BMW X3 xDrive 20d (2017/12) 後編 その2 |
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ここでボンネットカバーを開けてエンジンルーム内を見ると、そこには B47D20A 4気筒 2.0L 190ps 400N-m ターボディーゼルエンジンが見える (写真41) 。このエンジンは 523d でも全く同じものが搭載されているために双方のエンジンルーム内比べると、確かに見た目も殆ど同じだ (写真42)。それでは同じ 2.0L ターボディーゼルでも前期型の 320d に搭載されていた N47D20C (写真43) と比べると旧エンジンは少なくともトップカバーはかなり大きくて、これを見る限りでは新型はよりコンパクトに見えるが、シリンダーブロック自体は見えないので確定は出来ない。 |
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動力性能は必要十分として、次に旋回性能はどうだろうか。ステアリングのレスポンスは中心付近からの多少の不感帯があるのはBMW の特徴だが、この X3 はその不感帯が BMW としては少ない事に気が付く。試乗したコースは殆どが片側2車線以上あり、巡航中に周りにクルマが居なくなった時に急な車線変更を試みると決して小さく無いし寧ろ重いボディーはクイっと反応する。その後色々試みたがやっぱり BMW らしからぬステアリングレスポンスの良さだ。 やがて丁度良い中速コーナーが迫ってきたので例によって多少速目の速度で進入すると、そこは流石に BMW だから SUV としては十分にアンダーステアも少ないしロールもそれ程では無く、高めの視点でも違和感がないが、まあこの面では先代 (F25) だって結構良い線行っていた訳で、あの不細工なスタイルさえもう少し何とかすればもっと人気が出たような気もするが‥‥。 ただし BMW と言ってもそこは SUV だから、サルーンのようなニュートラルステアという訳にはいかないのもまた事実で、X3 のコーナリングが優秀と言うのはあくまで "SUV としては" と言う事に変わりは無い。おっと言い忘れたが前述のクイックなステアリングレスポンスについては SUV もサルーンも関係なく従来の BMW と比べてもトップクラスだと感じられた。それにしてもこれは今後の BMW の方針なのだろうか。それともこの試乗車が特に出来が良いとか? というのは、実は少し前に試乗した M140i は M2 をも凌ぐほどの内容で驚いたが、ふと思い立ってそのクルマの写真を再度確認したらばナンバーが "成田 300″ だった。そう成田ナンバーのBMW というのは雑誌等のインプレッションに登場する公報車でお馴染みな訳で、もしかしてあの M140i は特別 (公報車のお下がりとか) で普通に購入してもあれほどの良さはない? とか余計な事を詮索してしまったが、今回の試乗車は "品川" ナンバーだったからその懸念は多分無いだろう。 ブレーキについては例によって BMW らしく軽い踏力で良く効くが、10年前のように異常に軽くて喰い付くフィーリングではないのも何時もどおりだ。ところでそのブレーキユニットをホイールの隙間から覗いてみると、F25 や F26 とは違うキャリパーが見える (写真45) 。そしてそのアルミ製と思われるボディー (シリンダーハウジング) の妙にヌメッとした雰囲気は何処かで見覚えがある、と思ったらば 523d と同じだった (写真47) 。う〜ん、これまた5シリーズと共通化かぁ、と思ったが、考えれみれば車両重量は 523d よりも重いのだから同等以上でも当たり前だった 。 | |
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新型 X3 (G01) は正常進化していた。試乗車がダウンサイジングターボで、しかもディーゼルだから必要十分とは言うモノの BMW らしい有り余るパワーという訳にはいかないが、多くのドライバーは大きな不満は持たないだろう。問題は価格であり、ベースグレードでも 662万円という価格はエンジンは違うが5シリーズのボトムグレードである 523i の617万円よりも 45万円も高い!事になる。ただし X3 の内装は5シリーズに準じてはいるから高くても仕方ない、という考えも出来るが、まあこの辺は難しいところだろう。しかし 523i ではラゲージスぺースが足りない、というのなら 523i ツーリング何てどうだろうか? 価格は650万円だからそれでも12万円安い。
ということで一押しは 523i ツーリングでした、チャンチャン。 と安易な SUV ブームに警告を発して終わる事する。←妙に偉そうな態度! |