B_Otaku のクルマ写真館
 Tesla


テスラ モデルSは現在の主力モデルであり、日本でも販売されている。下の表を見れば判るように、モデルSのサイズは他の EV に比べてかなり大型で、BMW でいえば7シリーズに相当する大きさだから、米国ならともかく日本で使用するとなると都心の狭い道では取り回しに苦労するし、世田谷の一部のように戦前の規格の道路では入ることすら出来ない場合もありそうだ。

ボディーのデザインは意外にもオーソドックスというか無個性というか、見た瞬間にテスラと判るようなアイデンティティも無いから、街中でこれを見たらば何のクルマだか判らないだろう。尤もテスラ自体、日本人で知っている人は殆どいないだろうが‥‥。

 

スペックを見るとテスラ S は他の EV に比べて最もベーシックな ”60” でも 380ps 440N-m というモーターの性能は圧倒的で、このため動力性能は 0-100km/h が5.8秒と発表されている。

モデルSには上位から ”P90D” 、"90D"、 "60" の3グレードがあり、更に "60" には RWD と AWD が選択でき、それ以外のグレードでは全て AWD となる。因みに P90D ではフロント用500ps、リア用 257ps のモーターにより 0-100km/h 加速は何と 3.3秒と発表されている。

 

テスラ モデルSの2015年米国販売台数は 22,800台で、その前年の18,000台に対して確実にアップしている。ところでこの販売台数を見ると、何故かテスラだけは100台単位の数字になっているが、想像すれば毎年の販売台数は計画生産でありそれ以上は作らない、というか作れないのだろう。

2015年の22,800台は月平均で1,900台だから、高価格帯の大型セダンとしては決して悪い数字じゃあないし、正直言ってこの数値を見た時には思いの外売れているのに驚いた。そのテスラはモデルSよりも小さくて価格帯もより安いモデル3を発表しているし、以前の日記でも触れたが2017年からのデリバリーというのにネットでの予約では1周間で約32万台の応募があったという。

日本での予約金は15万円で、米国での予約金額は不明だが同じく15万円と仮定すれば32万台で480億円となり、約300万円の車両を販売した場合は32万台で約1兆円となるから、これは十分な商売になるだろう。

とはいえクルマ作の経験が無い企業が行き成り高価格車を生産しているのだから、現行のモデルSだって色々問題は出てくるのは当然だ。次回はモデルSのユーザーによるレビューなどを元に現在の車両の情況を纏めてみる予定だ。

なお、テスラ モデルSの詳しい写真と解説は以下にて↓
https://www.netcarshow.com/tesla/2013-model_s/


以上2016年6月17日掲載分


今現在のテスラの主力車種であるモデルSが最近マイナーチェンジ (MC) されて、日本上陸の最初のクルマが展示されている。ということで今回は急遽 MC 後の最新モデルSを写真で紹介する事にした。

 

従来型の写真と比べるとフロントのバンパーにあるボトムグリルの変更という、MC の定番が実施されている。ただし従来のような大きなグリル (に見えるデザイン) ではなくなった。考えてみればラジエターが無いのだかグリルだって不要なのだが‥‥。

それにしても実際に実車を目の当たりにすると、やはりデカい! しかしそのデカさにより結構迫力があるしスタイルも写真より良くみえる。

ヘッドライトに LED タイプを使用しているのは走行以外の電気を極力節約する必要がある EV では当たり前だが、どうもこの MC で初めて LED 化されたらしい。

リアにある充電用のコネクターは日本車やドイツ車の統一された規格とは異なるものを使用しているが、一応アダプターがあるらしい。

 

フロントフードを開けると、そこには小さいながらもトランクスペースがあるが、そのサイズは丁度ポルシェ 911 と良い勝負となっている。その後方のスペースにはフロント用のモーターや駆動用電気機器類が入っているという。

フロントのラッゲージスペースはポルシェ 911 並だったが、リアゲードを開けると驚くほど広いスペースが現れる。取り分け奥行きの長さは圧倒的で、これに勝るサルーンを見たことが無いくらいに広い。

更に床板を持ち上げると後ろ半分には多少のスペースが現れる。

装着されていたホイールは標準の19インチだが、オプションで21インチも選択できる。

ブレーキにはブレンボ製と思われる4ポットオポーズドキャリパーを前後に装着しているが、更に特徴的なのはリアには別にパーキング専用のブレーキキャリパーを持っている事だ。このタイプはスーパーカーなどに付いている例はあるがサルーンでは珍しい。

以上2016年6月19日掲載分


今回はドア開けて室内を見るために、先ずはドアノブを引こうとしたら何とボディと平な位置 (写真下①) で、これはどうするのだろうかと考え、そう言えばNISSAN GT-R では一端を押すと反対が持ち上がって、これを引けばドアは開いたから、ということで一端を押してみたが何も起こらない。

実はリモコンでキーを解除するとドアノブはニューっと出てきた (写真下②) 。

リモコン (写真左下) は一見すると全くスイッチ類が見当たらないが押す場所によって機能があるようで、これを行き成り渡されてもサッパリ判らない。

ドアを開けてドアヒンジを見ると、BMW などに比べれば薄っぺらい板金加工品で、しかも国産車のような大規模な金型でプレスしたものではなく、その辺の町工場で作ったような創りだった。まあ生産台数が少ないことからこういう設計にしたのだろう。次のモデル3では恐らくもっと大量生産を前提にしたモノになるとは思う。

室内を見ると、加速性能がNISSAN GT-R 並ということもあり、フロントにはスポーツカー並の形状のシートが付いていた。

ポジション調整はオーソドックスな電動タイプとなっている。本皮のシート表皮もこのクラスとしてはマアマアの標準的な質感を持っている。

ドアのインナートリムはチョッと凝ったデザインだが、基本的には世間の常識からそれ程離れていない。

写真のクルマはかなりの上級仕様らしくレザーにステッチの入ったパッドなど、高級サルーンらしさはある。

ドアノブ付近の金属パーツもつや消しクロームを使用するなど、十分に高級な質感を持っている。

少し前のレビューでは価格の割に安っぽい内装が批判されていたようだが、今回の後期モデルは十分に改善されているようだ。

以上2016年6月20日掲載分


今回は引き続きインテリアを紹介する。

ダッシュボードには何やら巨大なディスプレイが‥‥

モデルSは全てのコントロールを縦長の17インチタッチディスプレイを使って行うために、他車のようなスイッチやら LED 表示などを持ったパネル類は存在しない。このディスプレイは例えばサンルーフの開閉を選択するとルーフの絵が出てきて、これを指で開く方向にスライドさせると実際にサンルーフがスーッと開くという具合だ。

そしてセンターコンソール上にはATセレクターもコマンドダイヤル類も何も無く、後方のアームレストにカップホルダーがある程度だ。

 

欧州車ならばライトスイッチ等がある筈のダッシュボード右端にも何も無い。なお写真のクルマは上級グレードのためにダッシュボードの天板はステッチの入ったアルカンターラを貼ったパッドとなっていた。勿論下部はレザーでその中間にはウッドのトリムが使われている。

ステアリングホイールの左側に隠れた部分には‥‥やはり何も無かった。

フロントのフロアコンソール後端には一般的なリア用アウトレットが付いている。

 

ステアリングホイールは当然ながら未来的な形状を想像したが、意外にも普通だった。

正面のメータークラスターにはメーターらしきものは無く、全てがカラーディスプレイ表示となっている。

テスラ モデルSは第一印象ではそれ程ぶっ飛んだ操作体系というわけではないが、タッチパネルによるタブレット PC みたいな操作など、やはり最先端ハイテクカーという雰囲気はある。

既に述べたが、今回のクルマはかなりの上級グレードということもあるが、世間で言われているような出来の悪い内装という訳ではなかった。正直言って1千万円以上出して、この内装はないだろう、何て言うのを楽しみにしていたが、残念ながら (?) その期待は叶わなかった。

そうは言っても、フルレザー&アルカンターラなどの高級素材を使っている割には、BMW 7シリーズのような見た瞬間に高品質感が漂っているというまでには至っていないのは、やはり経験不足だろうか? まあ、それを言ったらば日本車だって戦後半世紀以上もクルマを作り続けて、中級以下では世界一の座を確保しているが、高級車となると何とか追いついた、いやマダマダなんていう状況だから、数年程度のテスラがそう簡単に高級車を作ったら日本の立場は丸潰れ!

ということで、本命である来年発売のモデル3には期待が出来る‥‥かな?

以上2016年6月21日掲載分

⇒ Tesla Model S 試乗記 (2016/7)