Porsche Cayenne S (2018/11) 前編 その2

  

ここからは何時ものとおりに内外装写真から始めるが、例によって既に日記でよりサイズの大きい写真を掲載しているので、こちらでは趣向を変えてみるのも何時も通りだ。
 ⇒ Porscha Cayenne (2018年10月27日からの日記)

さてここでは新旧を比較して、新型は一体どこが違うのかを検証してみる事にする。比較のための先代モデルは下記のものを使用している。
 ⇒ Porsche Cayenne S E-Hybrid 試乗記 (2005年5月)

最初に全体のフォルムを比べると、まあ例によってキープコンセプトは当然であり、ポルシェを知らない一般人からは何処が如何違うのかは判らないくらいだ。そしてポルシェの凄さは BMW ならキドニーグリルでありメルセデスベンツならスリーポインテッドスターという明らかなアイデンティティーがポルシェには無いにも関わらず、クルマ全体で誰が見てもポルシェと判る事であり、これでは他社がパクる事が難しくなってしまい、流石に何でもコピーの中国車や韓国車もポルシェのパクリはやらない事でも証明される。しかし良く見ればリアは何やら新旧で少し雰囲気が違う。


写真11
例によってエクステリアは頑なにキープコンセプトとなっている。


写真12
それでもリアは先代が妙にスッキリしていたのに対して多少ケバくなっている。

そこで今度は真正面から比較すると、新型の方がより威圧感がある気がする (写真13) 。特に写真以上に実車の迫力があるのは先代よりも 44o も広くなって1,983oという2mに迫る全幅によるところも大であり「どけどけ貧乏人」的な雰囲気満点だから、その手の気持ちを振り巻きたいユーザーには一押しだ。

ではリアはといえば、新型の特徴として左右のリアコンビネーションランプを結ぶ一体のブラックアウトされたパネルが全体の雰囲気を大きく変えている (写真14) 。またリアウィンドウの形状も新型はより鋭角的でアグレッシブな雰囲気を与えている。言い換えれば先代モデルは妙にエレガントだった事に多少の違和感があったが、今回はよりポルシェらしくなった、というのはあくまで個人の見解だが、煽り運転が日常茶飯事の今日この頃、軽自動車に乗るチンピラをビビらせる位の外観の方が安全じゃないかな。まあこの巨体では軽でワザと追突何かしたらバラバラになって本人の命が無くなるのは、幾ら馬鹿でも判るだろうから、その意味でも新型カイエンは安全なクルマだ。

ではサイドビューは如何かと言えば、サイズとしては新型が全長4,918 X 全高1,699o ホイールベースは2,895o で、これは全長が37o 長いがホイールベースに変更が無い。ところが写真15 を見ても判るように、何故か新型はより塊感というかマッチョに見えるのは何故だろうか? 勿論撮影条件も違うのだが、それにしても実際に現車を見てもやはり新型の方が迫力を感じる。


写真13
新型の方がより威圧感があり、しかも全幅は2mに迫るサイズだから実車の迫力は大したものだ。


写真14
新型の特徴として左右のリアコンビネーションランプを結ぶ一体のブラックアウトされたパネルが全体の雰囲気を大きく変えている。

写真15
サイドは新型が全長4,918 X 全高1,699o ホイールベースは2,895o で、全長は37o 長いがホイールベースに変更は無い。
しかし何故か新型はより塊感というかマッチョに見える。

 


そしていよいよドアを開けて室内を見るが、今回は偶々どちらもブラウンの内装であり、一見したところの雰囲気は似ている (写真16) 。それ以上に流石は1,200万円のクルマだけあって内装材の質感も実に良い、と思ったら、実は新型の試乗車はオプションのブラック/モファーヴェベージュのレザーインテリア&シートが付いていて、その価格は707,000円也。ヒェーっ、インテリア仕上げのオプションだけで軽トラが一台代えてしまう。えっ、何々、1,200万円のクルマを買うのだから、クルマエンゲル系数100%だとしても年収1,200万円であり、70万位高くても如何って事は無いんじゃないか、だって? いえいえ、一千万やそこらの年収では子供の教育費や住宅ローンを考えれば、結構大変なんですよっ。何しろそれなりの収入の家庭は両親もそれなりの学歴がある訳で、勿論子供にも充分な教育をと考えれば、余程クルマが好きでもクルマエンゲル係数100%は厳しいのですよ。まあ例えば地方の実業高校を出て就職して、子供の教育何て何も求めないなら良いけれど、そういう学歴で1,200万円稼げるような企業な無いっ(キリッ

あっ、待てよ、あった、あった、韓国の言い分を助長するような嘘八百の報道をする売国放送局。しかも振り込め詐欺もどきで受信料と称して食うや食わずの年金生活所帯から金を巻き上げようとする、あの組織があった。

さて話を戻して、新型のシート表皮のレザーは特にサイドが多少ギャザーが寄ったような如何にも本革という感じのもので、まるで高級な家具のようだ (写真17) 。なおパワーシートの調整はシートベースの側面だが、写真では先代モデルの方がスイッチが多いが、これはオプションの18way 電動 アダプティブ スポーツシートを付ければ新型でも同様になるが、その為には更に295,000円が必要になる (写真18) 。まあポルシェというのは昔から欲しいオプションを調子に乗って付けようとするとオプション代金が何百万円となる事は有名だから驚くには値しないが。

写真16
一見したところの雰囲気は似ているし、内装材の質感も実に良い。ただし新型の内装はオプションのレザーインテリアが装備されている。


写真17
新型のシート表皮のレザーは特にサイドが多少ギャザーが寄ったような高級家具のような質感だが、これはオプション。


写真18
先代のシート調整はオプションの18way で、これは新型でも選択できる。

ドアのインナートリムは運転中には目に入らない部分であり、その面では常に視線に入るダッシュボードはまあまあ金を掛けてもドアトリムとなると多くのメーカーでは手を抜く傾向があるが、カイエンは流石に高級 SUV だけあって見るからに高そうな素材が目に付く。そして新旧を比較すると、確かにデザインは変わっているが、その質感は同等であり、まあどちらが如何したというモノでは無い。あっ、勿論これは前述のレザーインテリアが効いている事を念頭に入れる必要があり、さらにカイエンと言ってもフォルクスワーゲンのエンジンを積んだ素のカイエン(それでも976万円)ではもう少しチャチくなる。


写真19
流石に高級 SUV だけあって見るからに高そうな素材が目に付くドアトリム。デザインは多少違うが質感は双方とも非常に良い。


写真20
ドアノブ付近にシートメモリーを配置するなど機能に変わりは無い。


写真21
アームレスト付近もデザインは違うが質感はどちらも良い。

インパネについては特にセンタークラスターが大きく変更されていて、上部のディスプレイは横長となった。対する先代モデルは何とクラリオン製の市販品をポン付けしたものを標準装備としていて、これが欧州モデルのようにシステム化されたのが早くても僅か3年程前で、これは 911 を始めとして全てのポルシェ製品で同様だった (写真22 - 23)。このクラリオン製のオーディオ一体ナビのお陰で、オーディオとしてもロクなものじゅあないし、しかもナビは使い辛くて性能も悪いと言う代物で、これが 2,000万超のモデルでさえも標準装備されたいるという大笑いの状況だった。

なお最近発表された新型 911 もこの新型カイエンと同一思想のインパネおよびコンソールとなっている。この最新のコンソール等は 2017 モデルの新型パナメーラから採用されてモノで、今後は順次このタイプとなるだろう。その新しいコンソールの特徴は表示が全て自光式となり、従ってメインスイッチを入れるまではコンソール上はまっ黒けで何も表示されていない (写真31)。対する先代ではメカ接点のスイッチがズラリと並ぶ壮観な眺めだったが、まあこれも時代の流れという事だ。

写真22
センタークラスターが大きく変更されていて、新型は上部のディスプレイは横長となった。。



写真31
新型は2017モデルの新型パナメーラ以来採用された最新のディスプレイとコンソールになった。

写真23
新しいコンソールの特徴は表示が全て自光式となり、スイッチを入れないとコンソール上はまっ黒けで何も表示されていない。

そのコンソールの後端は今や各社定番となったリア用エアアウトレットが付いているが、デザインは大分変更されている。そしてデザイン以上に幅が広い事に気が付くが、流石に全幅2mもある新型はこの辺の余裕も半端ではない。


写真25
コンソールの後端は定番のリア用エアアウトレットが組み込まれているがデザインは全く異なっている。

と言う事で、基本的にはエクステリアもインテリアもキープコンセプトだが、インパネとコンソールについては新時代のポルシェのコンセプトに従っていた 。また写真の試乗車は一千万を軽く超える価格帯のクルマに、更に高価なレザーインテリアオプションを加えているので質感は実に良い。

では一番気になる走りはというと、これは後編にて。

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