B_Otaku のクルマ写真館
 Toyota Prius PHV

PHV (Plug-in Hybrid Vehicle) はコンセントから差込プラグを用いて直接バッテリーに充電できるハイブリッドカーの事であり、HV  (Hybrid Vehicle) の本家たるプリウスは 2015年末に FMC により4代目 (ZVW50) が発売されたが、PHV については旧モデル (ZVW35) が継続販売さていた。そのプリウス PHV がこの度 FMC されて ZVW52 となった。型式から見ても先に FMC されたプリウス (ZVW50) の兄弟車というのは判るが、さてその内容はといえば‥‥

下表のようにガソリンエンジン (2ZR-FXE) は従来からの使い回しで、メインのモーター (1NM 72ps) も ZVW50 と同様だが、今回の PHV の最大の特徴はフル加速時には充電用モーター (1SM 31ps) を駆動用として使用することでモーター駆動時のパワーアップを図った事だ。

その新型 PHV のエクステリアはといえば

一見たところでは殆ど HV モデルと変わらないが、上表を見れば PHV の方が全長が 95㎜ も長いのは一体何処が違うのだろう。

そういう眼で見比べると何となくリアオーバーハングが違うような気もする。

以上2017年3月4日掲載分


先ずは前回の宿題だった HV と PHV の全長の違いをサイドビューから検証してみる。結果は見てのとおりで PHV はリアーオーバーハングが明らかに長かった。それではその理由はと言えば最後の部分で説明するので、もうちょっとお待ちを。

次にフロントフェイスの比較をすると‥‥

HV とはグリルのデザインが異なっている。これって両車は別のクルマ、という印象を狙っているのだろう。

そしてリアはといえば、これまた見事にデザインを変更している。まあ、リアについては前述のようにリアオーバーハングが 95㎜ 長い事から、この部分を新設計する必要があったから、違って当然でもあるが。

今度はリアラゲージスペースを比較してみると‥‥

床面積ではそれ程変わらない、というか全長の長い PHV の方が僅かに広い (長い) くらいだが、何やら床の位置が高いのでは?

そこで角度を変えて見ると確かに PHV は床面が 100㎜ くらい高い。そこには何があるのかと思って後端にある小さなノブを引っ張ってみたらば長手方向に150㎜ 程が外れて、そこには狭ま~いスペースが現れたが、一体何に使うのだろうか?

ここでラゲージスペースの床が高いことと前述のリアオーバーハング延長の種明かしをすると、ここはバッテリーの設置スペースだった。

結局 PHV というのはエンジンが必要な事では HV であり、大型バッテリーが必要な事では EV というように両車のデメリットを背負っている‥‥何て言う事は申しませんよっ!

以上2017年3月9日掲載分


ボンネットカバーを開けると‥‥あれっ? 何やら違いが全く判らない。

新 PHV の特徴として発電用モーター (ジェネレーター) を加速時には駆動モーターにも使用できるという事だから、当然ながらそのジェネレーターは HV とは違う筈だ。そこで PHV のカットモデルでそのジェネレーターを確認すると写真下の黄色枠の中、拡大してみるとエンジンルームを上から見たのでは見えないところにあったから、なる程違いが判らない訳だ。

新型 PHV の目玉の一つにはルーフにソーラーパネルを貼った太陽光充電仕様があることで、成る程ルーフはそれらしきパネルが付いている。ただし、このパネルはボトムグレードにしか取り付けられないそうで、これはソーラーパネルの重量が大きいために車重の軽いボトムグレードでないと、返って燃費が悪化してしまうという殆どギャグの状態で、やはりこれは将来に向けての提案の一つという事で、実際にユーザーが買うかと言えば、まあ立場上で官公庁が買うくらいだろうか。

PHV だから当然ながら充電端子が付いている。

標準は写真左下の 195/65R15 タイヤにブラック塗装アルミホイールの上からホイールキャップが付くという歴代プリウスでもお馴染みの方式で、オプションとして写真右下の 215/45R17 タイヤとアルミホイールが用意されている。

ホイールのブレーキユニットは極普通の片押式のシングルピストンキャリパーだが、シリンダーハウジングは色からして前後ともアルミのようだ。恐らく HV 仕様と共通だろう。

結局ここまでのところでは HV をベースとしてバッテリー搭載のためにリアオーバーハングを延長したもの、というところだ。

以上2017年3月10日掲載分


ドアを開けて室内を比べると‥‥まあなんというか‥‥違いが判らん!

それでもシート表皮は違うだろう、ということで‥‥

先ずはベーシックなファブリックシートを見ると HV (写真左下) とは表皮の柄が違うが、その程度だ。

次に上級グレードのレザーシートを比べると、これは全く同じモノのようだ。なお、レザーシートは電動のポジション調整スイッチが見える。

次にドアのインナートリムだが、実はこれは両者で全く同じモノを使用しているために、流石に両車を並べるのもバカバカしくなったので片方のみとする。

質感はショボいプラスチック丸出しで、まあ運転中には目に入らないのだからコンナところには金をかける予算はない‥‥というところか。

想像はしていたけれど、PHV だからといって特に変更する理由も無い訳で、ほとんどが HV と共用されていた。

以上2017年3月13日掲載分


次にフロントダッシュボードを比較すると、ひと目でセンタークラスターの違いが判るだろう。

HV では今となっては一般的なというかチョッと古い配列だが、PHV は縦長の大きなディスプレを使用して、これをタッチパネルとして使用することで大幅にハードスイッチが減らせるという先端のものになった。尤も、この手の方式ではテスラーが更に大きなディスプレイと殆どのスイッチを廃止しているのに比べればイマイチ徹底していない面もあるが、まあテスラーは一千万円級の高級車であり、ユーザーも先進の考えを持ったハイレベルの階層ということで、より一般向きのプリウスでは取り敢えずこのくらいにしてみた、ということだろう。

メーター類はどちらもほぼ同じセンターメーターで、まあこの位置のメーターは個人的には好まないが、トヨタはプリウスでは何故かこのセンターメーターを頑なに固辞している。

両車の違いということでは、何故か PHV はリアシート中央にあるアームレストが畳めない。要するに4人乗りなのだ。HV に比べて特にリアが狭いわけでもないのに何故だろうか? もしかしてシートの下のその答えがあるかもしれない‥‥

そこで PHV のカットモデルを調べてみると、リアシート中央下には‥‥いや、特に4人乗りにすべき理由は見つからなかった。しかしこの比較でもう一つの相違点を確認できた。

実は最初は気のせいかとも思ったのだが、PHV のフロントセンターコンソール後端のアームレスト部分が少し長いように感じていた。そこでフロントシートを同じ位置にセットして比べたのが下の写真であり、確かに PHV の方が長い。そしてその理由は上の写真を見れば判るように、この部分はソーラーバッテリーの収納スペースだった。尤も、PHV とはいえソーラーパネルを装着したクルマは一部だと思うが、これは部品の共通化ということで PHV のセンターコンソールが設定されたと推定する。

ということで、 プリウスの PHV と HV を比較してみたが、想像通りで殆ど違いは無かったが、センタークラスターのタッチパネル化など PHV の設計時点が新しい事を感じさせる部分もあったわけで、HV モデルも近い将来はこれに追従するだろう。

ところで、この PHV の走りで一番の興味は加速時には発電モーターも駆動の補助として使うという点で、これについては例によって MEGAWEB で確認してみたので、簡易試乗記として纏めてある。

以上2017年3月15日掲載分

⇒ TOYOTA Prius PHV 簡易試乗記 (2017/3)