトップはポルシェボクスター(勿論カレラカブリオレもだが)しか見たことがなかったが、650iも是に勝るとも劣らないのは、同じドイツの、しかもトップブランドでもあるBMW製の上級パーソナルカーとしては、当然といえば当然 かもしれない。

650iは、例のRFT(ランフラットタイヤ)や40扁平(リア)という点を考えれば乗り心地は驚異的に良い。もちろん、橋の繋ぎ目など大きな凸凹では一瞬の突き上げもあるが、オープンボディとしては最高の剛性感とともに、決して不快ではないし、通常の舗装路程度では実にフラットな乗り心地が得られる。
そして、ブレーキについては、今更いうまでも無い典型的なBMWの制動感覚で、軽い踏力で食いつくように効くから、実に安心感がある。ただし、これも何度も指摘しているように、本格的なスポーツ走行などには軽すぎる傾向もあるが、実際にこのクルマでサーキットのスポーツ走行などは、まずやらないだろうし、ATだから、ヒール&トウがやり辛いという問題とも無縁だから、むしろ好ましい特性だ。


写真20
リアには275/40R18タイヤが標準装着されている。


写真21
そしてフロントは245/45R18タイヤが標準装着されている。

 

ところで、650iカブリオレのライバルはといえば、価格や内容的にはジャガーXKが近いだろう。事実、その両方を検討したという複数のオーナーの話を聞いている。どちらを選ぶかは 今更いうまでもないが英国流かドイツ流かという趣味の問題だ。そこで、ライバルと思われる車種を一覧表にしてみた。

    BMW Mercedes Benz Juguar レクサス
      630i Cabrioret CL550 XK convertible SC430
寸法重量乗車定員
全長(m) 4.830 5.075 4.970 4.535
全幅(m)   1.855 1.870 1.895 1.825
全高(m)   1.375 1.420 1.330 1.355
ホイールベース(m) 2.780 2.955 2.750 2.620
最小回転半径(m) 5.7 5.4 5.3 5.4
車両重量(kg)   1,960 2,000 1,730 1,740
乗車定員(   4 4 4 4
エンジン・トランスミッション
エンジン種類   V8 DOHC V8 DOHC V8 DOHC V8 DOHC
総排気量(cm3)   4,798 2,496 4,196 4,292
最高出力(ps/rpm) 367/6,300 387/6,000 304/6,000 280/5,600
最大トルク(N・m/rpm) 490/3,400 530/4,800 421/4,100 430/3,400
トランスミッション   6AT 7AT 6AT 6AT
サスペンション・タイヤ
サスペンション方式 ストラット 4リンク ダブル
ウィッシュボーン
ダブル
ウィッシュボーン
インテグラルアーム マルチリンク ダブル
ウィッシュボーン
ダブル
ウィッシュボーン
タイヤ寸法 245/45R18 255/45R18 245/40R19 245/40R18
275/40R18 255/45R18 275/35R19 245/40R18
価格
車両価格(\) 12,340,000 15,500,000 1,250,000 6,830,000

表以外でも、1200万円という価格ならば、最近はマイルドになったとはいえ、本来がコテコテのスポーツカーであるポルシェカレラもターゲットとなる価格帯だが、650iカブリオレはもっと優雅で、スポーツ感や極限の性能ではカレラに一歩を譲るとしても、一般的なクルマとしての性能では、動力性能も旋回性能も、勿論制動性能も全く文句は無い。いや、全てのクルマを対象にしたとしても、性能的に650iカブリオレに勝るというのは極一部だから、世間一般のクルマに比べたら、このクルマのオーナーの満足感は相当に高いことは間違いない。クルマも1200人以上の諭吉さんを投資すると、こんなにも良い物があるということを再確認してしまった。

それでは、日本車のライバルはといえば、ハッキリいって・・・・・無い!まあ、V8を積んだオープンボディという点でレクサスSC430を一覧表に加えてはみたが、これはチョッとカテゴリーが違う。それにしても、国産にこういうセンスのある高級パーソナルカーが無いというのは何とも寂しい。特にレクサスのように富裕層向けブランドを自認するならばこそ、このようなEセグメントのカブリオレが必要ではないだろうか。言ってみれば、レクサスGSのカブリオレなどだ。もっとも、GSにはカブリオレどころかクーペもない。いやISでも4ドアセダンのみだから、クーペとカブリオレ、それにワゴンも取り揃えた3シリーズに適わないのは当ったり前で、レクサスが欧州では勝負にならないのは当然の結果でもある。

BMW650iカブリオレは、単に豪華というのではなく、この高価で贅沢なクルマを選ぶオーナーの趣味や教養、育ちに合ったものだから、実にセンスが良く、この条件に適した中高年紳士淑女には正に最適のクルマだ。だから幾ら予算があっても裸一貫、男一匹、遂に 成功を手に入れた叩き上げの社長には向かないのは言うまでも無い。問題はこの点で、幾ら育ちが良くても、今現在の経済状態が1200万円のクルマをパーソナルカーとして維持できる という、財力も必要だから、その両面をクリアするとなると、そう簡単にはいかない。
最近、読者の方々から結構メールを頂くが、その内容からの推測では、BMWやメルセデスのオーナーの方たちが圧倒的に多い。主流は3シリーズなどのDセグメントオーナーだが、5シリーズやEクラスのオーナーも結構多いようだ。それも、経費で 落している自営業ではなく、給与所得者も結構いたりする。ようするにサラリーマンだが、勿論世間一般からいえば高級取りで、大学院修士課程終了は勿論、博士課程も含まれるような高学歴で大企業の研究職や、大学を始めとする研究機関での勤務という、言ってみれば受験競争の勝利者だったりする。と、こんな事を書くと、またまた、批判を浴びそうだが、b_otaku 自身は只の普通のサラリーマンだし、要するにそういう人たちも結構いるという話をしたいわけで、そのエリートサラリーマン達がサラリーマン人生最後に選ぶクルマとして、650iカブリオレは最適な選択の一つとなると言いたいのだ。この試乗記をココまで読んでいただいて、ご自分はこのエリートサラリーマン(いや、勿論経営者でも良いのですが)だと認識されるのなら、「いつかは650iカブ」なんて如何でしょうか。 「そんなことを言っているオマエはどうなんだ」って?もしもクルマに1200万円の予算が掛けられるとしても、自分がこのクルマを選ぶ事は有り得ません!そんな育ちも教養も持ち合わせていない、 この私めが選ぶなら・・・・・。さあて、なんでしょう。