Porsche Cayenne Turbo (2011/1) 前編 ⇒中編

 


ポルシェらしく先代からのキープコンセプトのエクステリア。

3月11日に発生した東北関東大震災による甚大なる被害のなか、試乗記などをやっている場合ではない、という意見もあるでしょうが、こういう時にこそ、好きな車の情報を一時の清涼剤としていただこうとの思いから、走破性の良さも備えたSUV、しかも500psのポルシェカイエンターボを紹介します。価格は1,500万円!
よ〜し、頑張って復興した暁には、一台買ってやるぞ!という、心意気で行ってみましょう!

ポルシェ初のSUVであるカイエンが発売されたのは2002年9月だから、ポルシェ式にいえば2003年モデルからということになる。このカイエンはVWのトゥアレグと基本コンポーネントを共有する兄弟車であり、V6 3.5ℓエンジンはVW製を使用していた。なお、この3.5ℓモデルは 一年遅れで2003年9月の04モデルからの発売であり、またトゥアレグも同じく2003年9月の発売だった。

そのカイエンが昨年(2010年)9月より発売された2011モデルから2代目となった。ラインナップはV6 3.6ℓのカイエン、V8 4.8ℓ自然吸気のカイエンS、そしてV8 4.8ℓ ターボのカイエンターボの3種類がラインナップされている。以下に新型カイエンの各バリエーションと旧カイエンのターボ、そして2011年2月より発売される兄弟車のVW 新型トゥアレグについて比較してみる。
 
    Porsche Porsche Porsche Porsche Volkswagen
      Cayenne Cayenne S Cayenne
Turbo
(旧)Cayenne
Turbo
Touareg V6
 

車両型式

  ABA-92AN5502 ABA-92AM48 ABA-92AM48A ABA-9PAM4851A DBA-9PCGRS

寸法重量乗車定員

全長(m)

4.845 4.810 4,800

全幅(m)

1.940 1.930 1,945

全高(m)

1.710 1.700 1,740

ホイールベース(m)

2.895 2.855 2,905

駆動方式

4WD
 

最小回転半径(m)

  5.6 5.5

車両重量(kg)

  2,090 2,130 2,230 2,460 2,190

乗車定員(

  5

エンジン・トランスミッション

エンジン型式

  N/A N/A N/A N/A CGR

エンジン種類

  V6 DOHC V8 DOHC V8 DOHC Turbo V6 DOHC

総排気量(cm3)

3,598 4,806 3,598
 

最高出力(ps/rpm)

300/6,300 400/6,500 500/6,000 280/6,200

最大トルク(Nm/rpm)

400/3,000 500/6,500 700/2,250
-4,500
360/4,000

トランスミッション

  8AT
 

燃料消費率(km/L)
(10/15モード走行)

9.7 8.3 8.4 5.7 9.5
 

パワーウェイトレシオ(kg/ps)

7.0 5.3 4.5 4.9 7.8

サスペンション・タイヤ

サスペンション方式

ダブルウィシュボーン

マルチリンク ダブルウィシュボーン

ブレーキ方式

前/後 Vディスク/Vディスク
 

タイヤ寸法

255/55R18 265/50R19 275/45R19 255/55R18

価格

車両価格

795.0万円 1,030.0万円 1,538.0万円 1,490.0万円 623.0万円

備考

6MT:748万円

     

2011年2月発売

新型カイエンは全長で+35mm、全幅で10mmと僅かに大きくなり、ホイールベースも40mm延長された。今回試乗したターボのエンジンは先代からのキャリーオーバーで内容・性能ともに同一だった。それでも、車両重量が230kgも軽量化されたために、パワーウェイト(P/W)レシオは4.9⇒4.5kg/psへと向上した。それにしても2.2トンもあるSUVがスーパースポーツ並のP/Wレシオとは、一体どんな走りをするのかが楽しみだ。
 


写真1
初代カイエンは2002年9月(03モデル)に日本国内で発売された。
 

 


写真2
2006年12月のMCで後期型にフェイスリフトされる。
 

 


写真3
初代カイエンと主要部品を共有するVWトッアレグ。
2003年9月より発売された。

 


写真4
2011年2月発売予定の新型トゥアレグ。カイエンと共にこちらもFMCで新型となる。
 

 

エクステリアは基本的にキープコンセプトだが、ターボの場合はフロントのエアインテイクが大きく、見るからにアグレッシブになった(写真5)。 リアからみるとターボの排気管は左右各2本の計4本出しとなる(写真7)。他のNA車種は左右それぞれ横長の長方形1本の計2本出しとなる点が異なっている 。

バイキセノンヘッドライトにはターボに標準のポルシェ・ダイナミック・ライトシステム(PDLS)が組み込まれている。カタログによると『操舵角と走行速度に基づいて照射角をコーナーの内側方向に調整する。 また高速走行時に円錐状の光の形状を調節することでロービームの照射距離を伸ばし対向車を幻惑することなくより遠くまで照らす』という優れものだ(写真6)。

リアゲートの開閉は、このクラスとしては当然ながら全て電動で行う。クローズスイッチの位置もBMW5シリーズやメルセデスEクラスのワゴンと同じ位置にあるので、この手のクルマのユーザーには全く違和感がない(写真10)。なお、リアゲートが閉まる時の動作の高級感では [Eクラス > カイエン > 5シリーズ] となる。テールゲートを開けると、そこに広がるラッゲージルームは充分なスペースがあるが、まあ、全長4.8m以上もあるのだから当然でもあるが(写真9)。
 


写真5
巨大なエアインテイクはターボの特徴でNAモデルはもう少し小さい。
 

 

写真6
ターボに標準のポルシェ・ダイナミック・ライトシステム(PDLS)が組み込まれたヘッドライト。
 

 


写真7
リアからのターボの識別ポイントは左右各2本出し、計4本のエクゾーストパイプ。
 

 


写真8
先代に比べてテールライトの形状が変わった以外は大きな違いは無い。
 

 


写真9
充分なスペースがあるリアラッゲージルーム。

 


写真10
ゲートを閉めるには写真の黄色い→のボタンを押す。このボタンは、BMW5シリーズやメルセデスEクラスのワゴンと全く同じ位置にある。
 

 

ドアを開けると現れる室内を最初に見た時の印象は「高級」の一言で、質感抜群のシートや内装のレザーとアクセントになる金属部分の適度に渋いクロームシルバーなど、パナメーラとも共通するセンスの良い雰囲気がある。それぁ、1,500万円以上も出すのだから当然だろう、という意見もあるだろうが、ポルシェといえば1,500万円のカレラSの標準インテリアなんて、とても値段相応とはいえないのが当然というのが今 までの常識だったから、この点ではカイエンやパナメーラは”ポルシェらしくない”ということになる。

見るからに座り心地の良さそうなレザーシートに座ってみると、カチッと硬いのに柔らかく体を包むむという、数ある出来の良い欧州車のシートの中でもダントツの二重丸と言いたくなるほどに良い。更に、このシートは12ポジションをフルパワーで調整(写真12)できるので、あらゆる体系にフィットすると いうが、抜群の座面や形状からデフォルト位置で前後と背もたれを調整するくらいで充分にジャストフィットした。ただし、ポルシェというイメージから想像するのはタイトな室内に低くて手足を伸ばした着座スタイルだが、カイエンの場合は全く逆で、広い室内に高い着座位置と背筋を伸ばしたスタイルとなる。
 

写真11
見るからに座り心地の良さそうなフロントシートは、高い着座位置と背筋を伸ばした運転姿勢となる。
室内の雰囲気は高級感に溢れていて、1,500万円超の車輌価格も納得できる。


写真12
12ウェイのパワーシート操作部。

 


写真13
座面に通気穴が空いたレザー表皮の質は極めて良好。
 

 


写真14
フロントドアハンドル横にはシートのメモリースイッチがある。
 

 


写真15
運転席側ドアのアームレスと先端にあるウィンドウとミラーの操作スイッチ。何時も使うドアの取っ手には耐久性を考慮してか、より厚いレザーが使われている。
 

 


写真16
後席のドアインナートリムもレザー仕上げ。

 


写真17
前席のドアインナートリムはレザー仕上げで、随所にステッチが見える。
 

 


写真18
ダッシュボードのレザー仕上げも標準で備わる。ピラーはアルカンンターラ仕上げ。
 

 


写真19
ウエストラインから上の内装は全てアルカンターラを使用している。試乗車にはサンルーフも付いていた。
 

 

シートに座って周りを見回すと、ドアインナートリムやダッシュボードは標準でレザー仕上げだし (写真16〜18)、ウエストラインから上、すなわち各ピラーやルーフの内装にはアルカンターラが使用されていて(写真19)、これだけでも大いに質感の高さを感じる。もしかしたら、次期911の内装もカイエンやパナメーラーのようになるのだろうか?

続きは中編にて。

⇒中編へ