BMW 320i Gran Turismo (2013/8) 前編 | |
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BMWが5シリーズにクロスオーバータイプのGran Turismo(以下GT)を追加したのが、日本では'09年11月だからそろそろ3年が経過したわけで、この時点で今度は3シリーズにもGTがラインナップされた。5シリーズGTの場合は実は7シリーズがベースだったので、もしかしたら3シリーズGTは5シリーズがベース?とも思ったが、3シリーズGTの場合は3シリーズのロングボディ(主として中国向け)をベースとしているという。そこで、3シリーズ各車のアウターサイズを比較してみると‥‥
確かに全長が200o長く、ホイールベースも110o長い。幅方向では全幅が30o広く、トレッドもフロントで10o、リアでは25oも広いから、これはやはりプラットフォームが幅方向も拡大されているのだろう。トレッドの比較の場合、幅広タイヤを付けるとトレッド自体は小さくなる場合が多いが、320i GTの場合はタイヤも太いから、むしろ実質的には更に差は大きいかもしれない。なお、ラインナップについてはGTにディーゼルの320dは設定が無いようだ。またセダンには335iの設定がないが、その代わりにActivHybridあるから、こちらで代用ということか。 今回の試乗車は320i Gran Turismo Luxuryでオプション別の価格は523万円となる。今回は内外装の写真を極力セダン&ツーリング(以下セダン系)との比較を交えて、その違いを確かめようと思っている。第一印象は前述のようにサイズが少し大きいことから、セダンやツーリングより明らかに車格が上に感じるが、さりとて5シリーズよりは小さそうだし、という感じであり、更にはセダンより70oも高い車高に何となくかっこ悪さを感じるのは、クロスオーバーとしてのクロカンスタイルによるヘビーデューティーの魅力も無く、単に背の高い5ドアセダン的に見えてしまうからだろうか。 |
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写真3 |
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ここでフロント同士を詳しく比較してみると、セダンとツーリングはほぼ共通だが、GTはよく見ればライトの形状が違うし、バンパーも異なる。そして、キドニーグリルも形状が微妙に違うようで、これはイメージこそ合わせているが、フトントに関しては全く別物部品を使っていると考えても良さそうだ。 次にリアはといえば、勿論テールレンズやバンパーなどは別部品ではあるけれど、一見したイメージは可成り合わせていて、レールランプの形状などは基本的に良く似ている。 |
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セダン系に比べて全長が200o、ホイールベースが110o長いGTのトランクスペースは当然奥行きが深いから、少なくともウエストラインから下の容量は充分だが、Dピラーは大きく寝ているから高さの高い荷物となるとツーリングの積載性には及ばない(写真6)。まあ、街を走っているワゴンで、ウエストラインより上、ルーフいっぱいまで荷物を積んでいるなんていう状況を見た事もないし、そういう場合は宅配業者などに依頼すれば良いだけで実質上の問題はないが、先祖伝来の仏壇だからどうしても自分で運びたい、なんていう場合は‥‥レンターカーを借りればOKか。 リアゲートには下端に電動スイッチがついていて、これを押すことで電気モーターにより自動的に閉じるのはツーリングと同じで、閉まる直前に速度が遅くなってフワーッと閉まるので無く、そのままバタンっと下品に閉まるのもツーリングと同様だ(写真7)。 ところで、GTのサイドフェンダー後方に何やらブーメランのようなシルバーのパーツが付いていて、これが結構気になっていたのだが、近くで見るとここはエアのアウトレットになっていて、ボディ内部でフェンダー後部のエアインレットと繋がっていた(写真8)。フェンダー内のエアはフロントバンパーサイドにあるエアインレットから流れてきて、フェンダー内でブレーキのディスクローターを冷やして、そのエアーをフェンダー後端の細い穴を通ってサイドのアウトレットから排出して、ボディ表面を流れてボディ後端から後方へ排出される、と文章にすると解り辛いが、要するにこのブーメランみたいな奴は飾りではない、ということだ。 |
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エクステリアをひと通り見たところで次はインテリアに進むが、大分長くなったので |