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Subaru Forester 2.5 X-BREAK (2018/10) 前編 その1

  

前回 (フォレスター 2.0 ハイブリッド試乗記) に続き、今回は同じくフォレスターの自然吸気 (NA) 2.5L を取り上げる。先ずはスバルの NA エンジンについて‥‥。

スバルと言えばその昔大ヒットして経営不振だったスバル (当時は富士重工) を見事に蘇らせたレガシィ 、その中でもヒット作となったツーリングワゴン GT のイメージからターボエンジンを想像してしまう。水平対向という全高の低いエンジンの特徴を生かしてエンジントップとボンネットカバーの間の空間にインタークーラーを置くそのレイアウトは、直列エンジンの他車では真似が出来ない事もあり、ボクサーならばタ―ボでしょう!何て事になるが、実際には NA エンジンのモデルだって悪くは無いし、販売割合だって決して少なくない筈だ。と言うよりも殆どがターボの GT だった頃が異常だったのだが。

そこで先ずは NA のボクサーエンジンについて纏めてみる。スバル製水平対向4気筒エンジンは 1966年のスバル1000 (写真1) に搭載された EA型エンジンに遡る事が出来る。この頃のスバルの特徴は水平対向エンジンと共に FWD という面でもその技術力は特出していた。

ここで EA型エンジンの流れを纏めてみると

1967 - 1970
 ・EA52 997cc 55ps/6,600rmp 76N-m/3,200rpm [スバル1000]
 ・EA53 997cc 67ps/6,600rpm 80N-m/4,600rpm [スバル1000 スポーツ]
 (EA52をベースにソレックスツインキャブレターによりパワーアップ)

1969 - 1972
 ・EA61 1,088cc 62ps/6,000rpm 83N-m/3,200rpm [ff-1]
 ・EA61S 1,088cc 77ps/7,000rpm 86N-m/4,800rpm [ff-1スポーツ (写真2)]
 (EA61をベースにソレックスツインキャブレターによりパワーアップ)

1971 - 1972
 ・EA62 1,268cc 80ps/6,400rpm 100N-m/4,000rpm [ff-1 1300G]
 ・EA62S 1,268cc 93ps/7,000rpm 103N-m/5,000rpm [ff-11 1300Gスポーツセダン]
 (EA62をツインキャブレターとデュアルエクゾーストパイプによりパワーアップ)

1971 - 1979
 ・EA63 1,361cc 80ps/6,400rpm 103N-m/4,000rpm [レオーネ (写真3)]
 ・EA63S 1,361cc 93ps/5,800rpm 108N-m/4,800rpm [レオーネ]

1973 - 1975
 ・EA64 1,176cc 68ps 93N-m/3,600rpm [レオーネ]

1979-1984
 ・EA65 1,294cc 72ps/5,600rpm 98N-m/3,200rpm [レオーネ]

1976 - 1944
 ・EA71 1,595cc 68ps/5,200rpm 110N-m/2,400rpm [レオーネ]

1980 - 1989
 ・EA81 1,781cc 100ps/5,600rpm 147N-m/3,600rpm [レオーネ]
 ・EA81S 1,781cc 110ps/6,000rpm 147N-m/4,000rpm [レオーネ]
 ・EA81T 1,781cc 120ps/4,200rpm 186N-m/2,400rpm [レオーネ]
  (EA81 のターボエンジン)

1984 - 1994
 ・EA82 1,781cc 85ps/5,200rpm 137N-m/3,300rpm [レオーネ]
 ・EA82T 1,781cc 135ps/5,600rpm 196N-m/2,800rpm [レオーネ、アルシオーネ]
  (EA82 のターボエンジン)

なお以上は全て 4気筒 OHV であるが、EA82ベースの6気筒 SOHC 2,672cc 150ps/5,200rpm 211N-m/4,000rpm の ER27型がアルシオーネ 3.7VX (写真4) に搭載されていた。

EA系エンジンは 1967年のスバル 1000 から 1994年の 3代目レオーネまで、その期間は27年間にもおよび、如何に最初の EA52 の完成度が高かったか、という事だ。しかし、まあ何と言うか、流石に前身がエンジン屋の中島飛行機だけの事はある。


写真1
スバル 1000 (1966 - 1969年)
サニーやカローラと同じ市場に打って出たクルマだ。


写真2
ff-1 1300G スポーツ (1970年 - )
実はスバル1000 のマイナーチェンジ版だった。


写真3
初代スバル レオーネ (1971 - 1979年)


写真4
初代アルシオーネ SVX (1991年 - )

EA型の次のスバルの主力エンジンは EJ型で 1989年より生産されている。その歴史を辿ると‥‥

1992 - 2002
 ・EJ15 1,493cc 97ps/6,000rmp 129N-m/3,600rpm [インプレッサ]

1992 - 1996
 ・EJ16 1,597cc 100ps/6,000rpm 138N-m/5,500rpm[インプレッサ]

1989 - 1998
 ・EJ18 1,820cc 110ps/6,000rpm 149N-m/3,200rpm (代表値) [インプレッサ、レガシィ] 

1992 - 1994
 ・EJ22 2,212cc 135ps/5,500rpm 186N-m/4,000rpm (代表値) [インプレッサ、レガシィ]BF7
 (ターボ) 2,212cc 280ps/6,000rpm 363N-m/3,000rpm

1994 - 2012
 ・EJ25 2,457cc 160ps/6,000rpm 211N-m/2,800rpm (代表値) [インプレッサ、レガシィ]
  ⇒ Legacy Touring Wagon 2.5iL 簡易試乗記 (2009/6) /

 (ターボ) 2,457cc 265ps/6,000rpm 378N-m/3,600rpm(代表値) [フォレスター]
  ⇒ Impreza STI A-Line 簡易試乗記 (2010/8)

なお EJ エンジンのバリエーションとも言うべき EL エンジンがある。
2006 - 2011
  ・EL15 1,498cc 110ps/6,400rmp 144N-m/3,200rpm [インプレッサ]
  ⇒ Impreza 15S 簡易試乗記 (2007/7)

以上のエンジンとは毛色が違うが
 ・EJ20 スバルの2.0L 高性能スポーツエンジンで水平対向4気筒 16バルブ SOHC or DOHC
   自然吸気と共にターボも多く、バリエーションは多岐に渡っている。
   今回の NA 実用エンジンの趣旨とは違い為に詳細には触れない。

そして今回の試乗車のエンジンが FB25 であり、その FB エンジンのルーツにやっと辿りついたという感じで以下にその概要を纏めておく。なお "FB”とは、富士重工業および Future のと、Brand new および Boxer のだとか。

2011 -
 ・FB16 1,599cc 115ps/5.600rpm 148N-m/4,000rpm [インプレッサGP/GJ]
  ⇒ Impreza Sport 1.6iL 簡易試乗記 (2011/12)

 (ターボ) 1,599cc 170ps/4,800-5,600rpm 250N-m/1,800-4,800 [レヴォーグ]
  ⇒ LEVORG 1.6 GT 簡易試乗記 (2014/11)

2010 -
 ・FB20 1,995cc 148ps/6,000 196N-m/4,200rpm (代表値) [フォレスター]
  ⇒ Impreza Sport 20i 試乗記 (2016/12)

2012 -
 ・FB25 2,498cc 172ps/6,000 236N-m/4,100rpm (代表値) [レガシィアウトバック]

なおもう一つ、水平対向4気筒の現行エンジンとして FA型がある。ところがこれはトヨタ86 (スバル BRZ) 用のNA 2.0L の FA20 と、型式は同じでも直噴ターボで事実上違うエンジンとも言える、レヴォーグやWRX S4 に搭載されている FA20 が存在するという、ややこしい現状となっている。
  ⇒ Levorg 2.0 GT-S 試乗記 (2016/2)

さて、以上スバルの水平対向エンジンの流れを整理して見たが、一言で言えば
 @ スバル1000 に始まる OHV の EA型 1967〜1994年
 A インプレッサに始まる OHC の EJ型 1992〜2012年
 B フォレスターに始まる FB型 2010年〜現行
となり、おおよそ20年単位で完全な新設計となっている。


写真5
インプレッサ GC-1 (1992年 - )


写真6
インプレッサスポーツ GP7 (2011年 - )

イントロが長くなってしまったが、今回の試乗車は前回の 2.0L ハイブリッドに続き NA 2.5L で、グレードはアクティブな生活を表現した X-BREAK というスバルとしては今回のイメージ的なグレードである。そこで前回との重複を極力避ける事もあり、ここでは X-BREAK と他の Premium との違いを比べてみる。なお NA 2.5L の Premium は 2.0L ハイブリッド(ワングレード) の Advance と内容的には同じと思って良い。

最初にエクステリアの第一印象としては X-BREAK のケバさで、写真のクルマは白いボディに赤いアクセントというのが、何やらアルトワークスみたいで年寄りが乗るには躊躇するものがある。なお塗装色はホワイト以外にもグレーとブラックがあるから、これらならそれ程目立たないのもアルトワークスやスイフトスポーツと似ている。


写真7
第一印象としては X-BREAK のケバさで、これには好みが分かれるだろう。


写真8
X-BREAK には写真のホワイト以外にグレーとブラックもあり、これなら大分目立たなくなるだろう。

続きはその2にて‥‥。

⇒その2へ