BMW M2 Coupe (2017/1) 前編 その2

  

先ずは何時ものように M2 の写真を眺めることにするが、M2 のみについては既に日記でよりサイズの大きい写真を紹介している。
⇒ BMW M2 (2017年2月2日からの日記)

ということで、ここではナンチャッテMの M235i との比較を行う事にする。比較相手が M240i で無くM235i である理由はその1で述べたとおりだ。それで先ずはフロント方向から見比べる (写真11) と、当然ながらバンパー内のアンダーグリルというかサイドのエアインテークの形状は微妙に違うが、これも比較的設備投資が少なくて済む樹脂部品の変更というお馴染の方法で、それ以外、例えば変更は大事になりそうなヘッドライト形状等は変わらない。ただし、ボディのサイドパネルは M2 が大きく張り出したブリスターフェンダーとなっているなど、共通化は難しいことから全く新しいプレス型を起こしているのだろうが、これもMモデルではお馴染の手法だ。

今度はリアから見比べてみると (写真12) 、フロント以上に M2 のブリスターフェンダーがハッキリ判るだろう。そしてフロントと同様に樹脂製バンパーが別モノとなっているが、一見すると相違点は少ない。そして今度はサイドビューを比較する (写真13) と、この角度では M2 のブリスターフェンダーの張り出しが認識できないから、ハッキリ言ってソックリ、何処が違うんだい、150 万円も上乗せしやがって責任者出てこい! という下品なことは言わないが、釈然としない物はある。いやそれ以上に両車共サイドビューは決してスポーティーでカッコ良いとは言えないのは1シリーズベースの辛さで、寸詰まり感が満開だ。

そう言えばMモデルの特徴としてフロントのフェンダーサイドにエアアウトレットと "M" ロゴがある筈だ、と思って写真を拡大して見たらば、おおっ、あった、あった。やっぱりこれじゃなきゃねっ (写真14) 。


写真11
バンパー内のアンダーグリルの形状は微妙に違うが、これは少ない投資で差別化するお馴染の方法だ。


写真12
この角度から見るフロント以上に M2 のブリスターフェンダーがハッキリ判る。

写真13
この角度では M2 のブリスターフェンダーの張り出しが認識できないから、ハッキリ言ってソックリ。

サイドビューはお世辞にもカッコ良いとはいえない。


写真14
しかし拡大すると M2 には Mモデルの特徴としてフロントのフェンダーサイドにエアアウトレットと "M2" エンブレムがあり、M235i では "M" のみだ。

前後からそれぞれ真っ直ぐに見ると、ブリスターフェンダーの膨らみから特にフロントは下膨れのおたふく顔に見えてしまう (写真15) 。そのフロントグリルには M2 の場合は小さな "M2" のエンブレムがある (写真17) 。リアのトランクリッド後端にも当然ながら M2 には ”M2" のエンブレムだが、さて M235i はと言えば ”M235i” だった (写真18) 。そう言えば3シリーズの Mスポーツでこのトランクリッド後端に "M" のエンブレムのみを貼るナンチャッテ M3 が流行った時期があったが、その殆どは排気管がショボいシングルで中身は 318i なんていうのが多かったのを思い出した。その排気管はと言えば、どちらも左右から出ているが M2 は片側2本ずつの合計4本、M235i は各1本ずつの合計2本となっている。勿論容量的には M2 が M235i の倍の面積が必要な訳はないから言ってみれば単なる差別化、というかハッタリという事だが。


写真15
この構図ではブリスターフェンダーの膨らみから、下膨れのおたふく顔に見えてしまう。


写真16
リアから見ると太い2X2本の排気管が M モデルらしさを強調している。

写真17
M2 はフロントグリルにも小さな "M2" エンブレムが付いている。ヘッドライトの形状は両車とも共通だが、その下のエアインテークは異なっている。


写真18
リアのエンブレムは "M" ロゴとそれぞれの車名が表記されている。

ここでドアを開けて室内を見比べると、まず一番目につくシートはといえば、M235i では M Sport 用のスポーツシートで特にバックレストのホールドを重視したような形状だ (写真19) 。これが M2 ともなれば‥‥あれっ、同じ形をしている。あっ、いや、でもシート表皮が‥‥もしかして同じダコタレザー? でも拡大してみると M2 にはブルーのステッチが入っている (写真20) 。うんっ、そうだ、ステッチの色が違う! ついでにスカッフプレートを見ると M2 は "M" のみでマルでナンチャって M みたいだ。それに比べれば M235i は "M" ロゴに続いて "235" の文字が見える。

そしてドアのインナートリムはと言えば、やはり M2 はステッチがブルーという以外に違いは見当たらないが、この期に及んでは驚くことはない (写真21) 。しかし考えてみれば M235i にダコタレザーが標準というのも何か変だ、と思って調べてみたらばやっぱり標準はクロス/アルカンターラのコンビで、ダコタレザーはオプションだったから、写真のクルマはオプション装着によって本物のMソックリになっていただけの事だった。


写真19
M2 と M235i は写真では区別がつかないくらい似ている。


写真20
写真のシート表皮はどちらもダコタレザーだが、 M235i はオプションのレザーシートを装着している。
なお M2 はブルーのステッチで差別化されている。


写真21
ドアのインナートリムも M2 はブルースステッチが目立つ程度の差だ。

ここ迄の比較で既に想像はつくだろうが、ダッシュボードも当然ながら共通となっている。今回の試乗ではダッシュボード全景を撮る時間がなく写真22のようなサイドからの撮影となってしまったが、写真23の M235i とほぼ同じと思えば良い。更に M2 のセンタークラスターに組み込まれたオーディオおよびエアコンは M235i どころか 1シリーズの M135i とも同じだった (写真23) 。

写真22
事情によりサイドからの写真となったM2のダッシュボード。

写真23
写真は M235i だが、この構図でも実は M2 も殆ど同じ。


写真24
M2 のセンタークラスターは M235i どころか、1シリーズの M135i とも同じだった。

以上の結果から M2 と M235i (M240i も同様) を比較すると、エクステリアはよく見ればブリスターフェンダーにより全く違うボディーだが、インテリアについては両車の差は限りなく少なかった。勿論エクステリアだって殆どの日本人はその違いは判らないだろう。

さて一番の興味である走行については後編にて。

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