Mercedes Benz E250 CGI BlueEFFICIENTCY (2009/12) 前編 ⇒後編


アバンギャルドになるとよりスポーティーな外観となるが、ベースグレード同士ではフロントから見る限り
基本的にE300と見分けが付かない。
 

メルセデスベンツの新型Eクラス(W212)は本年5月に発売されたが、最初に輸入されたのはE350(LHD)で、少し遅れてE300が、そして半年ほど遅れてE250CGIが輸入された。 E250CGIはBLUE EFFECIENCYというサブネームを持つが、これは日本のエコ減税に対応することが最大のセールスポイントとなっている。実車をみればフロントフェンダーサイドにBLUE EFFECIENCYのエンブレムが貼られているが、ブルーとクロームの色使いは何やらトヨタ的だ(写真2)。
外観上はE300と大きく違うところはなく、リアから覗く排気管が左1本出しであることくらいか。Eクラスの場合はベースグレードに対してアヴァンギャルドというグレードがスポーツタイプとして用意されていて、この場合は外見もスポーティーになるのはBMWのMスポーツみたいなものと思えばよい。 ただし、ニューEクラス(W212)の悲劇は先々代(W210)が4つ目のライトを採用した事で、そのイメージを髣髴させる先代レクサスGS(先代は国内ではアリスト)が一足先に 現行GSにFMCされた時に、この4つ目を近代的なデザインにしたことから、何とW212よりも先行して似たようなデザインになっていた事だ。まあ、クルマのデザインなんていうのは、流行があり、結局世界中の同クラスのクルマが似たような格好になるのは、ある面仕方が無いのだが・・・・・。

新型Eクラスは既にE300アヴァンギャルド試乗記を発表済みで、この結果は思いの他良かった 。今回のE250はE300よりも100万円安く、しかもエコ減税の適用により条件によっては(13年落ちの代替など)最大で数十万円の減税分と合わせると 約150万円安いことになる。これは上級グレードでは500万超えとなる 最近の国産高級車(クラウンやフーガ)に迫る価格となるから出来の良かったE300に対して大きく変わらなければ大いなる買い得車種となるが、果たして結果は?


写真1
リアから見ると排気管が左1本出しでE250と判別できる。

 


写真2
フロントフェンダーサイドにはBLUE EFFECIENCYのエンブレムがある。エコを表すのにブルーとクロームのエンブレムが流行っているのはトヨタの影響か。

 

室内の第一印象は前回のE300がアヴァンギャルド仕様であり、シートを始めレザーが多用されていたのに対して、今回はベースグレードの為に質素に見える。ただし見た目にはE300でもベースグレードでは似たようなもので、欧州車(のベースグレード)では御なじみの織目の粗いファブリックシート (写真5)の座面形状がE250とは多少異なる程度だった。 ただし、シートの調整についてはE300がベースグレードでもメモリー付のフルパワーなのに対して、E250は座面の上下とバックレストの角度(リクライニング)が電動で、前後調整は手動となる (写真6)。また、シート座面の縫い目が少し違うが事実上の違いは無い。
センタークラスターのエアコン調整およびオーディオパネルはメルセデスらしくゴチャゴチャとボタンが並んでいるがE300とE250は事実上同じで、唯一エアコン操作パネルがE300のウッドに対してE250は黒い樹脂製になる点が異なる (写真11)。そしてウッドパネルはE300のウォルナットに対してE250はユーカリ(写真8)で、確かに見た感じの高級感はウォルナットに軍配が上がる 。まあ当然といえば当然で、価格の安いモデルは内装も微妙に安っぽいといのは洋の東西を問わずクルマ屋の常套手段だし、商品の差別化としては当然でもある。
 


写真3
シートの座面形状が多少違う以外はE300と同等のE250リアスペース。

 


写真4
フロントも基本的にはE300と共通だが、ステアリングコラム調整は手動式。

 


写真5
E250のシート表皮は欧州車のベースグレードでは御馴染みの荒い織目のファブリック。

 


写真6
シートはE300がメモリー付のフルパワーに対して、E250はバックレストと座面上下が電動で、前後は手動となり、メモリーも付かない。

 

写真7
E300(ウォルナット)に対して、ウッドパネルの材質(ユーカリ)と使用場所が違うなど、多少のコストダウンを行っているが、一見しただけでは判らない。


写真8
ウッドパネルはE300のウォルナットに対して、E250はユーカリプタスウッド。

 


写真9
ダッシュボード右端にあるライトスイッチとスタート/ストップボタン(写真左端)。
(写真のパネルはE300)

 


写真10
例によってボタンだらけのオーディオ操作部分はE300と共通。

 


写真11
エアコンの操舵部もパネルの材質がウッド(E300)から樹脂(E250)になる以外は共通。

 

インテリアの比較も終わったところでいよいよ走り出すが、この続きは後編にて。

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