Mercedes Benz C200 & C300 (2007/9/2)
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写真は上級モデルのC300アバンギャルドSでAMGのホイールやエアロパーツが装着されている。
BMWがMspで上手い商売をしているのを、指をくわえて見ている訳には行かないのが、現在のメルセデス、
というよりダイムラーグループの状況だ。 |
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メルセデスベンツといえば本来はSクラスのことだった。そして、今から30年以上前にコンパクトと呼ばれた新型はW123、すなわち3世代前のEクラスということになる。勿論、当時はEクラスという呼び名はなかった。現行Cクラスのルーツは1983年にリリースされた190E(W201)で、当時の日本国内価格は確か530万円くらいだったと記憶している。190Eを除くと当時のメルセデスのベースグレードは230E(W123)で、価格は
600万円を切るくらいだったから、190Eも決して安くはなかったことになる。その190Eは10年間というロングセラーだったが、1993年に次期モデルがCクラスとして発売された。従来からの最善か無かというメルセデスから、新時代へと変わる過渡期でもあり、発売当初は
「こんなチャチなクルマはメルセデスじゃない」などと批判の的となっていたが、大多数のユーザーからみれば190Eより大きく立派で室内も広く、しかも価格的にも190Eより買い得感が高かったから、これは大いなる成功となった。
ところが、Eクラス以上では世界中で事実上のライバル不在に近い絶対的な存在であったメルセデスも、欧州でDセグメントと呼ばれる分野では、Cクラスの前に立ちはだかるBMW3シリーズの存在があった。
とりわけ1991年に発売された先々代(E36)3シリーズは、極端に短いボディのオーバーバングにより、短い全長からは信じられない程に広い室内など、現在の小型セダンのルーツとなる設計で、さらに先代(E46)で完成の域に達したことで、プレミアムDセグセグメントの王者の座
には3シリーズが居座ってしまった。事実E46時代は世界的に見て、3シリーズが2に対してCクラスは1という販売台数となっていた。メルセデスにとって更に悪いことに、ダイムラーのクライスラー買収により巨大化した組織は、メルセデス部門の開発体制を弱体化させ、EクラスのSBC(フルエレキのブレーキバイワイヤ)の大失敗
などにより、EセグメントでもBMW5シリーズに追いつかれるなど、正に後が無い状況となってしまった。そんな、危機を乗り越えるべく手段の一つとして、今回の新型Cクラスに賭けるダイムラーの意気込みは相当であることは
容易に想像できる。打倒3シリーズに燃える新型Cクラスは、見事にメルセデスの救世主となるのだろうか?
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写真1
190E(W201、1983〜1993)。写真は高性能版の2.5-16でツーリングカー選手権用のエボリューションモデル。 |
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写真2
初代Cクラス(W202、1993〜)
190Eの後継車はCクラスと呼ばれた。190Eよりも大きく立派で、しかも安い。 |
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写真3
2代目Cクラス(W203、2000〜)
写真はC180ワゴンで、前期型の2ℓNA版。後期は1.8ℓのコンプレッサとなった。 |
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写真4
そして今回の新型Cクラス(W204)で、写真はC200エレガンス(450万円)。先代W203に対して、幅が+40の1770mm、ホイールベースが+45の2760mmと多少大型化したが、それでもBMW3シリーズより小さいのが好ましい。 |
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今回のCクラスは従来の路線を引きつぐ”エレガンス”とスポーティに振った”アバンギャルド”の2種類が設定されている。と、言っても当分の間は4気筒1.8ℓスーパーチャージャのC200のみが、エレガンス(450万円)とアバンギャルド(460万円)を選択でき、3ℓのC300(664万円)はAMGのホイールなどを装着したアバンギャルドSのみの設定となる。なお、中間グレードのC250は試乗した時点では未だ発売されていなかった。
エレガンスの外観はボンネット先端に御なじみのスリーポインテッドスターがおっ立っている、誰が見ても”ベンツ”と判るもので、これに比べるとアバンギャルドの場合はラジエターグリルの真ん中にコレデモカと大きなマークをつけている。これは本来ならばSLを代表
とする高級スポーツモデルの証だったのだが、何時の間にやら敷居が低くなってしまったようだ。まあ、そんな事をいっても、実際にアバンギャルドの外観を見れば、中々カッコが良い。特にC300の場合はアバンギャルドSと呼ばれ、この”S”はAMGデザインのホイールやバンパーのみならず、スポーツサスの装着により車高も15mm低いから、外観は実にアグレッシブで、(気持ちの)若いユーザーならばイチコロとなるのは間違いない。勤務先の後輩で、その昔はヤンキーやっていたクルマ好きによると、「今度のC300って、頭悪そうで最高っすねぇ!そのうち欲しいなぁ」といっていた。確かに、ヤンキー入ったベンツというのは、ある面魅力があるし、BMWがチョッと気取った優等生の雰囲気があるのに
対して、こちらは不良の雰囲気がムンムンしている。気取ったBM乗りを体育館の裏に連れ込んで、「てめぇ、カッコつけてんじゃねえぞ」と脅かして、お金を借りたり・・・みたいなイメージだし、音楽好きでもBM乗りが吹奏楽部でまじめにクラリネットを吹いていたころ、ベンツ乗りは
フェンダー担いでロックンロール、というのがピッタリとハマる。
なお、C300の(頭)悪そうな外観は魅力だが、そんな動力性能は不要だし予算も無い、という場合には、C200にパッケージオプションという手もあるらしい。それにしても、BMWのMスポーツで成功した”なんチャってM”路線は、ついにメルセデスでさえ”なんチャってAMG”を出すまでになってしまった。昔のメルセデスだったら意地でもこういうモデルを出すことは無かっただろうが・・・・・。 |

写真5
今回からCクラスはオーソドックスな従来路線のエレガンス(写真左)と、スポーティなアバンギャルド(写真右)の2種の設定がある。
写真は何れもC200で、エレガンスが450万円、アバンギャルドが460万円と価格的には変わらないから、好みで選ぶことになる。 |
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写真6
Cクラスは代々2クラス上のSクラスと共通のデザインだったが、今回もイメージが似ている。
左がC200エレガンスで右はS350。 |
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15年ほど前、すなわち開発コードが200番台(W2**)になった頃から、メルセデスセダンのスタイルは一番大きなSクラスと一番小さいCクラスが、大きさは違えどもデザイン的には似ていて、中間のEクラスは少し違うというのが基本となっている。
今回のCクラス(W204)も現行のSクラス(W221)とイメージが似ている。写真6を見れば、タイヤハウスに沿ったフェンダーの膨らみやCピラーとウエストラインのつなぎ方など、共通点が多いのが判るだろう。
昔からCクラスや190の事を”小ベンツ”と言って馬鹿にする輩がいるが、実際に街中を走っている車を見て、一瞬でCクラスと判断できるのだろうか。まあ、Eクラスの場合は4つ目だから判るにしても、案外CをSと見間違えるケースはあるのではないか? |

写真7
C200エレガンスの室内。写真はレザーシートが装着されているが、本来はクロスとなる。 |
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写真8
C300アバンギャルドSの室内。シートはレザーのスポーツシートとなる。 |
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写真9
リアーのスペースはこのクラスとしては標準的。
大人4人なら長距離走行も可能だが、Eクラス以上に比べれば、やはり狭い。 |
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内装は例によって豪華絢爛どころか質素ではあるし、1980年代までの”最善か無か”の時代のように、「実用車の内装はこれで良いのだ」と言うような強烈なメッセージもないが、それでもメルセデスはメルセデス。その独特な雰囲気はちゃぁ〜んと持ち合わせている。
ダッシュボード付近のエレガンス(写真10)とアバンギャルド(写真11)の違いは、ウッドパネルの色(ウォールナットとブラックメープル)、メーターパネルの色(ブラックとシルバー)くらいで、他の部分は共通となっている。エンジン停止時はダッシュボード中央上部のディスプレイは閉じられていて、イグニッションオンとともに開く。全車に標準のナビの操作はコンソール後方のコマンドダイヤルと呼ばれるダイヤルで操作するのはSタイプと同じ。といえば聞こえは良いが、言ってみればi-Driveのパクリ(写真1
2)。こんな所も昔のメルセデスならば意地でもBMWの真似なんてしなかった筈なのに・・・・。
エンジンの始動は電子キーをスロットに差し込むが、スターターボタンは無く、差し込んだ電子キーを捻ることでスタートし、この時、中央天部のティスプレイはムニューっと起き上ってくる。ATのセレクターは最近のメルセデス独特で、ジグザクゲートのくせに根元にレザーのブーツが被さっていてゲートが見えないので、メルセデスの門外漢にはスムースにDまで入れるのは至難の業だ。
先代Cクラスのシートはハッキリ言って世間の評判は良くなかった。座面のサポートをスプリングで吊るす変てこな方法で、決して座り心地の良いものではなかった。巷ではトヨタを意識して原価低減のやりすぎだなどと陰口を叩かれていたが、成るほどトヨタの低コストを見習ったら椅子の出来の悪さまで見習ってしまったということか。とは、いっても先代Cだってカ○リ辺りのヘニャヘニャシートよりは遥かに良いのだが・・・・・。そこで、新型のシートはと言えば、流石に先代より良くなっていた。シートの調整はC200がシートの側面下にあるスイッチと前後のみは
シート前部の座面下のレバーで行う
のに対して、C300の場合はドアのインパネについたスイッチを使用する(写真14)という、良き時代の方式を採用している。
Cクラス、というよりもメルセデスのパーキングブレーキは伝統的に足踏み式で、しかも解除はダッシュボード上のレバーで行う(写真13)。最近は国産車でも足踏み式パーキングブレーキは増えているが、その殆どはプッシュ/プッシュ式、踏んでON、もう一度踏んでOFFというタイプで、どうもこれはシックリしない。解除レバーを持つのはクラウンくらいなものだろう。流石はクラウン!ところで、あのプレミアムブランドは? |

写真10
エレガンスの室内ではウッドトリムにウォールナットが使用されている。写真はイグニッションONの状態なので、ディスプレイが起き上がっている。 |
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写真11
こちらは、アバンギャルドの室内で、ウッドがブラックメープルなことと、メーターパネルのボードがシルバーなとろこが大きな相違点。写真はイグニッションOFFの状態なので、ディスプレイが閉じている。 |
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写真12
コンソール中央手前のコマンドダイヤル(黄色い↓)とディスプレイで各種セッティングを行う。要するに、iDRIVEのパクリ! |
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写真13
パーキングブレーキは足踏み式@で、解除はレバーAによる。この方式が正しい姿で、勿論クラウンもコレと同じ方式を採用している。 |
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写真14
C200はシートの調整スイッチがシート側面(写真上)で、C300はドア内張り(写真下)となる。 |
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最初はC200から試乗することにしよう。走り出しての第一印象は、この手の4気筒ベースグレード車としては、思いのほかトルクがあり、加速も良いのが意外だった。それも、国産車のようにスロットルの特性に細工をして、少し踏んだだけでも実際には結構な量の燃料をブッ込んで、如何にも十分な動力性能と誤解させるような特性とは違う。その証拠に、停止からブレーキを離しても、殆どクリープがないし、そこから少し踏んだだけではグンッと出ることはない。以前程では無いにせよ、重めのスロットルべダルを国産車よりは多少多めに踏むと、1.8ℓコンプレッサーは十分な動力性能をもたらし、しかも、更に踏み込めば、4気筒としてはスムースに加速を続ける。
加速中の排気音も気にならない程度に低いし、何より1.8ℓスーパーチャジャーが登場した頃のような耳障りな過給音
も、今では気にするほどではないレベルまで下がっている。とはっても、トヨタのハイオーナーセダンに慣れていて、それが当然と思うドライバーには煩いと感じるかもしれない。ライバルであるBMW320iが、400万円のクルマにしては、その動力性能に不満があるのに比べて、C200は十分
な性能を持っていて、感覚的には325iに近いものを感じた。そこで、両車のエンジンスペック(最高出力/最大トルク)を比べて見ると、
320iが150ps/200Nmであるのに対して、C200は184ps/250Nmと明らかに勝っている
。特に最大トルクに至っては25%増しで、3シリーズの場合ならば323iの174ps/230Nmをも上回り、325iの218ps/250Nm
と同等だ。このスペックは、トップエンドこそ325iには敵わないものの、実用上で重要な4000rpm程度までのトルク感では、325i並と感じたことを裏付けていた。 |

写真15
C200の直4、1.8ℓエンジンはスーパーチャージャの過給によって184ps/5500rpmの最高出力と250Nm/2800−5000rpmの最大トルクを発生する。 |
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写真16
C300のV6、3.0ℓエンジンは231ps/6000rpmの最高出力と300Nm/2500−5000rpmの最大トルクを発生する。 |
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最初にディーラーの駐車場内から公道に出るまでの低速時は、速度感応式のパワステのお陰で操舵力は相当に軽いが、40〜50km/h程度の速度になると、操舵力は適度になる。この時、何よりも意外なのは、歴代のメルセデスとしては最もクイックというかスポーティーな味付けで、ライバルのBMW3シリーズに近いフィーリングだった
ことだ。
いや、現行3シリーズがランフラットタイヤ(RFT)により操舵感という面では不利なこともあり、新Cクラスは寧ろ先代3シリーズ(E46)的な素直さまで持ち合わせている。ただし、E46程には路面状況を伝えてこないのは、最後の一線はメルセデスのポリシーを残したのだろうか。
C200の乗り心地の良さはBMW3シリーズより遥かに勝っていて、道路の舗装の継ぎ目や橋桁などを軽いショックと僅かの振動でシャクッと受け止める、実にしなやかな乗り心地で、ノーマルサスのNAレガシィの乗り心地の良さを、更に洗練させたような感じだった。この柔らかいサスから想像するのとは反対に、安定性も実に良く、旋回性能も特にハードなコーナーリングをしない限りは、全く安定そのもので、
弱いアンダーステアに終始する。そして、安全運転に徹しているつもりでも、ふと速度計を見ると、あっ・ヤバッ!という速度に達しているのは、従来からのメルセデスの伝統どおりでもある。
その速度計はといえば、3つのメーターの真ん中が大径の速度計で右が小径の回転計、左が同じく小径の集合メーターという配列で、特にセンターの大径速度計はメルセデスのポリシーのようだ。この速度計は最外周の目盛りが白地に黒で、径が大きいことも助けとなってフルスケールが260km/hにも係わらず低速度域でも見易く、50km/hと55km/hの違いがハッキリと認識できるので、行政処分速度直前で走る”順法精神の旺盛”なドライバーにも適している。
次にC300に乗り換えてみると、C200の1.8ℓに対して3ℓという圧倒的な排気量の差をイメージして走りだしたが、第一印象は、それ程大きな差は感じなかった。パワーでは231psと184psという差があるが、最大トルクはC300の300Nmに対してC200はスーパーチャジャーによる過給のために250Nmと、その差は排気量やグレード名程には違わない。
ただし、低速でのトルク感に圧倒的な違いが無い代わりに、静粛性やスムースさではC300が遥かに勝っている。さらに、C200の5ATに対してC300は7ATを搭載していることもあり、シフトアップは殆どショックを感じないから、なおさらスムースな加速をすることが、逆に迫力がないというか、加速感がイマイチに思えるようだ。それでも、絶対的な動力性能ではBMW335iには及ばないのは明らかで、C300の場合には、3ℓの排気量を余裕と高級感に使っている。
したがって、C200対320iではCクラスが大いに有利だった戦いも、C300対335iとなると好み次第で、スポーティ路線の好きなユーザーは335iを選ぶだろう。
C300の7ATはステアリングコラム上から生えるパドルスイッチによるマニュアル操作が可能で、右が”+”、左が”−”というオーソドックスな方式
のパドルは、操作してから実際にシフトが起きるまでのタイムラグもトルコン式ATとしては最良の部類だから、その気になれば結構スポーティなマニュアル的操作が可能
となる。
C300の乗り心地はC200に比べれば明らかに硬い。当然ながらサスはC200とは違い、よりスポーティーな設定となっているし外観上も15mmダウンで、タイヤ
もよりワイドで扁平だから違って当然だが、
硬いとは言っても決して不快ではないレベルだ。本来はコレデモかの高剛性といえばメルセデスが定番だったのだから、硬いがしなやかな乗り味に対する経験は十分過ぎるほどにある訳で、しかもBMWがランフラットタイヤを標準とするというハンディを背負っていることから、ある面C300が勝っているのは予想どおりだった。
したがって、メルセデスとしては歴代Cでは最もスポーティーと感じたC200に対して、C300は更にコーナリングの安定化も上手なのだが、C200の場合は軽いフロント重量がメリットとなって、ステアリングのレスポンスと軽快感では寧ろC300を上回るかもしれない。何れにしても、新型Cクラスはコーナーリング性能でも、ライバルの3シリーズと十分に渡り合えるし、3シリーズから乗り換えても違和感や不満はでないだろう。
補足:トルコンATベースのマニュアルモードについて
ご存知のように、最近はF1や第一線のGTカー等のレーシングカーの殆どが、2ペダルのシーケンシャルシフトを使用している。それなら、ストリートカーの分野でも3ペダルのMTは無意味なのだろうか
?C300や335iのマニュアルモードで十分どころが、今時ならば、返って3ペダルを操作するより確実なのではないか?という意見が出るだろうし、実際に
今時3ペダルなんて無意味と言う人ほ多い。
しかし、残念ながらトルコン式ATベースのマニュアルモードでは、幾ら巧妙にロックアップクラッチを使ったところで、イザという時のトルコンスリップは避けられない。ポルシェカレラ(ターボを含めて)とて、ティプトロとはいってもトルコン式のATだら、幾ら出来が良いとはいってもMTのダイレクト感は得られない
ことも事実だ。
VWが使用するDSGならば、トルコンに比べて大いに改善はされているが、それでも微妙なタイミングではMTに及ばない。それでは、M5/M6のSMG(V)のような本格的なシーケンシャルミッションの場合はというと、
この場合はレスポンスを何段か選べるようになっていて、最速モードを選択すれば本当にレーシングカーのようなレスポンスを得られるのだろが、
これを使用しているとクラッチは数千キロ走行程度で交換となるらしい。そこで、普段の街乗りでは遅いモードを使う事になる。幾ら金持ちでクルマ好きにオーナーばかりといっても、年がら年中ミッションをオーバーホールするわけにはいかないだろう。
それでは本モノのレーシングカーはといえば、これは精々24Hの耐久レースで持てば、後はレース毎にオーバーホールすれば良いので、街乗りとは構造上も全く次元が異なる。
要するに、殆どのストリートカーのパドルシフトは、気分を味わうだけで、今のところはレーシングカーの2ペダルとは次元が違うということだ。と書くと、C300のマニュアルモードを否定しているように思われるかもしれないが、これは3ペダルのMTなんてメリットがないという意見
への反論であって、コテコテの走り屋ではないが、世間の平均よりも走るのが好きという程度のドライバーが、C300のパドルをカチャ
カチャやりながらワインディングを走れば、これはこれで十分に楽しめるだろうから、決して否定するものではない。 |

写真17
メルセデスに共通のジグザクゲートによるATセレクトレバーは、根元のブーツによりゲートが見えいから、門外漢には使いづらい。 |
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写真18
パドルシフトは右(写真↓)が”+”、左が”−”とオーソドックスは方式を採用している。 |
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写真19
中央の大径スピードメーターは実に見易い。回転計が小さいのもメルセデスの伝統で、走りでは大いにスポーティ化しても、メーターのポリシーは崩していない。 |
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Cクラスのブレーキ、特に先代(W203)は独特のフィーリングだった。すなわち、踏み始めから重くて、普通のクルマにある遊びが殆ど感じられない。そして、その重い踏み始めから既にブレーキは効き始めているという、言ってみればガッチガチのフィーリングで、ストロークが短いのは剛性感があっていいのだが、これではいわゆる板踏みというか、殆ど踏力のみで制動力を調整するようなフィーリングだった。ところが、新型C200のブレーキペダルを踏むと、最初の遊び部分では極めて軽く、その後にガツっと当たる位置では、軽い踏力でガンっと食い付くように効き、そのフィーリングはマルでBMWとそっくりだった。
次にC300の場合はというと、ブレーキに関してはC200に比べて特にフィーリングは変わらなかった。ところがホイールから覗くキャリパーは明らかに異なり、C200が極普通のピンスライドであるのに対して、C300はキャリパーのMercedes Benzのロゴが見える。なるほど、AMGモドキの外観だけでなく、キャリパーにも対向ピストン(オポーズド)を使用しているのか?と、思ってよくよく見ると、普通のピンスライドキャリパーにロゴの付いたカバーがかかっているだけだった。なんと、ナンちゃってオポーズドとは・・・・・。ただし、ディスクローターはちゃあんと穴があいている、いわゆるドリルドローターが装着されてい
た(写真23)。普通の使い方で、ドリルドローターを付けて何か良いことがあるのかは疑問だが、少なくとも見かけは良い。こんなところも、以前のメルセデスだったら、ブレーキは効けば良い。見掛けなんて大きなお世話だ!という主張があったのだろうが。 |
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写真20
C200エレガンスの標準はフロント/リア共に205/55R16タイヤを装着する。 |
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写真21
C200アバンギャルドの標準はフロント/リア共に225/45R17とエレガンスよりスポーディな設定となる 。 |
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写真22
C300アバンギャルドSにはフロント225/45R17、リア245/40R17という前後異径のタイヤが装着される。ライバルのMスポを見習って、こちらもナンちゃってAMG路線で迫る。 |
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写真23
C300アバンギャルドSのフロントキャリパーにはメルセデスのロゴもあり、一見対向ピストン風ではあるが、実はピンスライド式にカバーを被せただけ。ローターは穴あきを使用している。ホイールはAMGデザイン。 |
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今回の新型Cクラスの出来は確かに良く、雑誌でのベタ褒めも、あながち嘘ではない。特にC200については、戦略的な価格をだしているようで、これは誰が考えてもライバルであるBMW320iからの奪還を狙っているのは間違いない。まあ、BMWだって、当然何らかの
対抗策を考えてくるだろうが、この戦いで一番利益を受けるのは我々ユーザーであることは間違いない。
ただし、値段だけでは解決しないのがクルマ、特に輸入車の特殊なところで、買い得だから直ぐにメルセデスに移るかといえば、そう簡単にはいかない。何故ならば、メルセデスとBMWのユーザー(と予備軍)は、意外に住み分けしているようで、両方のディーラーで競合させて有利な条件を引き出すという、国産車的な買い方をする
ユーザーも少ないように感じられる。それに、メルセデスのディーラーというのは、結構敷居が高いところが多い。勿論BMWも初めて訪問する場合は、入り難い雰囲気もあるが、やはり”ベンツディーラー”というのは今でも独特の排他的な雰囲気を感じる場合が多いのも事実だ。更にはC200を買った後の、あなたの一家に対する、ご近所の見る目は??地域によっては、
本当に村八分にあうとか。首都圏ならば国道16号線の外では、庶民が”ベンツ”を買うのは許されないという話も聞いたことがある。まあ、半分は冗談だろうが、あながち大嘘とはいえない事実も耳にする。
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メルセデスベンツ |
BMW |
レクサス |
ニッサン |
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C200エレガンス |
320i |
IS250 |
スカイライン250GT |
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寸法・重量・乗車定員 |
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全長(m) |
|
4.585 |
4.525 |
4.575 |
4.755 |
|
|
全幅(m) |
|
1.770 |
1.815 |
1.795 |
1.770 |
|
|
全高(m) |
|
1.445 |
1.425 |
1.430 |
1.450 |
|
|
ホイールベース(m) |
|
2.760 |
2.760 |
2.935 |
2.850 |
|
|
最小回転半径(m) |
|
5.10 |
5.30 |
5.10 |
5.40 |
|
|
車両重量(kg) |
|
1,490 |
1,460 |
1,570 |
1,560 |
|
|
乗車定員(名) |
|
5 |
5 |
5 |
5 |
|
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エンジン・トランスミッション |
|
|
エンジン種類 |
|
直4 DOHC
スーパーチャージャー |
直4 DOHC |
V6 DOHC |
V6 DOHC |
|
|
総排気量(cm3) |
|
1,795 |
1,995 |
2,499 |
2,495 |
|
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最高出力(ps/rpm) |
|
184/5,500 |
150/6,200 |
215/6,400 |
225/6,800 |
|
|
最大トルク(N・m/rpm) |
250/2,800-5,000 |
200/3,600 |
260/3,800 |
263/4,800 |
|
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トランスミッション |
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5AT |
6AT |
6AT |
5AT |
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|
サスペンション・タイヤ |
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|
サスペンション方式 |
前 |
ストラット |
ストラット |
ダブルウィッシュボーン |
ダブルウィッシュボーン |
|
|
|
後 |
マルチリンク |
5リンク |
マルチリンク |
マルチリンク |
|
|
タイヤ寸法 |
前 |
205/55R16 |
205/55R16 |
225/45R17 |
225/55R17 |
|
|
|
後 |
205/55R16 |
205/55R16 |
245/45R17 |
225/55R17 |
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価格 |
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車両価格 |
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4,500,000 |
4,110,000
|
3,900,000
|
2,793,000
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備考 |
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ナビ標準装備 |
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ナビ標準装備 |
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BMWに対する優位さは判ったが、それでは他車に対しては如何かといえば、上の表を見てのとおりで、レクサスIS250もちょっと(いや、かなり)辛いが、メルセデスとはBMW以上にユーザー層が異なりそうだから、今更大きな影響はないかもしれない。スカイラインの場合は、更に価格帯が違うし、ユーザーも重ならないだろうから、影響はなさそうだ。それにしても、こうして比べてみれば、スカイラインの買い得感は実に高いが、その割には街中ではあまり見かけないし、首都圏の郊外ではむしろ3シリーズのほうが目に付くのはどうしたことか。
ニッサンさん、もう少し何とか戦略を立て直す気は無いのですかね。
さて、この新型Cクラスの今後は?例によって、メルセデスの新型車は初物が大好きで、どうせ経費で落とすんだからと3年後には新車に取り替える、そんなユーザーならばとも角、良いものを買って10年は乗るようなタイプの個人ユーザーの場合は、2〜3年後の熟成されたモデルを買うのが常識だから、当分焦ることはないだろう。ジックリ構えて、成り行き拝見と行きますか。
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