BMW X3 xDrive 20d (2017/12) 前編 その2

  

新型 (G01) の試乗車は M Sport だがオプションのレザーシートを装着していて、そのカラーがダークブラウンの為にチョっと雰囲気が異って見えるが、よく見れば標準的な BMW らしいものだ。そして先代 (F25) の写真もレザーシートだが、こちらは M Sport では無い事からシート形状は多少異なるし、シートカラーが少し明るいブラウンの為に G01 とは雰囲気が違って見えるが、大筋では特に大きな違いは見当たらない (写真11) 。

なお、これ以降は部分的に F25 後期モデルと殆ど内装が等しい F26 (X4、デザインラインは M Sport) も適宜使用している。ということで、シート表皮については今回の G01 M Sport ではオプションのヴァーネスカ・レザーで、実はこれは x Line では標準となっている。その x Line は F25 の後期モデルから加えられたもので、スポーツ装備の M Sport に対して豪華装備が x Line であり、それなら Luxury とはどう違うのかというと、ハテ? ただし、Xシリーズには Luxury ではなく x Line が設定されるようだ。

それでは M Sport の本来のシートはと言えばサイドがクロスでセンターがファブリックというもので、ここでは F26 M Sport のシートの写真を、また F25 前期ではあるがスタンダード用のファブリックシートの写真も掲げておく (写真12) 。

シートといえば調整方法も気になるところだが、新旧共に写真のクルマ達はパワーシートが装着されていて、その調整スイッチはシートベースの側面にあるお馴染みのものだが、G01 にはポジションメモリースイッチが付いていない。実は今回からはドアトリムのドアハンドルレバー付近に移動している。

写真11
G01はシートカラーがダークブラウンの為に雰囲気が違って見えるが、よく見れば BMW らしいものだ。
全体の雰囲気は F25 と大きく変わってはいない。


写真12-1
G01 は M Sport にはオプションのヴァーネスカ・レザーで、F26は M Sport 標準のアルカンターラ/ファブリック。


写真12-2
左上はベースグレードの標準であるファブリック表皮、右はレザーでどちらも F25前期 の場合だが、ファブリックシートの表皮の質感は最新モデルでも大きく変わらない‥‥筈だ。

次にドアのインナートリムは先代とは全くデザインが変わっていて、試乗車は結構高級感が感じられたが、前述のようにこの試乗車はオプションのレザーシートを装着していたために、そのシートカラーと共通のトリムが施されていた事、そしてドアノブを取り囲む水平トリムがウッドでマットシルバーの縁取りがあったりと、結構高級志向だった事も影響している (写真13) 。まあ、BMW やメルセデスベンツなどのいわゆるプレミアムブランドは本来多くのオプションが用意されていて、オーナーの好みに広く対応できるのだが、日本では多くのユーザーがそういう注文をしないから殆どのクルマがブラックのインテリアとなっているのが現状だ。それで偶に中古車などでチョッと変わった内装のクルマがあると、それは殆どがディーラーの展示・試乗車上がりだったりする。そういう面ではアプルーブドカーを上手く利用して珍しい使用をゲットするのも一つの手ではある。ところで前述のシートメモリーのスイッチはドアノブの前方にドアロックと共に配置されている (写真14) 。


写真13
G01 のドアインナートリムは "3” というシリーズ名にしては高級過ぎる (?) くらいだが、オプションシートに合せてのレザーが効いている。


写真14
G01 のシートポジションメモリーはドアノブ付近になった。拡大して見ると G01 の質感の高さが判るだろう。

G01 のフロントダッシュボードは F25 に比べると流石に近代化されている。また F25 と F26 は基本的に同じものだが、エアコンとオーディオユニットは変更されている。そこで同じく最新のモデルである新型5シリーズ (G30) と G01 を比較すると、何と共通点の多い事に気が付く (写真15-1) 。しかし X3 と 5シリーズではその名の通りに "3" と "5" だからカテゴリーが違うし、価格的には同じエンジンの X3 xDrive 20d と 523d ではにスタンダード同士で比べてもそれぞれ 713万円と 662万円と、やはり5シリーズだけあって 523d の方が高い。因みにこれまた同じエンジンの 320d は 548万円だから、そうなると X3 は価格的には3シリーズよりも寧ろ5シリーズに近い事になり、内装が5シリーズに近くても納得できる。

写真15-1
G01 のフロントダッシュボードは格上セダンの5シリーズ (G30) と極めて近似している。


写真15-2
G01 に比べるとチョイと古臭く安っぽいダッシュボード。


写真15-3
F26 (と F25後期) のダッシュボードは前期型からの変更は無いが、センタークラスターの機器類は違っている。

センタークラスター上のオーディオおよびエアコンのパネルを比較すると、これまたダッシュボードのデザインと同じで X3 は5シリーズと外観的にはほぼ同じユニットが使われていて、その違いはスイッチの色が5シリーズ (G30) ではブラックだったものが X3 (G01) ではシルバーという具合に表面処理の違いだけだった (写真16) 。

次にダッシュボード右端に視線を移して、ドイツ車お馴染みの回転式ライトスイッチを比較すると、これもまたサブパネルの表面処理こそ違うがユニット自体は G10 と G30 では同じものた。そしてオーバーヘッドコンソールもまた G10 と G30 は共通であり、こちらは色まで同じだった (写真17) 。


写真16
G01 と G30 はセンタークラスター上の機器類が共通していて、違いはボタンの色のみだ。


写真17
回転式のライトスイッチも G01 と G30 では表面処理の違いはあるがメカ的には共通だ。

写真18
オーバーヘッドコンソールは G01 と G30 では全く同じものだ。

ここまでの処は新型 X3 の内装は限りなく5シリーズ と似ているというか、共通部品が多い事が判明したが、価格的にも X3 は3シリーズセダンよりも5シリーズに近かった。

さて内装としては走行に関する操作部であるコンソール上の機器やメーターおよびステアリングなどの詳細が残っているが、これらは後編の試乗結果と共に扱う事にする。

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