Alfa Romeo 156 2.0 SELESPEED (2004/10/10)


如何にもアルファというフロント

フロントに比べて大人しいリア

アルファロメオの156は、クラスとしてはMBのCやBMWの3に相当する。今回の試乗車は4気筒の2.0ℓで排気量から言うとC180や318i相当だが、そこはアルファで最大出力は166psとライバルの143ps(C180、318iとも)に比べハイチューンである。
外観は如何にもアルファという感じで、このスタイルだけでも気に入って買う人の気持ちが理解出来るほど、独特の雰囲気がある。オマケに試乗車は赤なので、これまたアルファと言う感じだが、赤いCや3を、いい歳したオヤジが乗るのは気恥ずかしいが、赤いアルファなら気にならないという点も、やはりラテンの血筋か。

横置きの4気筒2ℓエンジン
ライバルよりハイチューンの166ps

クルマに乗り込んでドアを閉めると、結構重厚な音でドンっと閉まる。この点でもドイツ車に比べて引けをとることはない。
ダッシュボードのデザインは、これまたチョッと独特で、ドイツ車とは明らかに異なる。ところがダッシュボードの材質はチョッと荒いボツボツというかザラザラしたような、要するにBMW X-3などでも指摘した、あの雰囲気である。最近の欧州では流行っているのか?とすれば、国産車がパクルのも時間の問題だろう。
シートは欧州車としては意外と柔らかく、チョッと国産車っぽいが、流石に欧州車で柔らかい中にも腰のしっかりしたウレタンを使っているので、長距離で疲れることは無さそうだ。試乗車のシートは座面が布製で、左右のサポート部分が人口の裏革(アルカンターラと同じだが、メーカーが違うらしい)で、サポートも問題ない。当然シートは前後・上下の調整が出来、ステアリングもこれまた当然だが、上下・前後に調整が効くので、どんな体系のドライバーでもベストポジションが取れる。この、欧州車では当たり前のことが、どうして国産車では出来ないのだろう?

このクルマはシーケンシャルシフトの半自動で、ATと違いクリープは無いし、坂道で停止中にブレーキを緩めると後ろに下がることになる。半自動とは言え、CITYモードにすると、ATのように自動的にアップダウン出来るらしいが、試乗は勿論マニアルモードで行うことにする。
走り出すと、4気筒2ℓエンジンは低回転から極めてトルクフルで、コンプレッサー(スーパーチャージャ)のC180やバルブトロニックの318iに勝るとも劣らない。シフト操作はコンソール上のシフトレバーかステアリング裏のパドルスイッチで行うが、先日のMR−Sでのシーケンシャルシフトの経験から、パドルスイッチを使うことにする。右がアップ、左がダウンのスイッチは丁度ステアリングを握ったまま、人差し指の位置にあるので、シフト操作は極めて自然に出来る。最初は3000rpm程度で右スイッチを手前方向に引くと、短いストロークでカチッとフィーリングも良く、その時のギヤのチェンジは殆どショックもなく、実にスムースだ。
10分程走って、大分慣れてきたので、前が空くのを待って、フルスロットルを踏むと、エンジンは一気に吹け上がり、そのフィーリングはBMWとは別の、しかし実に官能的と言うか、気持ちが良い。6000rpmまで上がったところで、すかさず右スイッチを入れると、ズンッというショックとともにシフトアップされた。丁度MTで可也乱暴なシフトアップをしたような感じだ。その代わりに、シフトは極めて迅速で、どんな名ドライパーも敵わないほど素早い。この味付けも、実用性よりも飛ばしてナンボの世界のようだ。

ステアリングは極めてクイックで、FF(FWD)のフィーリングとしては例外的に素直だ。何も知らなければFR(RWD)と言われても信じてしまう程にFF臭さがない。途中チョッとしたカーブで、スロットルを多少踏みながら回って見たが、これまた、FFとしては例外的に楽しくコーナーをクリアーできる。やはりアルファはマニアのクルマと感心していたら、路面が継ぎ接ぎだらけの場所を通った。この時、ガツンという強いショックが次から次への襲ってきて、最近の硬い中にもシナヤカな欧州車に慣れていると、とに角驚く。その硬さは、まるで国産のハイパフォーマンスカーのように、極めて不快で、ガキっぽい硬さだ。
試乗車に装着されていたタイヤは標準の205/55R16で、決して性能重視はのサイズではないのに、この乗り心地だから、オプションの215/45R17だったら一体どうなるのか?

実は試乗を終えて、エンジンルーム内を見て初めて知ったのだが、横置きの4気筒はフロントアクスルの中心よりも遥かに前よりにマウントされている。こんなレイアウトでは、どう見ても可也のフロンとヘビーだろうから、あのクイックな操舵性というのは信じられない。ヤタラ硬い足等はその代償か?


標準の205/55R16

エンジンはフロントに大きくオーバーハングして搭載されている。BMWのフロントミッドシップとは全く逆だ

レスポンスの良いエンジンにクイックなステアリング、とくれば、次はストロークの短い効きの良いブレーキと言うのを期待するが、残念ながらそうはいかなかった。ストロークが長く、スポンジーで効きも悪いという、殆ど国産の低価格なオバちゃん用FF車なみのフィーリングで、これはチョッとシラケル。特に最初の遊びが終った後にも、ぐにゅ〜という感じがするところをみると、ブレーキ系の剛性が低いのか。それにフロントヘビーから来るフロント配分の大きさも、国産FF並だから、この辺の素性は隠せないのか?
とに角、この点は残念!
が、しかし、言い換えればイジル楽しみがあるわけで、この未完成さがまたアルファファンから見れば、たまらなかったりするかもしれない。

さて、このクルマ、何ともマニアックで不思議な魅力がある。MBやBMWが成績優秀でどんな科目も確実に高得点をとる優等生としたら、156は不良でどうしようもない悪だけど、特定の科目は恐ろしく優秀で、その危なさに引かれる女子生徒も結構いるような番長と言うところか?

それに、いざ、このクルマを買うとしたら、はたして故障はどうか?長い間乗れるのか?べら棒な修理代を注ぎ込んで、遂にギブアップして売りに出したら二束三文なんてことは無いのか??等・等。何しろ155を買った知人の話を聞けば、いくら156は改良されているとは言っても、買うのには相当の勇気が必要だ!

アルファをカッコだけのブランド・グルマと思ったら大きな間違いだ。小金持ちのブラント好き自称お嬢様(もちろんブランド大学出、サラリーマンの父は娘の学費を稼ぐために、家族と離れて単身赴任で頑張った)で、通ぶってアルファが欲しいなんて言っている娘がいるが、実際これ買ったらエライことになるだろう。アルファにとっても、見かけだけのブランドクルマと思われてるのは大いに不幸だ。

とか何とか言いながら、近日中にGTAに試乗する予定だ。う〜ん、やばい!!
なにやら、知ってはイケナイ世界に入り込みそうだ。