B_Otaku のクルマ日記


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2020/10/29 (Thu) 中共の国営・華晨汽車集団  

中共の国営自動車会社、華晨汽車集団(華晨汽車)は社債をデフォルト(債務不履行)した
中共国営自動車メーカーが社債164憶円未払でデフォルト
と報道されているが、さてその華晨汽車とはどんな車を作っているのだろうか。実は華晨汽車は傘下に BMW との合弁企業、華晨 BMW を持ち、BMW 各車を現地生産している。
2020年2月 中国乗用車販売台数 <1>

しかし自主ブランド車となると、売り上げ10位以内の車種が無いことから、自主生産メーカーを纏めた時に取り上げていなかった。
2020年2月 中国乗用車販売台数 <3>

華晨汽車のブランドは「中華」で、主要な車種は「駿捷」と「尊馳」という、何れもセダンだ。

中華・駿捷
中華ブランドのミドルクラスセダンで、発売は2006年。デザインはピニンファリーナと言われている。写真を見れば、その雰囲気が BMW に似ているが、これは前述のように BMW との合弁企業で本物を現地生産しているからかもしれない。

ボディの大きさの割にはエンジンはショボく、三菱製の 2.0L (4G63S4M) 、1.8L (4G93) 、1.6L (4G18) を搭載している。三菱の 4G エンジンといえば 1970年代の代物で、今となっては余りにも古い。ただし、同社に限らず、中共の独自ブランド車はこの三菱製エンジンを搭載しているものが多く、今や日本国内では風前の灯火である三菱自工だが、エンジン屋としてそれなりに商売をしているのだった。

では安全性はというと、2009年にユーロNCAPによる安全衝突テストを受けたが、シートベルト未装着警報装置が不備だったことにより、衝突安全性以前の問題として0点扱いとなり不合格となった、って、駄目だこりゃ!

 

中華・尊馳
こちらは駿捷より少し大きい、同社ではフラッグシップセダンであり、駿捷より早い 2004年に発売された。これもエンジンは三菱製で駿捷と同じ 2.0L 、1.8L に加えて 2.4L (4G64) も設定されている。2006年にベルギーへ輸出が開始されたが、ユーロNCAP の安全性テストで☆1つという結果で、欧州での販売が中止された。

その後各部を補強するなどして辛うじて☆3つを確保した。いやまあ、「中華」ブランドにピッタリな劣悪コピー車だった。

成程、いくら中国国内とはいえ売れない訳だ。それぁ会社が傾いて当然だろう。系列会社で BMW 生産してるのにねぇ。という事は中国製の BMW って、大丈夫なのかねぇ?

 






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2020/10/26 (Mon)   Toyota Yaris Cross and Yaris <6>

今回は最終回としてインテリアを細かく見る事にする。

先ずはセンタークラスターから。両モデルともダッシュボードトップよりも更に上に飛び出したディスプレイという、最近のトレンドに従ったモニターが全グレードに標準装着されている。ただし、ディスプレイには8インチと7インチがあり、グレードによって異なる。

エアコンはこれも2種類あり、上級グレードではオートエアコン、下位グレードではマニュアルエアコンとなる。

これらの使い分けはヤリス クロス、ヤリス共にディスプレイではZとGが8インチでXは7インチ。エアコンはXのガソリンのみがマニュアルでハイブリッドは全てオートエアコンとなる。

コンソールについてはヤリス クロスとヤリスでは形状が異なっている。また AT セレクターのシフトパターンも異なっていて、ガソリンの場合はヤリス クロスではマニュアルポジションを持つオーソドックスなティプトロタイプだ。しかしヤリスでは直線式でDの手前に降版用のBがあるタイプだ。

コンソール後半は両車で全く形状が異なるが、これはパーキングブレーキがヤリスクロスでは最近のトレンドである電気式だが、ヤリスではオーソドックス、というよりも今となっては時代遅れのレバー (メカ) 式である事が原因だろう。

では何故にこの違いがあるかと言えば、リアブレーキがヤリスクロスはディスクブレーキであるのに対してヤリスはドラムブレーキである事が原因であろう。ディスクブレーキにはキャリパー自身にパーキング機構を組み込むP付きと、別にパーキング専用ドラムを持つドラムインがあるが、ヤリスクロスのような軽量なモデルではP付きで充分であり、これに電動機構を組み込むのは比較的簡単だ。

次にガソリンとハイブリッドによる相違点をヤリスクロスを例として比較する。先ずハイブリッドは AT セレクターが直線式となり、これはヤリスのガソリンと同じだ。

次にコンソール上のスイッチは基本的には共通だが、ハイブリッドでは EV モードのスイッチが追加されている。

頭上のオーバーヘッドコンソールは両車とも共通となっている。

ステアリングホイールはヤリスクロスではZとGが本革巻きでXのみがウレタンとなる。ところが、ヤリスではZのみが本革巻きとなる。スポークに装着されるステアリングスイッチは全グレードに標準装備されるが、グレードによって加飾が異なる。まあ機能には関係無いが。

メーターについてはヤリスクロスではZ用として中央に7インチカラー TFT ディスプレイと両サイドにオプティトロンメーターを配したタイプが使用される。そして左のメーターはガソリン (回転計) とハイブリッド (チャージメーター) では異なる。

そしてGとXでは中央の TFT ディスプレイが4.2インチとなり、メーター類は全てデジタル表示だが、最新の CG 表示ではない。

なおヤリスでは全てが 4.2インチのタイプとなる。

ダッシュボード右端にはスイッチのパネルがあり、これ自体は両モデルとも共通となっている。

最近はペダル踏み間違い事故が多発しているが、ヤリスクロスのペダル配置を見れば、まあ踏み間違い防止という意味では感心できない配置で、右足でブレーキを踏む場合には大きく左に寄っていて、自然に足を延ばした状態ではアクセルペダルを踏んでしまう。

ヤリスのペダルもヤリスクロスと共通となっている。またカローラと比べてみてもほぼ共通だから、トヨタの小型車はほぼ共通となっている事になる。因みにプリウスも殆ど同じだ。

コンソールは前述のようにヤリスクロスとヤリスでは形状が異なる。

こうして見ると、ヤリスクロスとヤリスは外観上ではマルで違うクルマだが、プラットフォームや室内を比べれば多くの共通点があり、トヨタのクルマ作りの上手さに関心するところだ。そしてどちらを選ぶかは生活環境や好みで違うが、買い得感のあるのは間違いなくヤリスクロスだ。

ヤリス 1.5 G の195.4万円に対して、ヤリスクロスの同グレードは 202.0万円と、その差はたったの約7万円だ。これはどう考えてもヤリスクロスの勝ちだろう。

因みに自販連の販売データーを調べたら、ヤリスクロスをヤリスの1バリエーションとして統計上は一緒になっていた。しかし、そんな売れ筋2車種を一つに纏めたらば、結果はダントツにならないか、と思うだろう。結果は、ハイ、その通りで、9月の売り上げでは2位カローラ (13,505台) 、3位ライズ (13,077台) に対して 22,066台というぶっちぎりの1位だった。

 


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